第9話  襖

            数年前....

           第6話に出てきた後輩の家へ遊びに行った時のこと


            私は仕事を終えてから行くことになっていたので

           他の友人達よりも遅い時間に訪問することになった

           この後輩は、かなりの霊感者で、また、家族の中に「霊能者」が

           いる一家だったので、前々からいろんな話を聞いていた


            後輩の家へ着いたのは..夜の11時を過ぎた頃だったかもしれない

           私は、玄関前でいつも躊躇する

           ...なんとなく違和感を感じるのだ

           だから家の中へ入ったことはなかった

           意を決して入ると、すでにみんな集まっていて、2階から賑やかな声が

           聞こえていた

           後輩のお母さんに、部屋まで案内してもらう

           ドア越しに、いつものメンバーの声を聞くとホッとした

           「こんばんはー 入るよー」

           ドアをノックして開ける


            とたんに「風」を感じた

           窓など開いていなかったし、エアコンもついていなかった


            「遅いー」

           っと、友人達に口々に言われ、私は苦笑いしていたが

           心の中では「ダメだ」と思っていた

           「風」は一瞬だけだったが、私は部屋へなかなか入れなかった

           いつも感じていた違和感が強くて....怖かった

           だが、入らないわけにはいかなかったので、意を決して入る

           30分が限界だな...

           そんなことをぼんやりと考えていた

           
            30分もたたないうちに、私は「モ*へ行こう」と持ちかけた

           みんなあっさりと賛成してくれたので、急いで移動しようとしたその時..


            誰も何もしていないのに、その部屋だけが停電した

           そして...見てしまった


            私の真正面にあった襖が20p程開き、....

           .....2つの瞳が私を見ていたのだ 

          
             私の悲鳴と同時に電気が点いた

           見ると、襖が..やはり、20p程開いたままだった

           
             なんでこんなこと..と、半狂乱になって話すと、来ていた友人の一人が言った

           「さっきまで、私達の誰かがくるだびに襖が開くんだよ

           いくら閉じてもちょっと目を離すと開いてるの」..と

           
             以来、2度とその家へ行くことはなかった