庚申塔
庚申塔(こうしんとう)(二反田)
道教の教えでは,人間の体内には三つの霊「魂(コン)、魄(ハク)、三尸(さんし)」が宿っていて,三尸という虫が悪さをする。
旧暦で60日に一回巡ってくる庚申(かのえさる)の日に,三尸は宿主の体内を抜け出せる。天に昇って天帝に宿主の日頃の行状を報告する役目も負っていて,その報告によっては寿命を短くされる。翌朝に目を覚ます前には戻っている。
それで,庚申の日になる前日から集団で徹夜すれば三尸は体内から出られない。
この集会を3年,18回続けた記念に建立したのが庚申塔(正式には庚申待ち供養塔)である。
日本では既に10世紀ごろには盛んだったようで、『枕草子』,『大鏡』などに記述がある。この教えが広まっていく中で仏教や庶民の信仰が加わり,江戸時代には全国の農村などで大流行した。
萩生地区にはいくつかの庚申塔があるが,今も続いている講中組織(こうちゅうそしき)があり,特に中ノ目地区には5つもある。
