デジカメで撮る鉄道写真


 fujifilmのDS-7を購入し5ヶ月が経過しましたが、いままで鉄道絡みの写真を
撮っていて気がついた事をまとめてみました。


1.DS-7で正解だった事

1−1.マニュアルフォーカス仕様

 このカメラのフォーカスは手動の3段階切り替えで、AF機能がついた下手な
カメラのようなシャッター遅れがなく、シャッターを押した時がシャッターチャンスと
いう昔ながら?の仕様は、高速で移動する鉄道車両を撮るにはベストチョイス?と
思います。
(普段使っている完全マニュアル!!の一眼レフのような感じ。RICHOのDC-1で
一度だけ動いている列車を撮りましたが、AF機能のおかげでシャッターチャンスが
つかみにくかった。
 実はスチルカメラ・・・いわゆるバカチョン・・・でも失敗した事があります。
 AF付きの場合でも、あらかじめ適当な対象物でフォーカスロックしておけば
こんな失敗はないのでしょうけど、シャッターチャンスは突然やってきますから。)

 ただ、フォーカスは手動でも、絞りのほうが半自動(光学的な絞りとしてマニュアル
2段切り替えがありますが、最終的には電子的に補正する構造のようです。)で、
急に明るさが変化すると追従できません。
 移動中の列車の車窓からトンネルを出て直後のアングルを狙った事がありますが、
全体的に青く飛んだ画像になってしまい、後処理でもどうにもならない不可能な状態
でした。

 また、電源を入れて撮影可能になるまでしばらく時間がかかる点も場合によっては
不都合があります。

 ソニーの連写機能も魅力だけど、そこまで贅沢はいいません。

1−2.液晶ディスプレイがついている事

 撮影アングルの確認や取った結果を確認する場合、液晶ディスプレイは必須です。

 なにせ高速で移動する列車を撮影するので、シャッターチャンスがうまくいったか
その場で確認できるのがありがたいです。
 またマクロ撮影する場合にピントの確認も(解像度の面から十分とは言えませんが)
可能です。

 なお移動体を撮影する場合、液晶ディスプレイもリアルタイムで追従しないと
困ります。一部の機種ではコマ落ちがあったり、アングルを動かすと映像がガタガタと
遅れてついてくるものがありますが、DS-7はリアルタイムで表示で問題なしです。
(リアルタイムと言っても「肉眼」に対するリアルタイム性ですね。実際にはビデオ
同等でしょうね。)

1−3.電池が単三で、交換可能である事

 電池が内蔵で交換不可という仕様では携帯して出かけている場合の電池切れに
対処不可能です。
 特に液晶表示付きのデジカメは消費電力が大きく、この問題は深刻です。
 (液晶画面には、消費電流が大きいバックライトがつきもので、電池の持ちが
 悪いのは仕方ないようです。)

 DS-7は単三電池仕様で交換可能なので問題ありません。
 (アルカリ電池以上の性能の電池が必要という制限付きであるが、今時アルカリ
電池は近所のスーパーやコンビニ,駅の売店等大抵何処でもあり、入手にはまず
困らない。)


 また充電式電池を2セット用意するという手法も使えます。

 私は現在、メイン用が1300mAhのニッケル水素電池,サブ用が700mAhのニッカド電池,
予備用にアルカリ電池という具合に使い分けています。

 アルカリは資金面(いくら2本で100円という価格がついていようとも。),
環境面(所詮一次電池は使い捨て)の問題もありますので基本的には使用を控えています。
 ただ、電池消耗時にシャッターチャンスを逃す事も重大なので、予備用には持っています。

 なお私の手持ちのマニュアルではリチウムかアルカリを使用し、充電式電池は
使用しないようにと書いてありしたが、フジフィルムのホームページによれば
ニッカド電池の使用は認めているようです。(マンガンは容量的に無理なのは納得
しますが。)

  私は持ちがいいのでニッケル水素電池を使用していますが、同ホームページに
よると、電池の寿命が短くなるらしく、使用を薦めてはいないようです。
 おそらくカメラ側のバッテリ警告及びシャットダウンを行う電圧の設定の問題
かもしれません。


 ニッケル水素電池では容量的に余裕過ぎる程(標準モード撮影でメモリカード1枚分
撮影しても、まだまだ余力あり。700mAhのニッカド電池ではカード1枚撮れずに
終わる事もありました。)ですので、電池の寿命が心配な方はメーカー推奨通りの
1000mAhのニッカド電池でも十分でしょう。
(ニッカド電池はカドミウム入りというのが玉に傷。処理方法さえ確実ならいいのですが。
身近な所でカドミウムによる土壌汚染があったという過去もありますからね。)

