1.'97年3月22日ダイヤ改正関連
1−1.秋田新幹線関連
1−2.500系&E2系営業運転開始
1−3.「ほくほく線」開業
'97年10月1日ダイヤ改正で、長野行き新幹線がスタートし、E2系「あさま」による 最高260km/h運行(30パーミル勾配の峠区間は180km/h)になりました。 オリンピック開催を間近に控えての開業ということで、何かイベントに合わせて開業という 日本の恒例パターンに乗っ取っての登場という感じです。 でも、「つばさ」「こまち」開業時と違って、今回は冷めていた自分でした。 (たぶん、横川−軽井沢間の廃止のインパクトのほうが強かったから?) 私の「あさま」という列車の印象は、上野を発着する特急列車でその本数の多さに 圧倒されていた事(上野に行けば「あさま」はいつも止まっているのに、「つばさ」や 「やまばと」は時間が来ないといない。)と、私が良く利用していた485系と 同じような外観でありながら、日本の最急勾配区間の碓氷峠に挑む為に機関車 (EF63)と協調運転の為の専用のジャンパを持つ等の変わり種の車両が使用されて いる等です。 そんな列車の愛称が新幹線になるとは、その当時は考えもしませんでしたね。 ところで、架線の交流電力が区間によって50Hz/60Hzの両方があるとの事で、 車両側は日本の新幹線電車初(海外の高速特急では、多電源仕様はあたりまえらしい ですが・・・)の50Hz/60Hz両用「E2」系による運行だけかと思っていました が、なんとオリンピック時には改造した200系も運行するとか? このニュース(雑誌記事)には少々驚きましたが、200系にどんな改造を施すのか 非常に興味があります。 またこの区間のATC方式は、何でしょう。上越新幹線区間も走行する事から 東北・上越新幹線方式がベースなのだと思いますが、商用交流の周波数に合わせて ATCの周波数が決められているはずなのに、60Hz区間のシステムも50Hz区間 のシステムと同じなのでしょうか?ちょっと疑問が起こりました。 さて、「長野行き新幹線」(北陸新幹線)は平行在来線の廃止問題でも話題となりました。 JR側としては「フル規格」ならば「平行在来線(信越本線 横川−篠ノ井間)は廃止」と いった決定に、地元は「絶対フル規格」しかし「在来線廃止は反対」意向だったそうです。 結局在来線は、横川−軽井沢間を廃止し、それ以外の区間を地元が第三セクターとして 運行することになり、JRから見れば当初の計画通りになったわけです。 実際問題として特急の走らない路線を維持していくのは採算上非常に苦しいので 切りたいのはわからないでもないですが・・・ 在来線のルートをそのまま利用した「ミニ新幹線」形式を取った山形,秋田はこの問題には タッチせずに済んだわけですが、この区間の普通列車のみの利用状況を見ると、実態は ローカル線と何も違いがないので、もし別ルートによるフル規格が導入されていたら、 同じ問題が持ち上がったはずですので、他人事とは思えません。
私は残念ながらこの区間を乗車した事がありません。日本の最急勾配区間の碓氷峠 ということで66.7パーミルがどれほど急なのかいずれ体験しようと考えていたのですが、 まさかこのような形で、こんなに早く廃止の時期が来ようとは考えもしませんでしたので、 非常に残念です。 碓井峠というと、協調運転の主役であるEF63,協調運転の為の専用のジャンパを持つ 189系,489系電車等(普通列車については私は情報を持っていません。)普通の峠とは 違う車両が走っているのだという事で記憶にも深かったのです。 (私の地元の板谷峠も急勾配区間の一つで、ディーゼル特急がEF71の牽引で 峠越えをしていたそうですが、その頃は私自身がまだ小さかったので実際に そういう光景を見てないのです。なにせ私が生まれて最初の鉄道での板谷峠越えは 485系電車でしたから・・・) そんな車両達も、横川−軽井沢間の廃止ということで、お役目ご免になるようで、 非常にさびしいです。 189系については、おそらく「あずさ」等他の線区の列車としての運行につく (JR東日本長野支社「10月1日ダイヤ改正」のパンフレットに、「あずさ」の増結が 12月中まで完了と書いてありますので、時期的に考えても「あさま」として走っていた 車両が転用される可能性が高いとにらんでいるのですが。また信越線に登場する 「信越リレー妙高」も189系なのでは?)と思いますが、碓氷峠専用に作られた EF63は、板谷峠を走っていたEF71同様の運命をたどるのでしょうか。 時代を作った車両がまた消えてしまうのですね。
