LIVE REPORT 2004
藤井政美(sax) 二野明(p) 2004.12.18 村上市 楽屋
昨年5月、藤井さんの演奏に触れ目覚めのようなものを感じたことを思い出す。再び楽屋で演奏と聞き、切羽詰った仕事を中断して出かけてきた。前回はソプラノ、アルト、テナーの3本を持ち替えていたが、店に入るとどでかいサックスがスタンドに立っていた。最近手に入れたバリトンも積み込み、広島から車を12時間走らせて来たそうで、アルト、テナー、バリトンを持ち替えての2ステージであった。ピアノとのデュオということで生音をじっくり聴くことができた。フラジオ音域からの着地で顔を出すグロスマン風フレーズ、期待通り系のバリバリのブローイング大会であった。スピード感のある現代的なフレージングは昨年以上にパワーアップした感があり、日々の鍛錬を思い浮かべながら聴かせて頂いた。季節柄クリスマスソングを数曲入れながらスタンダードからウエザーナンバーまで幅広いメニューの2ステージ、1ステージ最後のマイシャイニングアワーが特に良かった。アンコールのブルースでは、広島から同乗してきたという方にバランスドアクションを手渡し、藤井さんはバリトンでベースラインを吹いたりしながら絡んでいた。
けして広くない店内で灰皿を山にして煙草を吸い続ける客がいた。1ステージが終わった頃から目が痛くなり、息苦しくてイライラしてきた。分煙の進むこの頃、少し遠慮してもよさそうなものだが困ったものである。終演後マスターとお話をしたかったのだが、モクモクの店内に我慢ができず外の空気が吸いたくなって退散することにした。
予期しない収穫もあった。帰り際、出口付近にいた藤井さんに声をかけたところサックス談義をしようと誘って下さり、楽屋(楽屋の楽屋)に移動してお話を伺うことができた。バランスドアクションとリファレンスモデルの吹奏感の違いなどを聞くうち、良かったらどうぞということで彼のバランスドアクションを試奏させていただいた。一息吹いてわかる鳴りのよさ、吹きやすさ・・・素晴らしい楽器であった。自分の楽器では上手くコントロールできないある音域も楽々鳴らすことができた。疑問には思っていたが、私の楽器にある種の問題があるのかもしれない。私の仏6の様子など話した所、フロントダブルFを押さえたときの左手サイドキーの開きの調整やリペアマンとの付き合い方などについて大変参考になるアドバイスをして下さった。すぐにでもバランスを手に入れたい欲求に駆られているが、100万円のローンは簡単には組めない。もう一度、自分の楽器を調整していく方向で考えてみたい。藤井さんに感謝である。(2004.12.18)
昨夜の話を思い出しながら自分の仏6を調べたみた。フロントダブルFを押さえたときのハイFの開きを狭くするぐらいは自分でもやれそうだ。フロントダブルFキーとハイFキーはフロントダブルFキーの根元のねじで連動するようになっている。このねじを根元側に移動させることでハイFキーの開きを狭くしてみた。ドライバー1本で簡単にできる。左の写真はフロントダブルFキーを押さえたところであるが、根元のねじを左によせているのが分かるだろうか。実際に吹いてみると以前は擦れたように出にくかったフラジオGが確かに出しやすくなった。右手でハイFキーを押さえつけてさらに開きを狭くすると音のクリア感が増すが、力づくな事はせずにリペアマンに見てもらったほうが良さそうである。(2004.12.19)
羽毛田耕士バンド 2004.10.22 米沢市伝国の杜エントランス
今回が故郷米沢での初ライブということで、200席限定ながら、スイングガールズ風の高校生から親戚かなと思わせる年配の方まで幅広い客層で賑わっていました。「授業参観の子どものような気分で緊張気味・・・」というMCで笑いを取っていましたが、6名のメンバーの短めのソロ回しを3管フロントのカチッとしたアンサンブルで挟んだ演奏を聴きながら、授業参観で友達と仲のよいところを見せる優秀な子を連想したりしてました。
