第27話 見えたもの

祖母の家へ遊びに行ったときのこと。

居間には祖母と祖母の友人がいて、ちょうどお茶しながらおしゃべりしていた。

そこへ私と妹が遊びに行った。

祖母達は写真を見ていた。

と、祖母の友人の一人が、私達に

「ほら、この写真」

と、1枚の記念写真を見せてくれた。

どこかの観光地での集合写真だった。祖母をはじめ、遊びに来ていた人達も写っていた。

私には別に、これといった印象がなかった。

ところが写真を見ていた妹が「あれ?何か変」と言い、写真を凝視しはじめた。

「何が変なの?」と聞いても「ちょっと待って」と答えるだけ。

しばらくして妹は「ああ、こう見るんだ」と、写真を逆さまにした。

「これなら分かるでしょ?」と、妹が指さした場所を見て、私は腰が抜けた。



逆さまにしてみてハッキリと見えたもの。

妹が指さした、ある女性の腕と身体の隙間。

その隙間の部分に、若い女性の横顔が写っていたのだ。

それはもうハッキリと。知る人はそれが誰なのか分かるくらいに。



「分かる人には分かるものなんだねぇ。お寺でも同じ事を言ってたよ」

祖母の友人の一人が語ってくれた。

写っていたのは、その女性の娘さん。

亡くなったのか聞いたところ、その写真を撮った時点では生きていたそうで

写真を撮ってほんの数日後、その娘さんは自殺したらしい。



「予告...みたいなものなのかなぁ?」

後に妹や祖母の友人は語る。

何もかも終わってから、偶然見つかった「予告」...。