私自身、この話はうろ覚えなので、思い出せることだけを書いています
数年前、ある友人の家へ集まることになり、ほぼ真夜中に近い時間に出かけた
集まるのは、ほぼいつものメンバー
だがこの日は、それぞれに用事があり、なかなか集まらなかった
誰かが来ても、すぐにわかるようにと、玄関近くの居間にいた
あと一人がくれば揃う...そんな時のこと....
私は、テレビの後ろが..正確には、さらにその外が気になって仕方がなかった
すると、テレビの後ろのすりガラスの窓を誰かがノックしたのだ
すりガラスのせいで、人影などは見えなかったが
その場に居合わせた全員に、ノックの音が聞こえた
最後の一人が来たのだと思い、玄関に迎えに行った
思った通り、友人がタイミング良く入ってきた...が
私達が玄関にいることに驚いていた
開口一番、「何で私が来るのが判ったの?」
私達は顔を見合わせた
そして聞き返した
「窓、ノックしたでしょ?」
ところがその友人は、窓の側へは行ってないと言うのだ
私達がいた居間は道路の反対側、玄関よりも更に奥まったところにある
その友人は、道路側からまっすぐ玄関にやってきた
そして、呼び鈴を鳴らそうと思ったら私達がいて驚いた...と言うのだ
「...それじゃ...さっきのノックは?...」
ほぼ全員が聞いたノックの音...
いったい誰だったのか...
漠然としたまま、居間へ行く
居間へ行くと突然、テレビの近くで何かが弾けるような音がしたのだ
ぱしっ...びっ
テレビのスイッチはオフのままだった
会話はとぎれ、私達は固唾を呑んでテレビの方を見た
だが、何もない
私達は、雰囲気を変えようと、お茶の準備をしようとしたが
すると、後輩Mが
「待って下さい。今、そっちへ行かない方がいいです」
じぃっと、台所への扉を見つめたまま言うのだ
「ま..まさか...」
そっとMに問う
「ごめんなさい〜何かついてきたみたいです...」
本人の資質か天性の素質か、Mは、しばしば「何か」を連れてきてしまうらしい
5分ほどたってから、「もう大丈夫ですよ〜」と
事も無げに言うM
だが怖くて、誰も動こうとしなかったのは...言うまでもない