造形美術 美尚堂工房 造形美術 美尚堂工房



菊人形制作

菊人形展の制作過程

菊人形展の制作は普通は分業制で、人形に菊を着せる人形の頭を作る舞台を作る背景を描く道具を作る等に分かれていますが、当社では一人が何役もこなしています。全国的にみても珍しいです。
菊人形は、胴殻作りを7月から、頭部・手足・小道具の制作を8月から始めます。
舞台の制作は、越前市の場合はパネル製作を工房で7月から、南陽市の場合は会場になる花公園で8月から始めます。

胴殻の制作

巻藁

巻藁

割竹を芯にして、藁を糸で巻き付けた物です。

胴殻 胴殻 胴殻

巻藁は紙紐で縛って形にしていきます。

胴殻 羽織袴姿

羽織袴姿

胴殻 女性の立ち姿

女性の立ち姿

頭・手足の制作

人形の頭・手足は昔は木製でしたが、現在はFRP製です。髪の毛は人毛です。
頭 頭 頭
手

会場の制作

南陽市の場合は地元なので、会場に直接舞台を作っていきます。

舞台

舞台の製作

描割

描割

陣幕

陣幕を描く

通路

通路の製作


越前市の場合は、舞台を工房内でほぼ完成させて現地で組み立てます。
パネルを組み立て背景を描いていきます。
パネル
パネル
背景画
背景画

大道具・小道具の制作

舟

鎧の胴

鎧の胴

菊の着付け

武生市は9月末頃から、南陽市は10月1日頃から、人形への菊の着付けを始めています。

菊人形用の菊 菊人形用の菊を使用します。花は小さく数が多く、茎が柔らかくてよく曲がる物が適しています。根は付いたままの状態です。
1体の人形に40~50株の菊を使います。
一株の本数は菊の種類によって違います。
根巻きした菊 根の回りを水苔で包み藁で縛ります。
菊は気温によりますが、1~2週間程持ちます。涼しいほど長持ちします。

菊を着せる前の人形

菊を着せる前の人形です。

人形の背中 菊を着せる様子 菊を着せる様子
胴殻の升目に菊を差し込んで、茎を胴殻に這わせて紙紐で縛っていきます。1体の菊付けに1日かかります。

菊の着せ替え

菊人形は1ヶ月の開催期間中、一度か二度の着せ替えを行います。普通は一度ですが、余り暖かい日が続くと菊が傷んで二度という年もあります。例年10/25~11/2の間に着せ替えを行います。
着せ替えは舞台に人形を置いたままその場で行います。お客様によっては、完成した物が見たかったと残念がる方もいらっしゃいますが、殆どの方は珍しい物が見られたと好評の様です。当方としましても、菊の着せ替えも菊人形の展示として見ていただければと考えています。
菊は最初に着せた早生種の物より、着せ替え時に着せる菊の方が色や種類も多く華やかな仕上がりになります。

袈裟を着たお坊さん(日蓮)の着せ替え

着せ替え前の人形

着せ替え前

↓
袖の菊を外した人形
袖の菊を外す
→↓
全部の菊を外した人形
全部の菊を外す
(足は菊ではなくヒバを付けています)
→↓
胴に菊を付けた人形
胴に菊を付ける
→↓
袈裟に菊を付けた人形
袈裟に菊を付ける
→↓
袖に菊を付けた人形
袖に菊を付ける
↓
着せ替え後の人形

完成

袈裟に使っている紫の菊はまだ咲き始めで、
3日ほどで満開になります。

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