ロボット相撲2001東北大会

 平成13年9月16日 宮城県仙台市 宮城県スホーツセンターを会場にロボット相撲東北大会が行われました。
 参加台数は高校の部自立型65台・ラジコン型134台、全日本の部自立型120台・ラジコン型167台の延べ486台でした。


祝 自立型 高校の部 準優勝
4年連続高校決勝大会出場

しこ名「天の童3」
呼び名「逆川01」

担当者 1年 大坂友人

特徴
 我々伝統の「速攻型」マシン
 完成度の高さは抜群。
 重心バランスが絶妙である。

祝 全日本の部 自立型 第5位入賞
   2年振り4回目の両国出場です。

しこ名「天の童1」
呼び名「朧雲山」

製作担当者 3年 五百川 佳裕君

特徴
  01年新作
  ベルトドライブ4駆速攻型
  磁石搭載
  戦闘用ツメ搭載
 


9月15日(土)
<最終調整と仙台移動>

午前9時集合
 簡単なミーティングを行いラジコン型から最終調整を行いました。
 ラジコン型には3年横尾 龍一君・2年芳賀 忠三君・1年大沼 聡司君の3名がエントリーしています。タイプの違う3台のマシンで、どれも勝ちパターンを持っています。昨年度ラジコン型惨敗の悔しさを晴らすべく、順調に調整が終わりました。我々としては最強ラジコントリオだと確信しています。

午後11時30分
 自立型の最終調整の開始です。
 まずは1年大坂 友人君の「逆川01」からです。山形大会でみせた”切れ味”が若干なく、原因チェックとなりました。
 2番手は1年安孫子 知明君の「駒見山」です。現在校内ではスピード・パワーとも最強、最も期待を寄せるマシンですが、フロントブレードの接地に問題点が見つかり、慌てて修理です。
 3年源間 正人君の「舞鶴山01」と五百川 佳裕君の「ろう雲山」は最後の大会でもあり、各自に任せました。

午後2時頃
 山形大会ではさっぱりの成績だった3年生マシンも見違える動きとなり、また「逆川01」動作不良も改善され、いよいよ仙台移動という矢先、大事件発生!!
安孫子君が「駒見山」のブレードで手を切ってしまいました。(まずい)
すぐに止血し、しばらく様子を見ましたが傷は深そうです。
とにかく全員荷物をまとめ車に乗り込みました。病院に直行、すくに手当をしてもらいました。土曜の午後は休診でかつ祭日にも関わらず天童市内の吉岡病院で治療をして頂きました。関係者の皆様誠にありがとうございました。
 応急処置も終わり、午後3時30分仙台向け出発しました。

午後5時
 目的地である宮城県スポーツセンターに到着。ホテルからの道順と駐車場等を確認し、移動完了です。
 みんなで夕食をとりながらミーティングをし、あとは全て各自に任せました。
 さぁ、いよいよ大会だ!!

9月16日(日)

<午前9時>

 雰囲気に早く慣れてもらうため会場入りしました。1番乗りと思っていたのですが、会場にはすでに大勢の人がいました。
 同じ山形の酒田工高 高宮先生や寒河江工高 芦野先生・安孫子先生山形工高 横戸先生そして長井工高青木先生などぞくぞく知っている顔の到着です。
 砂田さんや阿佐美先生・太田工高の齋藤先生は既に会場入りしていました。そして今年も主役であろう千厩東高校の梅村先生も到着です。とかく全国大会クラスの人達が揃い、こちらもだんだん緊張してきました。

<準備OK?>

組み合わせは?1回戦の相手は? トラブルは無い?・・・・。
とにかく心配で自立班とラジコン班の間を行ったり来たり、試合前最も不安に包まれている瞬間です。

<試合開始>

なんと、ラジコン型F土俵の第1試合は芳賀君でした。
第1試合と言うことで、たくさんの人が土俵の周りに集まっています。
人混みの間をかき分け何とか試合を見ることができました。
「ハッケヨーイ ノコッタ」、芳賀君の「天山」、ブレードが見事に倒れ相手の下に潜りました。あとは土俵外へ一直線。昨年1回戦負けの悔しさを晴らし、見事に初勝利です。(1年間よく頑張ったね)
よーし、いつもの調子だ!とにかくホットしました。自立班へすぐ連絡しました。この1つの勝ちが、皆の緊張をほぐしてくれたようです。

