LIVE REPORT 


渡辺貞夫カルテット 2015.4.21 山形テルサ

山形テルサの渡辺貞夫カルテットがとっても良かった。休憩なしで1時間半続けての演奏。
宝石の様な音色とビブラート。アウトスケールなど一切なし。東京、ニューヨーク、南米からアフリカにまで連れて行ってくれるオリジナル曲に交え、スマイル、マイフーリッシュハート、フェリシダージ、黒いオルフェなど大サービス。(2015 4 21)


竹内直カルテット 2014.6.15 山形テルサ


Pat Metheny Unity Band" at Blue Note Tokyo 2013.5.26

 もう1週間が過ぎようとしていますが,ブルーノート東京でのパッ トメセニー・ユニティーバンド公演に行ってきました。感想など記 しておこうと思います。

まずは,セットリスト
今回非常にお世話になったHiroko Shogaさんからコピペさせて頂きました。m(__)m
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【Set List for "Pat Metheny Unity Band" at Blue Note Tokyo 2013】

●Date: 2013/05/26 (Sun.) 2nd Show (8:00pm-)
●Venue: Blue Note Tokyo, Tokyo, Japan
●Musicians: Pat Metheny (electric and acoustic guitars, guitar synth, orchestrionics) , Chris Potter (ts, b-cl), Ben ...Williams (ac-b), Antonio Sanchez (ds) and The Orchestrion

◆Set List:
1. Free Improvisation on 42-string Pikasso Guitar -- Solo
2. Come and See
3. Leaving Town
4. Interval Waltz
5. James [from "Offramp" (1981) by Pat Metheny Group]
-MC-
6. The Bat [from "80/81" (1981) by Pat Metheny]
7. Signals (Orchestrion Sketch) / The Orchestrion Sequencer Improvisation with Quartet

*Encore:
The Good Life [from "Song X" (2005/ Twentieth Anniversary Edition) by Pat Metheny & Ornette Coleman]
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 マイケル亡き現在,メセニーが80/ 81以来30年ぶりにテナー入りのバンドで大傑作アルバム「Pat Metheny Unity Band」を発表,その演奏がライブで聴けるということで,贅沢 な気分でブルーノート東京を訪れました。席は真中のステージ近く で,クリス・ポッターの生音も聞こえる位置。(^O^)/

 私としては,現在世界最高峰と言われるテナー,クリス・ポッター を生で聴くのが一番の目的でしたので,そこ中心に書きます。

 曲目のソロギターの演奏が終わると,バンドメンバー登場,期待 のクリス・ポッターがバスクラでCome and Seeのイントロリフを吹き始めました。アルバム中,一番好きな 曲,興奮します。

 テナーに持ち替えてソロに突入,一音も聞き漏らしたくないと,ビ ールも控えめにしながら傾聴。席の良さもあってか,クリス・ポッ ターの音が細部まで聴き取れて満足でした。

 好印象はテナーの音色。楽器はアメセル,シルバーのバランスアク ションにビンテージなリンクメタルを使用しているように見えまし た。リフェースとか施されているのかなとも思いますが,近年優れ た道具が溢れる中で,リガチャーも普通のリンク付属のものらしく ,伝統的なセッティングのようです。テナーらしい深い音色はここ から発せられるものなのでしょう。超絶技巧な印象から,道具も扱 いやすさを追求しているのだろうと思っていましたが,ちょっと違 うのかな。相当な練習量を積み重ねてきたのだろうと,有難い思い で拝聴しました。

 ソロの内容はCDやネット音源等で聴いてきた通りの素晴らしい内 容,手癖フレーズを使わない印象があるので,何かそういうところ はないのかなと聴いてました。一つのモチーフを平行移動していっ たり,あるインターバルで並べた音を平行移動で上下するような吹 き方を時折織り交ぜるのが耳に残りました。

 内容が濃いのであっという間に感じたのかもしれませんが,ソロ がそんなに長くはなく,もっと吹き続けて欲しい感もありました。 自分のリーダーバンドだったらもっと長いのでしょうきっと。メセ ニーサウンドの中で,聴きやすい万人受けする感じのクリス・ポッ ターを楽しむことができました。

 愛聴してきたJames,The Batもうれしい選曲,The Batの演奏前には「偉大なマイケル・ブレッカー,ジョシュア・ レッドマンのお父さん達との作品80/ 81からの曲・・・・」といったMCが聞き取れ感慨深かった。自分 でも演ってみたい曲です。

 ステージにはバスクラ,テナー,ソプラノ,フルートが並んでい たのでかなり期待したのですが,ソプラノ,フルートは演奏しませ んでした。ソプラノ聴きたかった。

 最後に,オーケストリオンのお話。お洒落なお店のステージにガ ラクタを並べてカーテンで隠してある様な感じで,メセニーさん好 きだね〜と言いたくなるようなシステム。スタッフが一つ一つカー テンを開けて歩くのが面白い。ステージ前方の小さなシンバルが発 するリズムが中核のようでした。ギターと連動して演奏されるだけ でなく,LEDが点滅したり観せる工夫もされてます。CDで聴く よりもライブで観る方が楽しいシステム。MIDIでシンセを操る だけでなく,具体物を操ってしまおうという発想なのでしょうか。 一つ一つ近寄ってよく観てみたいと思いました。

 そこで思い浮かんだのはTDLのアトラクションにパット・メセ ニー・オーケストリオンを創ること。壮大なオリジナル楽器の山が 精巧に作られたパットメセニー人形に合わせて音楽を奏で,動き, 光を発する。そしてあちこちに配置されたスタッフがそれぞれの生 楽器を演奏する。それを乗り物に乗って観て周る。あったら楽しい と思いますがいかがでしょう。 (2013 6 2)


シーマス・ブレイク・カルテット 2012.7.8 水戸市 B2 

シーマス・ブレイク Seamus Blake (ts)
オーリン・エバンス Orrin Evans (p)
マット・クローシー Matt Clohsey (b)
ドナルド・エドワーズ Donald Edwards (d)

 久しぶりに興奮しさせてくれるライブでした。今回はアコースティックなカルテットで、最近のライブアルバムでおなじみの曲を中心にした演奏でした。特にうれしかったのは、ウエインショーターの美女と野獣を演ってくれたこと。テナーの高音域でテーマを吹きだしたので、最後のフレーズをどうするのかと思ったら超ハイトーンを駆使して吹き切ってしまいました。ニューヨークを感じさせてくれる演奏に大満足の夜。写真はリハの風景をお店の外から撮影したものです。ますますファン度アップです。(2012 07 20)


伴田裕カルテット 2012.1.4 村上市 楽屋

 伴田裕(ts) 山崎英夫(g) 文河潤(b) 本間克範(ds)

 新年恒例、村上駅前のお店楽屋で伴田さんの演奏を聴くのがJAZZ初めです。いつもなら楽屋周辺は雪などないのですが、当日は結構積もっていて安全運転、お店に入った時は恒例のオープニング曲「一月一日」が始まっていました。お店は既に満員に近く、一番後ろの席に座りましたが、音のバランスが良く、じっくり聴けるし、休憩時にミュージシャンと話せる良い場所でした。
 伴田さんの演奏はいつも通りの良さ,あれから一週間経って、特に印象に残っているのは、ロリンズのエブリフェア・カリプソ、ミンガスのグッドバイ・ポークパイハットでしょうか。エブリフェア・カリプソは16小節の単純なコード進行を繰り返す曲ですが、とどまることなく湧き出す音の綴りは流石でした。山崎さんのギターカッティングも気持ち良かった。グッドバイ・ポークパイハットはあの曲の独特の雰囲気を充分楽しませてくれて嬉しくなるものでした。後で聞いた伴田さんのお話では、なかなかの難曲だそうですが、いつか演ってみたいと思います。 (2012 1 14)


大野雄二&ルパンティック・ファイブ 2011.11.26 長井市民文化会館

 大野雄二(p) 井上陽介(b) 江藤良人(ds) 松島啓之(tp) 鈴木央紹(ts ss) 和泉聡志 (g)