1−4.撮影媒体がメモリカード(SSFDC)で交換可能

 撮影媒体がカメラ内部のメモリだけというのでは、携帯して使用する場合、パソコンも
持ち歩かないと撮影枚数に制約が生じます。
 DS-7はメモリカードに記録する方式であり、カードも交換可能なので、携帯して
使用するのにピッタリです。しかもSSFDCは非常に安価です。
(スチルカメラのフィルムには勝てませんが・・・現像代,プリント代を考えれば
すぐ元が取れますね。)

 でも、いくら交換可能と言っても今時フロッピーディスク方式ははやりません。
(未だにフロッピーディスク方式のデジカメが発売されている事実に、驚きを隠せない。
最近はさらにMDという選択子も出てきたようですが・・・メカ物はねぇ???)

 私は、フロッピーディスクに記録するデジカメを第一世代のデジカメと
呼んでいます。第二世代はメモリカード記録方式です。
 ただし、第二世代と言っても、PCカード方式と、SSFDC他小型のメディアに
分かれると思いますが、この2つはカメラの性格により使い分けられていく事でしょう。

 PCカード方式はアダプタ不要で(ノート)パソコン直結可能な事と、フラッシュメモリ
やATAカード等大容量のカードが利用可能ですので、高性能なデジカメに多用されて
いくでしょう。

 SSFDCや他の小型カードは容量はあまり大きくないですが、小型で安価なので、
気軽に買い増しが可能なのが最大のメリットだと思います。普及機用にはピッタリだと
思います。
 私も、交換用に追加で一枚 カードが欲しいです。
 でももう少し容量の大きなカードがあればもっと良いですね。
 (DS-7に使用出来るわけではないと思うけど、最近8MBのスマートメディアが
登場したとか・・・)

 SSFDCはアダプタがあればPCカードスロットに装着可能ですが、私のパソコン
にはPCカードスロットがないので、今のところじっとがまんのシリアル転送です。

1−5.データフォーマットが扱い易い

 DS-7が出力するデータフォーマットはJPEGと互換のある”Exif”です。

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 ※Exifファイル形式(DS-7用インターフェースセットIF-DS7/W 使用説明書より抜粋)
 Exif(Exchangeable Image File Format)は、JEIDA電子スチルカメラWGにて
 承認されたデジタルスチルカメラ用のフルカラー静止画像フォーマットです。
 TIFFやJPEGとの互換性があり、一般的な画像処理ソフトウエアにて取り扱う
 ことができます。サムネイル画像やカメラ情報の記録方法も規定されています。
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 圧縮率が高く不可逆圧縮方式のJPEGが基本なので、画質が劣化する欠点は
ありますが、汎用性のあるフォーマットなのでパソコンで取り込んだ時に特別な変換が
不要というのが扱い易いです。

 カメラ情報として、撮影日時はもちろんのこと、カメラタイプ,シャッタースピード,
絞り値,画質モード等の情報が一緒に記録され、後で撮影時の状況の確認が出来るのが
ありがたいです。

 下の画面は、DS-7用インターフェースセットIF-DS7/Wでの表示画面です。

 一部のデジカメでは専用フォーマットで出力し、保存する形式もそのフォーマットと いうものがあります。他の形式にするにはデータ変換の操作を行わなければならないようです。 そんな機種も通信ソフト次第で扱い易くできるのでしょうけどね。


2.DS-7で失敗だった事

2−1.レンズの暗さ

 日中の明るい時は全く問題ありませんが、ちょっと暗くなるだけでシャッタースピードが
長くなってしまい、動いている列車はまず撮れません。仕様上ASA100相当というの
だから仕方ないんだけどね。

2−2.ズーム機能がない

 画素数が少なければ少ない程ズーム付きレンズが必要という事がわかりました。

 CCDの画素数が多ければ後処理で拡大できるので問題ないのですが、DS-7標準の
広角系のレンズでは、対象物に近寄れない場合は対象物は小さくしか取れず、よって
対象物に対する画素の面積?が大きくなる為拡大しても荒い画面しか出来ず、更に圧縮処理の
関係もあり、見れない画像になってしまいます。
 
