安達洋子さん 感動の答辞

   
現在流れている曲は、平成4年の3月、埼玉県秩父市立影森中学校で作られた全国の卒業式で歌われている「旅立ちの日に」(作詞:小嶋登、作曲:坂本浩美)という曲です。作詞をした小嶋氏は当時の同中学校の校長先生で作曲は音楽の教科担任であった坂本氏です。当時荒れていた学校を立て直そうと試行錯誤の末、音楽の力で苦境を打開するという方針を打ち出しました。


   平成16年3月16日、第22回長井市立長井南中学校の卒業式が挙行された。答辞を読んだ
  安達洋子さんの涙ながらの言葉に会場は時が止まったかのよう・・感動の共有が出来たすばらしい
  ひと時だった。
  一年間生徒会長としての、様々な思いが胸をよぎったのだろう。455人のトップに立ち、南中の
  伝統をまもり、新しい風を吹かせようと努力した一つ一つがにじむ言葉の連続だった。洋子さんの
  ような子供を持ったご両親がうらやましくも思えたときでもあった。洋子さんは、長井高校に進学、
  これからもがんば るのだろう。行く末に大いなる期待と拍手を送りたい。
  昨年生徒会長に立候補したときの洋子さんの抱負は、
 ■ラブリー長井を2回開催
 ■ 挨拶をもっと積極的に
 ■ 服装改善にさらに取組む
 地域に貢献する、1人1人が真剣に取組む生徒会活動を目標を掲げた。
見事に成し遂げた。
  心から洋子さ んに拍手を送りたい。
  ソフト部に所属し、文武両道活躍した。南中はすばらしい生徒を持っている。
 
   一方、もう一人答辞を読んだ朝倉傑(すぐる)くんも、切々と学校内での大切な時間を伝えてくれた。
   時間は 一瞬たりとも止まらない。時間を大切にして生きていきたい、彼の言葉にも、また洋子さん
   同様の大事な事柄を伝えてくれたすばらしい答辞だった。朝倉君も洋子さん同様長井高校に
   進学する。
   若き南中のリーダー に改めて拍手を送りたい。
   ここに、本人の許可をいただき、答辞の全文を掲載させていただきます。

  答   辞

  「ありがとう」。私は沢山の人にこの言葉を伝えたいです。
  何でみんなわかってくれないの? 協力してくれないの? 生徒会の代表となった三年生の春は、
  正直生 徒会長になんてならなければよかったとさえ思い悩む日々でした。今思えば、昨年度の
  すばらしい先輩方の活躍がプレッシャーとなり、形だけ整えようとしていたのかもしれません。
   そんな中、「洋子のカラーでいこう。洋子しかもつていないものがあるはずだから。」とお母さん
  から励 まされました。その言葉にすごい勇気をもらった私は、文化祭で感謝の花を咲かせようと
  思いました。ひと つの行事を成功させるというのは、沢山の人の力と気持ちがひとつにならなければ
  なりません。ここにい るすべての人が感謝の心を見つけ、自分の花を咲かせることが出来た文化祭
  は、忘れられない思い出です。
  いつも励ましてくださった先生方、いつも笑い、涙を流し合った企画会のみんな、様々な面で私を支え
  てくれた、一二年生のみなさん、本当にありがとうございました。そして、このような素晴らしい方々と
  出会うことができたのも、家族という存在があったからだと思います。お父さん、お母さん時には素直
  になれず、ケンカをしたり、わがままを言ってしまいました。でも、どんな時も私たちを支えて下さい
  ました、お父さんと お母さんが、私達のお父さんお母さんでよかったと心から思っています。お父さん
  お母さん生んでくれてありがとう。
 
   この三年間は、南中があって、みんながいて、それが当たり前のようにすごしてきました。私は、
  南中が大好きです。ともに、この三年間をすごした仲間たちが大好きです。だから、ここにいる友達や
  先生方と別れなければならない事は本当に辛いです。
 人は一人では何にも出来ません。共に笑い会える仲間や、涙を流した時、そばにいてくれる仲間が
  必要です。そんな仲間に出会う事ができた南中に感謝しています。
 先日、卒業アルバムをいただきました。なつかしい表情と共に、あのころの声までよみがえってきて、
  思い出の中に酔いしれました。そろそろ旅たつ時が来ました。例年にない大雪に囲まれていた
  南中も、雪解けが進み、土のにおいがしてきました。やわらかい陽ざしの中につつまれながら、
  私たちは、春の足音と共に歩みだして行きます。
 
