ヤングユーでの作品の文庫化が最終巻となったようなので
第3話目として書き連ねたいと思います。
『紙のお月さま』
ヤングユーからの文庫化3冊目。
フリートークとラスト2話以外は、いろんな世代の女性の生き方って感じのストーリー。
中でも表題作「紙のお月さま」の中の言葉で
すごく気に入った部分があります。
「大人」というのは
もしかしたら
子供にだけそう見える
幻なのかもしれないと−
子供達が
安心して育ってゆくために
必要な幻の人間像
なのかもしれないと・・・
まるで
パズルの1つが、ぱちりとはまったような感覚。
「大人」「子供」
確かに年齢もあるだろうけれど
それ以外にも、この2つの言葉があてはまることがあるはず。
生き方とか、考え方とか。
あんな風になりたい。大人になりたい。
そう願った先の目標。願う側から見た「大人」
そしてきっと、「大人」が目指すもっと先にいる誰か...先にある何かもあるはず。
永遠に巡る輪のように。
『紙のお月さま』では、夫婦のカタチ・親子のカタチを読ませてくれます。
『記憶のダリア』
ヤングユーからの文庫化4冊目。
表題作の女の子は好きになれませんでしたが(^^;)
後日談は、実にほのぼのしていて好きな作品です。
この文庫の中で特に好きになった作品は
「空の国のあなたへ」
陸奥作品としては、衝撃でした。少なくとも私には。
前回に書いた「朝顔の朝」よりも。
飛行機の墜落。全員死亡。
そんな展開から始まるストーリー。
3人の主人公達が思い願う。
それは日常であり、会うはずだった人であり、そして大切な人の幸せを願うこと。
ラストの言葉は、きっと
先に逝った人達の言葉でもあり
残り、生を全うする人達の思いでしょう。
空の国にあなたがいる
空の国でまた会える