03_3 タイトル


 少しづつだが加工を進めている。私は図面を読んで設計ができるタイプではない。イメージに添った部品を揃える。部品を手にとって、ノギスで寸法を測り、方眼紙に描き込むところから始まる。
 CADで設計し部品の干渉をチェックするようなことができれば、部品の再加工や修正もなくなるので効率が良くなるのは判っているのだが、CADにはなかなか挑戦できない。
 どんな手段で図面を書こうが、自分で加工するのだから、自分が判れば良い。たとえ新聞のチラシの裏側に書きなぐった図面でもだ、という開き直りにも似た言い訳で、CADへの挑戦をずるずると引き伸ばしている。
 ここいららが老人の老人たる所以でもある。

 現在は、駆動ユニットの設計、加工中。



芯出しバー


 左の写真は、そろそろ見せても良いだろうというので公開するフライス盤用の芯出しバー。
 写真左側が既製品の芯出しバーで、10φのもの。右が自作のもので、チャックに咥える部分が6φで、下端の加工面に当たる部分の直径が10φにしてある。
 自作のものでも100分の2以下の精度はだせる。

 私のフライス盤には、酒井特殊カメラのフライス盤用のドリルチャックを使っているが、このドリルチャックは、6.5mmまでのドリルしかチャッキングできない。
 そのために、既製品の芯出しバーを咥えることができないのだ。
 そこで、下端の加工面に当たる部分の直径が10φで、チャックに咥える部分が6φの芯出しバーを自作したわけだ。

 非常に使い勝手が良く、精度もでているので、満足している。
 フライス作業の必需品、これが無いと正確なフライス加工は難しい。


駆動ユニット1


 右の写真は、駆動ユニットのアルミプレート。駆動ユニットの幅を少しでも狭くするために1.3mm厚のアルミ板で試作したもの。ちょっと不安だったので、取り付け穴の数を増やそうとして、しっかり失敗した。
 結果的に、下記の厚さ1.7mmのアルミ板に変更した。

 モータの取り付け穴は、ビスの直径1.6mmよりも若干大きく1.8mmで空けてある。片側0.1mmのマージンをとったわけだ。
 ところが、取り付けビスの頭の直径が2.5mmなので、1.8mmを減算すると、0.7mmしかプレートには当たらない。プレートの材質はアルミなのでネジが食い込むことが心配だった。
 加えて、モータの取り付け穴の深さが3mm、M1.6のネジの長さが4.5mm。もし、1.3mm厚のアルミ板を使うと0.2mmだけネジを短くしなければならなくなる。これは非常に面倒な加工だ。

 ところが、板厚を1.7mmに変更すれば、0.2mmのマージンが生まれることになる。もし、アルミのプレートにネジが食い込んでも、0,2mmのマージンで吸収できるのではなかろうか。
 ということで、板厚を、1.3mmから、1.7mmに変更することにした。


駆動ユニット2


 左の写真は、加工の終わった1.7mm厚のアルミプレート。前回の経験から、精度を上げるにはなるべくバイスから外さずに加工を終わすように心がけた。
、残る加工はセンターシャフトのリーマー仕上げと高さ方向の切断加工だけなので、モータの取り付けネジの穴位置が正確か否かを確認するため、切断してモータを借り付けしてみた。
 6個の取り付け穴を空けているが、3個でモータを固定する。どのみち3本しか生きないし、もしプレートにネジが食い込んでも、残りの3個の穴を使い、ワッシャーを噛ませるなどの対応が可能なため。
 6個全部を使った方が格好が良いようなら、全部を使う。性能も大事だが、みてくれはもっと大事なのだ。

 12個の取り付け穴のうち、1個だけ0.1mmずれた。多分、フライスの目盛りの読み間違え。
 老眼だなぁ〜、、、、、

 とりあえず平ギアも取り付けてみた。なかなか良い感じで廻る。これからホイールとベアリング、タイヤを加工しなければならない。



平ギア


 右の写真は、取り付け用のボスを切り取った、モジュール0.3、歯数72の平ギア。
 協育歯車のストックギアでモジュール0.3の歯車には、全て取りつけ用のボスが有り、しかも軸穴が空いている。駆動輪のホイールにビス止めするには、このボスが邪魔になるので旋盤で切り落とした。
 ボスをチャッキングして加工したので、どちらかと言えば歯車の方を切り落としたことになる。最初の一枚は穴径を若干大きく、0.3mm削ったが、即、計測して修正。
 穴径を正確に測るには、削ってみるしかないというところが、ちょっと苦しい。2枚目からは縦送りの原点を決めて加工したので、ばっちり。

 この加工には、ちょっとしたノウハウが有る。



ホイール


 右の写真は、平ギアを圧入して、取りつけ穴を空け終わったホイール。材質は、ポリペンコアセタールの削りだし。

 ポリペンコアセタールはドリルの穴が若干大きくなるので、ドリル加工は面倒だが、白くて綺麗なので使っている。
 右下はギアの穴、通称バカ穴といわれるネジの直径よりも若干大きく空けた穴の真中に、タップ加工用の下穴を空けるために造った治具。
 直径6mmの真鍮丸棒の先端を、長さ1.9mm直径2.05mmに削り、1.5mmの穴を空けたもの。
 加工には神経を使ったが、精度もでるし、非常に使い勝手が良い。

 片方のホイールが01.m厚くなった、ワンチャックで加工できないのが苦しい。


治具1


 左の写真は、造った治具を使って、ホイールに穴を空けているところ。
 使い方は、最初に、ギアの穴に治具を入れ、ドリルを回転させずに治具の穴に挿入する。一度ドリルを抜いて、切削油をつけてから、ドリルを回転させて治具の穴に挿入する。

 治具の下部がギアの穴に入っているし、治具の穴が約10mmと長いので、ドリルの歯は真っ直ぐに、しかもギアの穴の中心に入るという仕組み。

 これは、御客さんの会社で、丸棒の上面から穴加工をするときに使っていた方法をパクッタもの。


治具2


 右の写真は、下穴が貫通して、穴加工が終わったところ。
 みてのとおり、切り粉に押されて、治具が上に上がってくる。おかげで、ドリルの回転を止めるために手を離しても治具が落ちることは無い。
 これは、偶然とはいえ、たいへん助かった。治具をドリルの歯にシリコンチューブで押さえておく予定だったが、余計な作業が減った。

 仮組みしてみたが、少しベアリングの取りつけ穴が大きく、ガタがある。気分が悪いので、0.05mm厚の銅板を入れてベアリングを組み込んだ。
 ノープロブレム、上出来。





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