毎年新型のマウスで全国大会に参加するのは非常に大変なことだ。メカ部分は、ほぼ完成しているがハードとソフトは半分程度しか進んでいない。 全国大会までに完成させることは困難な状況にある。
ま、なんだな卒業制作というわけでもないし、納期が決まっているわけでもない。来年の全国大会までは生きているだろうと勝手に決めて、のんびり行こうと決心したおじさんです。
現在は、メカとハードはそこそこ完成に近いづいているが、ソフトが未完成。ともあれ、例年のとうり、新型マウスの制作過程を公開することにした。
昨年は4輪、今年は3輪、するってぇと来年は2輪で、2002年は1輪のマウス。2003年は車輪無しか。
右の写真は、前輪をエンコーダ側から撮った写真です。
アルファ技研のロータリーエンコーダの軸を切断して、真鍮の軸付きホイールに圧入。ここの加工が最も難しかった。
ベアリングに入る軸受けシャフトの精度はマイナス100分の1。エンコーダのシャフトを圧入する穴径はマイナス
100分の3。
加工に2回失敗した。自分で設計したから造ったが、人に依頼されての加工なら、断るだろう。勉強になりました。
エンコーダの信号線を固定している結束バンドが、ほんの少しホイールの内側に接触しているみたいで、回転が長く続かない。
あと、0.1mm削ればあたらないと思うのだが、根性が無くなった。
左の写真は、前輪をL型アーム側から撮った写真です。
エンコーダのシャフトを圧入する穴径が、1.97mm。ホイールの軸をベアリングに固定するネジのピッチがM2なので、
下穴は1.6mm。
いま考えても、よくも、まあ、こんな設計をしたもんだ。おじさんはアホや。
タイヤはミニ4駆の小径タイヤで、スポンジにゴムがコーティングしてあるもの。98年型マウスの前輪に使ってみたがグリップはあまり良くないみたいだ。
自作できないか考慮中。
右の写真は軸付きのステアリングプーリー
98年型も99年型マウスもL型のステアリングアームと歯付きプーリーは別々に造り、ホーローネジで固定していた。この構造は
加工し易いという反面、高さが高くなってしまうという欠点が有った。
これを、歯付きプーリーに真鍮の棒を圧入して一体整形し、L型アームの取り付け軸を造った。そして、アームの取り付け軸に
3mmの止め穴を空け、これにステアリング角度を検出するためのポテンションを取り付ける構造に変更した。
この構造にすることによって、マウスの高さを約10mm低くすることに成功した。
左の写真は、ステアリングとモータの部分です。
99年型は、前輪と後輪を1個のモータで動かすという構造のため、歯付きベルトはたすき懸けになっている。
そのために、ベルトの長さを計算で求められない上に、テンションを調整するための小プーリーを取り付けていた。
2000年型は1個の前輪を1個のモータで動かすため、計算でベルト長を求めることができた。そのためモータの取り付け位置を
調整可能な構造にする必要も無く、1発必中で取り付けok。
写真には写っていないが、モータ軸の長さを調整するために造ったスペーサーは、我ながら凄く上手くできたと思う。
加工方法も加工精度も申し分無し。分解しないと見せられないのが残念だ。
1mm厚のアルミ板にモータの取り付け穴と軸穴を空ける。これを、やや大きめの円形に切り落とし、旋盤で円形に仕上げて完成。
右の写真は、前輪を正面から見た写真です。
タイミングベルトは、98年、99年型と同じ、椿本チェインのMXLタイプ3.2mm幅のもの。プーリーは同タイプの
棒状プーリー(24MXL)を5mmに切断して使用。
ポテンションの取り付けは、前述のとうりステアリング用プーリーとL型アームの取り付け軸を一体加工した。取り付け軸に
3mmの穴を空けて、ポテンションの軸を直結してあるのも前述のとうり。
左の写真は、駆動部分です。
駆動モータは小型高性能のエスキャップ社製のDCモータを使用。タイヤはミニ4駆のスリックタイヤ。ホイールは、タイヤに
合わせてジュラコンで自作。精度はまあまあ。
協育ギアのモジュール0.3のものを使い、ピニオンと平ギアの1段減速。トルクなどの計算はできないので
していない。
ここの加工精度はバッチリ。満足のできる精度に加工できたと思う。加工の腕が上がったと思っている。
ソフトで悩んでいるよりは、旋盤を廻しているのが好みに合っているみたいだ。