 コニャニャチワ 今タクオどえーす。大野雄二さんふうに始めてみました。昨日は長井市民文化会館での大野雄二&ルパンティック5のコンサートに行って来ました。会場では、仕事関係者やバンドメンバーなど,たくさんの知人と顔を合わせる珍しいジャズコンサートでした。ルパンの力でしょう。 
 このバンドは,大好きな今井美樹さんとの共演があることから。ここ数年比較的よくCDで聴いていたバンドです。サックスの鈴木央紹さんの演奏に惹かれ,ツイッターでもフォロー,ライブなら長尺なソロも聞けるだろうと楽しみにしていました。 
 このバンドのコンセプトもあって、それぞれのソロは短めでしたが,その分内容が濃いものを聞かせてもらった感じがします。一つの曲でテナーとソプラノを持ち替えて2回登場するなど。2倍楽しませてもらいました。柔らかめでセクシーな音色,知的な感じの綴り,プロの演奏を聞いた満足感が残りました。メンバー6人。それぞれ素晴らしい方たちですが、特に印象強かったのがトランペットの松島さん。数年前、熱帯ジャス楽団でも拝聴しましたが,あれだけのペットはなかなか生で聴く機会がありません。 
 リーダー大野雄二さんのピアノを聴きながら。レッドガーランドが大好きなんだろうなぁと感じました。先程、彼のWEBサイトを覗いてみたら,やはりガーランドの名前が上がっていて嬉しくなりました。 (2011 11 27)


宮脇裕子クインテット 2011.9.17 村上市 楽屋

 宮脇裕子(tp), 伴田裕(ts)  栗田妙子(p)  カイドーユタカ(b)  冨川政嗣(ds)

 アルバム「Song Of Flower」発売記念ライブ,3月の開催予定が震災があって半年遅れたのだそうです。
 伴田さんの演奏はここで何度も拝聴していますが,トランペットとの2フロントは初めて,お二人の柔らかい味のある音色のアンサンブルを楽しませてもらいました。CD発売記念ライブということで,オリジナル曲中心でした。7拍子の曲など難しそうなのですが,全体に広大な風景が浮かんでくるような気持良い演奏でした。演奏後,宮脇さんが客席を周って挨拶してくれたのが嬉しくて,CDを購入,サインしてもらって来ました。ジャスライフ誌の2月号にこのCDの特集記事が載ってます。伴田さんのテナーがとても良い音で入ってます。1曲目のSakuraが特に気に入ってます。(2011 9 26)


藤井政美トリオ 2010.8.2 村上市 楽屋 

藤井政美(ts) 横田康雄(b) 本間克範(ds)


熱帯ジャズ楽団 2010.6.6 川西町フレンドリープラザ


伴田裕カルテット 2010.1.3 村上市 楽屋

 伴田裕(ts) 二野 明(p) 横田康雄(b) 本間克範(ds)

 新潟JS〜バンクーバーOPと楽しんでいるうち、伴田さん正月ライブから2ヶ月も経ってしまいました。印象に残るところを書き留めておこうと思います。今回はリハ前に伴田さんのプチレッスンをを受けまして、その後のリハから見学させてもらったりして参考になりました。メンバーは楽屋でお馴染みのミュージシャン達、二野さんは2セット電子ピアニカを吹き通してまして、見た目もサウンドも新鮮な感じ、ピアノを演奏する時よりも単音を聞かせるような管楽器的奏法に近く聞こえました。息の入れ方に注目してみたところ、和音を出すときは結構エネルギーを費やすもののようです。ウエザーリポートのThree Views Of Secretが音色的にもはまってました。スタンダードに伴田さんのオリジナル曲を交え、ラテンナンバーで客を盛り上げながら、いつもながらの巧みなフレージングで楽しませてもらいました。コルトレーンやモンクナンバーなど特に嬉しかった。本間さんのナイスなドラミングはこの後の新潟ジャズストリート・長沢好宏バンドでも楽しませてもらいました。写真は楽屋HPから拝借しました。(2010.3.2)


Seamus Blake Live 2009.11.20 水戸市 B2nd

Seamus Blake (Ts EWI)  Boris Kozlov (B)  Jonathan Blake (Drs) 

 水戸には初めて足を踏み入れましたがカーナビのおかげで軽く到着、都会的なかっこ良いお店でした。予約席に案内してもらってステージに目をやると、ピアノの上にマックが3台、EWIが1台、イフェクター類に配線群、テナーはSBA、かなりなエレクトリックなライブになることが伺えます。Seamusはなにやら一生懸命EWIの調整をしてました。
 メンバーがステージに上がるとSF的な雰囲気でスタート、たった3人なのにこの音の厚みは何なんだろう。すっごいタイトだし・・・。結局1セット目はEWIで通したSeamusでしたが、なんか凄かった。良く分からないんだけど現在のテクノロジーを駆使した感じの演奏でした。Boris Kozlovは6弦ベース1本でベースとギターとキーボードとパーカッションを同時に演奏してる感じ、Seamusも時にEWIやマックの調整を気にしながら、その場のフレーズをサンプリング・ループさせてソロを重ねたり・・・、驚いたのは、ヘッドセットのマイクからリアルタイムでサンプリングした自分の言葉を手に持ったEWIでメロディーとしてコントロールしてしまう、あのパフォーマンスどう表現したらいいのでしょう。クロマチックなラインも完ぺきに歌ってるように聞こえてたので、音程はEWIでコントロールしてたんだろうと思います。 マイケルフリークらしく何度かマイケルの曲のフレーズを引用してました。ステップスアヘッドやウエザーリポートをたった3人でやってるように感じるところもありました。 
 お客さんは30人ぐらいだったでしょうか。見まわすといるいるそれ系の好きそうな方々、いつの間にか近くの席になって仲良くさせていただきました。水戸の人っていいなあ。ありがとうございました。
 セカンドセットではテナーとEWI半々ぐらいだったでしょうか。マウスピースはラバーで柔らかい音色なんだけど、スピード感ある音の粒立ち、SBAらしい例のシャーッという音色、ほとんど生音なんだけど横に立てたマイクからも少々拾ってたようでした。バンクーバーの出身とBorisのMCで紹介されていたようでしたが、いわゆるニューヨークテナーという感じの音の綴りで嬉しかった。アンコールのGoodbye Pork Pie Hatがまた良かったなあ。(2009 11 21)


Autumn Jazz 2 Group Special Live 2009.11.3 山形市 シベールアリーナ

Hiroshi Minami Go There

博(p) 竹野昌邦(ssts) 水谷浩章(b) 芳垣安洋(ds

Gene DiNovi Quartet

Dene DiNovip) Ted Brownts) Neil Swainsonb) Ernesto Cervinidrs

 前夜からの冬型の天候で峠道の状況が気になりましたが、ライブカメラで見たところ大丈夫そう、ノーマルタイヤのまま、珍しく妻と連れだって出かけました。裾野は紅葉、山頂は雪化粧、なかなかいい眺めのドライブで会場に到着、カフェで夫婦仲良く食事をしてから入場すると既に客でいっぱいでしたが、山大ジャズ研の皆さんが声をかけてくれて席を確保させてもらいました。ありがとうね。
 3部構成のコンサートで最初は「ジャズの入門講座、ジャズの楽しみ方」文化の日の主催者企画らしい。内容は南さんグループにお任せな感じで、やや困ったようなポーズの南さんでしたが、多分みんなが知ってるだろうオーバーザレインボーをノントーナルを含めた多様なスタイルで演奏するという、なかなか面白い内容でした。初めてジャズに接した客も多い様子でしたが、あれをどう受け取ったんだろう。
 2部は南さんカルテットのライブ、ソプラノソロのステラからスタートしてオリジナル曲が続く1時間でした。南さんのバンドは吉祥寺のサムタイムなんかで何度か聴いてました。オリジナル曲は広大な風景が浮かんでくる雰囲気があって素晴らしい。お目当て竹野さんのソプラノ&テナーが期待通りで嬉しかった。好みなスタイル&音色で聴かせてくれて流石プロだなあと・・・。休憩時間ロビーに出てみると南さんがCDやら著書やらにサインをしてるところ。せっかくなので持ってきた2冊にサインをしてもらいながらちょっとお話しさせてもらいました。
 3部はGene DiNovi Quartetのライブ、リーダーのDene DiNovi(piano)さんは10代の頃チャーリーパーカーとも演奏した経験がある方で、Ted Brown(tenor sax)さんはレニートリスターノの門下生とか、お二人とも80歳を超えるというジャズの歴史に生で触れるようなライブでした。注目のTed Brownさんのテナー、楽器のキーアクションや息遣いまで一緒に聞こえてくる楽器の鳴らし方で、レスターを思わせる艶っぽさ、これまた良かったです。(2009 11 3)


