04_1 タイトル


潜水艇・原材料

 右の写真は、原型の原材料を切断した写真です。

 原型の原材料は、厚さ75mmのスタイロフォーム。これは、果樹用の大型冷蔵庫を造っている会社の社員から廃棄するというものを貰ったもの。
 通常の発泡スチロールは目が粗く、ヤスリが効かない上に、静電気のためか作業着にくっついて離れない。
 当然、部屋中が削りかすだらけになり、女房に怒られて使用禁止となった。

 非常に加工性が良いというエンジニアリングプラスチックの一種、ケミカルウッドは高価過ぎて使えない、な、なんと3万円以上もするのだ。

 で、リサイクルを兼ねて、貰い物のスタイロホームで原型を作ることになった。



潜水艇・線引き

 左の写真は、切断面の線引きが終わったスタイロホームです。

 RC潜水艦、というか潜水艇はピットロードという会社の図面を拡大している。厚さ75mmのスタイロフォーム2枚の厚さを横幅にすると、艦体の全長は450mmとなる。で、コピーした図面を、1.7倍に拡大するとぴったりになる。

 拡大するといっても、なかなか大変だ。図面に20mmピッチで線を引き、中心線からの距離をノギスで測り、電卓で1.7倍にして実寸をだし、図面に書き込むという作業を繰り返す。いささか面倒くさい、人間のやることじゃないわね。
 エクセルかなんかでやれんかなぁ〜

 潜水艦のノウハウを身につけるためには、最初から難しい艦艇を選ぶと挫折する。で、艦体が大きく、手が入りやすい。それとズングリムックリの潜水艇はアスペクトレシオが小さいので、机の上で作業ができる。
 最初の潜水艦に潜水艇を選んだのは、そんな理由による。



潜水艇・線引き

 右の写真は成型の終わった原型

 スタイロホームを削り、どうにか完成した原型の側面。スタイロホームという素材は私には初めて使う素材なので、使い方を理解するまで、結構苦労した。

 切断、こいつは、切り粉、木材ならばオガクズというが、切り粉の抜けが悪い。だから、ノコギリの動きが悪いし、曲線が非常に切り難い。次回までは、熱線で切る道具を作る必要がある。
 熱線でスチロールを切断する道具はRC飛行機関係のホームページにいろいろ書かれている。自作する資料には充分だ。

 反面、ノコギリで荒取りした後は紙ヤスリが使えた、3Mの木工用60番の紙ヤスリ、布タイプの茶色の奴は非常に使い勝手が良かった。布がベースなので、曲面のサンディングも楽々こなす、なかなか良い。
 いずれにしろ、削りかすの処理が面倒な作業だ。



潜水艇・上面

 左の写真は、成型の終わった原型の上面

 接着剤の選定には少しというか、かなり悩んだ。溶剤がスタイロホームを溶かすので、セメダインなどの溶剤が蒸発することで固まる接着剤は試験するまでもなく使えない。
 そこで、木工用ボンドを試したが、端面は水分が蒸発して固まるが、内部は固まらない。
 加えて、硬化したあとはヤスリが効かないので、これは不採用。

 ご愛用の2液混合型のエポキシ系接着剤は、硬化した接着剤とスタイロホームの硬度が違いすぎる。ヤスリをかけるとスタイロホームだけが削れてしまい、はみでた接着剤を削ることができなかった。
 おまけに、目の粗い金属ヤスリで接着部分を削ると、スタイロホームがむしりとられてしまう、これも没。

 ヤスリがかけられるタイトボンドで接着するが、ちょっと使い勝手が悪い。



潜水艇・前部

 右の写真は、目止め中の原型を正面から見た写真。

 形を整えるためにパテで修正をする。ここでも溶剤系のパテは使えない。『初心者向けの潜水艦総合講座』の管理人さんから、ジェッソという画材を教えてもらった。
 そこで、webを廻ってしらべる、人形を作っている人のホームページが参考になった。なんか妖しい、くらくらするような世界だった。
 よさげなので山形の画材屋さんをネットで調べる、日曜・祭日も営業しているとのことなので、速攻で調達。
 ついでにモデリングペーストというパテ、油土、ヘラなども購入。

 パテはもう一種類、アサヒペンの『スーパーパテ』を試験。これは、RC飛行機を作っている人のホームページに紹介されていたもの。近所の金物屋さんに在庫があった。
 水溶性なのでスタイロホームを溶かすこともない上に、粒子が細い。それと、やや粘度が高いのでタレてこない、凹んだ部分を盛り上げたり造形することも可能。
 硬化したあとのペーパー研磨は非常に楽、快適に削れるが水砥ぎができないのがちょっと苦しい。

 パテの色が白色なので綺麗に見えるし、そこそこ廉価、お奨めの一品。



潜水艇・後部

 左の写真は、パテで修正中の原型を後ろから見た写真。

 モデリングペーストも試験したが、硬化した後の硬度が高く、ペーパー研磨をするとスタイロホームだけが削れてしまうので使えなかった。粒子が非常に細いので、人形を作っている人には向いてるかもしれない。

 スーパーパテを少しづつ重ね塗りして、後部のカーブを修正中。しんかい6500の特徴的な部分なので慎重に形を造っていく。
 なんどもチェックしてカーブを造ったつもりだったが、FRPを被せてから狂いが見えてきた。なかなか難しい。

 修正が終わった原型にスーパーパテを塗りこんで空砥ぎ。これで目止めの第一段階終了。スーパーパテは水分に弱いようなので、上に耐水性の皮膜を作るためにジェッソを塗り込む。
塗っては研磨を3回くらい繰り返して、目止め終了。

 そこそこ潜水艇の形になってきた。



パテ_1
パテ_2

 右の写真は、原型を造るときに使ったパテなど

 右側の画像が、アサヒペンの『スーパーパテ』と、紙ヤスリで削ることができる『タイトボンド』。私には使い勝手が良く、お奨めの一品だが、ま、個人の好みでしょ。

 左側の画像が、画材屋さんから購入した『ジェッソ』と『モデリングペースト』。いずれもキャンバスに水性アクリル絵具で描画するときに、キャンバスの目止めに使うらしい。
 水性なので、発泡スチロールを溶かさないのが特徴。





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