  ご来賓の皆様、本日は本当にありがとうございました。
  一、二年生のみなさん、先生方、さようなら。今まで本当にありがとうございました。お元気で。
                                               
                                           平成16年3月16日
                                      第二十二回卒業生代表 安達洋子

  
 神妙な面持ちで答辞を聞き入る大滝校長先生ほか先生方、校長先生も今年卒業だ。


  この三年間、たくさんのすばらしい友、先生方とかけがえのない時をすごすlことができて本当に
  幸せだったと感じています。思い起こしてみると、三年間はあっという間で、気づいたらもう卒業という
  気分です。朝「また遅れる」と急いで自転車をこぎ、息を切らしてバスに乗ると、「またか、もっと早く
  起きろよ。」と笑ってくれる友がいました。学校ではいつもの笑顔の仲間たちがいました。生徒会の
  仕事をがんばっている友、宿題が終わっていないからと、あせりながら勉強をしている友、朝から
  元気いっぱいに遊んでいる友がいました。
  授業では、たくさんの先生方から、時に注意を受け、時にほめられ、笑顔を交えながら楽しく教えて
  いただきました。先生方には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。
 部活動では、目標を達成して嬉し涙を流した部、目標までたどり着けず悔し涙を流した部がありました。
  チームがバラバラになった時もありました。先輩として重い責任を感じ、勇気を振り絞って部員に渇を
  入れたり、時にはバシっと言えない自分がいやになったり・・・・。チームがひとつになったことが
  うれしくてみんなで喜び合ったりもしました。このような経験がこれからの人生に大いに役立ってくれ
  るものと信じたいと思います。またね朝早くから起きて弁当を作ってくれた、お父さんお母さん
  ありがとうございました。
  忘れられない思い出として、477人もの大勢がひとつの目標に向かってまとまることが出来たという
  ことがあります。それは、運動会でした。準備の段階では気持ちが足りず、このままで本当にいい
  運動会が作れるのかと、不安でした。しかし先生方、地域の方々、そして自分たちまでもがびっくり
  するくらい盛り上がりました。一人ひとりが自分の出せる力を精一杯に出し切りがんばったからこそ
  感動のできるものになったと思います。地域種目ではたくさんの方々に競技に参加していただき
  白熱したものとなりました。
 
   運動会の盛り上がりも地域の方々の協力なしにはなかったものです。勝ち負けはつきましたが、
  それ以上にみんなで一緒になってがんばれたことが一番の思い出です。そして、校長先生に送った
  エール、僕たちの感謝の気持ちを伝えることが出来て本当によかったと感じました。その校長先生も、
   今年で卒業です。今まで僕たちを見守ってくださってありがとうございました。また今年は、昨年度
  南中自慢として採択された服装の着こなしを受け継ぎ乱れがちだった運動着を改善し、南中自慢に
  加えようと、一年間取り組んできました。ぼくも協議会長として全力で取り組みました。しかし、
  なかなか気持ちが伝わらず、悩んだりもしました。そんな中、ぼくのまわりには、支えてくれる人たちが
  たくさんいました。協議会のみんなと共に、笑い、共に涙を流すことが出来た二年間は忘れられません。
  
   このような、なんでもない日々は今日をもって終わりを告げます。もう二度とやってはこないのです。
  今このような状況になって始めて何気ない中学校の日々がなつかしい思い出となってしまうことが
  寂しくてたまりません。本当に一番大切なことは普通の生活の中にあったような気がします。
  一二年生の皆さん、仲間は本当にいいものです。仲間を思いやり、大切にしてください。友と過ごす
  日々は何にも変えられない、宝物です。そして、今よりもっと一日一日を大切にして生活してみて
  ください。
  
