私達の考え方


 私たちは、上山市が大好きです。人口38000人の小さな街ですが、上山が好きです。

 私たちのまちには、人類の記念碑とよべるような遺跡も、先達の英知が結晶したような建造物も残されてはおりません。
 豊かな自然は、歌聖斉藤茂吉を育みはしましたが、魂が共鳴するような芸術も、既存の価値観が根底から覆されるような新しい発見も、私たちの町からは生まれませんでした。
 私たちの町は、歴史の表舞台に華々しく登場したこともありませんでした。
奥羽越列藩同盟の一員として、幕末の歴史に「上山藩」の名を残しましたが、時代の流れを変えることはできませんでした。
 でも、私たちは、上山が大好きです。自然や、この街に住んでいる人が大好きです。

 時の流れと共に「人」も「街」も変わっていきます。誰も止めることができないことは、歴史が教えてくれます。
 かつて、日本人は美しい羽根を求めて、朱鷺を絶滅させてしまいました。
 私たちの街づくりも同じ過ちを犯しては、「歴史に学ぶことができなかった愚か者」と、後世の人達に蔑まれることになるのではないでしょうか。
 単なる利便性や財政規模の拡大だけを求めて街づくりを考えることは、朱鷺を絶滅させた愚挙にひとしい、暴挙ではないでしょうか。

  ちょっと立ち止まって考えてみようではありませんか。

 いま、なぜ、合併なのでしょうか。
 山形市との広域合併以外に、私たちの街が生き延びる道はないのでしょうか。
 大きな街の一部となって、「街づくり」はもちろん、「人づくり」までも他人の手に委ねなければ、私たちの街は、21世紀まで存続し得ないのでしょうか。

 私たちは、感情的になって合併反対を叫ぶつもりはありません。もちろん賛成を唱えるつもりもありません。また、古くさい責任論をもちだし、個人批判をするほど愚かでもないつもりです。
 ただ、なにも知らないまま、なんの情報も得られないまま、合併を前提とした話しあいが進められるのだけは、耐えられません。
 今、私たちの街の存亡に係わる選択を迫られているならば、せめて充分な考える時間と現状の詳細な情報の開示が必要と確信しております。
 明るく、希望にみちた街を創るための、数ある選択肢の中から、何故「広域合併」の道を選ばれたのか、その明確な理由を知りたいと願っております。


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