今まで慣れ親しんできた「あおぱ」「とき」の愛称廃止には驚きです。 確かに東海道新幹線と比べると、東北・上越新幹線だけでも「やまびこ」「あおば」 「なすの」「あさひ」「とき」の5つ(Maxを含めると5つ増える)あり、 これに、山形新幹線「つばさ」,秋田新幹線「こまち」,長野行き新幹線「あさま」が 増えるわけですから、整理したくなる気持ちはわからないでもない。 行先別に分けたという事になっているようですが、それだったら、「なすの」を残して 「あおぱ」を廃止する理由はないんじゃないかと。(仙台行きを「あおぱ」とすれば もっとすっきりしたはず。) 「とき」は縁起を担いで嫌われてしまったのでしょうか。行先を変えた「たにがわ」が 登場したようですが・・・ さて、今までは速達タイプと各駅停車タイプによる分類だったわけですが・・・ その分類に慣れていた方から見ると、速達と各停の見分けがつかなくなり、かえって 不便さが増えたのではないでしょうか。そんな声からそのうち速達タイプに「スーパー」が 頭につくようになるのではないかと思っているのですが・・・(えっ ならないって?) ま、いずれにしても、今の所「つばさ」の相手は速達タイプの「やまびこ」ですから 山形住民にはあまり関係ないのかも知れません。
’97年3月22日のダイヤ改正により、待ちに待った(そうでない人と思う人が いるかも知れないけど)秋田新幹線及びほくほく線の開業と、500系「のぞみ」及び E2系「やまびこ」営業運転開始と大きく4つの新しい事業が始まりました。
E3系「こまち」の車両については鉄道各紙からの情報で知ってはいたものの 400系「つばさ」の腰高感が払拭されてかっこいいですね。 車両断面の形状を比較すると、腰の辺りにある「くぼみ」が400系より高い位置に あり、人間で言うと「足が長くなった」感じです。 技術的な面でも、400系は鋼製車体,サイリスタ連続位相制御による直流電動機駆動, 下枠交差型のパンタグラフ,白熱電灯による前照灯と従来の技術での堅実な設計だったのに 対し、E3系はアルミボディ,VVVFインバータ制御,シングルアームパンタ,プラグドア, 放電灯等最新の技術がフルに生かされた素晴らしい車両に出来上がっています。 (「つばさ」を持つ山形に住む私としては少々悔しい思いです。) 後は、どんどん利用して貰えるよう、秋田の皆さんにかかっています。 こちら山形新幹線の弟分に当たるシステムになりますが、こちらの教訓 (いいところも悪いところも)をぜひ生かして下さい。 そうそう、田沢湖線内用ローカル列車として登場した701系5000台も、 いままでの701系でさんざん悪口を言われてきたロングシートから、セミロング シートを載せての登場となりました。またE3系同様シングルアームパンタ搭載 との事で現車を一度見てみたいです。 ちょっと残念なのが、私の場合よほどの事でもなければE3系「こまち」に 乗れそうもない事です。仙台以南はごく一部をのぞいて大宮までノンストップなので、 山形から利用するには仙台を経由しない限りは出来ません。 (「途中下車できるなど、自由な行動ができるのは、列車ならではのメリットです。」 って、うたい文句になってませんでしたっけ? という話はおいといて・・・) 私の場合南下しようにも「つばさ」が一番便利ですし、秋田に行くには 本数は減ってしまいましたが、「こまくさ」利用が最短ですので。 (最近は200系だって御無沙汰です。E1系は無理して乗ったけどね。)
さて、500系「のぞみ」&E2系(正確にはE2’系)「やまびこ」の営業運転が 開始されました。 500系「のぞみ」は世界のトップTGVと並ぶ最高300km/h運転。 (しかも平均時速で行けば世界一だとか。) 私は300系「のぞみ」はいままで6回程乗車しましたが、30km/h アップというと1割アップですね。機会があれば乗車してみたいですね。 なにせ日本の場合は「騒音」問題がネックで速度を上げられなかったわけで、 技術者の苦労の跡をこの目で(可能ならこの耳で)確かめてみたいとも 思います。 またE2’系E3系とともに東北新幹線区間初の最高275km/h運転。 話に聞くと275km/h運転は宇都宮以北だそうですが、やはり騒音の 問題でしょうか。 E3系も200系併結時は最高240km/h運転に留まるそうですが、E2’系の 編成が少ない現状では仕方ないのでしょう。今後E2’系が新製されてくればE3系も 全て275km/h運転になるのでしょうね。 そうなればE3系も本領発揮ですね。
第三セクター路線として「ほくほく線」が開業しました。 こちらは在来線明り区間初の最高140km/h運転で、これも新しい動きです。 (485系「はつかり」が青函トンネル内に限り140km/h運転という事例が ありますが、明かり区間の140km/h営業運転は、初めてです。「つばさ」だって 「こまち」だって在来区間は最高130km/h運転で、「スーパーひたち」や 「スーパーあずさ」と一緒なのです。) 最高速度のアップの実現は、非常時の停車距離(600m以内)制限によるものの解決が 出来たからなのでしょうか。それとも高架等の特例によるものでしょうか。 この技術を他の路線(車両)にも生かされるのを待ちたいと思います。 また、豪雪地帯を走るということで、雪対策の新しい技術も生まれているようです。 この技術もぜひ多雪地帯を走る路線に生かされていけばいいですね。 すでに鉄道各紙で紹介された内容と重複し、ありきたりの内容になって しまいましたが、今後これらの路線及び周辺地域の発展をお祈りします。
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'97/10/05改訂
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