オオミスミソウ


雪を割って開く


   例年にない今年の大雪も、3月半ばになってようやくその衰えをみせはじめた。
   
   「おとぎ★ランド」にもいよいよ春が訪れる。冬の間、じっと雪の中に被われていた草花
   にとって、この季節は「生」を謳歌する季節。ここ1ケ月の間に実に様々な花々が咲き乱
   れる。「スプリングエフェメラル」(春のはかなき命たち)といわれるこれらの花々は、その
   命の短さを知っているがため、いっそうのあでやかさをもって咲き誇るのだろうか?
   
   春植物の中で、最も早い時期に咲き出すがオオミスミソウ。雪がとけた直後に、もう顔を
   見せ始めることから、別名「ユキワリソウ」と呼ばれるものの一つである。類似の花にミス
   ミソウやスハマソウなどがあるが、3つの角をもった特徴的な葉がより大きいことから村井
   貞固氏が鶴岡で採取したものから広江博士が命名したとされている(若松多八郎;庄内
   身近な野の花・山の花)。
   
   花の色は、清楚な感のある白花が圧倒的だが、その中にピンク・青・紫の花がまじって群
   落をつくるため、満開時には夢のようなお花畑をつくりだす。
   それにしても、一見可憐に見えるこの花が、周囲に雪の残るうちから茎をあげ咲き出す力
   強さを見るにつけ、誰もがあらためて生命力に感銘を感じるだろう。
   
   そんなオオミスミソウの開花を皮切りに、次々と「おとぎの住人たち」の目覚めが始まる。