以前に同じテーマで書いたときは、主にクラシックのことを書きましたが 今回は吹奏楽のことです。 だいぶ前に、(社)全日本吹奏楽連盟から出版された課題曲集CD。 その中から特に気に入った曲をあげていきます。 ☆★課題曲集1975-1979★☆ ・ディスコ・キッド・ 初めてこの曲を聴いたとき、あまりにも課題曲らしくなくて驚いた。 (自分の中のイメージでは、課題曲とはクラシックに近いイメージを持っていたので) 古いダンスナンバーを思わせる軽快なポップス曲。 主旋律が後半になってから出てくるという、面白い構成。 前半でも主旋律らしきものはあるが あくまで後半を華やかに飾る旋律だと思う。 ドラムを駆使したり、独特のリズムを踏まえたクラリネットのソロがあったりと この曲を課題曲として選ぶには、相当の実力がないと出来ないかもしれない。 演奏は難しいと思うが、聞いていて楽しい曲。 ・フェリスタス・ 「課題曲」という位置づけだけにするには、あまりにも惜しい曲 1つの吹奏楽曲として、とても完成度の高い曲だと思う。 イメージとしては、ヨーロッパ辺りの森と霧に隠れた古城。 主旋律は、さほど難しいものではないが 金管によるファンファーレ風、木管群による静かなハーモニー、 金管から木管へ木管から金管への主旋律の移行、 木管のアンサンブルに徐々に加わっていく金管の主旋律 等々。 特に曲の後半にある、木管による静かなアンサンブル。 多数の木管が主旋律を奏でる中に、全く違う旋律が同時に奏でられる。 対旋律とするには、あまりにも目立つが 全く違和感なく主旋律の影を流れる様は この曲の完成度の高さを物語るものの1つだと思う。 かなり昔の課題曲ではあるが、もしも譜面があるならば 1度は演奏してもらいたい曲の1つ。 ・行進曲「青春は限りなく」・ コンサートマーチではあるが、曲自体はかなり馴染みやすく ちゃんと人を「歩かせる」曲。 普通にイベント等で行進曲として演奏しても良いと思う。 今だったら、吹奏楽初心者向けにちょうど良いかも(?) ☆★課題曲集1980-1984★☆ ・行進曲「オーバー・ザ・ギャラクシー」 どちらかというとコンサートマーチ。 「銀河を越えて」のタイトルにふさわしく オープニングは旅立ちをイメージさせてくれる。 リズムを刻むのがスネアドラムではなく シンバル(?)なのが面白い。 ・イリュージョン・ 主旋律を各楽器が追いかけるように奏でられている。 全体の構成は、主旋律を色々に変化させたもので作られている。 底辺でリズムを刻むバス系の楽器が、曲の出来の善し悪しを決めるかも。 ・白鳳狂詩曲・ 珍しく「和」をイメージさせる曲。 残念ながら、譜面を見たことがないのだが 木管楽器は大変な苦労をしそうだなと思った。 主旋律は京都や奈良といった古くからの「都」をイメージさせるが 刻むリズムが日本の祭りをもイメージさせてくれる。 ・土俗的舞曲・ こちらも「和」をイメージさせてくれるが 上記の白鳳狂詩曲とは違う、土地に根付いている神楽や舞曲を思わせる。 はじめに奏でられるホルン等による主旋律が耳に馴染みやすく 後半の、静かな旋律も違和感なく聞ける。 ☆★課題曲集1985-1988★☆ ・オーバーチュア・5リングス 今ならばファンタジー映画の序曲として合いそうな曲。 低音群による最初の主旋律が物語をイメージさせてくれる。 曲の中程から後半にかけてにあるティンパニの刻みが 違和感なく対旋律となっている様は見事。 ・コンサートマーチ「テイク・オフ」 私が好むものは、基本的に情景をイメージさせてくれる曲で 特にこの曲は気に入っているものの1つ。 オープニングは朝の情景のような、緩やかな旋律から始まる。 主旋律は題名の通り、空を飛ぶ飛行機を思わせる。 それも、飛行機から見た空の情景。 典型的なコンサートマーチの形を取っているため、演奏会向けの曲だと思う。 他のマーチと違い、中音の楽器(ホルン等)の音が目立つ作りになっているため 馴染みやすい旋律のわりには難しい曲かもしれない。 ・カーニバルのマーチ・ 聞いていてとても楽しい曲。 基本はマーチなのだが、カーニバルの雰囲気を出すために サンバ等のラテン系のリズムを感じさせる。 特にパーカッションの出来次第で曲が左右されそう。 ***追記*** 久しぶりに(社)全日本吹奏楽連盟のHPへ行ってみたら いつのにか1999年度版のCDまで出てました。 …そのうち購入予定です(^_^;) |