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GPS情報活用によるチャンネル自動追尾

last up date:2005/10/25

目次

1.はじめに
2.システム概要
3.動作概要
3−1.従来の方式
3−2.本提案による方式
4.実現のために必要な機能等
4−1.ハードウエアの構成
4−2.マップテーブル
4−3.放送の選択方法
4−4.切替の条件,方法
4−5.オプション機能
5.課題
5−1.マップテーブルデータ提供/更新方法

1.はじめに

 車載TVで走りながら放送を受信する場合、放送局のサービスエリアを
またがって移動するとチャンネルの切り替えが必要となる。
 その場合、メモリーしたチャンネルの中から選択するか、手動でチャンネルの
切り替えを行うか行う事になる。しかし車載TVのチャンネルのメモリー機能は
家庭用TVと同様、単にチャンネルを記憶する程度の機能しかない。
(せいぜい放送のあるチャンネルを自動的に記憶してくれる程度)
 しかし、いちいちチャンネルを設定しなければならないのは非常に面倒であるし、
走りながらでは危険も伴う。また知らない地域に行った時にはどのチャンネルが
どの放送局かもわからない。

 そこでGPSの位置情報により、最適なチャンネルに切換わるような装置が
出来れば、移動中、面倒な操作を行わずとも、自動的に特定の放送の
最適なチャンネルを追跡してくれるようになるはずである。

 そこで、そんなシステムを提案したい。


2.システム概要

 GPSの位置情報により、特定放送局の最寄の送信所のチャンネルを自動選択
 用途は、移動体用(主に車載用)のTVチューナである。


3.動作概要

3−1.従来の方式

 手動切り換えor全チャンネルのスキャンorメモリ登録したチャンネルの自動選択
  →サービスエリアが変わると受信できなくなる為、チャンネル切換操作が必要
   (運転中は面倒かつ危険)
   知らない土地ではチャンネルがわからないため、探さないといけなくなる。

3−2.本提案による方式

  GPSの位置情報によりテーブルを参照し、特定放送局の最適なチャンネルを
 自動追尾する。


4.実現のために必要な機能等

4−1.ハードウエアの構成

 図2.ハードウエア構成
 PLLチューニング方式 かつ,空間&周波数ダイバシティ方式のTVチューナと
GPS受信機と、コントローラを有機的に接続し、GPSの位置情報よりマップ
テーブルを参照し、現在位置で受信出来るであろうチャンネルの候補を挙げ、
その候補の中より実際の受信状況により最適なチャンネルを選択する。


 今時の車載TVはGPSのモニタを兼ねている事が多い事から、必要な
ハードウエアは揃っていると言っても良い。
 もちろん今市販されているハードウエアが、このシステムに最適な構成に
なっているとは限らないので、本提案の全ては実現出来ないかも知れないが、
ソフトウエアだけでもある程度の基本機能は実現可能ではないかと考えている。

4−2.マップテーブル

 送信所名と位置,放送局名とチャンネル,サービスエリア(指向性,出力),
 ネットワーク局(越県移動時に同系列局を選択していく)を登録した
 「マップテーブル」をコントローラに与える。

4−3.放送の選択方法

 受信したい放送を、放送局名(または系列局名)で選択する。
  →系列局名,受信している送信所,チャンネルのモニタ表示(確認用)

   画面イメージ

    画面1.選択画面(山形県の例)
   −−−−−−−−−−−−−−−−−−
   |  放送局      (系列) |
   | [NHK総合]        | ←選択
   |  NHK教育         |
   |  YBC山形放送  (NTV ) |
   |  YTS山形テレビ (ANN ) |
   |  TUYテレビユー (TBS ) |
   |  SAYさくらんぼ (フジ) |
   |                |
   −−−−−−−−−−−−−−−−−−

    画面2.受信画面
   −−−−−−−−−−−−−−−−−−
   | YTS              | ←受信したい放送局名
   |                |
   |                |
   |    <受信画>       |
   |                |
   |                |
   |                |
   |58ch 山形米沢    STEREO  | ←詳細情報(選択された結果が表示)
   −−−−−−−−−−−−−−−−−−

4−4.切替の条件,方法

 基本的には、GPSの位置情報により「マップテーブル」を参照し、
選択した放送局の最適なチャンネルを自動追尾する。
 図1.チャンネル追尾の概念
 複数局受信可能なエリア,弱電界地域は「周波数ダイバシティ受信」により
受信状態による自動選択を行っても良い
 →切り換えノイズを抑える為、「周波数ダイバシティ受信」機能は必須?

 切替時に配慮すべき事項
 1)越県移動時は同一ネット局を優先して追跡。

 2)高出力局(広サービスエリア局)の2次優先?の考慮

 3)弱電界地域での切り換え制限(ロック)
  1波のみしか受信不可エリアの場合は、チャンネルは切替えない

 4)山などの障害物による陰と別送信所選択
  (常時複数の候補を上げ、受信状況を監視し、第一優先局の受信状況が
  悪化した場合は第二候補に切替(ただし第二候補の受信状況が良い場合)
  など。)
 図3.障害物によるチャンネル選択の考え方

 5)VHFとUHFの性質差によるサービスエリア考慮

 6)進行方向による次候補

 7)ローカル番組枠(時間帯)の切り換え制限
   ローカル放送の時間帯は、地域(県域)をまたがったチャンネル切換を
  制限する?

4−5.オプション機能

 1)マニュアル受信
 ・・・任意チャンネル受信(従来の方式)
    ・完全マニュアル
    ・候補より選択


5.課題

5−1.マップテーブルデータ提供/更新方法

 放送局(送信所)の増減等,サービスエリア変更,不具合対応など、
情報の更新が定期的に必要と考えられる事から、マップテーブルも
それに対応したメディアが必要であり、かつ、情報更新の方法の
提供が必要。

 メディア:CD(DVD)やメモリカードなど

 情報更新の方法:媒体の交換もしくは、ネットワークによる更新情報供給
         (メモリカードやHDDに記録)


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