遙か昔のことなので、朧気にしか思い出せませんが...
それは高校へ入学したばかりの頃...
あの頃は帰り道に、友人と市内を散策するのが日課となっていた
ある初夏の土曜日の午後...だったと思う
その日も私と数人の友人達で、いつものように市内へと出かけた
さんざん歩き回り、たまたま近くにあった神社へ寄り道することにした
参道は強い日差しを遮り、心地よい風が吹いていた
その神社で御神籤を引いたり、景色を眺めたりして楽しみ
私達は、戻り始めた
夕方になり、参道は夕日に照らされてオレンジ色になっていた
私は数人の友人と先を歩き、鳥居の近くまでたどり着いた
その時、自分の後ろが「変」な雰囲気になった事を覚えている
うまく言葉にできないが...
たとえるなら...生ぬるい空気が押し寄せてきたかのような...
なのに、背筋が気持ち悪いくらい寒いような...
思わず「えっ?」と声が出て、後ろを振り向くと...
後方数メートルほど離れたところに、あと数人の友人達がいたが
その足下に、半透明のような手が見えたのだ
それはまるで風に揺れているようにユラユラと揺れていた
その光景は、振り向きざまのほんの一瞬だけだった
私は「きゃっ」と叫び、その場にうずくまった
何事かと走り寄ってきた友人達に、事の次第を話し...
直後に私達はその神社から逃げ出したのは...言うまでもない
ただ、その神社がいったいどこにあったのか
あの時見た手は...幻なのか...何なのか...
記憶から薄らぎつつある...