東京銘曲堂 2009.8.22 米沢市 BLUE NOTE 

川嶋哲郎(ts fl) 岡安芳明(g) 上村信(b)

 ドラムレスのギター入りトリオ、同じ編成で演奏する機会も多いことから、このバンドのCDは繰り返し聴いてまして、フレーズもパクリらせてもらっています。テナー1本だけのソロCDも手元にあったりして、渋く歌う川嶋さんテナーを楽しみにしていました。ジャズライフ誌連載の講座でもお馴染みですね。
 事前に曲目を決めたりはせず、その場で吹きたいと思った曲を演奏するのがこのバンドのコンセプトだそうで、お馴染みのスタンダードを2セット全10曲ほど聴かせてもらいました。期待通りの演奏であっという間な感じでした。以外にフルートの使用が多くて、後で聴いたお話では「フルートは修行の意味もあって多くう吹くようにしている。ソプラノはこのユニットではあまり吹かない。」ということでした。気さくな3人はアフタアワーもジャズファンに囲まれていい感じの夜でした。写真はBLUE NOTEのサイトから拝借させてもらったものです。(2009.10)


藤井政美カルテット 2009.5.1 村上市 楽屋 

藤井政美(ts as ss) 横田康雄(b) 山崎英夫(g) 本間克範(ds)

 2年ぶりの藤井さん、更にパワーアップした印象でジューリッシュテナー達の影響をモロに感じさせてくれるのが嬉しかった。「上手いぜ、凄いぜ、気持ち良いぜ・・・」あっという間の2時間半でした。過去3回はピアノの二野さんとのデュオでしたので、カルテットで聴くのは初めて、ワンホーンカルテットという編成とメンバーの良さもあって、ジャズの何たるかを感じさせてくれる、これまでで一番楽しめた藤井さんの演奏でした。スタンダードな曲ではアルト、モーダルな曲ではテナー、メロウな曲ではソプラノという雰囲気で持ち替えての熱演でした。今回はメンバーそれぞれのオリジナル3曲のほかにも初めて聞く曲が多くて、ラリー・ヤングのRitha、メセニーのWhen We Were Freeなどでの壮絶なテナーソロが印象に残りました。Rithaはイン・トゥー・サムシングに入ってるそうなので聴いてみたい。スタンダードなマイワンもあの域まで行ってくれると流石プロというものです。新潟の山崎さん、本間さん、六本木で活動していたという地元村上の横田さん、メンバー皆さんとても良くて、山崎さんのギターと藤井さんのサックスが絶妙にマッチする感じでした。帰りがけ声を掛けてみたら覚えていてくれた様で嬉しかったです。また聴きに行きますね。サックスクリニックにも参加してみたいものです。(2009.5.2)


伴田裕カルテット 2009.1.4 村上市 楽屋

 伴田裕(ts) なお・さいとう(ds) 山崎英夫(g) 坂井宗倫(b)

 今年もジャズ初めは伴田さんからです。伴田さんは最近ラテン系バンドでも仕事してるそうで、それ系の曲が多めなところが今回の特徴だったでしょうか。楽器は昨年と同様のセッティング、バランスとショートシャンクから奏でるサブトーン、特にEverything Happens To Me、Stardustといったバラッド曲にピタッと来て心地よかったです。A Night In Tunisia、Spainというお年玉もうれしかった。昨年メンバーとドラムが代わって、新潟最強ジャズドラマーと評判なお・さいとうさんが参加、パワフルなドラミングと明るいキャラでお客さんを楽しませていました。山崎さんの演奏も相変わらずの素晴らしさです。ギター入りカルテットということで、今回もうちのバンドの参考にと録音させてもらいました。伴田さんは最近ヒップホップのバンドでも演奏しているとのこと、是非聴いてみたいものです。(2009.1.6)


岡田勉カルテット 2008.12.4 村上市 楽屋

岡田勉(b) 峰厚介(ts) 村上寛(ds) 後藤浩二(p)

 御大、今年も楽屋に登場です。かぶりつきの席で目と耳を凝らして過ごして来ました。半分ぐらいは昨年と同じ曲だったかな。あまりにリラックスしたアンブシャに目が引き付けられまして、終演後質問したところ、一年ぐらい前からダブルリップに変えたとのこと。冗談を交えて話して下さいました。峰さんほどのキャリアの持ち主でもアンブシャを変えたりするんだなと、驚いたというか感心したというか・・・。昨年聴いたとき、以前よりも渋系な音色に感じていましたが、この変化によるものなのかもしれません。唇を上下とも巻いてリラックスさせることでリードが良く振動することは物理的に理解できる気がしますが、その状態でフラジオやタンギングのコントロールができるところまでのトレーニングを思うと、遠い向こうのことのような感じがします。(2008.11.5)


Ron Hadley(p) & Jim Cameron(ts) Duo 2008.11.8 米沢市 ブルーノート

 ボストンのベテランテナーと聞いて楽しみにしていたライブでしたが、仕事の都合で1セットの終わり頃にやっと到着、それでも理想とするテナーの鳴らし方を確認させてもらえた夜でした。20年代のコーンとオールドリンクの豊かな音色で綴るスタンダードナンバーは、ビンテージ嗜好の耳に染み入るものでした。絶妙なバップフレーズに時折フリーキーなオーバートーン技を入れたりモーダルなラインを編み込んだりと、ジャズテナーの歴史を圧縮して聴かせてくれるような楽しい演奏でした。ロリンズの影響を感じさせるユーモラスな歌いまわしや引用フレーズも客を和ませていました。2セットの前半は予想外のジャムセッションとなり、いつも一緒に演奏している仲間達の勇姿を見ながら、テナーを持って来ていればいろいろ教わることもあったんじゃないかと残念な思いでした。Jimさんも「Next time」と言ってくれたし、また次回のお楽しみにしたいと思います。生で聴けなかった1セットは後日仲間からもらった録音音源で楽しませてもらいました。(2008.11.7)


James Carter Quintet 2008.8.30 蔵王坊平 JAZZ MEETING 2008

 ジェイムス・カーター(ts ss bcl) ドワイト・アダムス(tp) ジェラルド・ギブス(p) ラルフ・アームストロング(b) レオナード・キング(dr)

 荒天のため会場をスキー場のレストラン内に移し、いくつかのバンドが演奏しました。女性ギタリストのトリオ、素晴らしかったなあ。ドラムは奥平真吾さんでした。そしてトリに登場がJames Carter Quintetでした。Karrin Allysonのアルバムでのテナーソロ、あまり良い印象がありません。今回はライブだし、結構注目されてるようだし、いくらか期待していたのですが、残念ながら、音楽を聴いているというよりアクロバットなサーカスを見ているそんな感じでした。まあ、どんな表現方法があっても良いとは思いますが。結局あの日は耐え切れなくて途中で帰ってきてしまいました。(2008.12.19)


竹内直カルテット 2008.8.30 蔵王坊平 JAZZ MEETING 2008

 竹内直(ts bcl) 清水絵理子(p) 俵山昌之(b) 江藤良人(ds)

 竹内直さんのテナーは初めでして、会場に着いたときちょうど竹内直カルッテッとの演奏中でした。会場全体に響く直さんのテナーを聞きながらチケットを出したりゲートをくぐったり、いいですね〜。ファラオサンダースの影響を強く感じましたが、どうなんでしょう。曲もスタンダードなバラッド有り、フォークソング風有り、カリプソ風有りでファラオっぽいじゃないですか。小雨が生憎でしたが、アメセルとリンクメタルのそれらしい鳴りで気持ち良くさせてもらいました。(2008.12.19)