  かと言って画素数をむやみに増やせば大きなメモリ容量が必要だったり
撮影枚数が制限されたり、撮影時,表示時の内部処理に時間がかかったり
それを対策する為に大きなCPUパワーが必要になったり、消費電力増加等の
問題も出てくる事でしょう。もっともこんな事はこれからの技術が解決する事で
しょうから、ユーザーが心配していても仕方ありませんけどね。

 画素数に関してはホームページ用であればDS-7クラスでもまず十分(今でも50%
縮小してページの貼り付ける事が多い)なので、もうちょっとレンズに金(機能面)が
かかっていればな、と欲張りな事を考えています。
(レイノックスのテレコンバージョンレンズを購入したのでだいぶマシになりましたが、
それでも足りない時は出てきます。)

 逆に現在のレンズなら、画素数が4倍(一辺辺り2倍)あれば拡大に耐えられる
画質が得られるのではないでしょうか。
(そういえば、フジフィルムから130万画素のデジカメが登場しましたね。これなら
満足出来そう。買えないけどね。)

 余談ですが、デジカメを使って気が付いた事が、フィルムの性能で画質をカバー
しているのがレンズ付きフィルムだという事実です。
 現在の普及クラスのデジカメって画質面だけでいうとレンズ付きフィルムより
劣っているのが現状かな?やはりフィルムはすごい・・・

2−3.液晶ディスプレイによるアングル確認はいつも良好とは限らない

 DS-7は液晶表示がある事によるメリットも大きいです。

 しかし、動体(大抵鉄道車両ですが。)を撮影する時には液晶表示よりファイン
ダー方式のほうが良い事に最近気がつききした。
 というのも、液晶表示を見るにはカメラからある程度離れて見る事になりますが、
液晶が見える状態では流し撮りどころではないのです。

 それに、炎天下の撮影では液晶表示が見えないという欠点もわかりました。
 
 動体の撮影用にファインダー方式(必ず光学式である必要はありませんが、欲を
いえば、光学式なら一眼レフのように撮影アングルとファインダーの画像が一致する
方式が望ましい。)の併用が可能ならそれに超した事はないようです。

 DS-7にはビデオ出力が出ていますので、ジャンクとして出回っているビデオカメラの
ファインダーを使って、ファインダーを外付けするのも手かも知れません。

 ところで、後継機であるDS-8には光学ファインダーが付属されるようになったようですが、
それをDS-7ユーザーには売ってくれないのかな?

2−4.やはり欲しいマニュアル調整機能

 ここまで要求するのは酷かも知れませんが、絵作りの為にはシャッタースピードや
絞りのマニュアル調整機能が欲しくなります。

 現状でも唯一調整可能な、手動2段の絞り(メカニカル?)を切り替える事で、
焦点深度の切り替え(絞れば焦点深度が深くなる)や、シャッタースピードの切り替え
(絞りを開ければシャッタースピードが早くなる方向にオート機能が動作する。)を
狙っての撮影を試みています。

 ところでDS-7で、明るさの自動調整がうまくいかない場合があるのです。
 背景に白が多く対象物が暗目の場合(好天の積雪の中等)対象物が非常に暗くしか
撮れないのです。この場合背景の中から白い部分を減らすようアングルを変えれば
多少が軽減できるのですが、アングルを変えてしまっては欲しい絵が取れない事に
なる場合もありますから、本来の方法じゃないですよね。
 こんな時に明るさ(絞り)のマニュアル調整があればと思うのですが・・・


3.こんな使い方も

3−1.流し撮りに挑戦

 液晶ディスプレイでやりにくいといいながら、流し撮りに挑戦してみました。
 なにせマニュアルでシャッタースピードを変えるという機能がないので、
周囲が暗くなりつつある状況で撮影することになります。
 とはいえあまり暗いと難しいので、夕方日が落ちてすぐ位の時間帯に撮影してみました。

 置賜−高畠間 第三下新田踏切付近を走行する「つばさ」150M
 ('97年3月5日17時47分撮影 1/30秒,F2.4)

 置賜−高畠間 第三下新田踏切付近を走行する719系5000番台電車 451M
 ('97年3月5日17時50分撮影 1/30秒,F2.4)

 2枚ともデジカメで出力されたデータの一部を切り取っただけで、最小画素はデジカメ
出力のままです。(ただし、多少きれいに見えるようフィルタ加工はしてあります。)

 最初の「つばさ」はちょっとブレてしまいましたが、2枚目の「719系」はまぁまぁ
うまく行きました。

3−1.スキャナ代わりに

 別にページを作りましたので、こちらをご覧下さい。


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'97/06/12新規制作