「サンライズ瀬戸」乗車記


はじめに

 7月16日、熊本からの出張の帰りに「サンライズ瀬戸」に
乗車する事が出来ました。

 「サンライズ瀬戸」乗車前後の顛末を紹介します。
 乗車までの経路も非常に長いのですが、ひとつお付き合いの程を・・・

285系寝台電車「サンライズ瀬戸」

 ======== 目次 ========

1.ルートの計画から切符の購入まで
2.「あそ1号」乗車から大分途中下車まで
3.ソニック16号乗車から下車まで
4.ひかり124号乗車から下車まで
5.サンライズの区変手続と高松までの乗車券手配そしてマリンライナー
6.「サンライズ瀬戸」乗車
7.東京から帰宅まで
8.帰宅までのルート,利用列車のまとめ


1.ルートの計画から切符の購入まで

 今回の出張先は熊本で、7月12日の行きはいつもの
「つばさ」「のぞみ」「つばめ」と通い慣れた?ルートでした。
(「のぞみ」が500系第1編成のW1だった事、「つばめ」が
途中で緊急停車した件は別途・・・)

 7月15日に予定通り仕事が片付きまして、熊本市内に戻って
夕食後、ホテルに戻り帰宅のルートをどうしようか思案して
いました。

 今回が一連の仕事の最後で、重大なトラブルでもなければ
九州に来る事もしばらく無いので、17日休暇を貰う(16日は
移動日という事になっているので2日間フル活用?で)事にして
思いっきりあばれて!!!みようと考えていました。


 実は14日の夜も帰宅のルートどうしようか考えていて、
朝仕事に向かう際に熊本駅で見た「あそ1号」を思い出し、
立野のスイッチバックを見てみたいのと、「ソニック」883にも
乗りたいという事で、豊肥本線〜日豊本線経由で小倉〜関門トンネル
〜下関と行き、「あさかぜ」で東京に戻るルートを計画していました。

 乗車券は、山形を出る時に往復で買ってましたので、手元に
熊本から鹿児島本線,博多経由で新幹線で東京・東北新幹線・
奥羽線で戻るルートの券がありましたが、大分経由の計画では
熊本〜博多〜小倉分は利用しない事になり、新たに大分経由小倉
までの乗車券と特急券(特急券については「ソニック」分は
「つばめ」分と帳消しなのですが、「あそ」分は追加)が必要と
なり、赤字(自腹とも言う。)が出る事になるのですが、この際、
そんな事は気にしないつもりでいました。(まぁ遊びに行くような
物ですから当然ですが・・・)



 16日の朝ホテルを出て熊本駅に行き、切符の購入となったの
ですが、ま、物は試しと思い、サンライズの瀬戸でも出雲でも
いいので岡山〜東京間のBシングルかソロが空いていないか
確認して貰ったのです。
 窓口の駅員は端末の操作にてこずりながらも、サンライズ瀬戸の
Bシングルの空きを見つけて?くれました。
(熊本駅「MR2」の端末を操作していた駅員さん お世話に
なりました。)

 「ある」との回答に即、取って貰ったのはいうまでもありません。

 さて、小倉〜岡山間のルートは後で考える事にして小倉までは
計画していた、熊本〜大分〜小倉ルートの乗車券と、「あそ1号」,
「ソニック16号」の指定を取ってもらいました。

 実は、大分からの「ソニック16号」は「あさかぜ」に時間を
合わせていた列車だった(持っていた時刻表が小型版で、ページの
境目に載っていたソニック14号の存在が気が付かなかったという
話もあるが)ので、切符買ってから「あれ?連絡大丈夫かな?」と
不安になったのですが、冷静になって考えてみると「サンライズ」が
岡山を出るのは22時台ですので余裕有りすぎなんですね。
(この余裕が、後でルート変更事件?に発展します。)


2.「あそ1号」乗車から大分途中下車まで

 切符の購入が済み、熊本の土産物を買った後「あそ1号」に
乗り込みました。185系DCのシートもゆったりしていて、
なかなかいいですねぇ。

 熊本で買った切符の表示をノートに控え(最近、買った切符の内容は
手元に残る・残らないを問わずノートに控えてます。)たり、
これから先の乗り継ぎやルートについて時刻表と首っ引きで調べて
いましたが、そのうち上り坂にさしかかり速度が極端に落ちてきました。
(さすが、国鉄時代設計のDCだな・・・等と思いつつ。)

