2002年
02.12.20 残留孤児637人が国の「生活支援が不足」と提訴 東京地裁 永住帰国した2500人の4分の1が参加した。@国の謝罪、A老後の生活保障政策を 求めていく方針。多くの孤児が戸籍を抹消され長い間、「棄民」されてきた。
12月19日 日弁連「在日朝鮮子弟への『脅迫的言動』は許せない」のアピール 北朝鮮が拉致を認めてから嫌がらせが続いていることから。
12月18日 国連総会、強制的失踪決議を全会一致で採択 強制的失踪の実行禁止を謳う。78年以来2年ごとに採択されている。58か国の共同提案。
被害者は「健全な状態で解放されなくてはならない」と。強制力はない。
02.12.17 政府、被爆韓国人2審勝訴問題で上告を断念
02.12.5 被爆韓国人、2審も勝訴 国と府の控訴を棄却 大阪高裁韓国へ帰国したことをもって被曝者援護法の手当て支給を打ち切るのは違法と 郭貴勲さんが受給資格確認を求めて訴えていた。一審は勝訴。郭さんは44年に日本 陸軍に徴兵され45年広島で被曝した。
11月 韓国 略称「元『慰安婦』生活安定支援法」〔1993年〜)の適用対象者(認定者)は207人
うち死亡者は72人、生存者135人。
11月19日 大阪高裁 韓国人元徴用工の控訴棄却戦時中、旧日本製鉄での強制労働で謝罪と補償を求めている。「旧憲法では個人の損失の賠償責任はない」「債権は65年の日韓条約で消滅した」と。
02.11 日弁連、戦時中の「強制労働」の救済を勧告在日と遺族の救済申し立てで謝罪と補償を政府と企業に勧告。
10月28日 朝鮮人強制連行真相調査団が東京駿河台記念館で23万人分の名簿発表厚生省は46年に総司令部からの指示で名簿を保管しているが公開していない。
10月7日 独巨大メディア(ベルテルスマン)、ナチスとの協力で謝罪独立歴史委員会(ナチスへの協力問題で設置)が、@戦争協力で利益を得た、Aユダヤ人を強制労働に使用した、ことを認め謝罪を声明た。
9月25日 米下院請求権小委で元米兵捕虜の補償問題で公聴会昨年3月、下院で「請求権放棄」の解釈変更を求める議員が半数を越した。(日米政府は対日平和条約で請求権を互いに放棄したとしている。)
9月17日 北朝鮮金総書記、日本人の拉致を認めるこれまで、拉致問題の存在を否定してきた。
9月 旧ユーゴ戦犯法廷でのミロシェビッチ前大統領への検察側尋問終わる ミロシェビッチ前大統領は、戦犯法廷自体を違法として弁護団をつけていない。
02.8.27 東京地裁、細菌戦実施を認める 731部隊訴訟 中国の遺族等が細菌戦で死亡した等と訴えていた。「中国側の調査では約1万人
にのぼる」と。賠償請求は棄却。政府は731部隊の活動を認めていなかった。
7月9日 仏ビシー政権下での強制連行で国に賠償命令 パリ行政裁判所 現在の仏国家に対し、連行の被害者組織に賠償を命じる判決。ビシー政権と現仏国家との継続性を明確に認めた。賠償金額はわずか1ユーロ(約119円)のみ。49年9月枕崎台風で遭難。
7月9日 広島地裁 西松建設裁判判決 原告の請求棄却 事実認定はなされ、西松建設の不法行為責任と、安全配慮義務違反は認めた。「時間の壁」は今まで通り。西松建設は、強制連行と強制労働はなかったとしてきた。「被告の時効の援用は権利の濫用に当たらない。」
7月5日 独ハンブルク地裁、93歳ナチ戦犯に禁固7年判決 イタリア人捕虜らを殺害した罪で。 判決=ナチがイタリア人捕虜59人を虐殺した事件に被告が親衛隊の地元
責任者として加わった。新たな目撃証言で検察が捜査していた。
7月1日 国際刑事裁判所の設立条約(ローマ規程)発効 集団殺害、人道に対する罪、戦争犯罪など国際社会にとって重大な罪を犯した個人を国際法に基づいて訴追し、処罰する。同設立条約には139カ国が署名し、75カ国が批准している。人類史の新たな1ページがここに開かれたことになる。(「国際犯罪」を処罰する常設の国際刑事裁判所)日本は国内法の整備の遅れを理由に署名も批准もしていない。(
98年には小和田恒国連大使等が非公式協議を呼びかけるなど重要な調整役を果たした。)