今井美樹コンサート 2008.6.20 新潟県民会館

 楽しみにしてた今井美樹コンサート、夫婦で行って来ました。期待通りに楽しませてもらって、良い夜でしたね。2セットの始まり、ノリノリナンバーで会場総立ちがやっぱり楽しかったです。こういう感じもかなり久しぶりでした。デビュー当時からのファンでして、80〜90年代の曲はある意味青春の音楽なんですが、2000年代前半あたりはややご無沙汰してまして、知らない曲もあるかなと思ってたら、全部知ってる曲でした。80年代の懐かしい曲もあってうれしかったです。懐かしい曲も最新曲も今回のバンドメンバーのカラーで、その辺も楽しめました。 最近また今井美樹ファンに力が入ったきっかけは、ルパンとかジャズ色とか、姫路城コンサートのテレビ放送とかいろいろなのですが、川江美奈子色がピタッと来るのが一番だったんだなーと再確認したコンサートでもありました。このコラボはこの先も続くようなので注目していきたいと思います。彼女のコーラスが凄く良かったし、大好きな曲SATELLITE HOURの例のジャス風キメを彼女が歌ったあたりもゾクゾクものでした。照明とかもかなり凝ってる感じだったし、美樹さんの音楽的に真面目なしゃべりもよかったなー。客層は当然なんですが同年代風が多くて、娘達に観せたくて連れてきたような母娘が私らの前に座ってました。新潟出身のドラムの鶴谷さんのドラミングにけっこう注目してたんですが、ルックスも含めてカッコいいですね。前日夜は古町辺りのジャスクラブでジャムってたらしいです。うちの奥様、会場で先行販売してた昨年暮のブルーノートライブDVDをいつの間にか買ってくれてて、これも楽しみ。

スタッフのブログに打上げの様子など載ってました。
http:// blogs.y ahoo.co .jp/irc 2_miki_ imai/10 826435. html

右上写真のコンサート風景はこちらから。
http://blogs.yahoo.co.jp/irc2_miki_imai/11640774.html


伴田裕カルテット 2008.1.3 村上市 楽屋

 伴田裕(ts ss) 山崎英夫(g) 坂井宗倫(b) 佐野郁雄(ds

 新春恒例、絶妙なスタンダード料理を味わって、今年もジャズライフだという気にさせてもらえる地元ミュージシャンとの里帰りライブ。ジョーヘンやコルトレーン、マイケルやグロスマン、好きなんだろうなあ、同世代だなあと感じるフレーズの節々、今年もうれしかったです。ボブ・バーグとマイク・スターンがやってそうな複雑にうねうねしたテーマのオリジナルブルースも同様。今回は最近の私達と同じギター入りのカルテットということでさらに参考になりました。今回はマイワンが一番印象に残ったかな。マニアックなラインで吹きまくりのラウンド・ミッドナイトも良かったな〜。アンコールのマイ・シャイニング・アワーもそのうち演りたいと思ってた曲でとってもうれしい。良いお手本をたくさん聴かせてもらえたという感じ。例のテナーリフからスタートしたマイ・フェイバリット・シングス、ちょうどギターカルテットである自分のバンドでも演ってみようと話していたので参考になりました。時にジョンスコを思わせる山崎さんのギターも好みです。あれから1年が経とうというときに思い出しながらこれを書いてまして、来月また聴かせてもらえるのが楽しみです。(2008.11.15)


岡田勉カルテット 2007.12.11 村上市 楽屋

岡田勉(b)、峰厚介(ts)、野力奏一(p)、村上寛(ds)

 じっくりと観て聴いて来ました。峰厚介さん 素晴しかったです。サックスから1メートルという至近距離、生音で拝聴させていただきました。ハードラバーの音色は学生時代に拝聴した印象と少し違う感じでしたが、とても新鮮、深いダークな鳴りが気持ちよかった。バンド全体としてかなり音量が出ていたと思うのですが、テナーは生音でも良く通っていて大御所の風格を感じさせられるものでした。ソロを終えてバンドの横に立っているときも存在感があるんですねー。その辺の立ち振る舞いまでじっくりと観させて頂きました。曲はほとんどが岡田さんのオリジナルでメンバーの体に染み込んでいるものが自然に出てくるような、ドライブ感溢れるこのバンドの世界そのものでした。1曲、峰さんのオリジナルも格好よかった。
 ライブ終了後、ネイティブサ時代からのファンであることなど話しかけたら握手をして下さって感激でした。野力さんは終始楽しい方で、NORIKIバンドの頃のお話まで聞かせてもらいました。最後に、一緒に写真まで撮って頂いて、オグリンさんありがとうございました。


放し飼いトリオ+1 2007.11.22 新潟市 ジャズ喫茶SWAN

仕方ひろむ(org)  西尾研一(ds)  八木敬之(ts) +八木義之(vtb) ゲスト 二野明(p)

 

 二日前の初雪から降り続き11月にしては近年珍しい雪景色、そそくさと職場を出る頃は吹雪でしたが、新潟に向かう道はしだいによくなるはずと車を走らせました。八木さんのテナーは今年既に2回拝聴してますが、今回はブログ等の話題で気になってたオルガントリオを直に味わえるチャンス、雪に負けてられません。横浜から車で新潟入りした仕方さんと西尾さんは関越道のチェーン規制等の影響で9時間以上かかったとか、無事に到着できてなによりでした。
 ジャスラックのあり方についての問題提起等で全国的に議論が高まりました。お店のSWANは今回初めて訪れました。たびたびお世話になってるロイホのすぐ近くだったとは気づかなかったなー。昼間もやってるそうなので、古町行った際は寄ろうと思います。
 西尾さんとフロントの壮絶な絡みは夏の新潟ジャズストリートで味わってまして、そこに仕方さんが入ってどんなことになってるのかと期待しながら横っちょの席を陣取りました。女性客が多いのは新潟勤めのやぎ弟さんの人気でしょう、うらやましい。今回ライブ録音するそうで卓調整の方とか、隣に座ったお店の常連の方とかと雑談しながら過ごしました。
 ファーストセット、スターアイズからスタート、二管のアレンジもしっかり準備された感じです。東京でリハしたとか、行ったり来たりの費用もかかったライブではないでしょうか。けっこう難しめの曲が多かったですね。サラリーマンバンドとしても国内5本の指がでしょう。ヤング&ファインとかトラベルズとか同世代的にその気持ちが伝わるのがうれしい。ステップスライブバージョンを意識したアレンジのヤング&ファインでは、私向けにマイケルコピーフレーズのサービスまでしていただいてありがとうございました。ショーター好きな面も感じましたよ。スタンダードをコーラス毎にキーを変えて演奏するという曲では皆さんの耳の良さに脱帽、後テーマは想定外のキーでメロディーを吹くことになったようですがちゃんと対応してしまうところに音楽的素養の高さを感じます。アンコールの枯葉の展開も面白かった。7.5小節の曲とセブンステップスが特に聴き応えありました。サラリーマンバンドでここまでやっちゃうというのは刺激強です。バンド名通り吹きまくりの八木さんのテナー、リードがあたりだったそうで前回にプラスしてフラジオ音域が快調な感じに聴こえました。毎週ステージが続いている効果もあるかもとのことでした。仕方さんの指は曲芸、左手でベースランニング+右手小指で一音をキープし続けながら他の4本でアドリブ、見応えありました(拍手)。「ベースとキーボードが同一人格からくる展開・・・・・・。」という八木さんのMC、妙に納得できました。最後の2曲で二野さんが飛入ったのも面白かった。何度か聴かせてもらってる村上の楽屋ライブでは都合エレピなわけで、生ピでのスピード感を楽しませてもらいました。
 演奏が終わったら11時過ぎ、やぎ兄弟は女性客に囲まれてプチサックス講座、うらやましい光景でした。「君の時間は未来じゃないか。練習頑張って。」とかささやいて欲しかった(笑)。帰りの道路状況も気になるので、少し話した後帰ることにしました。前2回はうちのバンドのメンバーと一緒にワイワイでしたが、こういう天候の中一人で帰るのは妙に寂しかった(笑)。7号線から113号に曲がると雪となりまして、県境越えたらもう凄、このまま根雪になるなんてことはまさかないよなー。(2007.11.24)


山形国際ジャズフェスティバル 蔵王坊平JAZZ MEETING 2007.9.1

オルケスタ・アルグンディア

田中哲也(tp) 高瀬龍一(tp) 近藤和彦(as bs) 山口真文(ts) 佐藤春樹(tb) 大徳俊幸(p) 池田達也(b) 岩瀬立飛(ds) 鈴木ヨシロー(per)

野間瞳Group

野間瞳(vo) 青柳誠(p) 小池修(ts) 冨澤文貴(b) 高橋徹(ds)

