新型マウスの制作は少しづつ進んでいるが、全国大会に間に合うか自信がない。間に合わなかったら そんときはそんときのはなし。
誰も持っていない技術で、誰よりも速いマウスを造るまでは、毎年新しい試みをした新しいマウスを造って全国大会に行くのだ。 止まってしまえば差は広がるばかり。
走れ、止まるな。・・・・・寄り道もするなって
右の写真は、γ型スターリングエンジンの冷却フィンとピストンです。
ものの本に「初心者向けに」と書いてあった、ガラスの注射器をピストンとシリンダーに使用したエンジンです。
ガラスの注射器が青砥で切断できるとは知りませんでした。
おじさんとしては、持っている技術の全てを使って造りました。特に冷却フィンが自信作です。ハイスで厚さ1mmの
突っ切りバイトを造って旋盤加工した。
加熱シリンダーは、SUS303が無かったので、試験的に快削黄銅で造ってみた。先端に段差を着けたのは、
『美しくなければ機械では無い』という、おじさんの信念の現れです。
下側は注射器の内筒を使って造ったピストン。長い方がディスプレーザーピストン、短い方がパワーピストンです。
スモールエンドはアルミ丸棒を注射器の内筒の内径に合わせて現物合わせ。ちょっと大変でした。
クランクシャフトをどうやって造るか、加工の手順を考えているがアイデアがでない。黄銅の丸棒から削り出しで
造る計画だが、かなり難しい。
『こんなことをやってるからマウスが完成しないんだ!!!』という怒号は無視するのだ。
左の写真はホイールとタイヤのアップです。
ホイールはジュラコンの丸棒からの削り出し、タイヤはミニ4駆のスリックタイヤという、98年型、99年型と
同じ組み合わせ。
重量とベアリングの取り付け穴の加工を考えるとMCナイロンが使いやすいのだが、黒のタイヤと青のMCナイロンでは配色が好みに合わないので却下。
しつこいようだが、性能ではなくおじさんの好みを優先させるのだ。
シャフトはRCcar用の3mmのものを切断して、M3の雄ネジを切ってある。材質はSUS304の研磨材(だと思う)。
ベアリングは内径3mm、外形5mmのフランジ付きZZタイプ2個をホイールに圧入。ホイールはスペーサーを噛ませて、ナットで押さえてある。
右の写真は駆動部の減速ギアのアップ。
駆動部分はモータに取り付けたピニオンギアと平ギアの1段減速。減速比は不明。大きさでギアを選んでいるので、歯数は忘れたのだ。
ギアは、協育歯車のモジュール0.3のボス付きのギアを加工して、ジュラコンのホイールに圧入してから、M2の皿ネジで固定。
このへんの構造は、ちょっとしたノウハウが有るのだ。
走行させてみて、トルク不足を感じたら平ギアを交換するよりも別のホイールを造ることにしよう。
旋盤とフライス盤が手元に有るとはいえ、加工は面倒だ。
修正するよりは新しく造ったほうがはやいだろうきっと。
左の写真は、エンコーダとステアリング部分のアップです。
99年型は、車輪とモータを一緒に振り回す方式の4WDSにしたわけですが、L型アームの取り付けが大変でした。
今回は前述のとうり、前輪のホイールの中にロータリーエンコーダを組み込むのに苦労しました。
苦労の甲斐有って、我ながら上手くできたと思ってます。
ただ、最も重要なデータを取り込む前輪のタイヤのグリップがどうも良くない。こんのど週末にタイヤを自作する
ことにする。
タイヤの断面は円形になっているので、3輪のマウスには最適の形状だ。つまり、遠心力でマウスが料傾しても
タイヤの半径が変わらないので、距離の誤差が生じない。
ただ、問題が二つ有る。一つは前述のとうり、グリップが良くない、はっきり言えば凄く悪い。前輪がスリップされれば、どうしようも無い。
二点めは、柔らかいということ。
溝の無いスリックタイヤではあるが柔らかい材質(たぶんスポンジ)にゴムをコーティングした構造のため柔らかく、
力を懸けると簡単にタイヤが変形してしまうのだ。
走行速度が変わって、前輪に懸かる荷重が変わると走行距離に誤差が生じる可能性が有る。旋回の角度も
エンコーダからの信号で制御する計画なので、ここから誤差が発生しては対処できなくなる。
これは、設計ミスだ。走行距離は独立した小型車輪とロータリーエンコーダで計測し、旋回角はジャイロで制御するように
設計すべきだった。
一つの構造体に、二つの仕事をさせるという基本設計が悪かった。次回は変更しよう。
右の写真は、自作したタイヤと前輪のパーツ。
グリップの良くない市販のタイヤを組み付けて、調整で苦労するよりはグリップの良いタイヤを自作したほうが良いだろうと
考え、タイヤを自作してみた。
4種類の材料を試験した。若干グリップは落ちるが、最もありふれてる部材が良いだろうということで試作したのが、
フロントのホイールに組み込んだタイヤ。
ゴムを旋盤で削るというのは、これまた難しい。3個失敗して、4回目で成功。失敗は、切削面が荒れるなどの切削の失敗ではなく、
精度をだせなかったので、使用できないという理由による。
どうにかタイヤの自作に成功したが、同じサイズのものを4個造るとなると、自信が無い。というか
私の技術ではできないだろう。
ゴムを冷却して固くしてから削るという加工法も有るそうだが、おじさんには不可能だ。ともかく市販品よりはかなり
グリップの良いタイヤが自作できたが、今回の作業も、結構大変だった。
治具を造るとき、突っ切りバイトを折ってしまった、泣き・・・・
右の写真は、自作したタイヤを組み込んだ前輪と市販のタイヤ。
自作のタイヤをホイールに入れて組み付けた前輪。市販のタイヤと比較すると、断面が平らになっているのが判る。
4輪ならこれでも良いが、3輪のマウスの場合、前輪の断面は平面で無い方が良いような気がするのだが。
いまさら考え込んでもしかたが無い。汎用旋盤で、断面が半円になるように切削するのは非常に困難な作業だ。
ましてや、加工する対象が柔らかいゴムではなおさらだ。
ゴムの切削は今後の研究課題としよう。