メンバーは羽毛田耕士(tp)鈴木圭(ts)小林稔(tb)佐藤真也(p)芹澤薫樹(b)鈴木郁(drs)の6名。地元で撮影されたスイングガールズにちなんでAトレインから始まり、メッセンジャーズやホレスシルバーの曲、ブルースのルーツはワークソングであることに引っ掛けた最上川舟歌、ナーディスの進行に載せたりんご追分、コンファーメーションの進行に載せた千と千尋など、親しみやすい彩り豊かな選曲とアレンジは、ジャズにあまりなじみ無い客をも意識してのことなのでしょう。オリジナル曲では、セカンドセットのVSOP風の曲が気に入りました。できれば、あの曲だけでも長めのソロを聴いてみたかったなー。今回はコンサートの性格上、意識的に幕の内弁当的なジャズにまとめたものと推測しましたが、某東京在住のピアニスト情報によると、アバンギャルドなバージョンもあるらしいので機会があればそっちも聴いてみたいものです。
さて、テナーの鈴木圭さん、テクニック・歌心・音色とも25歳とは思えない円熟した雰囲気を感じさせる、ハイレベルなプレーで楽しませてくれました。由緒正しいバップフレーズとモーダルなフレーズのバランスもよく、フラジオ音域のつなぎ方も達者で、スピード感ある音符が流れ出てくるソロ、できれば数コーラス続けて欲しかったです。(2004.10.23)
羽毛田さんのホームページを覗いてみたら試聴コーナーがありました。羽毛田耕士ビッグバンドではジョーヘンやボブバーグの曲をかっこよいアレンジで演ってたりして、こちらも生音を聴いてみたいものです。次は是非ビッグバンドで米沢に来て、音響のよくないエントランスじゃなくてホールで演奏して下さいね。客集めしますよ。(2004.10.24)
山中良之カルテット 2004.10.2 山形市 文翔館
文翔館ジャズサミットに山中良之師匠が出演、十数年ぶりに師匠の生音を拝聴しました。今回、ちまたで言われているような師匠の演奏スタイルの変化を確認せねばと思っていたのでしたが、私的に聞いて、やっぱり山中師匠の演奏でありました。一音にこだわる無駄の無い音の綴り、細かいタンギングによるニュアンス、トレーン派テナーを研究してきた片鱗が顔を出す絶妙なフレージング・・・・・・などなど相変わらずの素晴らしさでした。十数年前から変化を感じた部分といえば、ご自身でリフェースしているオールドハードラバーのマウスピースとバランスドアクションから絞り出す、なんとも味わい深い音色、そしてバンドメンバーの素晴らしさでありました。ロングトーンが増えたように感じたのですが、これがまた音色の素晴らしさにぐっと来ます。今回、まったくのPA無しのカルテット演奏で、最近のアルバムからの曲を中心に、師匠のホントの生音をじっくりと味わわせてもらいました。
楽屋や会場での会話から・・・・・・
「おお、今日は吹けよ、楽器持ってきてるんだろホントは。」「いや・・・、今夜は十数年ぶりにじっくりと聴かせて頂きます。」
「パリで演奏してきたんですってね。HP見せてもらってます。」「ヨーロッパのジャズとかあるのかなと思ってたけど、同じだね。」
「楽器さわらせてもらっていいですか。」「ダメ(といいながら手渡してくれる)、やっぱりバランスでしょ。」
「やっぱりキーの改造とかしてるんですか。」「ぜんぜんいじってないよ。」
「スタイルが変わったとか聞いてたんですけど、今日の演奏聴いたらやっぱり山中さんでした。」「そうか。自分の歌しか歌えないよ。」
「ストリングスとやってるやつが手に入らないんですけど。」「もうすぐ、米版が出るよ。」
「マウスピースとか教えてもらいたいことがあるんで・・・・・・」「最近のはダメだね。」「リフェースもしてるんですよね。」「電話でもメールでもくれ。まかせなさい。」お世話になってた頃とまったく変わり無い師匠で感激! 上は控えめにフラッシュ無しで撮りぼかしがかかった写真です。(2004.10.5)