 そういえば「立野」はまだだよな?と気がついたのは「肥後大津」
到着目前でした。スイッチパック完了までは思案はおあづけです。

 そして「立野」。前のほうに何か看板が見えるので、発車したら
撮れるだろうなと思っていたら、列車は後退を始めてしまいました。
 放送でも何も言っていなかったので、ほとんど「聞いてないよ〜」
状態で、このまま逆方向で走るのかと思ってしばらくすると列車は
再び停車。最初の進行方向に再び動きはじめました。

 そこで初めて「本格的な」スイッチパックである事に気が付きました。
 なにせ私が知るスイッチバックは奥羽線板谷峠の電化以降のもので、
普通列車が駅に入るのにスイッチパックし、特急はスイッチバックは
関係無しに素通りしてました。SLが走っていた頃は「本来の」
スイッチパックだったと思いますけどね。

 スイッチパックを過ぎ、しばらくすると阿蘇高原に入り
ました。残念ながら天候が優れておらず、阿蘇山は雲の
中のようで見えませんでした。
(ふと見た時刻表、「熊本」−「阿蘇」間のキロ程が、「福島」
−「高畠」間と同じ49.9kmである事を発見!)
 いかにも高原らしい風景の中を、先ほどののろのろ運転
とは違って軽快に?(ジョイント音からすると90km/h位)
で走ってます。

  「熊本」−「大分」間の表定速度を計算したら56km/h
でした。まぁ先ほどの速度を考えるとこんなもんでしょうね。

 時々「パタパタッ」とガラスを叩くような音がするので、
良く見ると線路際の木の枝,草等が窓に当たって音が
しているようです。山岳路線だけに線路際の草刈り等まで
手が回らないのでしょうね。


 そして大分到着。しばらくは駅構内で485が来ないか
見てました(もちろん撮影も・・・)が、その後車内の音を
録音するテープと撮影用のフィルム(APS)の入手と、昼食を
取るべく、途中下車で改札を出ました。
 会社へ仕事の結果の報告(11時過ぎているのに!?
今頃?)の為に電話を入れ、17日の休暇を貰う事も
連絡し、これで大手を振って!?遊べます。

 テープとフィルム確保後、食事をしようと適当な店を探して
いたら、SL(C55 53)が保存してある公園を見つけました。
もちろん写真を撮りました。
 そして食事の後、駅に戻り大分での土産物を購入し、
再びホームに入りました。


3.ソニック16号乗車から下車まで

 こんどはソニック883に乗車です。まずは例のごとく車番の確認。
 そして車内に入るとあれ?車番のプレートが無い!?
 プレートが何処かと車内をうろうろとしていたら、車販の方から
「なにかお探しですか?」と聞かれてしました。まさか車番の
プレートとは言えず、「いえいえ」と答えてました。
 自分の乗る車両は乗り込む時に確認しましたが、編成中他の車両は
結局わかりませんでした。

 乗車したのはM車(3号車)なのですが、VVVF音があまり
聞こえません。振子の動作も結構スムースというか、
少なくてもE351(「Sあずさ」)よりはいい感じです。
 架線柱と車体の角度を比べるとしっかり傾いているのが
わかるんですけどね。
 また、今回乗車した列車は車内放送の音が小さくて、
自動放送の録音はいまいちでした。

 日豊本線って結構海の近くを多く走るんですね。883が
ステンレスのボディを選んだ理由が納得しました。

 それにしても本当に「飛ばし」ます。駅に進入しても
ほとんど速度落としません。表定速度計算したら100km/hを
超えてました。さすがですね。同じ振子型の「Sあずさ」より
速いという計算です。「Sあずさ」は山岳地帯を走っており、
ソニックが比較的平野部を走っているという差はあります
けどね。「Sあずさ」でも結構飛ばしているなと思っていたの
ですが、それ以上です。在来区間走行時の400系「つばさ」など
もう足元に及ばない位の速さです。

