こまちリレー号の正体


1.はじめに

 たまたま出張で八王子方面に行く事になり、時間的に丁度よかった
「こまちリレー号」を利用しました。

 これがなかなか、ルート的に有り難い。
 9月30日までの限定運行というのは絶対にもったいないぞ。


2.「こまちリレー」号を選んだ理由

 相手方との待ち合わせが、八王子駅12:10頃という約束でした。
 従って12:00頃まで八王子に着きたい。
 まずは、考えられるルートを列挙しました。

 山形から八王子までのルートというと、大宮までは「つばさ」で
行けば何の問題もありません。問題はそれ以降です。
 「武蔵野新幹線構想」のページでも紹介している通り、都内での乗換えに
伴う時間のロスは非常に大きいもの。

 通常であれば、実用的には以下の3ルートが考えられると思います。

 1)   「つばさ」      中央線快速
  高畠−−−−−−−−−東京−−−−−−−−−−八王子
    (大宮−東京間26分)(東京−八王子間約50分)

 2) 「つばさ」   埼京線     中央線快速
  高畠−−−−−大宮−−−−−−新宿−−−−−−−八王子
        (大宮−新宿間約35分)(新宿−八王子間約37分)

 3) 「つばさ」   埼京線      武蔵野線    中央線各停
  高畠−−−−−大宮−−−−−武蔵浦和−−−−−西国分寺−−−−−八王子
        (大宮−武蔵浦和間約10分)   (西国分寺−八王子間約19分)
              (武蔵浦和−西国分寺間約26分)


 上記より料金と所要時間と乗り換え回数を比較しました。

 高畠で乗車の場合、大宮と上野の特急料金は同じですが、東京までいくと200円
高くなります。
 従って1)の場合200円だけ高くなります。(わずかといえばわずかですが。)
 また八王子に行くのに東京経由ではどう考えても遠回りです。でも乗り換えは
たった1回で済みます。

 2)のルートでは上野−東京間で増える特急料金分を節約?できますが、
乗り換えが1回増えます。ただ回り道的にルートが減り、比較的運転本数の
多い路線だけの利用なので、乗り換え時間も最小で済みそう。
 埼京線でうまく快速がくれば大宮−新宿間は35分程度。「つばさ」の大宮−
東京間が約26分、中央線快速の東京−新宿間が約14分なので、乗り換え時間
を含めて考えると、両者は時間的には大差ないはず。
 したがって「こまちリレー」がなかったら、このルートが一押しかな?
 ただし座れるかどうかの面では別。

 3)のルートは距離的には最短かと思うのですが、乗り換えが2回に増えて
しまうのと、武蔵野線への乗り換え時、列車待ちがちょっと長め?なのが問題。
 まぁ10分まてば来るとは思うのですが、乗り換えが多いという事は待ち時間が
長くなってしまうことなので、その分時間をプラスして考えなくてはなりません。
(おおよそですが、ホーム間の移動時間5分+列車待ち時間5分の10分位と思い
ます。)
 それでも、時間的には1),2)より早いのでは思います。
 ただ、西国分寺に中央線快速が止まらないのがガン?(ここまでくれば各駅停車
でも時間的に大差ないかな?)



 そこで目に止まったのが「こまちリレー2号」。大宮−八王子間を約50分で
結びます。
 「こまちリレー号」でのルートが4)です。

 4) 「つばさ」  「こまちリレー2号」(さて何処を通るのでしょう)
  高畠−−−−−大宮−−−−−−−−−−−−−−−−−八王子
     (大宮での待ち時間約30分)(大宮−八王子間約50分)

 「こまちリレー2号」の停車駅が「大宮」,「北朝霞」,「新秋津」,「立川」,
「八王子」,「高尾」ということで、ルートは、3)の各線間を貨物線を利用して
ショートカットしたものと考えられます。
 念の為、ゼンリンの電子地図を用いてルートをチェックした所、各線間をつなぐ
線路はほとんどトンネル内のようで、いかにも貨物線らしいという感じです。

 そのルートは、大宮を出て東北本線を南下。与野を通過し、北浦和に入る前に
東北本線を離れ、西側の線路に分かれてすぐトンネルになります。トンネルを出た
所に埼京線中浦和駅があり埼京線及び東北・上越新幹線の高架の下を通過し、
武蔵浦和−西浦和間の武蔵野線に合流します。
 武蔵野線を西浦和,北朝霞,新座,東所沢,新秋津と進み、長いトンネルに
入ります。トンネル内?の新小平を通過ししばらく行くと、武蔵野線から西側に
分かれる線路があり、そちらを進むと西国分寺−国立間の中央線に合流します。
 その後、最終目的地である高尾に向けて中央線を進んでいくようです。

 「こまちリレー号」の時刻を調べると、大宮11:07発高尾行きの「こまちリレー
2号」が、八王子着が11:55ということで、大宮10:26着の「つばさ116号」からの
乗り換えで大宮で30分待っても約束の待ち合わせ時間には十分余裕です。

