PRCはプログラム・ルート・コントロール装置の略で、ダイヤと列車の 位置等といった情報により、ポイントを自動制御するシステムです。 CTCと組み合わせて使用されており、制御のメインとなるコンピュータが あり、列車番号,列車の位置,ダイヤ(時刻や各列車の停車パターン等)と いった情報から判断し、進路(=ルート)が自動的に構成されるように なっています。 列車の位置はATS−P地上子により検出するようになっているようです。 なお運転席にある列車番号設定器に入力した列車番号(停車パターンの 情報も含まれている)がデジタルデータとして、列車からATSの地上子に 伝送されるようになっているようです。 各駅には端末(パソコン)が置いてあり、メインコンピュータとオンラインで 接続されており、各列車の位置や信号の状態が、各駅からもわかるように なっています。 列車が遅れている場合に、どの位遅れているのかを列車の現在位置から、 推定して、遅れ時間の案内放送をする 等といった具合に活用されているようです。 当然、指令にも端末が置いてあるようです。こちらは駅の端末とは違って メインコンピュータを直接制御するようになっているのかと思います。 車両の入換え時,ダイヤが大きく乱れて運転整理が必要な場合,保守用車を 運行する場合は、指令の端末からポイントを手動操作により切換を行う事が 出来るようです。 なお、保守作業用車両が留置される保守基地線用のポイントに関しては PRCのシステムの制御外のものがあるようです。(常時鎖錠ポイント?) このポイントは保守要員が指令に確認をとりながら現地で切換えを行う ようですが、保守基地線側に切り替わっているかどうかは指令から確認可能な ようです。
各駅にパソコン端末には、メインコンピュータからリアルタイムで送られてくる データにより、列車の現在位置や信号の状態(ポイントの状態)の情報が表示 されています。 画面の見方がわかってくると、自分で列車の遅れをある程度判断する事も 出来るようになります。(待合室等から端末の表示が見えれば・・・ですが。) 端末の画面に表示される内容を以下に説明しますので、参考になされて下さい。 なお、あくまで私の解釈ですので、実際とは異なるかも知れません。ご了承 下さい。 また不明点があっても、JR関係者への問い合わせは差し控えて下さい。 このシステムはあくまでJRの社内用のシステムです。業務に支障を きたしたり、守秘義務等の関係等で迷惑をかけてしまう恐れがあります。
(説明を追加する関係で画面部分を縮小した関係で見にくくなっていますが、 ご了承下さい。この例の元になった縮小前の画像は、後程のリンクにありますので、 そちらをご覧いただければと思います。) 図に示すように、各駅の配線図が表示されています。 その中には、「***M」というような列車番号の表示と、丸に足がついた図の 各ポイントにある信号の表示が出ています。 列車番号は、実際に列車がいる区間に表示が出ています。(「在線表示」と 呼ぶようです。) 信号は足が手前になる方向からの進行時の表示で、基本的には進む方向に 対して左側の信号が自分の信号という事になります。(実際と同じ) 図では右方向に進む列車(下り列車)に対しては、線路上側の信号が有効, 図左方向に進む列車(上り列車)に対しては、線路下側の信号が有効になります。 分岐するポイントの手前には2つ以上つながった信号がありますが、 足の上(というのか?)にある信号が本線用,横に分かれてあるのが 分岐線用です。 黄色の場合はその先の信号が赤現示(この表示では色無しのようですが) になっているのでその先で停止が必要な場合です。 緑は進行ですね。 なお配線の線の色ですが、緑のものは本線、白は分岐線のようです。 「入換予告」のところはいまいちよくわかりません。 (おそらく、電留線の車両の入換の予定でしょうか?) 右上には現在時刻の表示が出ています。 (アポストロフィ付いているのに・・・なぜか年表示が和暦なんですよね〜。) この画面例にはありませんが、駅名がかっこでくくってあるところがあります。 これはポイント(保守基地線用を含めて)がない駅のようです。 ちなみに下に並んでいる四角の表示は、キー操作時の機能を示している もののようです。 「前画面」「次画面」のキー操作で表示する区間を切替えできるように なっています。(上り列車が遅れている場合に、上り方面の区間がわかる ように表示区間を切替る、という具合に使用されるようです。) 「駅選択」は自駅の選択かと思われます。 (おそらく同じプログラムを各駅で使用しているのでしょうから・・・) 「消去」は画面を消しておく機能のようです。
以下が駅端末の表示例です。 例とはいえ、デジカメで撮った実際の画面を再現してみたものです。 表示内容をなるべく盛り込んだつもりですが、フォントや表示位置, 線の太さ等、実際とはいろいろ異なるところがありますがご了承下さい。 (資料写真のブレ,解像度の関係で完全再現とは行っていませんが ご了承下さい。) あえてインライン表示とはせずに新しいウインドウに表示される ようにしてあります。リンクを開いて「全画面表示」にしてみると 実際の端末の雰囲気が出るかも? 出来れば1024×768画素以上での表示をお薦めします。それ以下では スクロールしないと全画面見えませんので、ちょっと面白くありません。 実際の端末の画面は640×400画素のはずです。(N*C*のPC9801or FC9801シリーズが表示用に使用されているので。)表示例1. (幹)福島〜関根間(福島駅2001年7月17日撮影デジカメ写真より)
米沢〜中川間の表示例は高畠駅の画面は画面表示がブレずにとれましたので そこそこ再現できていると思いますが、一部画面は資料映像がブレブレだったり 遠くから見てのメモが元のものは、正確さに欠けますのでご了承下さい。 図のように、3駅分(厳密には違うところがありますが。)ずつ表示区間が 切換されるようです。
以上、画面例を見ていただきましたように、このモニタの表示を見れば 列車の現在位置と信号の現示が一目でリアルタイムでわかるようになっています。 (実際には若干遅れて表示されますが・・・) 列車が遅れた場合には、車内からこの情報が閲覧可能だと有り難いですね。 (これは・・・我々よりは列車の乗務員の方のほうが痛感していらっしゃるのでは ないでしょうか。指令からの無線情報だけでは他の列車の状況まで わかりませんし・・・) それと自宅からもこんな情報が見れたらなって、思うのは私だけでしょうか。 というのも、East-iやクモヤ,DDが動いているのがこの情報からわかりそう なので・・・。
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