 787系といい883系といい、JR九州はいい車両を
お持ちで、うらやましいです。


 さて、岡山までのルートの検討に入りました。と、
言った所で新幹線位しか思い付かず、「ひかり124」と
いう事にして、小倉で自由席特急券を購入する事に
しました。


4.ひかり124号乗車から下車まで

 小倉で自由席特急券を購入し、ホームに行く途中
博多の車両基地公開のポスターに気が付きましたので
写真に撮りました。
 ふとホームに上る前の所に時刻の案内ディスプレイが
ありました。良く見るとLED表示器の内容をビデオカメラで
撮影しそれを映しているようです。(F士通製のディスプレイ)
 なんでLEDの表示内容を直接再現・表示出来ないのかな?
と少々情けない感じでした。

 ホームに上がると「試運転」の方向幕を出した0系が
止まっていました。パンタが新しかった(塗装直後?)
のと、各車両内に測定器が置いてあり、その前にJRの
社員らしき人が付いていました。
 久しぶりの0系だったので、写真に収めました。

 帰宅の予定(「話題の寝台列車が取れた事も)について
かみさんにTELし、ひかり124号の到着を待ちました。

 そしてひかり124号到着。久しぶりの100系乗車です。
 自由席という事で1号車の博多寄りで待っていたの
ですが、着いてみると女性の車掌が乗務していました。
 ドア扱いまでやっている女性車掌に出会ったのは
私は初めてでした。

 車内に入ると文字放送のプラズマディスプレイが目に
つきました。最近LED式の多色タイプばかり見ていた
ので、プラズマディスプレイのオレンジ色のみの表示が
かえって新鮮でした。
 しかも停車駅に近くなると残りの距離が表示される
のですね。他の車両では見た事がないのですが・・・
 車内放送の音質もまずまず(最近歯切れの良い
音質の車両になかなか出会えなくて・・・)で、
100系の「良い面」を改めて感じました。


 さて、岡山までこれで行ってしまえると一安心したら、
ふと眠気を催してきました。しかし、これで東京まで
行ってしまうと、山形に帰る列車は無いし、宿無しだし
せっかくのサンライズが乗れないという最悪の事態に
なるのでじっと堪えてました。

 そんな状態で車内でうとうとしていると、岡山到着後
サンライズ乗車までだいぶ時間がある事に気が付きました。
 だったら瀬戸大橋渡って高松まで行ってしまえ!という
とんでもない発想が出てきました。なにせ指定が取れて
いるのが、高松発のサンライズ瀬戸です。時間があるの
だから、こっちから迎えに行ってしまえという作戦です。
(早く乗りたいというのもあるが・・・)

 岡山−東京ですでに601kmを超えており、区間変更
しても追加料金は入りません。必要なのは岡山〜高松間の
往復乗車券と、岡山−東京間になっているサンライズ瀬戸の
区変手続きです。

 さて、福山で「のぞみ」の追い越しで少々停車との事でした。
 私も車両から降りて「のぞみ」が来るのを見ていましたが、
追いかけてきたのは500系でした。
 通過シーンを写真に収めようとしましたが、さすがに速い。
(後で写真チェックしたら、しっかりブレてました。)


5.サンライズの区変手続と高松までの乗車券手配
 そしてマリンライナー

 岡山でひかりを降り、新幹線改札を出てすぐ切符売場に
向かい、まずはサンライズの区変手続をしようと申し出た所、
高松から満席で、一旦席を返さないと手続き出来ないが
その間に取られてしまう可能性があるとの事で、乗車後
車掌に申し出て下さいとの事でした。
(私が岡山からの指定なので、高松から満席というのは
おかしいわけですが、「寝台列車」という性格上、どこか
の区間で指定が取れるとその席は始発から指定されている
という処理がなされているのでしょう。座席列車の場合
区間が重複しなければ発券できてしまうわけですけどね。)