02.6.28 東京地裁は、『平頂山事件』ついて原告敗訴の判決 1932年9月16日、中国東北部平頂山集落の住民虐殺事件。約3000名の住民を日本軍は一箇所にかり集め、一斉掃射した後に銃剣で刺しとどめを刺し、焼却し爆薬で遺体隠滅を図った。この現場は現在発掘され展示されている。原告(莫徳勝・楊宝山・方素栄)らは、親族に身を呈して庇われ奇跡的に生還。天涯孤独の身となる。それぞれ金2000万円の損害賠償を求め、日本政府を被告とし1996年8月14日に提訴。地裁は、事実認定を行った(事実認定は初)。判決は、戦前の国の行為には責任を問うことができないとの「国家無答責」を根拠に請求を棄却。この事件は当時の国際連盟でも問題にされた。日本政府は事件の真相を否定する対応を行った。9月16日には、中国撫順市主催の『平頂山惨案殉難者70周年記念大会』(1万人規模)が予定されている。原告らは控訴。
6月 朝鮮人の地下壕建設従事の公文書見つかる。横須賀 県朝鮮人強制連行調査団確認
「昭和二十年 内鮮関係書類綴 主務省報告 特高課」と題する資料。敗戦直後、横須賀海軍施設部第113部隊の朝鮮人469人を新潟港から朝鮮に送還したという記録があった。 施設建設に係わり、朝鮮・台湾・中国での証言はあるが公文書は、敗戦前後の混乱で失われた。
5月3日〜4日 北朝鮮(平壌)で「日本の過去清算を要求するアジア地域シンポジウム」アジア各国の市民団体代表が、日本の過去の清算のための国際的な協議の場を発足させることで合意。小泉首相への書簡が採択された(過去の侵略の処罰と公式謝罪、補償歴史わい曲と軍国主義復活策動の中止、日朝関係の過去清算、対朝鮮敵視政策の根本的な是正)。
02.5.10 東京地裁 南京大虐殺事件の生き証人(李秀英さん)に判決
『「南京虐殺」への大疑問』(展転社)で「にせもの」と書かれた。
「松村氏の「偽者」呼ばわりで、李さんの名誉を傷つけた。
(展転社の柚原正敬編集長=「つくる会」の事務局次長)
「資料批判がなされてなく合理性がない。」
4月26日 福岡地裁、三井鉱山に1億6500万円の賠償命令 強制連行 70〜80歳代の中国人男性15人が、国と三井鉱山に損害賠償と謝罪を求めた訴訟(木村元昭裁判長)。国の責任は認めず。企業に賠償を命じた判決は初。三井鉱山は控訴する方針。国と三井鉱山は1943〜44年に日本に連行し、炭鉱で過酷な労働をさせて賃金を支払わず、戦後も十分な補償を怠ったと主張。 国と三井鉱山は「被害があっても不法行為から20年たてば賠償請求の権利を失う」という除斥期間を主張。 1942年の閣議決定で中国人労働者の「移入」が決まった。戦後の外務省報告書では全国135の事業所に3万8935人が送られ、うち6830人が死亡した。三井三池万田港坑には1907人、三井田川坑には669人が送られた。
02.4.22 日本バプテスト連盟靖国神社問題委員会等が 4月21日に強行された小泉首相の靖国神社参拝に抗議声明を送った。
「戦死者を国家が利用することに我々は反対する。」「政教分離原則に違反する」と。
3月29日 中国人元「慰安婦」第2次訴訟東京地裁判決
原告は、郭喜翠及び候巧蓮。但し、候さんの死亡により5人の子どもたちが
訴訟承継。被告は国。) 請求棄却。 詳細な事実認定はした。また、PTSDが現在の被害として存続していると認定。社会を直接問うことになるからだ。アジア女性史研究の上でも、軍慰安婦と現在の軍事基地周辺での性暴力がどのようにつながっているのかを知る助けになる。(
02.5公開 日本軍慰安婦800名の名簿を初発見 光復直後 韓国婦女会 作 成独立記念館 韓国独立運動史研究所が 所蔵資料を整理していて。1945年11月、中国地域で困難な生活をしていた日ほん軍慰安ふたちを収容し、故国に帰国させるため結成された上海ふ女共済会が作成した。 全86ページ。上海韓国婦女共済会の結成趣旨,生活規則,職員名簿,経費明細、ふ女延べ人員,収人員名簿等が載っている。この資料によれば、1945年11月から46年4月まで、ここに収ようされた延べ人数は、全部で6536名。 この内、今回発見された名簿に載っている人数は、831名で、女性が807名、男性24名だ。男性は慰安ふの息子や韓国ふ女共済会の職員であると研究所は推定。名簿には、名前と歳, 出身地が記されている。 年齢をみると、20代が71%、30代が14%、10代が10%で、彼らは46年4月まで収ようされていたが、大部分は帰国したことが分かっている。<東亜日報>
