第6話  電話

         それは..数年前のこと

      後輩の一人に、代々霊能者のような家系の子がいた

      ..で、その子の家からは、なぜか電話が繋がりにくくて

      時々、公衆電話を使ってかけてくれた

      それでも、私からその子への電話は繋がるのだが..

  
         いつものように、公衆電話から電話をかけてくれていた後輩M..としましょう

  
       どんな話をしたかは忘れたが、かなり長くなったと思う

      私達の電話中の会話の他に、何か雑音が入っていることに気がついた私

      よく聞き取れなかったので少しの間、静かにしてもらったら...


      どうも子供が2人ほど、三輪車か何かで遊んでいる声..というか、音が聞こえるのだ

      どうも、後輩のすぐそば遊んでいるような雰囲気だった

      「なんか...子供がそばで遊んでいるでしょう?」

      私はさほど気にせずに聞いた

     
      「あのぉ..先輩..誰もいませんよぉ」

      申し訳なさそうに言う後輩M

      それでもはっきりと音が聞こえているのだ

      「だって..はっきり聞こえてるよぉ..三輪車の音まで..」

       そこまで言って気がついた

      電話で三輪車が走っている音など聞こえるはずがないと

       
      とたんに、子供の声も、三輪車の音も聞こえなくなったのだ

       
      なにか..異様な雰囲気を感じた私達

      電話を中断したのは言うまでもない...