<ところが>

やはり続かないものです。何とラジコン型3年横尾君がまさかの1回戦敗退です。

<その後は>

 とにかく高校の部土俵が1枚だけだったので自立班に付くことにしました。2回戦の全試合を見、勝ち上がり表をチェックしながら目標のベスト8に届くか検討しました。幸いにも千厩東高校とはベスト8まで当たらない組み合わせで、もしかしたらベスト8に4台残れるかもの期待をして見ていましたが、残念2回戦で3年源間君が1−2の逆転負け、そしてなんと1年安孫子君の「駒見山」が2−1で勝ったにもかかわらず、3005gで反則負けになってしまいました。何が起こったのか、耳を疑いました。目の前が真っ暗になった瞬間です。相手は秋田の横手工高でした。(やはり伝統校、簡単には勝たせてくれません)
 「これで今年は終わったな」とあきらめ、外の空気を吸いに体育館を出ました。

<気を取り直して>

 「まだ2台残っている」、最後まで諦めわけには行きません。とにかく応援と思い、土俵に戻りました。大坂君の「逆川」は3回戦盛岡工高に勝ち目標の高校ベスト8到達です。さらに五百川君も大曲工高に2−1で逆転勝ち。辛うじてベスト8到達です。
 続いて行われた準々決勝、「逆川」の相手は青木先生率いる長井工高のダブル吸盤マシンでした。鉄板土俵で吸盤の威力が倍増し、全く勝ち目がありません。幸いなのは低速であるということだけでした。
 1本目は予想通り相手の後ろに回り込めましたが、びくともしません。取り直し2回目後の勝負で、ついにつかまってしまいました。相手の正面に入り、敢えなく土俵外に突き落とされました。「逆川」もここまでかと思った2本目の立ち会い、相手のブレートに若干の隙間が発生していました。まだツキが残っているとしか思えません。とにかく大坂君は立ち会いに全てをかけ、正面から突っ込んでいきました。それがみごとに当たり、ロボットを土俵からはがすことができました。形成一転、3本目もあっさりかち、「逆川」にしては珍しい(初めて?)2−1の逆転勝ちでベスト4進出です。 

 思えば私達に8年前、手取足取り指導して頂いたのが長井工高の青木先生です。本当の意味で「土俵で恩返し」ができた瞬間でした。

<まさかまさかの決勝戦>

 同様、高校ベスト8進出した五百川君の「ろう雲山」の相手は地元宮城県工高でした。一瞬会場全てを敵に回しているような感じにつまれ、予想通り、0−2の完敗でした。
 でもじっくりみさせてもらいました。終了後3年源間君、負けた五百川君そして大坂君との緊急作戦会議です。「負けても3位決定戦がある」の気楽な気持ちで望んだのか、いや宮城県工高のロボットが「ろう雲山」戦で故障してしまったのか、明らかにおかしいようです。今日2回目の”ツキ”です。 このような形で勝つのは誠に申し訳なかったのですが、何とか勝たせてもらいました。
 「逆川」、あれよあれよと決勝戦進出です。(でも相手は千厩東ではない?どうしたの。)
 高校の部決勝戦は秋田の横手工高でした。予想通り全く歯が立ちませんでした。1−2であっさり敗れました。
 とにかく「ツキ」だけで勝ち上がったこのマシン、一体何で強いのか未だに分かりません。

<最後はやはり3年生>

 昨年と同じ状況で、全日本の部決勝トーナメントが始まりました。
ベスト8に2台残ったのも昨年同様で、また悪夢が蘇ってきました。そしてついに「逆川」の「ツキ」が切れたのか、昨年と全く同様モータドライバボードが故障したようです。真っ直ぐに走らずその場でくるくる回り出しました。敢えなく1回戦敗退です。
 しかしながら3年生最後の意地なのか、五百川君の「ろう雲山」は1回戦を見事に突破。残念ながら2回戦敗退したものの「最後の代表の切符」を懸け、敗者復活戦に望みました。相手はこれまた地元の仙台電波高専校です。千厩東高校と同じ東北の雄、全国大会上位常連校です。もともと今年のモデルは超速攻の「仙台電波高専マシンより速い」を目標にモータ選定したので、最後の最後にその真価が問われることになりました。
 さぁどうだ、と思った1本目、何と今日3回目の「ツキ」です。またまた相手マシンにトラブル発生です。こんな事ってあっていいのでしょうか。仙台電波高専さんに勝ちを譲ってもらいました。


<表彰式>


<最後に>
 一端は諦めた全国大会の切符、「ツキ」だけで手に入れることができました。長くやっていればこんなこともあるのでしょうか。
毎年「今年こそと」思って全国大会に臨むのですが、大した成績は上がっていません。今年はどうなるのでしょうか。大会後も相撲ロボットの製作ができることを「幸せ」と思って、「今年こそ」頑張りたいと思います。

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