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400系の今後
last up date:2005/09/29
1.はじめに
レイル・マガジン誌No266(2005-11)の「新幹線2005 徹底解明!知られざる
新幹線回送線」の特集記事において、400系の今後に関し非常に気になる記事が
書かれてあるのに驚きました。
それは、「山形ジェイアール直行特急保有(株)とのリース契約絡みの理由で、
400系に廃車の可能性がある」というもの。(同誌P54〜55参照)
私は、現時点での400系廃車は絶対に「ありえない」と確信しています。
その理由について以下に説明したいと思います。
2.記事における廃車の可能性を示唆する根拠
記事において、筆者が廃車の可能性を示唆している理由として
上げられているのは以下の状況である。
(実際には今後について3つの可能性を上げ、その選択子の一つに
「廃車」がありますが、詳細は原文を参照願います。)
1)借主であるJR東日本と所有者である山形ジェイアール〜とのリース期間が
2005年度いっぱいで終了する。
2)山形県が山形ジェイアール〜を来年度以降存続させるか検討に入っている。
3)以上の理由から、JR東日本はリースし直さないという意向を表明?
4)400系にはDS−ATCがいまだ搭載されていない。(意識的に400系への
改造工事を回避している?)
3.私が廃車があり得ないという結論に達した理由
私は以下の理由から、現段階での400系廃車はあり得ないと考えています。
1)リースしているのは、400系という車両だけじゃない。
山形ジャイアール〜がJR東日本にリースしているのは、400系という
車両だけでなく、山形新幹線を走らせる為の地上設備一式,そしてローカル
用車両も含まれています。
リース問題は400系だけどうにかすれば済むという問題ではありません。
設備すべて買い上げるか、継続してリースしなければ、山形新幹線そのものが
運行できなくなってしまいます。
2)400系へのDS-ATCの搭載が今まさに進んでいる。
私は「山形新幹線つばさ談話室」掲示板をご覧の方々と「つばさ」の車両の
動きを追っかけておりますが、仙台車両センターに400系が入場し、先頭車だけが
切り離された状態になっている姿を目撃したという情報が寄せられています。
2005年9月29日現在L2編成が入場しており、そのような状態になっている
ようです。
また私も2005年7月中頃(L53編成が陸送されて車両センターに到着した時)
L1編成がそのような状態になっているのを目撃しています。
先頭車だけ切り離して行う作業って・・・どう考えてもDS-ATCの搭載工事
しか思い当たりません。
そもそもDS-ATCの導入計画からしますと、2005年度は古川以北であり、
通常古川以北に入る事のない「つばさ」の改造工事を急ぐ必要はないのです。
意図的に「後回し」というのはあると思いますが、回避しているわけでは
ないと思います。
3)山形ジェイアール〜の存続の話は、斎藤県知事の県関係の公社等の整理の考えに
端を発した事(要は県側の事情)であり、JR東日本との関係に関わった話では
ない。
(RM誌の記事を何度か読み直して思ったのは、山形ジェイアール〜の存続問題が、
JR東日本との関係に原因がある、と筆者が勘違いされているのでは?という
気がしています。)
なお山形ジェイアール〜の存続問題については、県のページからの現時点での
情報を後に転載します。
4.「山形ジェイアール〜」の存続問題
山形ジェイアール〜の存続問題は、知事の交代後、県関係の公社団体等の
見直しを行うという斎藤知事の考えによるものと思われます。
県のページの、県議会の議事録や知事の発言などから山形ジェイアール〜
に関する情報を探していますが、うまく探せていませんが、今わかる
山形ジェイアール〜の置かれている状況は、以下の内容です。
県のページの情報
http://www.pref.yamagata.jp/sm/gyozai/gtaiko07.html
より
>山形ジェイアール直行特急保有株式会社
>○ 効率的な資金運用に努め、適正な財産管理保全等により
> 早期の単年度黒字転換を目指す。
>○ 車両のリース期間(平成17年度まで)終了後の
>法人の存廃も含め、そのあり方について検討する。
もし解散するとした場合・・・その後を何処(誰)が
どのような形で引き継ぐのでしょうか?
なにせ公的資金と民間資本の両方が入っている(国の補助金と
県およびJR東日本等の出資金)関係上、非常に難しい問題に
なりそうです。
(こういう場合、民間委譲って可能なの?)
それにしても、下記の県知事発言を見つけ驚きました。
知事が役員になっている事すら知らなかったって・・・
山形県のページの知事のページ/知事記者会見2005年5月30日付け
http://www.pref.yamagata.jp/js/chiji/kaiken/050530_g.html
より抜粋
>(1)知事の団体役職就任の見直しについて
>実は就任してからいろいろな説明を受けたり、決裁というような
>ことがあったわけですが、その中で一つお話の中で驚いたというか、
>山形ジェイアール直行特急保有株式会社というものがあります。
>要は山形新幹線の車両を保有している会社でございますが、ここの
>株式会社の代表取締役社長に就任しているという事実が私自身
>分かりました。
5.「山形ジェイアール〜」は天下り会社?
山形ジェイアール〜について情報を探していたら、参議院の
予算委員会の議事録に、こんな一文を発見しました。
参議院会議録情報 第140回国会 予算委員会 第17号 平成9年3月28日
http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/140/1380/14003281380017a.html
より抜粋
>○木庭健太郎君 そういう実態も本当は明らかにしてもらいたいし、
>私どもがちょっと調べますと、こういう子会社のうち、ほとんど九〇%を
>超えるものに天下りの方がいらっしゃいます。
> それともう一つ、子会社の場合、私どもがぜひ皆さんに認識していただいて
>変えなくちゃいけないなと思っているのは、例を挙げますと、電源開発の
>子会社でEPDC海外炭株式会社というのがあります。これを見ると、
>社員が十一人で役員が十三人おります。
>JR東日本の関連会社の山形ジェイアール直行特急保有というところを
>見ますと、社員が四人で役員が十一人でございます。
山形ジェイアール〜は、「つばさ」を生む為の費用処理を行う為に苦肉の
策で作ったという経緯があるのに、単にJRの関係会社と思われ、天下りの
代表のように書かれているのは的外れであり、非常に心外ではないでしょうか?
こんな事言われて、なんの反応もないのですか?<関係者の皆様。
そもそも役員だけで社員が少ないのは、融資のためだけの会社であり、
経理面以外の活動内容がないからのはずです。
(役員であるはずの、県知事の先の発言を見てもわかるように、
実体もないのかも?)
第一、新幹線を作る為の費用面を工面しようという会社であり、儲ける
為の会社ではないはず(出資金の回収の為だけに残っている?)で、
「天下った」としてもメリットはないはずなのですが・・・。
6.さいごに
山形ジェイアール〜に関しては、公開されている情報がほとんどなく、
(当然会社としてのWEBページは無し)誤解を招く元になっているように
思われます。(と言っても会社の性質上、ページを開く金の出所は
ないわけですが。)
たぶん、私も沢山の誤解を持っていると思います。
情報公開制度を利用し、情報を引き出してからページにすれば良いの
でしょうが、そこまで出来ていません。(すいません。)
山形ジェイアール〜の今後の動向については、
県のページや県議会などからの情報に今後一層注目していきたいと思います。
なおレイルマガジン誌の本件に関する記事についてですが、
少ない情報からの予測は必要以上に誤解や混乱を招く恐れがあり、
注意が必要かと思いました。
7.参考文献・資料・情報
1)ミニ新幹線誕生物語
ミニ新幹線執筆グループ著 (成山堂書店)
2)WEBページ情報
本文中に記載。
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