第10話  ペット

今回のお話はあまり怖くないですm(__)m「不思議な話」編


           数年前、15年以上一緒に過ごしてきたペットを失った

          純粋な血統の柴犬で、半室内犬...名前はポチ

          家族が出かけている間は外で過ごし、誰かが帰ってきたら家に入る  
 
          そんな生活を続けていた

          そして...肝臓がんにかかり、安楽死させるしか道が無かった....

          ポチは地元にあるペット霊園に葬られた

          
           それから1年間は、家の中でポチの気配を感じていた


           家族でカンが鋭いのは母と妹

          だから、彼女達が台所で料理をしている時、よくポチの気配を感じたと言う

          なぜなら、ポチは生前、私達が料理を作っている時に

          台所の入り口に座って、おかずの半端になった物をもらっていたのだ

          決して台所には入ってこないで、入り口で待っていた

          何か料理をはじめると、カタカタとフローリングの床を

          爪音をたててやってきて、じっと待っていた

          
           ポチの死後1年間は、その足音がよく聞こえたらしい

          二人とも、足音が聞こえると懐かしくて

          台所の入り口を振り返って見るが、やはりいないので寂しかったと言う

          私には何も聞こえなかったが....


           ポチが死んだのが5月

          その2ヶ月後にペット霊園で、合同法要が行われた

          会場は、地元や遠くは関東方面からの来客で混雑したが

          法要が始まる30分前には、それぞれの場所に落ち着いて

          時が来るのを待っていた

           法要が始まり、6人か7人のお坊さんが(だったと思う..覚えていない(^^;))

          一斉にお経を唱えはじめた時、風が変わった

          いくつもの気配を感じ、妹に問いかけた

          「もしかしてたくさん「来て」いる?」

          妹は頷いた

          「始まる前からたくさん「来てた」よ みんな、お坊さんの方を嬉しそうに見てる

          お姉の隣にもいるよ..大きい犬..ハスキーっぽいのが」

           私には何も見えない

          でも風が変わったことだけは感じた

          「ポチは?どこにいる?」

          「わかんない でも確かにいるよ ただ、はしゃいで遊び回っている」


           私は、この答えで、なんとなく安心した

          苦しんでいないなら....と