松島啓之Quintet

松島啓之(tp) 岡崎正典(ts) 今泉正明(p) 嶋友之(b) 原大力(ds)

William Ash Trio+1

ウイリアム・アッシュ(g) ジャレッド・ゴールド(org) 小林陽一(ds) 岡淳(ts)

 今年は仕事と重なって行けないとあきらめていた山形国際ジャズフェスティバルでしたが、仕事が一日スライドしたので行ってきました。どうせ行けないと思ってたので出演者にテナーがいる程度にしかチェックしてなかったのですが、行って見てびっくり、山口真文さん、小池修さん、岡崎正典さん、岡淳さん、凄い顔ぶれでした。特に小池さんが良かったなー、マイケルファンであることをさらけ出したような演奏に引き付けられっぱなしでした。今朝も早かったし明日も早いので、行こうか行くまいか迷ったりしながら出かけたのですが、小池さんのテナーが聴けただけでも大正解でした。


TORU YOKOSAWA QUINTET 2007.7.29 日常茶飯美

ヨコサワトオル(as) キタダリョウイチ(p) サイトウヒロキ(b) オイカワフミカズ(drs)

 先月聴いたばかりの横澤さんですが、地元のお店で演奏するというので足を運びました。ジャズはやっぱりこういう場所で聞くのが一番ですね。息使いまで聴こえるようなこじんまりした空間が良いのです。ここではアメセル一本で吹いてました。


TORU YOKOSAWA QUINTET 2007.6.22 長井市民文化会館

 横澤さんの弟子である職場のボスに誘ってもらって行ってきました。アメセルとスターリングシルバーを持ち替えながらの熱演、音色の違いが微妙にわかって楽しかったです。ホールでのコンサートというのも久しぶりでした。


藤井政美(sax)二野明(p) 2007.4.30 村上市 楽屋

 春の新潟ジャズストリートの演奏を聴きに行けなくて残念に思っていたのでしたが、もっと近場の楽屋でも演奏すると知って駆けつけました。マスターお知らせありがとうございました。お店に着いたときはもうお客さんでいっぱいでしたが、運良くカウンターの一番前の席が空いていて、目前で拝聴しました。期待通りの超絶技巧を駆使した吹きっぷりにスカッとした気分です。楽屋での演奏は10回を超えるそうですが、過去のレポを確認してみたら、私にとっては2年半ぶりになります。今回も3本(テナー、アルト、ソプラノ)を持ち替えながらの演奏でしたが、以前のセルマーバランスではない見慣れない楽器で音色も違って聴こえました。都会的な技巧派テナーの印象にプラスして、グローバーワシントンJrのような色っぽさ、ショーターのような怪しさも感じさせる音に進化しているような感じを受けました。素人からは印象でしか語れませんが、お二人のコンビネーション、高度にジャズしてます。
 セットの休憩時間に楽しいサックス談義さをせていただきました。テナーとアルトはマーチンのシルバー、テナーのマウスピースはリバイユのラバーとのこと。マーチンのテナーは手に持たせてもらいましたが、キーの感覚が広めに感じました。藤井さんのお話では、ヘッドロックされたような吹奏感があるとのことで、確かに締まった感じの音色に聴こえます。本拠地広島でFMラジオの仕事もしておられるそうで、ネット検索してみたらDJとして紹介してあるのを見つけました(テナーを抱えた写真付き)。好きなテナー奏者やお薦めCDなども聞かせてもらって、帰ってからamazonで探してみたりして楽しんでいます。MCで話題になっていた二野さんのサイトも見つけました。お疲れ様でした。
 2セット目はショーター縁の数曲もあったせいか、お二人のやりとりに最近のショーターバンドの影響を感じました。結構影響を受けていたりするんじゃないでしょうか。各セットのラストに演奏した2曲(ステラとジョーヘンのブルース)の演奏内容が濃くて大満足、特に印象に残っています。演奏風景は楽屋のBBSにアップされていますのでそちらをご覧下さい。(2007.5.3)


八木義之4Feat.八木敬之 2007.1.20 東北電力グリーンプラザ
『第9回 新潟 jazz street / jazz★day』

八木義之(vtb) 八木敬之(ts) 細木久美(p) 阿部国男(b) 本間克範(ds) ゲスト:戸坂純子(vo)

 本BBSにもご登場いただいている八木さんご兄弟、新潟 jazz streetでの演奏を聴いてきました。八木敬之さんのテナーには20年ほど前新宿ピットインで出会いました。山中師匠のライブにゲストで入ったFourを聴いて、同じ学生でこんな凄い演奏をしてしまう人がいるのかとぶっ飛びました。その八木さんが、仕事の関係で新潟暮らしをしておられる弟の義之さんのバンドにゲスト出演なさるというので、20年ぶりに生音を拝聴しようと仲間と一緒に出かけたという訳です。2ステージでインストとボーカル入り半々ぐらいの構成でした。八木敬之さんの最近の演奏はご自身のサイトの音源参加CDで聴かせてもらっておりまして、スティーブグロスマンを彷彿とさせるその吹きっぷりはリーマンテナーの星、憧れであります。そういう期待に応えてくれたかのような、Out Of Nowhere、Mr. Sandmanといった選曲、所謂グロスマンフレーズで畳み掛けるくだり、思わず仰け反りました。ドラムとテナーになるあたり、シビレました。「一部のマニアの方には大変楽しんでいただけたようです・・・。」という義之さんのMCに爆笑でした(笑)。もう一つ記すべきところは新潟出身の美人ボーカリスト戸坂純子さんとの共演でしょうか。朝東京から駆けつけた敬之さんは多分ぶっつけだったと思うのですが、ジャズ風にアレンジしたEri My Love、Close To You、そこまでの曲とがらりと雰囲気が変わるわけで、どういう感じで吹くのかなーと注目させてもらいました。戸坂さんが歌っている間、譜面に見入る、テナーソロとなって吹き出す・・・流石ですね。耳、タイム感の良さを感じました。本BBSに書き込んで下さっている感じから推察して、ホントのたま〜にしか楽器を手にする時間は無いみたいなのに、何故こんな演奏ができてしまうのか、いかにしてコンディションを維持するのか、謎です。自転車の運転のように、練習を積み重ねて体で覚えたはことは多少時間が空いても忘れないものなのでしょうか。密かに壮絶な練習メニューをこなしてたりして(笑)。(2007.1.22)


伴田裕カルテット 2007.1.3 村上:楽屋

 伴田 裕(ts)、山本美恵(p)、永井孝(b)、目黒与志男(drs)

 昨年一日勘違いして聞き逃した伴田さんの正月ライブ、今年こそはと、バランス+ショートシャンクの音色を楽しませてもらってきました。暖冬のお陰で快適なドライブ、早く着きすぎて近くの喫茶店で時間をつぶしてから楽屋に入りました。デックス、ジョーヘン、トレーン等縁のナンバーに伴田さんと山本さんのオリジナル一曲ずつ、2セット計10曲ほどのステージでした。一番印象に残ったのはファーストセットのRecorda Meだったでしょうか。多様なシークエンスの使い方、アウトサイド、4度フレーズ、メロディーの引用・・・参考にすべきネタを順に示してくれて、練習したい気持ちにさせてもらいました。セカンドセットではコルトレーンのアレンジでと紹介して吹き始めたStardustが特に素晴しかったです。音色と歌い方をじっくり味わえたし、エンディングの持って行き方とか、凄いなーと・・・。我が家お向かいの音楽好き兄貴を車に乗せて出かけたのでしたが、帰りの車内で「ジャズはあんまりわからないけどバラードがよかった」と言ってました。大好きなFeel Like〜もうれしかったです。昨年の夕日コンサートでいまいち上手く吹けなかったので、何かヒントを得たいと一生懸命聴きました(笑)。いつもながらオリジナルも良い感じで、最近読んだ「評伝ウエイン・ショーター」の匂いを感じたりしました。正月らしく春の海でスタートなど、今回は2曲でフルートを聞かせました。あと、村上・新潟方面の皆さんと新年のごあいさつを交わせてのも楽しかったです。今年こそは新潟方面のセッションにも顔を出したいと思います。写真は遠慮して撮らなかったのでチケットを載せました。(2007.1.5)