 そこで、鉄道ファンならずとも気になる「貨物線」を使っているらしい
このルートを実際に乗車してみる事にしました。 

 なお、「こまちリレー号」は「快速」であり、「こまち」に乗車しなければ
乗車できないという制限もなく、「つばさ」利用の私であっても利用可能です。


3.2.「こまちリレー」号乗車レポート

 上記の計画を元に、出張に出かけました。
 当日私は予定通り「つばさ116」号にて大宮まで行き、11:07発の高尾行き
「こまちリレー2号」を待ちました。
 大宮に着き「こまちリレー号」の発着ホームを探した所、予想通り東北本線
(宇都宮線)ホームで、4番線でした。

 時間的には30分ほど待ち時間がありますが、その間大宮を発着する列車を
のんびり?見ていました。4番線には丁度、上りの「北斗星」号が来る時間だった
のですが、この日は北海道内での人身事故ということで60分程遅れといった構内
放送があり、残念ながら見る事が出来ませんでした。

 ホームの足元には「こまち」カラーの「こまちリレー号乗車口」の案内が貼って
あります。それを目安に先頭車両付近を狙い待ちました。

足元に貼ってあった乗車口の案内

 上野行きの普通列車が何本か発車し、「こまち」カラーの丸いヘッドマークが
ついた「こまちリレー2号」がホームに入線してきました。

ホームに入線した「こまちリレー号」    ちゃんとヘッドマークがついてました。

サボはこんな感じでした。「こまち」の文字が「こまち」カラーです。

私が乗った車両です。(クハ169−11)

 使用車両は169系電車でした。(いわゆる「急行型」?)
 外観は東北・高崎方面の113系と同様緑とオレンジですが、2ドア車であり、
車内はオールクロスシートでした。

 169系のクロスシート

 先頭車両の前ドアから電車に乗り込み、前方が見えるように進行方向右側の
前から2番めのボックスに座りました。

 時間になり大宮駅4番ホームを後にします。
 大宮発車時点では車内はガラガラでした。とても都心を走る電車とは思え
ません。これでは存続は難しいかな?
 もっとも本数自体が少ないのでこの時間に合う人が少ないのと、このような
ルート自体があまり知られていないでしょうね。(大宮駅構内には、「こまち
リレー号」の案内が多数出ていたのですけど。)


 車内放送が始まりました。内容はこんなふうでした。

「この電車は快速こまちリレー2号高尾行きです。停車駅は北朝霞,新秋津,
立川,八王子,終点高尾の順に停車をいたします。途中の北朝霞には11時
18分に到着をいたします。新秋津には11時28分,立川には11時46分,
八王子には11時55分,終点高尾には12時1分の到着予定となります。
 この電車は全区間禁煙となっております。車内でのお煙草はご遠慮下さい。
 担当車掌は立川車掌区の**が終点の高尾までご案内をいたします。
 次は北朝霞、北朝霞に止まります。」


 東北本線を上野方面に走り、しばらくすると操車場のような所の中(これが
大宮の操車場でしょうか。)を通過します。その後トンネルに入りました。
武蔵野線に入る貨物線のようです。トンネルを出てしばらくすると電子地図で
下調べをした通り、新幹線の高架が見えその後武蔵野線に入ったようです。
 武蔵野線に入ったら電車の速度も上がりました。

 西浦和を通過し、北朝霞に停車します。行先が行先だけに乗り込む客もまばら
です。さらに新座,東所沢を通過し新秋津に停車。あいかわらず乗り込む客は
少ないようです。
 トンネルに入り、新小平を通過しまたトンネル。しばらくすると線路が分岐
したようです。しばらくのろのろ運転が続き、トンネルを出た時には中央線と
併走してました。のろのろ運転は、中央線の列車間に割り込む為の時間調整の
ようです。

 国立だったと思いますが、駅構内に「無線切替」の標識が立っていました。
 この標識は武蔵野線から入った列車に対するもののようです。
(武蔵野線と中央線で使用している無線のチャンネルが違う為に切り替えが必要。)

 そして立川に停車。様子の違う列車にホームで待っている人が戸惑っている
様子がわかります。しかし、「快速」の表示が見えたのかどんどん乗客が乗って
きました。クロスシートの座席がほとんど埋まり、立ち席もだいぶ出ていました。
 そして、八王子に向かって出発。そして定刻通り八王子に到着しました。

 実は今回一緒に出かけた人とは大宮で分かれて、私は単独で「こまちリレー」に
乗り、彼らは東京乗り換えに中央線の予定です。
 改札を出て待ち合わせ場所に向かいましたが、誰もいませんでした。

 しばらくすると、先に到着してした相手方が私に気が付いて私の所にきましたが、
私と一緒に出かけて大宮で分かれた人はまだ着いていないとのこと。
 実は、と相手方にルート説明をした所、「こまちリレー号」の存在はさすがに
知らなかったようで、「そんなルートがあったんですね。」と感心されてしまい
ました。
 そうこうして、15分位待ったでしょうか。大宮で分かれた人がやってきました。
 一人にはこのルートで行くと宣言していたのですが、もう一人からは何処通って
きたのかと聞かれました。

 というわけで、「こまちリレー号」乗車は大成功?でした。


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