プリンターの「ノズル詰まり修理」 奮戦記



皆さんも年賀状の季節になると多くの方がお世話になるプリンター。  実はこのプリンター、なかなかクセ者でしてプリンター自体は安いけれど、純正インクはバカ高!
(まるで携帯電話のように、本体は安いけど後に続くものが・・) そこでメーカー外の安いインクをお使いの方も多いものと思います。
しかしここで問題となるのがノズルつまり。 値段の高い純正インクはトラブルが少ないようですが、この安いインクは多くの情報から、やはり詰まりやすいのかも知れません。

年賀ハガキをいよいよ印刷する段階で思う通りインクが出ない事から慌てた方も多くいらっしゃると思います。
今年暮れの我が家の年賀状印刷・・ まさにそんな場面に遭遇してしまったのでした。 (今まで何もトラブルが無かったのに・・ 涙)

僕の使っていたプリンターはCANONの「MP610」と言うモデル。 2007年購入で4年目でした。 
スキャナ機能やコピー機能、OCR機能がついているし第一、長年使っていてとても使いやすかった事から何とかこれを修理して継続して使いたいと思ったのでした。

トラブルに遭遇したのは年も押し迫った12月23日。 修理に出すにしても期間的に間に合わないし、1万円近く費用がかかる。
それなら新しいモデルを買った方が絶対良いですよね・・
(実際、僕はこの段階で万が一に修理出来なかった事を考え、新しいプリンターを購入して体制を整えていたのでした)
でもやはり安いインクをガンガン使いたい・・ そんな気持ちが心の底に有りました。

幸いにして短期間ながら、ネットから情報を取り何とか自分で修理しましたので、同じ問題で悩んでいる方々に是非この修理奮戦記をUPして参考にして頂きたいと思いました。
お金をかけず、ぜひ皆さんの手で修理してくださいね。  (恐縮ですが、この修理方法はあくまで個人の責任で行ってください)

<A> 種々の改善作業を行った順序

@ プリンターのセルフ機能からクリーニングを行う ← (インクが消費します)
  
↓ それでもダメな場合
A プリンターのセルフ機能から強力クリーニングを行う ← (インクがガンガン消費します)
  ↓ それでもダメな場合
<いよいよプリンターヘッドを外して単体クリーニング>
B プリンターヘッド洗浄液を購入し洗浄
  ↓ それでもダメな場合
C プリンターヘッドを家庭洗剤を薄めて洗浄
  ↓ それでもダメな場合
D プリンターヘッドを家庭洗剤の原液で洗浄 
僕の場合はここまでやってやっと治りました



<B> 以下に写真で説明します



これがプリンターヘッドの裏から見た写真・・ 中央に上下に広がっているミゾのようなものが有りますが、これがノズルです。
このノズルからインクが飛び出しコピー紙に印刷されると言う仕組みです。 この細〜〜いミゾがインクで固まってしまうのでしょう。
長いのがブラック、そして6本のミゾが各カラーなんでしょうけれど、インクタンクは黒が大小二つ入れても計5つ。 ミゾは計7つなので2個多いのですが、
余り悩まず、ここではインクが詰まっている事だけに集中しましょう(笑)  ノズルの左右のネジ2箇所を外すとノズルが本体から分離出来ます。
でも、ネジの締め付けが固いのでご注意を。
 



こちらはノズルを本体から外してアップの写真を撮りました。 (写真では洗浄後なので綺麗に写っています)



そのノズルをユニットから外して更に中を見たところです。  真ん中のグレーの丸いのはパッキンのようなゴム製のもので出来ています。 
中に小穴が7つ、長穴が1つの計8つ。 先ほどのノズルの数と合わないですねぇ・・??
このパッキンを外すとその穴に沿った凸形のプラスチック突起が有り、この穴にドッキングされています。
一度このパッキンを外してみたのですが、逆にこの全ての穴にはめ戻すのに苦労しました。
外す行為は洗浄には余り関係ないと見ました。(写真では綺麗でしたが、外した時は結構汚かったですけれど)