 というわけで、高松までの往復乗車券と、マリンライナー
49号の普通指定を購入し、在来ホームに向かいました。

 在来ホームで列車の入線に合わせて聞こえてきたのは
「鉄道唱歌」そして「瀬戸の花嫁」の自動放送です。
 特に後者はいかにも「瀬戸大橋線」という感じですね。


 そして新婚旅行以来の「マリンライナー」乗車そして
瀬戸大橋線入りです。その時は先頭1号車の展望車で
坂出までしか行きませんでしたが、今回は普通指定の
2号車で高松まで乗車です。

 岡山発車時はだいぶ混雑していたようで、2号車にも
立ち席が出ていましたが、混雑が無くなった時点で
車掌から後部の車両に移動させられたようで、立ち席
乗車はいなくなりました。

 高松到着直前の車両の基地らしき所に「生きている」
(電気が入っている)サンライズの編成が止まっている
のを確認。これが今晩乗る列車なんだと思い見てました。



 高松到着後、みどりの窓口で岡山で確認した切符の件を
再度聞きましたが、料金が変わらないので乗車後車掌に
申し出てという事で、結局同じような回答でした。

 高松駅を出てまたまた不足してしまいそうなテープと
フィルムを購入、そして食事しましたが、まだ時間が
あります。ふと「琴電のりば」という看板を見つけ、
そういえばと思い、見に行きました。
 駅に着いて切符の自販機の所に行き、入場券は・・・
と思ってみるとないんです。
 駅員に尋ねると、そのまま入って下さいとの事で
ありがたくホームに入り、3枚ほど車両の写真を
撮ってきました。(昔ながらの電車で・・・)
 琴電をビデオで撮影していた人がいましたが、
この方も「サンライズ」乗車組なのでしょうか?


 高松駅に戻りましたがまだ時間がありました。
 駅内のコンビニで夜食と飲料を調達し、とりあえず
待合室でじっとしてました。


6.「サンライズ瀬戸」乗車

 時間が発車30分前程になり、改札の所のLED表示に
「サンライズ瀬戸」が出た時に改札に入りました。
 LED表示をデジカメに収めて9番ホームに向かい
ました。
 そして、285系「サンライズ」を目の前にする事に
なりました。外観(ページ最初の写真です。)や方向幕を
写真に収めました。

「サンライズ瀬戸」方向幕

285系のパンタグラフ

 ATSはPとS対応のようです。パンタはシングル
アームタイプです。

そして恒例?の編成内各車両の車番の確認。


7月16日高松発「サンライズ瀬戸」東京行きの編成
号車  車番
 8  クハネ285−6
 9  サハネ285−203
 10 モハネ285−3
 11 サロハネ285−3
 12 モハネ285−203
 13 サハネ285−3
 14 クハネ285−5
(↓東京方面)

 私の指定は13号車24番です。(Bシングルの2階)
 モハネ(12号車)の隣りで、ちょっとはVVVF音が
聞こえるかな?と思っていましたが、良く見ると14号車側が
東京寄りなので、後ろの車両がモハネ。駄目かな?

 車番の確認や車両外観等の撮影が完了してから乗車しました。
 入口には半自動扱いの為なのかドアボタンがついています。

車外のドアポタン        車内のドアボタン

 自分の個室に入りました。入った瞬間思ったのが「狭い」。
 そりゃ車両という限られた空間ですし、A個室じゃありません
から仕方ありませんけどね。
 でも、以前「はやぶさ」(24系25型)の2段式B寝台の1区画
(4人分)を一人で占領(ガラガラだったもので。)した経験が
あった為か余計にそう感じたのかも・・・

 でも、なかなか良く出来てます。白熱灯の照明と木調の
インテリア。筆記がかろうじて出来る程度ですがテーブルが
ありますし、鏡もあります。住宅メーカーが設計・製造に
協力しているというのも伊達ではないようです。
 以前の「寝台列車」から比べると室内が非常に明るく
感じます。
(なお、白熱灯の照明のイメージをそのまま伝わるよう、
以下の写真の色合いは修正していません。)

入口側のテーブルと鏡



 部屋の鍵はテンキー式。車内で4桁の暗証番号を設定し、
「外出ボタン」を押してから部屋を出てドアを閉めると
ロックされ、開鍵はテンキーの「開く」ボタンを押してから
暗証番号を入力するという物。
 解ってしまえばこれだけよ。 なのですが、説明が書いて
あったのを見てようやく使い方がわかりました。

