第8話 夏

            

             私の妹Eの話...短めの話です


             数年前の夏、E(妹)は友人達と地元の海水浴場へ遊びに行った

           夏休みで家族連れも多くいた

           E(妹)は、さんざん泳いだり浜で遊んだりしていたので

           何度目かの泳ぎに誘われたが断り、少々疲れたので

           パラソルの側でぼんやりと泳いでいる人達を眺めていた


             E(妹)曰く、その時、何分たったか忘れたと言う


             ぼんやりと海を眺めていたら、突然、違和感のある気配を感じた

           日差しがキツイのに鳥肌が立つ感覚

           ふ..と波打ち際の左方面が凄く気になってどうしようもなかった 

           E(妹)は、じーっと波打ち際の左方面を見ていた

           すると...

           ずーーーーっと遠くから、着物を着た一人の女性が

           波打ち際ギリギリのあたりを、必死になって

           何かを捜している様子で走ってきた

            (E(妹)談:「浴衣」ではなく「着物」だった)

           E(妹)は、あっけにとられて「女性」を眺めていた

           「女性」は、E(妹)が見ていることに気がつかず

           (あるいは興味をもたず)

           ただひたすら何かを捜して小走りに走っていた

           そして..「女性」は、浜の右方面へそのまま走っていき...

           ...消えた

             あまりにもはっきりと「女性」の姿がわかったので、E(妹)は

           怖かったと言う...