断 層

 小国町の立体地形図を見ると南北に断層線が走っている様に見えます。小国町史ではこの地形について下記のように説明されています。また、小国町を含む置賜地方には活断層も確認されています。直下型地震への備えも大切です。

【小国町史より引用】

 この地域には三つの主要な断層線が三本通っている。すなわち、地域のほぼ中央を北北西から南南東に走る越戸断層と、地域の西側をこれとほぼ同じ方向に走る金丸断層及び東端の山麓沿いにおおむね南北方面の小国断層によって構造的に三地域に分かれる。すなわち東から小国盆地・沖庭台地・金丸地溝帯と呼ばれる。

(1)小国盆地
 小国盆地の西縁は小国断層によって境されている。小国断層は西に70〜80度傾斜した逆断層で、沖庭台地が断層面を境にして押し上げられたとしている。単に西方山地全体が隆起しただけでなく、盆地全体が西に傾き陥没したものと思われる。断層に接近した部分では、津川層上部が西方に急傾斜で逆転しているが、断層から離れるにしたがって全体として東方に傾斜するようになる。又小国盆地東縁では地層は西方に緩傾斜しているので、盆地は東西非対象的な向斜構造を示している。

(2)沖庭台地
 沖庭台地は小国盆地とは逆断層で接し、西の金丸地溝帯とは越戸断層で接して台地状をなしている。基盤の花崗岩は緩やかな起伏をなしており、山頂には津川層の下部と中部が分布している。この沖庭山地の隆起に伴いながら荒川の浸食は続けられ、先行性の流路をなして見事な峡谷を形成した。

(3)金丸地溝帯
 二条の断層によって中央部の陥没したいわゆる地溝帯とよばれるものであるが、東の越戸断層は傾斜70度前後の西落ち正断層で、地形的にもよく追跡することができる。落差は津川層の分布状態から判断して400〜500メートル程度である。西の金丸断層は東落ちの正断層で、それら二断層の中間が地溝状に陥没した地域である。


【置賜地方の活断層】

 現在置賜地方で確認されている活断層は、表の通りになっています。今後数百年以内で直下型のやや大きな地震を起こす可能性があるということです。大地震がおきれば、地すべりなどいろいろな災害が起こる可能性がありますので、日頃から防災意識を持って備えることが大切です。
断層の
名 称
位 置 長さ
(Km)




予想される
地震の最大規模
マグニチュード
古屋敷
断 層
白鷹町大森山と最上川に挟まれた
場所地すべりの可能性もあり  
1 2 B 5以下
長井西方
断 層
白鷹町山口の西側から長井盆地の
縁を通って飯豊町椿付近まで  
約20 1 B 7
小国町
東方断層
小国町中心部の北東側で、岩井沢
周辺まで           
2 2 B 5前後
高戸屋山
東方断層
川西町北方の西側から黒川の右岸
を大舟の西まで        
5 1 B 6
黒川右岸
断 層
川西町山口付近         2 2 B 5前後
小樽川断層 米沢市の小樽川左岸で石切場の東
から神原付近まで       
6 1 B 6
  「新編日本の活断層・東京大学出版」「広報おぐにNO.497」をもとに作成しました。


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