室外のキー           個室内の暗証番号設定器

 ただ、この鍵関係はまだ動作が安定していないのか
JR社員が数名乗り込んでいろいろテストしているような
感じでした。
(他にも、自動ドアが半開きで動かない車両があったり・・・
はやり「初物」にはトラブルが付き物です。)


 暗証番号設定器の下にはAC100V 「カミソリ専用」と
書かれたコンセントがありました。テーブルの下に1Aの
ブレーカがあったので、1Aまでという事でしょうか。
(1Aなら、ノートパソコン位は使用できそうだな。と
思うのは私だけではないはず・・・先の写真には、ヘッドホン
ステレオ用の電池充電器が写ってしまいました。)


 テーブルの下には灰皿がありました。私の部屋は「喫煙個室」
という事らしく灰皿があったようなのですが・・・清掃を
忘れたのか吸い殻が残っていました。
 私は煙草を吸いませんので関係無いといえば関係ないのです
が・・・ちょっとがっかりです。清掃する側もまだ車両の
設備に不慣れなのでしょう。

 またゴミ入れと思われる透明なビニール袋が、テーブル下の床上
付近の壁にただぶら下がってました。(ちょっと情けねぇ。)

 ベッドの上には寝具関係(上掛けの毛布とガウン?)が
畳んで置いてありました。

寝具関係


 部屋の奥の方(こちらが頭のほう?)の窓側には、照明の
スイッチ,時計(アラーム付き),オーディオ関係(NHK-FM
のみ放送。スピーカとヘッドホン端子付き),非常ボタン,
空調(と言ってもヒータのみ。冷房は反対側に)の調整盤が
ありました。

部屋の奥の様子

照明,オーディオ,空調の制御盤


 さて発車間際になりました。車内を探検?しようと、車内を
移動しはじめたら、ソロの車両で老婆が駅員とモメています。
 今までの寝台車両のイメージしかなかった老婆に取って、
この大きく変わってしまった車両を飲み込めないようで、
半分パニクっているように見えました。

 駅員が「ここにいとってね!」と念を押してあわてて列車から
降りていきましたが、この老婆、間違いなく東京で見かけました
ので、無事到着したようです。その時には笑顔で「便利に
なって」というような事を言っていましたので、ひとまず安心
ですけど、こういう方が、これからしばらくは出てくるかも
知れませんね。


 さて、探検の続きです。
 車内にある車番のプレートは金属製でした。
 また全て川崎重工製の車両で1998年という銘板が
付いていました。
 なお、後程岡山で併結された「出雲」編成は近畿車両製でした。

 鉄道雑誌(以前「はやぶさ」乗車前に熊本で買って「はやぶさ」 の車内で見ていた「鉄道ジャーナル’98年6月号」)で、 285系の概要は解っていたつもりでしたが、各寝台のタイプは 実車を見てようやくつかめました。  「ノビノビ座席」。これ1畳ほどのスペースにカーペットが 敷いてある状態なのですが、「座席」っていうのでしょうか。  仕切りらしき物はありますが、悪く言うと大広間に 雑魚寝状態。特急料金のみで利用できる席なので仕方ないと いえば仕方ないのですが・・・カーテンもあるようですが、 女性の方はいろいろな面で大変ではないかと思いました。 (ノビノビに若い女性、結構乗っていましたけど、どんな 気持ちで乗っていたやら。)

