R113二井宿道路開通!!!

   愛称「みちのくおとぎ街道」


1.はじめに

 1997年9月5日の正午、山形県高畠町から宮城県に抜ける
二井宿峠の新しい道路「二井宿道路」(愛称「みちのくおとぎ街道」)
が供用開始しました。

 そんな同区間の道路を、地元高畠に住む私が実際に走行した
結果をレポートをいたします。

 なお、8月31日に開催されたプレイベント及び開通当日に
開催された開通式には残念ながら参加できませんでした。


2.道路の概要

 国道113号線は、福島県相馬市から宮城県南部,山形県南部を
経由し、新潟県荒川町間を結ぶ道路です。

 このうち、山形県高畠町二井宿地内から宮城県七ヶ宿町間に
抜けるまでの「二井宿峠」区間は道幅が狭いうえ急カーブが連続
しており、特に宮城県側に比べ整備が非常に遅れていました。
 8m以上の車両の大型車両の通行が禁止されていたのですが、
それに気がつかずに進入した大型トレーラーが脱輪し、通行止めに
なるという事故も頻発し、早期の改良が望まれていました。

 今回開通した道路は旧道の北側を大きく迂回するルートで
新しく建設された全長6300mの区間で、トンネルが3ヵ所,
橋梁が8ヵ所あり、これらの構造物が総延長の半分に達している
とか。
 全長は旧道の4800mに対し1500m程長くなっていますが、
下表に示すように走りやすい道路になりました。

・新道と旧道の比較(高畠町広報より抜粋)

 区 分     二井宿道路      旧道
区間延長     6,300m    4,800m
幅  員     9.5〜14.5m  4.0m
最小曲線半径   125m       8m
半径100m未満の曲線数 0        39
最急縦断勾配    6%        9%
勾配6%を越す延長   0       2,800m
設計速度は    50km/h    30km/h
通行規制      なし       長さ8mを越える
                   車両は全面通行止め

 また大自然の中を通る道路である為、森や動物に配慮した
自然にやさしい「エコロード」として整備されたそうです。
(環境に与える影響が0とはいかないでしょうから、
効果の程は・・・多少はマシという事だと思いますけど。)

 今回の開通により、快適で安全に利用可能になる他、
大型車の通行規制が無くなり、日本海側と太平洋側を結ぶ
動脈のひとつとして、産業・経済・観光の促進への期待の
ルートとなりました。


3.R113二井宿道路走り初め

 開通当日、会社の帰り(現地に着いたのは22時近かった。)に
走り初めしてきました。

 新聞や町の広報で道路の概要を知っていたものの、実際に
走ってみると、旧道のあの凄さ!!!は全くなくなり、
非常に快適な道路になっていました。


 さて、今回は取材?を兼ねて出かけましたので、途中
止まりながら行きました。
(デジカメであちこち撮って来ましたが、撮影したのが夜で
暗かったりブレたりで、とても貼り付けられる状態じゃない
ので、写真は別途。)


 私は高畠町側から行きましたので、まずは今までバリケード
があって入れなかった楢下街道との交差点から進入。
 入ってすぐ左手のほうにパーキングがあるので入りました。
 そこにはR113沿線マップということで主な観光地等の
案内が出てました。

 パーキングを出ると「白石48km,七ヶ宿22km」という
標識が出ていました。この道路なら1時間前後で白石まで
行けそうです。(宮城県側ですが、七ヶ宿ダムを降りて小原の
街までの間に狭い急勾配の所が残っていると思いますが、
それでもです。)・・・実際はそこまでかからないでしょう。
(もっとも違反行為を含めてですので、お薦めはできない。)

 標識の向こうに最初のトンネル「田沢トンネル」が見えます。
(長さは205m)

 「田沢トンネル」を出るとすぐに登坂車線のある道路に
なります。
 175Rの左コーナーを抜けると最初の橋「細谷畑橋」が
あり、続いて最もコーナーのきついカーブ125Rが「滝ノ上橋」
となっています。(宮城側から来ると比較的直線的な下り勾配の
道路から、最もきついコーナーとなりますので、十分に注意が
必要です。・・・そのうち、きっと誰か突っ込むぞ。)

 この橋は風の通り道ということで、冬季の安全対策の為に
ロードヒーティングが設備されているとの事です。

 「滝ノ上橋」を抜けしばらくいくと「子ヶ作橋」「大ヶ作橋」と
続き、またしばらくいくと「稲葉入橋」「金蓋橋」と続きます。
 この二つの橋が下から見た時に山肌に見える橋だと思われ
ます。

 そして「金蓋橋」を抜けると2つ目のトンネル「二井宿第一
トンネル」(800m)に入ります。トンネルを出るとすぐに
「古道沢橋」があり、橋を渡るとすぐ「二井宿第二トンネル」
(961m)に入ります。
 「二井宿第一」及び「二井宿第二」トンネル内はラジオが
聞けるようになっているようです。

 トンネルを出ると右手にパーキングがあり(ここには道路全体
の構造案内板がある。また公衆電話があるので何かあれば連絡
できるでしょう。最もトンネル内には非常電話があったと
思います。)、さらに少し行くと旧道との分岐点がある。
(そういえば、旧道沿いにあった「峠の茶屋」ですが、人が
入らなくなるだろうな。)

 これが二井宿道路の全区間です。今回は燃料が残り少なかった
(事実、帰りには警告灯が点きだした)ので、峠から少し宮城県側
に行った所にある「ミズバショウの群生地」の駐車場でUターンし
帰ることにした。


 帰りに気がついたのですが、「二井宿第二トンネル」の
宮城側の入口に高畠町にある観光スポットである「三重の塔」等の
絵が彫り込んであるようです。


 開通当日の為なのか、交通量がイヤに多かったように感じました。
(もっとも、走り屋らしき車が大半でしたが。また大型トラックも
走っていました。)今までの峠の10倍いやそれ以上の交通量は
ありそうです。
 静かだった山間の集落も新しい道路の開通で交通量が増え、騒音や
事故の危険に悩まされる事になるのでしょうね。


 暗かったので見晴らしはわかりませんでしたが、下から見上げた
時に見える橋があるわけですから、その橋の上は見晴らしが
いいのでしょう。(でも、迷惑だから橋の上では止まらないでヨ。
狭いンだから。)

 これから紅葉の季節もやってきます。今度は日中に走ってみたいな。
(しばらくは稲刈り等でそれどころじゃなくなりそうだけどね。)



 最後にですが、宮城側から走る場合125Rの「滝ノ上橋」には
くれぐれもご注意を!!!


 以上で走り初めのレポートを終わります。

参考文献:高畠町広報誌「広報たかはた'97年9月」
     山形新聞 平成9年9月5日朝刊


4.R113関連ページへのリンク

おとぎ街道観光推進協


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'97/09/07新規作成
2001/07/22改訂(R113関連リンク追加)