第12話 音楽 その2

以前に同じテーマで書いたときは、主にクラシックのことを書きましたが

今回は吹奏楽のことです。


だいぶ前に、(社)全日本吹奏楽連盟から出版された課題曲集CD。

その中から特に気に入った曲をあげていきます。


☆★課題曲集1975-1979★☆

・ディスコ・キッド・

初めてこの曲を聴いたとき、あまりにも課題曲らしくなくて驚いた。

(自分の中のイメージでは、課題曲とはクラシックに近いイメージを持っていたので)

古いダンスナンバーを思わせる軽快なポップス曲。

主旋律が後半になってから出てくるという、面白い構成。

前半でも主旋律らしきものはあるが

あくまで後半を華やかに飾る旋律だと思う。

ドラムを駆使したり、独特のリズムを踏まえたクラリネットのソロがあったりと

この曲を課題曲として選ぶには、相当の実力がないと出来ないかもしれない。

演奏は難しいと思うが、聞いていて楽しい曲。



・フェリスタス・

「課題曲」という位置づけだけにするには、あまりにも惜しい曲

1つの吹奏楽曲として、とても完成度の高い曲だと思う。

イメージとしては、ヨーロッパ辺りの森と霧に隠れた古城。

主旋律は、さほど難しいものではないが

金管によるファンファーレ風、木管群による静かなハーモニー、

金管から木管へ木管から金管への主旋律の移行、

木管のアンサンブルに徐々に加わっていく金管の主旋律 等々。

特に曲の後半にある、木管による静かなアンサンブル。

多数の木管が主旋律を奏でる中に、全く違う旋律が同時に奏でられる。

対旋律とするには、あまりにも目立つが

全く違和感なく主旋律の影を流れる様は

この曲の完成度の高さを物語るものの1つだと思う。

かなり昔の課題曲ではあるが、もしも譜面があるならば

1度は演奏してもらいたい曲の1つ。



・行進曲「青春は限りなく」・

コンサートマーチではあるが、曲自体はかなり馴染みやすく

ちゃんと人を「歩かせる」曲。

普通にイベント等で行進曲として演奏しても良いと思う。

今だったら、吹奏楽初心者向けにちょうど良いかも(?)



☆★課題曲集1980-1984★☆

・行進曲「オーバー・ザ・ギャラクシー」

どちらかというとコンサートマーチ。

「銀河を越えて」のタイトルにふさわしく

オープニングは旅立ちをイメージさせてくれる。

リズムを刻むのがスネアドラムではなく

シンバル(?)なのが面白い。



・イリュージョン・

主旋律を各楽器が追いかけるように奏でられている。

全体の構成は、主旋律を色々に変化させたもので作られている。

底辺でリズムを刻むバス系の楽器が、曲の出来の善し悪しを決めるかも。



・白鳳狂詩曲・

珍しく「和」をイメージさせる曲。

残念ながら、譜面を見たことがないのだが

木管楽器は大変な苦労をしそうだなと思った。

主旋律は京都や奈良といった古くからの「都」をイメージさせるが

刻むリズムが日本の祭りをもイメージさせてくれる。



・土俗的舞曲・

こちらも「和」をイメージさせてくれるが

上記の白鳳狂詩曲とは違う、土地に根付いている神楽や舞曲を思わせる。

はじめに奏でられるホルン等による主旋律が耳に馴染みやすく

後半の、静かな旋律も違和感なく聞ける。



☆★課題曲集1985-1988★☆

・オーバーチュア・5リングス

今ならばファンタジー映画の序曲として合いそうな曲。

低音群による最初の主旋律が物語をイメージさせてくれる。

曲の中程から後半にかけてにあるティンパニの刻みが

違和感なく対旋律となっている様は見事。



・コンサートマーチ「テイク・オフ」

私が好むものは、基本的に情景をイメージさせてくれる曲で

特にこの曲は気に入っているものの1つ。

オープニングは朝の情景のような、緩やかな旋律から始まる。

主旋律は題名の通り、空を飛ぶ飛行機を思わせる。

それも、飛行機から見た空の情景。

典型的なコンサートマーチの形を取っているため、演奏会向けの曲だと思う。

他のマーチと違い、中音の楽器(ホルン等)の音が目立つ作りになっているため

馴染みやすい旋律のわりには難しい曲かもしれない。



・カーニバルのマーチ・

聞いていてとても楽しい曲。

基本はマーチなのだが、カーニバルの雰囲気を出すために

サンバ等のラテン系のリズムを感じさせる。

特にパーカッションの出来次第で曲が左右されそう。



***追記***

久しぶりに(社)全日本吹奏楽連盟のHPへ行ってみたら

いつのにか1999年度版のCDまで出てました。

…そのうち購入予定です(^_^;)