|| 戻る ||
環境都市長井の実現をめざして

 私たち会派「フォーラム21」は、財政再建を果たすために行政機構のスリム化を提案しようやく課の統廃合に
こぎつけました。財政が圧迫してきた原因のひとつに過去の学校や公民館道路の整備など社会資本整備のため多額の借金をしたこと、さらに職員の大量採用などによる人件費の増大が上げられます。
 経済がこれほど落ち込むことは誰しも予測できなかったこと、今後も交付税の減額など地方財政にとってますます厳しい状況が続くと予測しなければなりません。自分たちの住む長井市を自分たちのやれることでまず財政の建て直しのスタートを切る以外ないと思います。そこで次のような提案をしてまいりました。

 財政再建には市民等しく一定期間我慢が必要です

 小泉内閣は聖域ない構造改革をしようとしています。そして国民に痛みが伴うと明言しています。言ってみれば誰もなんともない状況で財政再建など絶対できないのです。必ず大なり小なりの犠牲というか我慢というか痛みというか、そういうものはつきものです。長井市もすでに各種補助金をカット・職員議員の給料カットをしたりしています。これも我慢であり一種の痛みといえます。しかし今回の財政再建のための我慢はそんな程度で済まされない大きい傷であり、その治療のためには投薬と外科手術が必要であり、そのために痛みも我慢も伴うことを覚悟しなければなりません。
 それは、長井市の将来を確実なものとするための第一ステップです、

 財政再建には市民の協力が不可欠です。そして弱者に対する思いやり予算の確保も必要です。

 行政に対するさまざまな要望を一定期間我慢する、これは立派な協力です。しかし、そういう消極的協力でなく積極的協力の道を探るべきだと思います。それは財政再建後の長井市が見えてくるようにしなければならないのと同時に、その時には地域が活性化しつつある状態を作っていないと何のための財政再建であったのか、そうなるでしょう。それとともに社会的弱者に対しては思いやりの予算は必要です
 市民が等しく協力できることの代表がごみへの取り組みでしょう。すでに長井市は《レインボープラン》で全国にその名を知らしめました。毎年多くの視察者が訪れていて、このすばらしい取り組みを知らないのは長井市民が多いのではと危惧しています。

 日本一の環境都市水俣は、今修学旅行生でいっぱい

 熊本県水俣市は、過去の半世紀にわたる産業公害の教訓から、日本一の環境都市を作ろうとしてそれが実現し、いまや日本一の環境都市水俣に学べということで修学旅行の生徒が押しかけています。水俣の環境対策は多くの先進的取り組みと仕組みを作りました。今水俣市は世界一の環境都市を作るため動き出しています。水俣市の事例を紹介します。

1.ごみ減量女性連絡会議

 市内の各種女性16団体3,600人で構成するごみの持ち込ませない取り組みでスーパーなどで販売食品の容器として使うトレーの内きゅうりやほうれん草など85品目について廃止する協定を4つの水俣のスーパーと
調印。

2.学校版環境ISOの取り組み

 水俣市の小中学校16校で、省エネ・省資源などの取り組みをしている。次代を担う子供たちに環境とし水俣の取り組み実践・理解してもらうのが狙い。具体的には、各校が独自に省エネ・省資源・リサイクル・ごみの減量などの目標を設定し、実施してもらう。宣言後約一ヶ月の達成具合をし教育委員会環境課が検討して認証するもの。

3.わが家ISOの取り組み 

 各家庭で省エネ・省資源など各家庭でできることを目標に掲げ取り組む市民版ISOシステム「我が家のISO環境にいい暮らし作り宣言」制度で水俣青年会議所との共同事業。「テレビ、照明はこまめに消す」「風呂の水は再利用する」「合成洗剤より石鹸を使う」など35項目から1つを選び実践を宣言してもらう。3カ月間実行出来れば市長名の認定証が贈られる。認証審査には市環境課、青年会議所、ごみ減量連絡会議の3者があたる。登録過程がそれぞれ記録した行動の実績・評価をチェックシートで評価する。

4.環境にいい店作りエコショップ 

 省資源・ごみ減量・リサイクル推進・環境にいい商品の販売・省エネルギーの推進・その他環境に関する社員研修の推進に取り組む環境にいい店づくり「エコショップ」を推進。
ごみ減量推進連絡会議が審査獅子町が認定。

5.環境マイスター認定制度

 この制度は、伝統工芸などのものつくり技術を守り、なおかつ、それを環境作りに役立てている職人などを
「環境マイスター」に認定することで、社会的地位の向上とともに、物つくりによる環境や健康づくりを
普及するもの。

6.水俣市のISO環境マネジメントシステム

 認証を取得したことにより環境とし水俣のイメージはもとより電気料、紙代などの節約省エネ経済効果1,000万円のほか、特に「システムの導入により、行政の合理化、改革の進展」があった。
行政改革と連動しており、商法公開のための文書管理システムの導入に結びついた。職員の行革に対する意識改革に結びついていることが大きい。
 ちなみに、チッソ水俣工場は99年7月に認証を取得しています。

7.ごみの分別

 生きびん・雑びん(透明)(茶色)(水色)(緑)(黒色)・板ガラス・スチール・アルミ・なべ釜類・ペットボトル・廃プラ・新聞・チラシ・ダンボール・雑誌・その他紙類・布類・粗大ごみ・乾電池類・蛍光管・電球類・埋め立てごみビンのふた・燃やすごみ

8.地区環境協定

 各地区ごと環境に関する約束事について協定する

長井市のレインボープランのこの先は? 

 レインボープランは生ごみの堆肥化であり、家庭と地域の循環である。作られた堆肥を使って農作物を作り地域で消費するシステムです。これを域産域消といいます。長井市は財政事情からもハード事業は当面難しい状況ですので、これに変わる地域活性化策として環境都市長井を目指すべきと思います。市民が一体となって取り組めるもの、それはごみの分別であったり、ごみになるものを持ち込まない努力であったり、家庭でダイオキシンが発生するものを燃やさない取り組みであったり、ごみゼロ作戦であったりする活動です。

環境都市長井を作ることで地域活性化が生まれる

21世紀は環境と福祉の時代、財政再建も環境都市づくりも市民が等しく協力しなけばなし得ないことです。
水俣市の例を見ても市民が一致して協力することで日本一の環境都市水俣が誕生しました。
 長井市はすでにレインボープランで全国にそのなを知られています。環境都市長井は全体最適構想であり、レインボープランの第2ステージといえる構想です。不抜の森条例や市民の健康からダイオキシン被害を防ぐ条例の制定の一環でもあります。
 長井市の地域活性化の手段は「交流人口の増大」です。産業によって、市民マラソンのような各種イベントによって、または環境都市長井構想の実現によって多くの人たちに長井に来てもらい付加価値をつけることが大事と思います。

ISO14001の認証取得は職員や市民の意識改革に最適

 ISO14001の認証取得をすると、計画したものを実行し、成果を把握してその結果をチェックし、次の計画に反映する、という作業を繰り返します。この過程で仕事に対する意識が科学的になり仕事に対するものの見方が変化してきて、むだ・むり・むらのない作業ができるようになり、コスト意識もでてきます。
 ISO1400の認証取得は、職員や市民の意識も変えてくれる改革の手法なのです。
財政再建を実現しなければ立ち居かなくなる長井市、意識が変わらなければ財政再建もできないと
思います。