伴田裕(Ts Ss)セッション 2004.1.3 村上:楽屋
村上市出身の伴田裕さんの帰省セッション、楽屋での演奏は今回で3回目になるそう。メンバーは伴田(ts ss)さん、山本美恵(key)さん、永井孝(b)さん、佐野郁雄(ds)さん。伴田さんのことはJazz In新潟で知り、ご自身のサイトを見せてもらいながら、生音を楽しみにしていた。1963年生まれで高校時代にサックスに憧れを持ったあたりは私と同じだったりするが、ルックスがお若くて感心する(笑)。
8時ファーストセットスタート。スタンダードナンバーから始まる。テーマ後のテナーソロをワンフレーズ聴いただけでうれしくなる。バランスドアクションらしいその鳴り、モダンテナーを研究してきたことを想像させるフレージング、影響を受けたであろうテナー奏者の名前がいくつか浮かんでくるが、個性ある伴田さんの音になっている。故郷の海や家族、友人をテーマにしたオリジナルナンバーの数々は作曲の才能も感じさせる魅力的なものであった。ネイマではフリーキーなトーンを多用したソロで楽しませてくれたが、聞きなれない客はさぞ驚いたことだろう(笑)。
ファーストセット後の休憩時間、少しだけお話を伺うことができた。テナーは4万番台のバランスドアクション、ハードラバーのマウスピースはヤナギサワのオーダーメイド、リードはJAVAの2半。ニューヨークのミュージシャンと録音したCD(詳しくは伴田さんのサイトで)を昨年出しており、近日また向こうで活動する予定だそう。なかなか気さくな方で、このサイトも見て下さっているとのこと。
セカンドセットもソプラノと持ち替えながらオリジナルと半々の曲構成、真正面からのジャイアントステップス、アンコールのイズントシーなどで楽しませてくれた。
テナー用とソプラノ用にストラップを二本下げ、テナーは右腰横に下げ指を添える演奏スタイル。楽器を支え持つ腕の負担を抑え運指にエネルギーを集中させるような意図があるのかな?などと想像してみた。終了後もう少しお話ししたかったが翌日の仕事もあるので早々に帰宅。大いに練習意欲をかき立ててくれる2004年の初ライブであった。来年の正月セッションも楽しみにしたい。(2004.1.4)以下は後日ご本人から本サイトのBBSにご発言いただいた内容、素人サックス吹きに貴重な内容なのでここに転載保存させていただいた。
たくおさん、こんばんは。先日は村上市「楽屋」にライブを聞きに来て下さりありがとうございました。ライブレポートも拝見致しました。好意的に書いて頂きありがとうございます。(写真の件、了解です)ストラップはテナーは肩がけのハーネスです。首の負担を減らすのと音色の為です。また脇でSAXを構えるのは自分の身長とテナーの大きさから自分なりに考えたポジションです。(構える場所によって一長一短あるような気がします)バランスドアクションを使っているのは音色もそうですがネックの角度がM6より自分にとって吹きやすいという理由からです。私も管理人にお願いしてリンクしておきます。今後とも宜しくお願いしま〜す!! (2004.1.9)
たくおさん、こんにちは。Aトレインの件ですが自然なアドリブライン(鼻歌的ライン)から抜け出すにはあるコードに対して違うスケール設定をする必要があります。コピーフレーズにしてもそうですがバックに何のコードが鳴っていてフレーズの音がコードに対してどうなっているか確認する必要があります。また例外も多くありますがそのフレーズが何のスケールを基に作られているかを考えたりすると違った角度から音楽を見る事が出来ると思います。自分の中に無い響きを体に作るには様々なスケール・コード練習が欠かせません。時間があれば和音をピアノなどで弾くとよりダイレクトに体で感じる事が出来ると思います。(2004.1.13)