02.2.23 朝鮮戦争時の韓国軍にも慰安婦制度 韓国の研究者発表 立命館大学での「東アジアの平和と人権」国際シンポジウム日本大会(朝日新聞社後援)で明らかにされた。発表=慶南大客員教授の金貴玉(キム・ギオク)さん(40) 金さんは96年、離散家族のインタビューの中で、「50年10月、韓国軍の捕虜になり、軍慰安隊の女性と出会った」という男性の証言を得た。以後5年間インタビューを重ね、「直接慰安所を利用した」「軍に拉致されて慰安婦にされかかった」という男女8人の証言を聞いた。 さらに金さんは、韓国の陸軍本部が56年に編さんした公文書『後方戦史(人事編)』に「固定式慰安所−特殊慰安隊」の記述を見つけた。設置目的として「異性に対するあこがれから引き起こされる生理作用による性格の変化等により、抑うつ症及びその他支障を来す事を予防するため」とあり、4カ所、89人の慰安婦が52年だけで20万4560回の慰安を行った、と記す特殊慰安隊実績統計表が付されている。 証言と併せ、軍隊が直接経営していた慰安所があった、と金さんは結論づけた。軍関係者の証言の中には、軍の補給品は第1から第4までしかないのに、「第5種補給品」の受領指令があり、一個中隊に「昼間8時間の制限で6人の慰安婦があてがわれた」とする内容のものもある。どんな人が慰安婦になったかは明らかではないが、朝鮮戦争時に娼婦(しょうふ)が急増し、30万人にも及んだことから、金さんは「戦時の強姦(ごうかん)や夫の戦死がきっかけで慰安婦になった民間人も少なくない」と見ている。 大阪外国語大学の藤目ゆき助教授(歴史学)の話 非常に重要な報告だ。軍慰安婦については、韓国でもほとんど知られておらず、発見といっていい。韓国にいて韓国軍の暗部を問うのは難しい。同胞の女性
を性奴隷化した自国社会を直接問うことになるからだ。アジア女性史研究の上でも、
軍慰安婦と現在の軍事基地周辺での性暴力がどのようにつながっているのかを知る助けになる。(
02.2.22 南京大虐殺の証人、大量の歴史的証拠写真を贈呈
「人民網日本語版」 2002年
南京市対外友好協会はこのほど、ドイツ人故カール・ギュンター博士の夫人と息子を、今春南京に招待することを決めた。 カール・ギュンター博士は1903年秋、中国の唐山に生まれ、1937年の南京陥落を前に、完成し未操業のままになっていた江南セメント工場で工場長代理を務めた。旧日本軍による虐殺行為も目撃しており、南京大虐殺の証人のひとり。 ギュンター夫人は今回の訪問で、故ギュンター博士が生前に保管していた大量の歴史的証拠写真を南京市に贈呈する。
2月「女性のためのアジア平和国民基金」(村山富市理事長)韓国
での「償い金」支払い終了決める
募金などを基に発足。5億5千万円集めた。比、韓、台の元慰安婦計170人に一人200万円支払った。(01年4月現在)韓国で日本の公式謝罪と国家補償を求め基金の受け取り昨年四月現在で拒否。韓国政府も独自の支援金を支給
0 2..1.16 韓国挺身隊問題対策協議会、「アジア女性基金」の解散などを要求 支給ができないでいるので、事業の延長を決めた。これに対し、延長撤回なども求める抗議文を日本大使館に届けた。「日本政府としての公式謝罪と損害賠償を避けるための基金だ」と反発している。韓国政府も基金側の事業を拒否し、元慰安婦らに対して独自に生活支援金を支給している。アジア女性基金は募金などをもとに「償い金」を支給している。
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