カウンター1111番ゲットのMIKAMIKA様へ
女王試験が始まってしばらくたったある日の曜日、アンジェリークはオリヴィエの私邸に招かれていた。
「アンジェリーク、アンタってばほんとーにお化粧のしがいのあるコだね。素顔もとおっても魅力的だけど、メイクしてみるとその度に違う魅力が出て来ちゃう。なんてったってサイコーなのはその瞳!ホントに不思議な色で次はどんなふうにメイクしたらもっと魅力的になるか、考えただけでワクワクしちゃう!」
オリヴィエの手放しの誉めように、いつもは強気のアンジェリークもさすがに真っ赤になってしまった。
「もう、オリヴィエ様ったら・・。」
「フフ、そうやって照れているところもカワイイよ。さあて、今日はどんな風にメイクしてみよっか。」
そう言ってオリヴィエは沢山のアクセサリーや化粧品などの置かれている部屋へ、アンジェリークを案内した。
ふわり、ふわり。オリヴィエの手が魔法のように動き、鏡の中のアンジェリークは見る見るうちにその表情が変化していく。
栗色の髪を結い上げちょっと大人っぽい表情に。時には貴婦人のごとく。またスポーティな感じにと様々に変わる表情。まさに夢をみているがごときオリヴィエの腕前だった。
「さて、と。最後の仕上げ。目を閉じて。」
言われるがままに目を閉じると、唇にいつもの紅筆ではないあたたかなものが降りてきた。
驚いて目を開けると、そこにはいたずらを見つかった子供のような表情のオリヴィエ。
「びっくりした?でも今のが私の気持ち。あんたのことずっと見ていたけど、もう誰にも渡したくないって思っちゃった。大好きだよ。アンジェリーク。」
「私も!私もオリヴィエ様が好き!女王にならないでオリヴィエ様の側にいたいです!」
アンジェリークは満面の笑顔でオリヴィエの告白に答えた。
「よかった。じゃあウエディングドレスのデザインは私に任せてよ。腕によりをかけて飛びっきりキレイにしてあげる。世界一の私の花嫁さんを皆に自慢しちゃおっと!」
それから二人は楽しい計画を立てるのに余念が無かった。
しばらく後、聖地ではたいそう美しい一対の結婚式が行なわれたという。