   僕たちを支えてくださった一二年生、先生方、お父さんお母さん、みなさんの笑顔は僕たちに
  勇気を与えてくださいました。まだまだ未熟な僕たちですが、これからもっともっと一生懸命に生きて
  いこうと思います。

                                             平成16年3月16日
                                     第二十二回卒業生代表 朝倉 傑(すぐる)

  「旅たちの日に」卒業式で最も歌われる曲、小嶋登さんが作曲、小嶋さんは校長先生、
  作曲した坂本浩美さんは音楽の先生、澄んだ歌声が会場に響き渡り、卒業式がクライマックスに・・・

 《旅たちの日に》参考になるかな?http://www.pika62.com/tabidatuhi.htm
 (C)TOSSインターネットランド /中学校/全学年/音楽/合唱/合唱指導/旅立ちの日に

  合唱曲をすてきにしあげるとっておきの方法
  02/07/2003 21:24:57
  
 山岡智子(TOSS京都)
 合唱曲「旅立ちの日に」( 小嶋登 作詞 坂本浩美 作曲 松井孝夫 編曲) を指導するときの
 ポイントを、音楽の授業はもちろん、合唱コンクールなどの行事の時、担任の先生や生徒さんもわかり
 やすくまとめました。
 私個人的にはゆっくりめのほうが好きですが、中学生のセンスだと、ちょっとはやめの方が歌い
 やすいのかも。後半のpiu mosso からは、テンポアップしましょうね。

  1.初めの8分休符で、みんないっしょに息を吸う。吸う音が聞こえるくらい、たっぷりと。
  2.しろい<ひかりの<な〜かに(書いてないけど)3段階に強くするつもりで歌う。
  3.「な〜かに」の「な」口の中をあけて、勢いよく深い声を出す。「中」に何かがあるような声。
    ぺったんこの声だと、中に何もないでしょう。???わかるかな。
    ここで、広がりのある歌い方が全員でで   きるようになることが、最初の課題。
 4.はるかな<そらの<はてまでも3段階に空に向かって強くしていく。しかも、HA SO HA ・・・        子音をはっきりと。
 5.かぎりなく/あおい 言葉を歌う。 イメージは空の広がり。
 6.「こころ」 KO ではなく KHO の感じ。ちょっと息を混ぜて、子音を長く。
 7.「とーりよっ」にならないように、息継ぎを素早くする。
 8.「こーめて」上記6.に同じ。 KHOーmete  と歌うと、不思議と込めてる感じがするのだ。
 9.この<ひろい<おおぞらに 3段階に空に向かって強くしていく
10.「たくしてー」 声を点で集めて、エネルギーが拡散しないように。
11.「なつかしい」感想の間に、唾を飲み込んで、のどを潤しておく。2番は、もっとなつかしく温かい
   気持ちで歌うんだと、心で思う。
12.「ふと」 FU あるいは HU の子音を長めにいう。  「うと」に聞こえないように。
13.「いみもない いさかいに」  この部分をはっきり強く歌う。ちなみに
   「いさかい・・・諍い」って何?    案外生徒は知らない。確認しよう。
14.「こころ」は上記 6.に同じ。 「だきあったひ」DAよりもDHA HI もあわせて、子音を長めに歌う。
15.おもいで<つよく<だいて3段階にエネルギーを強くしていく
16.piu mosso 「これまでより速く」の意味男女のずれる部分と、揃う部分の対比を意識して歌う。
17.この<ひろい2つに分けて言葉を歌う。このひろい<このひろい繰り返すごとに、大空に
   向かっていくエネルギーが強くなる感じ
   「大空に」 限りない大空の広がりをイメージして、のびのびと歌う。
18.2回目の最後は 「おおーーーーーー V ぞらに」と息を吸ってよい。
   全員でたっぷりすったあと、ゆっくり余裕を持って「ぞらにー」と歌おう。伴奏の中に溶けていく感じで。
   みんなで心をひとつにすると、合唱は、強弱だけではなく、距離も温度も色も表現できるんです。
   「遙かな空の果てまでも」「限りなく青い空」「この広い大空」「白い光」「山並み(緑)」「懐かしい友の
   声」すてきな歌詞です。


©Mitsuo Gamou on the Web 2004