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ダイバシティ受信方式の改善

last up date:2005/10/25

目次

1.はじめに
2.従来のシステム
2−1.構成と動作
2−2.従来の問題点
3.理想のシステム
3−1.構成と動作
3−2.問題点
4.切り換え検出
5.周波数ダイバシティ
6.さいごに

1.はじめに

 「ダイバシティ受信」とは、複数の受信系統から最も受信状態の良い
電波を自動的に選択して受信する方法です。

 現在使用されているダイバシティ受信は、1つの受信機に複数の
アンテナを接続し、その中で最も受信状態の良いアンテナに
切替えて受信する方法が取られています。
 しかしこの方法だと、受信した結果をもって切替える事から
切替前後で受信状態が極端に変化し、どうしても切替時のノイズが
入りやすくなる欠点があります。

 そこで、この欠点を少しでも抑える為の方法を提案します。


2.従来のシステム

2−1.構成と動作

  1台の受信機に複数のアンテナを接続し、最も受信状態の良い
 アンテナに切り換える。
  回路が比較的簡単で部品点数が少なくて済む為、コストが
 低くて済む事からか、この方法が主流である。

2−2.従来の問題点

 ・切換えてみて初めて受信状態がわかる。
  受信状況が悪化したからと切換えてみたら、受信状況が更に悪い可能性もあり、
  受信状態の差が切り換えノイズの発生の原因となる。

 ・受信機入力側に切替回路を追加する為ロスが発生し、わずかとはいえ
 感度低下を招くかも?


3.理想のシステム

3−1.構成と動作

  複数のアンテナと受信回路を持ち、複数系統を平行して受信し
  受信結果を常時監視し、受信状態が良いほうの信号を選択する。
   並行受信により複数回路の受信状況を常に監視できる事から、
  受信状態の悪いほうの回路に切替える必要がなくなり、切替
  ノイズの発生を抑えられる。

   更に多数決受信,平均化などの処理,アナログ的な切り換え
  手法を取る事が可能で、更なるノイズ発生を抑える事が出来るはず。

3−2.問題点

 複数の受信回路が必要な為、回路が複雑にあり、コストが高くなる。

 とはいえ追加必要なのはMIX(周波数変換回路),IF(中間周波数
増幅),DET(検波)部だけで良い。
(LoOSC(局部発振器)は1台でよい。・・・PLLなどは1回路)

 →但し、後述の「周波数ダイバシティ」を行う場合は、複数LoOSCの
 構成も考えられる。

 ワンチップで受信回路が構成可能な昨今、ダイバシティ対応の受信
LSIが出来ても良いのでは?という気もします。


4.切り換え検出

  受信状態による回路の選択方法には、以下の方法が考えられる。

  ・電界強度(受信レベル)
  ・検波後のノイズ成分
  ・テレビの場合は、ビデオ信号の波形
   以上を総合的に判断する事になろう。

  マルチパスによる影響の少ないANTを選択という
  方法もある?
  ・マルチパスがある場合の信号の特徴(状態)
    FM:変調による周波数偏移に伴い電波の受信レベルが変化
    TV:ゴースト発生


5.周波数ダイバシティ

 アンテナを切替える方法は「空間ダイバシティ」と言われ、
電波の通り道の良いほうにアンテナを切替えるものである。

 周波数ダイバシティは、同じ内容の放送が別の周波数(チャンネル)で
送信されている場合に、受信状態の良い周波数(チャンネル)を選択する
方法である。

 別稿で述べる、GPSの位置情報によるチャンネルの自動選択を行う場合には
欠かせない方法になるはず。

 注:この方法の場合ローカル発振器による干渉に注意が必要。
   (IF周波数の差となる周波数,チャンネル関係になる設定は注意。
   ・・・FMでは10.7MHz,TVは58.75MHzで9ch〜10ch上のチャンネル間)


6.さいごに

 この方法はアナログ変調方式での受信状況改善の為に考えたものであるが、
デジタル方式でも情報の誤り率改善も可能なはずである。

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