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もう一つの「鎮魂歌」


いくつも重なり合った宇宙。そのうちの一つで起こった小さな出来事。
貴方が興味をお持ちなら話しましょう。「無の空間」の向こうに封じた伝説を。


そこは黄金の髪の女王が治める宇宙に良く似た一つの宇宙。
聖なる宮殿に住まうのは女王と補佐官。15人の異なる力を司りし者達。光・闇・風・水・炎・緑・鋼・夢・地の9つのサクリア、精神・感性・品位の3つの資質、知性・占術・商魂の3つの能力をそれぞれ司る彼らは「協力者達」と称されていた。
だが、ある時一つの惑星に異変が起きた。「古の悪魔」の復活。そして大陸を中心とした災厄の数々。人々は恐れ、戦慄いた。

『古き災い蘇りし時、導きの手現れる。』
各地から導きし者となるべき力を持った15人の乙女が集められた。乙女たちは「導き手」として「協力者達」と共に力を使った。

だが・・
「古の悪魔」は強大だった。時には狡猾にも乙女たちを惑わし、自己の完全なる復活の時を待っていた。大陸の周辺に結界を張った女王を嘲笑うかのごとく、星の中枢をも侵していった。

聖なる宮殿の奥深く、女王と女王補佐官は最後の選択を決意した。
導き手たる乙女の力、協力者達の力、自分達2人の力を一つに集め、「古の悪魔」を惑星もろとも「無」に還す。その選択を実行すれば、皆の力を集め、「器」となったものも消滅してしまう。そして、残された者達も力を失うこととなる。

女王補佐官は決意した。自らを「器」とすることを。・・・暗転・・・

星が一つ消えた。乙女たちは力を失い、新しき女王、新しき「協力者達」により何事もなかったかのように宇宙は治められている。
だが、その宇宙に「補佐官職」が置かれう事は二度と無かったという。