山形支部標準マウスがどうにか完成したので、自分のロボット製作を始めた。画像を一枚取り込むという計画とDC3輪のマウスを併行して再開することにした。
画像取り込みは、7045ボードの外部増設RAMへのアクセスができないのをなんとかしなければならない。某氏の書いたソースは完動するのに、あたしのが動かないというのは、いくら私の脳細胞が耐用限度に近いとはいえ、悔しいことこのうえ無い。
ま、ソフトの問題なので、焦らずにやれば、なんとか解決できるだろう、多分。
6輪のマウスは井谷さんが造っているし、DC2輪は井藤さんのマウスが速い。4輪は2台試作したが、機構が複雑になる割にはNORIKO’93に勝てる程の性能仕上げるのは難しいように感じる。
結局、一昨年に試作した、ステアリングにロータリーエンコーダを組み込むタイプのDC3輪を詰めてみることにした。小型化、軽量化、駆動ユニットにリンク機構を組み込んで、加速時にステアリングが持ち上げられないようにするという、三点に重点を置いて設計、試作を始めた。
例年のとうり、製作経過を追いながら公開していくことにする。
左の写真は、加工が終わったピニオンギアと加工前のギア、今回も使用するエスキャップのDCモータ。
協育教歯車のモジュール0.3のストックギアには2mmの軸穴が空いている。この軸穴に、モータの軸径、1.5mmの穴を空けたカーラーを圧入するというのは、なかなか難しい加工だった。
ロックタイトを塗布してからカーラーを圧入し、24時間養生してから、M1.4のタップをギアの先端から4.7mmの位置に立てる。
細心の注意をはらって1.1mmのドリルでギアの谷に貫通穴を空ける。
中の切り粉を掃除してから、M1.4のタップ加工。流石に緊張した。
ギアの長さを5.9mmにするという作業で完成。圧入したカーラーがずれる可能性が有るので、旋盤で切削した。
チャッキングできるのは刃先とチャックの隙間、0.5mmを計算すると5.4mm。ディプスゲージを使って正確に位置を合わせ、ピックで中心をだす。
横送りの原点をだし、切り込みを0.1mmにして慎重に切削。プラス100分の7のずれ、残念。
いずれも、なかなか楽しめる加工だった、とりあえず無事完成。
右の写真は、左側が完成した新しいステアリング輪、研磨したシリコンチューブのタイヤも組み込んでみた。
シリコンチューブの研磨は上手くいった。材質が材質なので、希望の外径よりも0.3mmオーバーしたが許容範囲内ということにした。
シリコンタイヤの厚さは2.5mm、前回のものより少し薄くしてあるが特に意味は無い。
右側が前回の3輪マウスのステアリング輪。前回のステアリング輪のサイスは25φ、今回のは17.3φ。半径にすると4mmの差だが、かなり小さく感じる。
この中に超小型ロータリーエンコーダを組み込む。
左の写真は、加速時にステアリングが持ち上げられるのを防ぐために考えたリンク機構。
駆動輪が中央に位置する井谷さんのマウスと違い、3輪なので、加速時にステアリングが持ち上げられるのを防ぐだけで良いので、シンプルな構造になった。
一定速度で走行しているばあいのリンク機構の動作と駆動ユニット。
右の写真は、加速時のリンク機構と駆動ユニットの動作。
加速時にはトルクの反作用で駆動ユニットが、駆動ユニットの前方の支点を中心に時計方向に回転する。
すると駆動ユニットの前方が上に移動する。駆動ユニット前方の支点は回転はするが車体に固定されているので、マウスの車体はステアリングの床との接点を中心に反時計方向に回転する。
このとき、車体の重量が駆動ユニットの支点に懸かっているので、この重量が回転を妨げる方向に働き、その結果ステアリングを床に押しつける力が発生する、、、、と思うのだがどうだろうか。
当然、駆動ユニットの後部が下方に移動するのを制限するリミッターは付けなければならないだろう。さもないと、マウスを床から持ち上げたときに駆動ユニットが垂れ下がってしまうと思われる。
左の写真は、減速時のリンク機構と駆動ユニットの動作。
減速時には、加速時と全く逆で、駆動ユニットは反時計方向に回転しようとする。
すると駆動ユニットの前方が下に移動しようとするので、ステアリング輪は床に押しつけられると思う。
こちらも、当然駆動ユニットの後部が上方に移動するのを制限するリミッターも付けなければならないだろう。
ただ、減速時には重心が前方に移動するので、駆動ユニット後部の上方への移動量はゼロ、つまり減速時にはリンク機構が働かなくとも良いような気がするのだがどうだろうか。
なら、メカがシンプルになるので加工が楽になる。もう少し考えてみよう。