YOKOSAWA TORU QUARTET JAZZ LIVE in Sahanbi 2006.10.27

横澤徹(as)松澤直樹(g)佐藤弘基(b)及川文和(drs


長沢好宏セクステット+AYACO 2006.10.22 村上市 楽屋

長沢好宏(TS) 細木紀克(TP) 八木義之(TB) 細木久美(P) 阿部国男(B) 本間克範(DS) AYACO(VO)

 曲数は多いは、難しい曲は並ぶは、長めのソリはあるは、3管ユニゾンはガンガン来るはで、聴く方は楽しいばっかりでしたが、演奏する方はかなりのエネルギーをついやしたことと思います。ビッグバンドの経験者で且つコンボもOKというプレーヤーじゃないとなかなかこなせないと思いました。ソロを吹く時の集中度もかなりでしたね。八木さんのお話では終了後はメンバー一同ヘナヘナだったとか。
モーメントノーティスで始まるところなんか、うれしかったですよー。個々のテクが高くて比較的近場にこんなバンドがあると思うとかなり刺激になりました。
 長沢さんのテナーも初めて聴かせてもらいまして、テナーらしい音色に端正なフレージングで楽しませてもらいました。プロ魂を感じます。リズムチェンジのサビの件とか50年代コルトレーンネタも出てくるのがまた楽しかったです。長沢さんともお話してみたかったのですが、時間も遅かったのでまた今度と帰ってきてしまいました。アメセルマーク6にオールドリンクのように見えました。


山中良之 小池純子 Duo 2006.10.19 飯田橋ラグタイム

 仕事関係で東京に出張、当然夜はジャズ三昧、山中良之師匠のライブに行って、楽器屋巡りして、、テナー仲間と飲んで、CD屋を物色して・・・と3年ぶりのお楽しみでした。師匠の演奏が終わってから、楽器、、テナープレーヤー、レコーディング、マウスピースリフェースなど、いろいろ話を聴かせてもらいました。あれだけ音量を抑えながら、上から下まで均等なサブトーンで鳴らすのは驚異的、録音の再生ではわからない世界でしょう。それでいてリードはなんと4番とか。ちょっと教わりたいことがあって、翌日午後、石森管楽器へレッスン中の師匠を尋ねました。しかし、土曜日はレッスン時間に空き無し。お弟子さんたちが次々とやってきます。仕方なく、師匠の顔で練習室を借りてビンテージテナーの試奏大会をさせてもらいました。CDEF号への土産の東京バナナ、出張先でもらった仕事関係の資料、それにSBAを抱えて帰ってきました。かなり楽しませてもらいました。(2006.11.1)

 


Lew Tabackin 国際トリオ 2006.9.25 山形国際ホテル

Lew Tabackin (ts,fl) Mark Taylor (ds) Boris Kozlof (b)


白い森音楽祭2006 2006.9.18 りふれ野外能舞台

横澤徹(as)松澤直樹(g)


JAZZ MEETING 2006 山形国際ジャズフェスティバル in 天童

東京スペシャル BIG COMBO

高瀬龍一(tp) 緑川英徳(as) 井上淑彦(ts) 中路英明(tb) 小池修(bs) 三木成能(p) 山下弘治(b) 小松伸之(ds)

エッセンシャル・エリントン

渋谷毅(p) 峰厚介(ts) 松風鉱一(as) 関島岳郎(tuba) 外山明(ds) 《ゲスト》林栄一(as)・清水秀子(vo)

ジェレミー・ペルト&E・アレキサンダーオールスターズ

ジェレミー・ペルト(tp) エリック・アレキサンダー(ts) アンソニー・ウォンジー(p) ジョン・ウェーバー(b) ジョージ・フルーダス(ds)


横澤徹カルテット 2005.9.23 川西町フレンドリープラザ

 先日のストちゃんライブに続く川西町フレンドリープラザホールでのライブを聴いてきました。つややかなアルトの音色にさらに磨きがかかった感じで素晴らしかったです。昨年の伝国の杜ライブも良かったですが、もしかしてマウスピースとかリードとか変えましたか〜。フロントFの音色がお客さんのハートに突き刺さったことでしょう。やっぱりサックスは音色ですねー。定期的にプロの方の生の音色にふれてイメージトレーニングしないといけません。バラードのエンディングでサックスだけになったときなんか、キーのパタパタする音も聞こえたりして、サブトーンのなんたるかを聴かせてもらいました。
 曲はおなじみの横澤さんのオリジナル中心でした。レフトアローンを思わせるようなメロディーをボサに載せた新曲も披露してくれました。おおらかに歌う中に背中を撫上げるような速いパッセージが入ってくるソロのフレージングがかっこいいです。スタンダードナンバーではボディー&ソウルが素晴らしかったです。ちょっとエコーがかかりすぎかなとも思いましたが、バラッドプレイが冴えまくってました。初めて体験した山形の雪のイメージで作ったというバラードナンバーもいい曲ですね。3拍子の枯葉とかファンク調のストレートノーチェイサーとかも面白かったです。ファンク調ではガンガンフラジオに行ってくれることを期待して聴いてましたけど、やや押さえ気味でしたか?
 メンバーは横澤徹さん(As)、成川修士さん(G)、海道雄高さん(B)、安藤正則さん(Drs)という若手カルテット、ギターだと空間的な広がり感があってサックスの音がよく聞こえてくる感じです。昨年の野本さんのピアノもとっても良かったですが、同じ曲でも違った感じで楽しめました。MCによると東京でも演奏活動してるそうでなによりです。山形県にもこんな素晴らしいサックス奏者がいると思うとうれしくなります。今度なんか教えてくださいねー。(2005.9.23)

 横沢さん御本人からメールが届きました。サムフック、サムレストをオリジナルのものに戻したということでした。ネックと本体のよく鳴る角度を研究されたそうで、それが音質変化につながっているかも知れないということでした。微妙なところにこだわって研究しておられるのですね。マウスピースやリードは替えていないそうです。(2005.10.16)