そこでいよいよヘッド本体の洗浄作業に取り掛かります。
ネットで調べるとノズル詰まりを修復する魔法の洗浄液?なるものが販売されている事を知り、さっそく近くのケーズデンキで購入。
価格は500円。 安いのでダメもとで気楽に作業出来ます。



先ほどのヘッドを表からみたところです。 プリンターへも手前側から見ると丁度この形で組み付けられています。 
左から黒(小)、黒(大)、黄、赤、青のカートリッジが組込まれ、写真の●のところからインクが吸い込まれます。
この●の白く見えるのはかなり細かなメッシュのようです。 カートリッジのインクから異物が入らないようになっているのでしょうか。
魔法のヘッド洗浄液はこのメッシュのところからスポイトで垂らして固まったインクを溶かす・・ と言うものでしたが、何度やっても
結局ダメでした(涙) かなり頑固にインクが固まっていると思われます。


これはブルーのインクカートリッジ。 右上の丸い突起からインクが上の写真の●へドッキングされインクが流れます。



インク洗浄液の効果が無かったので、今度は組付けたあとネットで調べ、どうやら家庭用の洗剤で上手く修理された方がいらっしゃったので同様に
やってみる事にしました。
写真で手の側に有る金メッキの付いているプリント基板は絶対水に入れないでくださいね。



使用するのは何とマジックリンでした。 ポリの容器にプリント基板が液に付かぬ程度の溶液(ぬるま湯とマジックリンを半々程度に
希釈)を溜め、これにノズル側を下にして半日置いてみました。 
手でゆすったりすると、溶けたインクが流れ落ちて溶液に固まっていたインクが少し流れ出します。
でも結局僕のプリンターはこれでもダメでした。



次にアタックしたのは、もうこれで最後の作業・・  マジックリンの原液を直接●のところに流してみたのです。 これはネットの情報でどなたもやって
いないようでした。
ご覧の通り下の部分からインクが流れ落ちているのが分ると思います。
撮った写真のタイミングが違うのですが、僕は黒色(左端側が詰まっていた)が印刷されなかったのですが、その黒色が少しづつ色が流れ
落ちているのが分りました。 でもこれで印刷してもダメだったので、ホントに最後の最後、次の作業を試みる事にしたのです・・



つまりご覧の通り、ストローがこの●突起とピッタリ合うことが分りました。 これを使った理由はやはり魔法の液のエプソン用を見ましたら、
こちらはスポイトでは無く、注射器を利用して若干空気圧をかけて作業する事にヒントを得たのです。
自分の口から息を入れたりすったり15回程度。 感想としては息が通り抜ける感じは全く有りませんが、でも、この●の部分もノズル側も
先ほど迄出ていなかった黒色が流れて来るのが分りました。
このプリンターのインクは染料と言う事で水に溶ける事が分っていたので、ポリ容器にぬるま湯を張って、ここで再度ノズルをゆすっては少し置き漬け・・ 
そんな作業を何度も繰り返してみました。
そしてテスト印字。  ここで何となんと初めて黒のインクがパーフェクトに印刷されたでは有りませんか・・  嬉しい!のひと言でした。
新しいプリンターも結局お店には悪いのですが、返品させて頂きました(大変申し訳有りません−苦笑) 
スペアインク含め1万4000円の現金バックは嬉しいデス。



テストプリントの 「BK」 と書かれているう行の印字結果をご覧になってください。 用紙は4枚有りますが、一番上がトラブル発生直後で全く黒が印刷されませんでした。
そしてマジックリンを希釈して作業した辺りから上から2番目・・ 少しだけ黒色が出てきて、更に作業を頑張ったら3枚目の効果でしたが結果はいまひとつ。
マジックリンの原液使用でどうやらパーフェクトにノズル詰まりが改善されました。

僕は過去にこのノズル詰まりでプリンターを悔しい思いで2台ほど交換(購入)しました。 これだけの事ですのにね・・ 
でもこれで安心して安いインクをガンガン使用する事が出来ると言うものです。 
この修理方法を試された方、結果は如何でしたか? メールなど頂ければ幸いと存じます。
※ この修理方法はあくまで個人の責任に於いて作業くださいね。

INDEXへ>