 編成間のドアは自動ドアですが、2枚連動でになっていて どちらかからセンサをよぎると反対側のドアも空いてくれます。  通路が結構狭いようで、すれ違うのが結構大変です。 ちょっと広い所で待ってくれたり、2階を来るのが見えたら 1階を通過する等ちょっとした心配りがあると良いのですが、 その辺に気が付く人は多くないですね。大抵無理矢理 突っ込んでやっとすれ違う状態です。  トイレは787系や883系そして500系でおなじみ?の 真空式でした。  さて、高松発車です。やはりVVVF音は私の部屋では ほとんど聞き取れませんが、M車である「ノビノビ」や「ソロ」 では相当聞こえるようです。(お気の毒・・・)  ただ、ジョイント音はそれなりに聞こえてきますので、 旅情?はたっぷりです。  285のタイフォンですが、「ファン ファン ファーン」という 681系でおなじみの音階付き?電子ホーンでした。  ただ時折自動車のクラクションのような「ファーーッ」という 音も聞こえましたので、使い分けが出来るのでしょうか。   そして岡山で「サンライズ瀬戸」に「サンライズ出雲」が 併結です。  併結というと「やまびこ」と「つばさ」の併結作業を連想して しまう私には、無線を使って誘導するであろうという予測は すぐに立ち、瀬戸大橋を渡っている頃から受信機の準備を していました。  そして「サンライズ瀬戸」が岡山到着。しばらくして 「サンライズ出雲」との通話が始まりました。(Cタイプ 乗務員無線でやるのかと思っていたら、構内入換え波 でした。)  併結時のショックはほとんど感じませんでした。私が 乗っていたのが前のほうの車両だった事もあるのかも 知れませんけど、「出雲」側の運転士がよほど気を 使っていた事でしょう。  併結後、先頭車間に「ほろ」がかけられ(もしや、自動?) 互いの編成を行き来できるようになります。そこで、 「サンライズ出雲」側の編成確認に行きました。 7月16日出雲市発「サンライズ出雲」東京行きの編成 号車  車番  1  クハネ285−4  2  サハネ285−202  3  モハネ285−2  4  サロハネ285−2  5  モハネ285−202  6  サハネ285−2  7  クハネ285−3 (↓東京方面,「瀬戸」編成と併結)  製造年は全て1998年で、製造社は全て近畿車両でした。  「瀬戸」側の編成が「川重」製だったのですが、編成数が 少ない割には1社独占製造?じゃなかったのね。  また貫通部ですが、カメラを手で伸ばせば運転席の 撮影が出来るようでした。こういう時はカメラ分離型のビデオ があると面白そうです。とりあえず、感覚だけでデジカメと APSカメラで何枚か撮影しておきましたが、後で見てみたら APSのほうが良く撮れてました。  ところで出雲側の編成ですが、空室が目立ったような 気がしたのですが、気のせいでしょうか。  岡山を出た後、この放送の後は緊急時を除き横浜到着まで 放送を休止するとの車内放送がありました。  だいぶ遅くなってきましたので実際に寝てみる事にしました。  進行方向が頭側だった関係かブレーキがかかると頭に血液が 上ってきます。(逆向きだったら、加速時にそういう事に なるのでしょう。)  心配だったのが2階席という事で、下の席より横揺れが大きい のでは・・・と思っていたのですが、以外と安定しています。  台車がいいのでしょうか。驚きました。寝ている間中、 「つばさ」の在来区間や「つばめ」のような大きな揺れが あったらたまりませんからね。  「あさかぜ」の追い抜きは噂通り「米原」で1:50頃でした。  なお「あさかぜ」が直前を走っている関係で「米原」までは 「サンライズ」は余裕で走っている?(最高速度130km/h までは出していない)ようで、この関係で大きな揺れがなかった のでしょうか。  時刻表に出ていない運転停車は、上記以外少なくとも1回は あったようです。  またオール個室化はいい面悪い面ありそうです。  個室のドアを開放して向かいの部屋の住人?数人でおしゃべり していた人もいましたけど、そういう場合は近くの部屋の 方に迷惑をかけそう(通路で「騒いだ」りしている音は部屋の中に 筒抜けですから。)なのでラウンジ辺りに行けばと思いますけど ねぇ。  それから今回利用した「サンライズ」号ですが、天候が悪く 三ノ宮を過ぎた辺りから雨になり、パラパラという、雨粒が 窓ガラスを叩く音が鳴り響いていました。  そんなわけで、残念ながら車内で日の出を見る事は出来ません でした。