須藤 満 The Band with Horns 2005.8.7 川西町フレンドリープラザ

 須藤さんのライブ、何年ぶりだったでしょう。彼が四角いバンド(須藤さんがMCで使ってたフレーズ)にいた頃、母校学園祭のライブハウスで聴いていらいだったかなー。Jazz Life誌でよくお目にかかるので、私としては久しぶりって感じがしないのですが、数えてみると生で聴いたのは15年ぶりぐらい?、この間、彼の出身地である山形でのライブは少なくはなかったのですが、なかなか都合が合わなかったのでした。今回は、隣の隣、川西町のミュージックカンバセーションと題したセミナーの講師として登場です。前日6日のワークショップはC号のキャンプと重なってしまいましたが、2日目のコンサートは何もない日曜日ということで、我が子CD号連れで出かけました。当日券で大人2500円、小学生以下無料というかなりの格安ライブ、川西町にも感謝です。メンバーは須藤 満(b)、小森啓資(ds)、河野啓三(kb)、宮崎隆睦(sax)、上石 統(tp)、池田雅明(tb)という豪華版でした。
 曲は須藤さんのオリジナル中心でした。客席に乱入してのスペシャルンペンぺ大会で、ライブ慣れしていない置賜の聴衆を総立ちにさせてしまうあたり流石です。ジャズライフ誌のコンサートレビューなど読みながら想像していた最近の姿を親子で観せてもらって感慨ひとしお、夏休み中の我が子達の良い情操教育にもなったことでしょう。コピーバンドとか言いながら演ってくれたマーカスのカバー、フランケンシュタイン、ヨッカッタですねー。ちょっとした動作までマーカスになってました。管のソロもなかなかジャズしてて楽しめました。トランペットの上石さんの絶妙なフレージングには唸らされました。宮崎さんのアルトの音、高音域でも太かった。
 豪華なゲストも大活躍でした。今やレディースとのMCもあったスイングガールズの3名(あべさん、前原さん、中沢さん)の登場でいっそう華やかな雰囲気になりましたねー。耳だけでなく、目も楽しませてもらいました。映画スイングガールズの最後のシーンの撮影場所となったのが今回の会場ということで、客席にはエキストラで参加した方々もいたようです。一応、私も映画を見てましたので、この辺の話題のやり取りも楽しいものでした。前夜、米沢の公園で練習したとか、映画が終わってもそれ系の活動が続いているって凄いなーと思います、ホント。
 須藤さんがツアー等でサポートしてるゴスペラーズの2名(村上さん、北山さん)の登場には客席大喜びでした。有名人効果は絶大です。村上さんのトーク炸裂で、ゴスペラーズツアーの裏話などで客席を沸かせていました。お二人は管楽器の経験もあるとかで、村上さんがアルトサックス、北山さんはトロンボーンを抱え、スイングガールズの3人と一緒にテイクジAトレインを演奏、我らがアルトサックス横澤さん(宮崎さんとバークリーで一緒だったとか)のソロもフューチャーされました。こういうメンバーでこの曲って言うのはかなりレアものでしょうね。この曲聴きながら、「もっとバリバリ吹いてくれなくちゃー」てな感じで背中からグイグイ後押しして来る彼のベース、学生時代のセッション風景を思い出してました。須藤さんの4ビートも学生時代からいい感じだったなー。
 スイングガールズの3名がステージを去るとフロントがちょうど5人(宮崎さん、上石さん、池田さん、村上さん、北山さん)になりまして、即興っぽくアカペラでゴスペラーズの曲を歌ってみせるというシーンもありました。村上さんがホーンの3名にその場で指示を出して始まったのでしたがちゃんとハモリになってるところが流石プロミュージシャンて感じでした。ゴスペラーズのお二人が駆けつけるという情報が流れてたらしく、それ目当ての客もかなり多かったようです。最近ばら売りもしてるとか言って笑いを取りながら、ゴスペラーズの2人が歌ってくれたアースナンバーは、私世代にとって思いで深い曲、涙したお父さんお母さんも多かったことでしょう。宮崎さんのアルトソロもばっちりはまってました。
 アンコールは前日セミナーの生徒さん全員を加えた発表会で、課題曲チキンの大合奏大会となりました。管全員のソロ回しを聴きながら、教育学部出の須藤さんのなんたるかを想ったりするのは職業病ですね。そう言えば、某塾の夏期講習のバイトでは人気ナンバーワンの先生でしたっけ。置賜地方のジャズシーンもこれを機にまたさらに熱くなることでしょう(なったらいいな)。
 終演後、子連れなのですぐ退散しようかなとも思いましたが、チキンでベースを弾いたキクちゃんとスタッフに案内してもらって楽屋へ、ほんの一言でしたが十ウン年ぶりに言葉を交わすことができてうれしかったです。汗だくの須藤さんに我が子たちも握手して戴きました。有難う>須藤さん。これを機にCD号達はピアノのお稽古も頑張ってくれるかもです。今思えば、貴方のような素晴らしいベーシストに卒演やらOBバンドやらでご一緒させて貰った想い出は宝ですねー。
 以下余談・・・。今回のバンド名から、マーカスミラー初参加のマイルス・デイヴィス復活アルバム『The Man With The Horn』を思いうかべましたが、そんなパクリもあったでしょうか。(2005.8.11)


伴田裕トリオ 2005.1.4 村上:楽屋

 今年も伴田さんの正月ライブに行って来ました。夕食後、吹雪の中を運転して行きましたが村上市に入ると積雪がなくなりました。お店に入ってすぐ目に入ったのが「演奏中は分煙にご協力ください・・・」のチラシ、よりよいライブにするためのマスターのご配慮に頭が下がります。カウンターの隅に伴田さんのバランスドアクションが置いてあります。そういえば、山中師匠、藤井さん、伴田さんとバランス奏者のライブを続けて聴いてるなーとなどと思いながら、マスターや音楽仲間のE君と雑談して演奏開始を待ちました。
 8時過ぎ伴田トリオの登場、昨年は地元ミュージシャンとのセッションでしたが、今回は東京からのベース伊藤啓太さん、新潟を中心に活躍するキーボード奏者二野明さんとのトリオでの演奏でした。2セット通してコールポーター、コルトレーン、ショーター、シルバー、ブルーベック、パーカー、シダーウォルトン、ダメロンなどの名曲をテナー1本でじっくりと聴かせてくれる嬉しい内容でした。オリジナル曲はアンコールでの1曲だけでしたが、後で聞いた話では今回はあまりやらない曲を選んでみたということでした。伴田さんのテナーはフレーズ、リズム等のバリエーションが豊かで相変わらず素晴らしいものでしたが、ライブだからこそじっくり味わいたいのはプロの方の生の音色、ビブラートの幅、各音域の響き、サックスのベルの向きの変化による聞こえ方の違いなどにも注目してみました。
 メールやBBS等でやり取りさせてもらっていたこともあって、2セットの合間、演奏終了後とマウスピースのことを中心にいろいろとお話を聞かせてもらいました。以前は9番を吹いていてリードも厚めだったが、現在のヤナギサワは6番程度でリードも2半なんだそうです。太い音色から開きの大きいマウスピースなんだろうと思っていましたが、リラックスした下唇でリードを振動させてやれば開きの小さなマウスピースでも太い音が出せるというお話でした。先月の藤井さんのライブ時に引き続いて、またもやあつかましく楽屋の楽屋で伴田さんの楽器を試奏させていただきまして、その際、下唇をリラックスさせる練習方法を教えていただきました。息を速く吹き込みながらだんだん大きい音を出すというものです。スピードのある息を入れれば当然大きい音がするのですが、唇をリラックスしてリードを振動させずに速い息を入れている状態から微妙に下唇をリードに当てて振動させていくという方法で、速い息を入れつつ音を出さないというのはなかなか難しいものでした。翌日の今日、夕方帰ってからやってみたところ頬と鼻の間あたりの筋肉が鍛えられる感じを得ました。毎日というわけには行きませんが練習メニューに入れてみようと思います。ここら辺をある程度鍛えないとマウスピースの良し悪しなんて分かるものではないのかもしれません。他にも楽器のメンテや東京の楽器屋の話、現在お弟子さんに教えているレッスンメニュー、ニューヨークで楽器を購入した話・・・・・・などなど興味深いお話を聞かせていただきました。年末年始の休みも終わったけどできるだけ練習時間を確保したいものだなーと考えながら帰ってきた良いジャズライフ初めでした。伴田トリオの皆さん、楽屋のマスターに奥様、雑談相手をしてくれたE君に感謝です。今回撮影は控えましたので、ヨン様に似ているとも言われている伴田さんの姿は昨年のレポート伴田さんのHPでご覧下さい。ちなみに私と同い年でサックスを始めたのも大学に入ってからで同じだったりします(苦笑)。(2005.1.5)


藤井政美(sax) 二野明(p) 2004.12.18 村上市 楽屋

 昨年5月、藤井さんの演奏に触れ目覚めのようなものを感じたことを思い出す。再び楽屋で演奏と聞き、切羽詰った仕事を中断して出かけてきた。前回はソプラノ、アルト、テナーの3本を持ち替えていたが、店に入るとどでかいサックスがスタンドに立っていた。最近手に入れたバリトンも積み込み、広島から車を12時間走らせて来たそうで、アルト、テナー、バリトンを持ち替えての2ステージであった。ピアノとのデュオということで生音をじっくり聴くことができた。フラジオ音域からの着地で顔を出すグロスマン風フレーズ、期待通り系のバリバリのブローイング大会であった。スピード感のある現代的なフレージングは昨年以上にパワーアップした感があり、日々の鍛錬を思い浮かべながら聴かせて頂いた。季節柄クリスマスソングを数曲入れながらスタンダードからウエザーナンバーまで幅広いメニューの2ステージ、1ステージ最後のマイシャイニングアワーが特に良かった。アンコールのブルースでは、広島から同乗してきたという方にバランスドアクションを手渡し、藤井さんはバリトンでベースラインを吹いたりしながら絡んでいた。
 けして広くない店内で灰皿を山にして煙草を吸い続ける客がいた。1ステージが終わった頃から目が痛くなり、息苦しくてイライラしてきた。分煙の進むこの頃、少し遠慮してもよさそうなものだが困ったものである。終演後マスターとお話をしたかったのだが、モクモクの店内に我慢ができず外の空気が吸いたくなって退散することにした。
 予期しない収穫もあった。帰り際、出口付近にいた藤井さんに声をかけたところサックス談義をしようと誘って下さり、楽屋(楽屋の楽屋)に移動してお話を伺うことができた。バランスドアクションとリファレンスモデルの吹奏感の違いなどを聞くうち、良かったらどうぞということで彼のバランスドアクションを試奏させていただいた。一息吹いてわかる鳴りのよさ、吹きやすさ・・・素晴らしい楽器であった。自分の楽器では上手くコントロールできないある音域も楽々鳴らすことができた。疑問には思っていたが、私の楽器にある種の問題があるのかもしれない。私の仏6の様子など話した所、フロントダブルFを押さえたときの左手サイドキーの開きの調整やリペアマンとの付き合い方などについて大変参考になるアドバイスをして下さった。すぐにでもバランスを手に入れたい欲求に駆られているが、100万円のローンは簡単には組めない。もう一度、自分の楽器を調整していく方向で考えてみたい。藤井さんに感謝である。(2004.12.18)

