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LCDパネルのケース及び取付方法
last up date:2005/10/27
目次
1.はじめに
2.使用したケースについて
3.LCDパネル取付方法について
4.部品加工
4−1.ケースの加工
4−2.Lアングルの加工
5.組立
5−1.Lアングルをパネルに固定
5−2.ケースに取り付け
6.LCDパネルの保護
6−1.電源回路の工夫
6−2.温度について
7.その他
7−1.信号レベルと機器との相性
7−2.モニタと安全
1.はじめに
カーナビのモニタに秋月電子より入手した5.4型LCDモニタを使用
し、テレビチューナと切換ながら使用していた。
しかしSTN液晶である為、日中暗くて表示が見えなかった。
また解像度もナビの表示としては満足行くものではなかった。
適当かつ安価な液晶パネルがないか雑誌の広告を探したら
カマデンという電子機器販売店の7型のTFTタイプのLCDパネルに
目が留まり早速入手し接続してテストすると非常に良好であった。
画面が明るいので日中でも見えるし、画面が大きい事もあり細部の
確認も可能。色合いもさすがはTFTであった。
(調べたところ、シャープ製の「LQ070T3AG02」という型番のLCD
パネルと思われる。)
ただ、剥き出しのLCDパネルである為、適当なケースに収める
必要であった。
いろいろ考えた結果、適当なケースとその取付方法が見つかったので
本稿ではその詳細について説明する。
LCDパネル取り付けの参考になれば幸いである。
2.使用したケースについて
電子機器を納める為の金属(アルミ)ケースは、シャーシメーカーより
いろいろなものが販売されている。
しかし大きなものは高価だし、適当な大きさのものがなかなか見つからな
かった。(液晶パネルを収めるようなサイズのものは、厚みがあるもの
しかなく、寸法の制限される車載には不向き)
またある程度放熱性の良いものが欲しかったが、金属ケースでは
放熱用に多数の穴あけが必要になってしまう。
そころで、多くのデザインがあり、比較的身近なところで手に入る
100円ショップの小物入れが使用できないか探したところ、
網目デザインの樹脂製の小物入れ(カセットテープ収納用?)に
目が留まった。
パネルの寸法と比べると高さは丁度であるものの、横幅が広かったが、
樹脂製で簡単に切り取れるという目算でこれを使用することとした。
3.LCDパネル取付方法について
この液晶パネルの固定は、本来パネル裏側のねじ穴を利用して
ねじ止めするもののようであるが、このねじ穴はRGB変換基板の
固定用に使用されていた。
別の取り付け方法が浮かばずいろいろ思案したが、TVのブラウン管が
金属のバンドで取り付けられている事をヒントに、コの字のアングルに
パネルを収める方法にしようと思った。
しかし、探してみると適当な寸法のアングルが見つからなかった。
そこで急遽2本のL型のアングルでパネルを挟み込む方法を思いついた。
(図1参照)
図1.LCDパネル取付方法
4.部品加工
4−1.ケースの加工
図2.ケース加工図
パネルの横幅より若干広い位の寸法にあわせるべく、切り取って
加工した。裏側と側面(パネルの上・下側になる部分)をずらして
カットすることである程度の強度を得られるように考慮した。
接続の端子の取り付け部をカットしておく。(後で加工することも
可能)
最後に側面(パネル下側と上側になる部分)全体と、そして底面(パネル
後側になる部分)に補強用にアクリル板を貼り付けることにした。
(組立の関係で、側面の板は組み込み後貼り付けた)
4−2.Lアングルの加工
アルミ製の15mm×15mm程度のアングルを4本切り出す。
2本はパネル正面の固定用で、パネルの横幅サイズと同寸とする。
2本はパネル裏側の固定用でパネル裏側の部品に干渉しないサイズ
にする。
5.組立
図1の要領で、Lアングルを使用し、ケースにパネルを取り付ける。
本来であれはLアングルにねじ穴をつけて、ケースにねじ止めで
固定すべきところであるが、簡易的に厚手の両面テープで固定している。
両面テープは黒いブチルゴムがベースのものを使用する。
ベースにスポンジを使用したタイプのほうが手に入り易いが、
直射日光などを浴びた時の劣化が激しく、すぐボロボロになるので
適当ではない。
ブチルゴムタイプの両面テープはカー用品店やDIYショップの他、
100円ショップでも系列によっては置いてある。
作業順は以下の通り。
5−1.Lアングルをパネルに固定
パネル正面側に両面テープにてアングルを接着。
次にパネル裏側にアングルを接着。
5−2.ケースに取り付け
両面テープを使用し、アングルとケースを接着した。
その後ケース上部と下部に補強用のアクリル板を両面テープで接着。
6.LCDパネルの保護
6−1.電源回路の工夫
本パネルの電源電圧はパネルの仕様より12V±0.6Vであり、
その許容範囲から、電圧の変動が激しい車から直接取るのは抵抗があった。
最初はDC−ACインバータにACアダプタ(実は秋月のLCDパネルに
付いてきた、スイッチングレギュレータタイプ)を接続して使用していた。
しかしこれではあまりにもひどいので、パネルに対し12V以上の電圧が
印加されないようにする為にロー・ドロップ型の3端子レギュレータを使用
した電源回路を入れ直接接続出来るようにし、また安全のためのヒューズと、
電源スイッチを取り付けた。
これで直接接続することに対する抵抗は無くなった。
しかし電源の負側回路とビデオ信号の負側回路のループができるせいか、
オルタネータノイズが見られるようになってしまった。
(特にバッテリ電圧が低下し、発電電流が増加する始動直後)
これは直接接続のいやらしいところである。
12V−12Vの絶縁電源(DC−DCコンバータ)があれば解決できるが、
まともに購入するとなると高価であるので見送っている。
6−2.温度について
本パネルの保存温度範囲は−25〜70℃,動作温度は0〜55℃であり、
車載用としては十分ではない。特に高温側は、夏場のダッシュボード上は
上限を越えるのは間違いなく、要注意。
LCDパネルの仕様書を見ると、低温では液晶が凝固,高温では液晶が
分解し元に戻らなくなるとの事なので温度に注意が必要。
7.その他
7−1.信号レベルと機器との相性
カマデンで入手したパネルは、SHARP製のLCDパネルとカマデンオリジナルの
RGBコンバータ基板を組み合わせたものであるが、信号レベルの関係なのか
接続する機器の相性があるようである。
確認した範囲ではカーナビとSONY製8ミリビデオは問題なかったが、
秋月のチューナキットと接続すると同期がうまく取れない上に、画面が
白く飛びうまく表示できなかった。
波形の実測確認は行っていないものの、ビデオ信号の性質を考えると、
この現象はレベルが低い場合に起こると考えられる。
よって秋月のチューナキットの出力回路(チューナユニット後に入れて
いるバッファ回路)に問題がありそうである。
ただ、RGBコンバータ部の入力信号の許容範囲が狭いような感じもする。
7−2.モニタと安全
視線の移動が少なくて済むようにダッシュボード上にモニタを
取り付けているが、夜間で暗くなるとモニタが明るい事からガラスへ
写り込んだり,モニタの明るさで前方がマスクされ見えなくなる
ケースが時々ある。
車載用として作られた機器では、ライト点灯時にモニタの明るさを
落としたリ表示色を変更する機能、もしくは周囲の明るさを検出し
暗くなったらモニタの明るさを落とす機能が付いているものがある。
回路を付加すれば、そういった機能をつけることもできるが
現時点ではそこまで行っておらず、前方が見えにくい場合は、モニタの
表示を一時切って対応している。
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