7.東京から帰宅まで

 東京から帰宅までもいろいろありました。

 まずは東京ですが、「サンライズ」到着ホームで「あさかぜ」の
到着〜回送まで待っていた(「あさかぜ」回送の電機は「出雲」の
ヘッドマークを付けたEF65でした。)り、ホームのベンチで
帰りのルートを検討したりしていました。(「サンライズ」の車内
ではルート検討まで頭が回らなかった。)

 その後、E2「あさま」で大宮まで、E4「Maxやまびこ」1階で
(2階は乗車経験があったので。)福島まで行き、高畠までの
「普通」に乗るのに時間があったので福島で途中下車しました。
 福島ではきっぷにちゃんと「途中下車印」押してくれました。

 食事しようと思っていたのですが、写真屋がある事がわかり
時間今回撮影してきた5本のフィルムの現像・プリントもやって
しまいました。
 またインターネットのデモをやっているパソコンがあったので
2,3の掲示板に「サンライズ」に乗車した件を書いてきました。
 食事の後、かみさんに迎えに来てもらう時間の連絡を取り
山形行きの普通列車に乗り込みました。

 平日の日中という事で、「庭坂」まではそこそこの利用者が
いましたが、そこからはかなり空きました。でも「旅行」で
来ている方が結構いました。
 「峠」では力餅の販売をやっていまして、売り子さん(「子」
というには年がだいぶいってますけど)の声も録音しました。

 その後高畠に到着し、車で自宅に戻りました。(運転してと
言われ、なぜか自分でハンドル握ってましたが・・・)



8.帰宅までのルート,利用列車のまとめ

 今回の熊本から高畠まで戻るルートと利用列車をまとめてみました。
 途中下車はいくつかしましたが、ほとんど移動だけに時間とお金を
割いているという状態で、こんな乗りかたはやらないのが普通
ではないでしょうか。私自身も相当「贅沢」したと感じてます。

熊本→大分    71D 特急あそ1号      2号車11番A   キハ186-7
0831 1109     (豊肥本線)
(大分途中下車)

大分→小倉  3016M L特急ソニック16号  3号車 9番A   モハ883-201
1300 1355     (日豊本線)

小倉→岡山     ひかり124号      1号車 4番E→D 123-30(G24編成)
1518 1719     (山陽新幹線)

岡山→高松  3169M 快マリンライナー49号 2号車 8番A   サハ213-9
1755 1853     (宇野線−瀬戸大橋線−予讃線)
(高松下車)

高松→東京  5032M 寝台特急サンライズ瀬戸 13号車24番  サハネ285-3
2126  712     (予讃線−瀬戸大橋線−宇野線−山陽本線−東海道本線)

東京→大宮     あさま561号      1号車     E226-105
 840  906     (東北・上越新幹線)

大宮→福島     MAXやまびこ41    10号車3番A(1F)  E455-103
 927 1038     (東北新幹線)
(福島途中下車)

福島→高畠 443M  普通                クモハ719-5010
1306 1410     (奥羽本線)



利用料金
 「熊本〜(鹿児島本)〜博多〜(新幹線)〜東京〜(東北新幹線)〜福島〜
(奥羽本線)〜高畠」の乗車券を除く。

熊本→大分→小倉       (乗車券)     5,360
特急あそ1号 熊本→大分     (B特急,指定)   1,670
L特急ソニック16号 大分→小倉 (B特急,指定)      830 (乗継割)
新幹線 小倉→岡山       (新幹線自由)    3,980
岡山←→高松         (往復乗車券)   2,940
マリンライナー49号      (指定券)       510
サンライズ瀬戸シングル    (特急B寝台個室)10,500
新幹線 東京→福島       (新幹線自由)   3,570


おわりに

 今回の旅?ですが、一気にいろいろな列車に乗りすぎて
しまった感じです。でも、こんな体験はもうしばらくは
無い事でしょう。

 自宅に帰ってから今回の行きと帰りで録音したテープ(90分)
の数を数えたら10本になっていました。
 写真はデジカメで90枚,APSが120枚程でした。
(この中でサンライズ関係はテープ3本分、写真が10枚程度
ですが。)

 記憶が薄れない内にページにまとめたい所ですが、自宅に
戻ってしまうといろいろ忙しくて進みませんね。
 整理は当分かかりそうです。



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