 昨夜の話を思い出しながら自分の仏6を調べたみた。フロントダブルFを押さえたときのハイFの開きを狭くするぐらいは自分でもやれそうだ。フロントダブルFキーとハイFキーはフロントダブルFキーの根元のねじで連動するようになっている。このねじを根元側に移動させることでハイFキーの開きを狭くしてみた。ドライバー1本で簡単にできる。左の写真はフロントダブルFキーを押さえたところであるが、根元のねじを左によせているのが分かるだろうか。実際に吹いてみると以前は擦れたように出にくかったフラジオGが確かに出しやすくなった。右手でハイFキーを押さえつけてさらに開きを狭くすると音のクリア感が増すが、力づくな事はせずにリペアマンに見てもらったほうが良さそうである。(2004.12.19)


羽毛田耕士バンド 2004.10.22 米沢市伝国の杜エントランス

 今回が故郷米沢での初ライブということで、200席限定ながら、スイングガールズ風の高校生から親戚かなと思わせる年配の方まで幅広い客層で賑わっていました。「授業参観の子どものような気分で緊張気味・・・」というMCで笑いを取っていましたが、6名のメンバーの短めのソロ回しを3管フロントのカチッとしたアンサンブルで挟んだ演奏を聴きながら、授業参観で友達と仲のよいところを見せる優秀な子を連想したりしてました。

 メンバーは羽毛田耕士(tp)鈴木圭(ts)小林稔(tb)佐藤真也(p)芹澤薫樹(b)鈴木郁(drs)の6名。地元で撮影されたスイングガールズにちなんでAトレインから始まり、メッセンジャーズやホレスシルバーの曲、ブルースのルーツはワークソングであることに引っ掛けた最上川舟歌、ナーディスの進行に載せたりんご追分、コンファーメーションの進行に載せた千と千尋など、親しみやすい彩り豊かな選曲とアレンジは、ジャズにあまりなじみ無い客をも意識してのことなのでしょう。オリジナル曲では、セカンドセットのVSOP風の曲が気に入りました。できれば、あの曲だけでも長めのソロを聴いてみたかったなー。今回はコンサートの性格上、意識的に幕の内弁当的なジャズにまとめたものと推測しましたが、某東京在住のピアニスト情報によると、アバンギャルドなバージョンもあるらしいので機会があればそっちも聴いてみたいものです。

 さて、テナーの鈴木圭さん、テクニック・歌心・音色とも25歳とは思えない円熟した雰囲気を感じさせる、ハイレベルなプレーで楽しませてくれました。由緒正しいバップフレーズとモーダルなフレーズのバランスもよく、フラジオ音域のつなぎ方も達者で、スピード感ある音符が流れ出てくるソロ、できれば数コーラス続けて欲しかったです。(2004.10.23)

 羽毛田さんのホームページを覗いてみたら試聴コーナーがありました。羽毛田耕士ビッグバンドではジョーヘンボブバーグの曲をかっこよいアレンジで演ってたりして、こちらも生音を聴いてみたいものです。次は是非ビッグバンドで米沢に来て、音響のよくないエントランスじゃなくてホールで演奏して下さいね。客集めしますよ。(2004.10.24)


山中良之カルテット 2004.10.2 山形市 文翔館

 文翔館ジャズサミットに山中良之師匠が出演、十数年ぶりに師匠の生音を拝聴しました。今回、ちまたで言われているような師匠の演奏スタイルの変化を確認せねばと思っていたのでしたが、私的に聞いて、やっぱり山中師匠の演奏でありました。一音にこだわる無駄の無い音の綴り、細かいタンギングによるニュアンス、トレーン派テナーを研究してきた片鱗が顔を出す絶妙なフレージング・・・・・・などなど相変わらずの素晴らしさでした。十数年前から変化を感じた部分といえば、ご自身でリフェースしているオールドハードラバーのマウスピースとバランスドアクションから絞り出す、なんとも味わい深い音色、そしてバンドメンバーの素晴らしさでありました。ロングトーンが増えたように感じたのですが、これがまた音色の素晴らしさにぐっと来ます。今回、まったくのPA無しのカルテット演奏で、最近のアルバムからの曲を中心に、師匠のホントの生音をじっくりと味わわせてもらいました。

 楽屋や会場での会話から・・・・・・
「おお、今日は吹けよ、楽器持ってきてるんだろホントは。」「いや・・・、今夜は十数年ぶりにじっくりと聴かせて頂きます。」
「パリで演奏してきたんですってね。HP見せてもらってます。」「ヨーロッパのジャズとかあるのかなと思ってたけど、同じだね。」
「楽器さわらせてもらっていいですか。」「ダメ(といいながら手渡してくれる)、やっぱりバランスでしょ。」
「やっぱりキーの改造とかしてるんですか。」「ぜんぜんいじってないよ。」
「スタイルが変わったとか聞いてたんですけど、今日の演奏聴いたらやっぱり山中さんでした。」「そうか。自分の歌しか歌えないよ。」
「ストリングスとやってるやつが手に入らないんですけど。」「もうすぐ、米版が出るよ。」
「マウスピースとか教えてもらいたいことがあるんで・・・・・・」「最近のはダメだね。」「リフェースもしてるんですよね。」「電話でもメールでもくれ。まかせなさい。」

 お世話になってた頃とまったく変わり無い師匠で感激! 上は控えめにフラッシュ無しで撮りぼかしがかかった写真です。(2004.10.5)


伴田裕(Ts Ss)セッション 2004.1.3 村上:楽屋

 村上市出身の伴田裕さんの帰省セッション、楽屋での演奏は今回で3回目になるそう。メンバーは伴田(ts ss)さん、山本美恵(key)さん、永井孝(b)さん、佐野郁雄(ds)さん。伴田さんのことはJazz In新潟で知り、ご自身のサイトを見せてもらいながら、生音を楽しみにしていた。1963年生まれで高校時代にサックスに憧れを持ったあたりは私と同じだったりするが、ルックスがお若くて感心する(笑)。
 8時ファーストセットスタート。スタンダードナンバーから始まる。テーマ後のテナーソロをワンフレーズ聴いただけでうれしくなる。バランスドアクションらしいその鳴り、モダンテナーを研究してきたことを想像させるフレージング、影響を受けたであろうテナー奏者の名前がいくつか浮かんでくるが、個性ある伴田さんの音になっている。故郷の海や家族、友人をテーマにしたオリジナルナンバーの数々は作曲の才能も感じさせる魅力的なものであった。ネイマではフリーキーなトーンを多用したソロで楽しませてくれたが、聞きなれない客はさぞ驚いたことだろう(笑)。
 ファーストセット後の休憩時間、少しだけお話を伺うことができた。テナーは4万番台のバランスドアクション、ハードラバーのマウスピースはヤナギサワのオーダーメイド、リードはJAVAの2半。ニューヨークのミュージシャンと録音したCD(詳しくは伴田さんのサイトで)を昨年出しており、近日また向こうで活動する予定だそう。なかなか気さくな方で、このサイトも見て下さっているとのこと。
 セカンドセットもソプラノと持ち替えながらオリジナルと半々の曲構成、真正面からのジャイアントステップス、アンコールのイズントシーなどで楽しませてくれた。
 テナー用とソプラノ用にストラップを二本下げ、テナーは右腰横に下げ指を添える演奏スタイル。楽器を支え持つ腕の負担を抑え運指にエネルギーを集中させるような意図があるのかな?などと想像してみた。終了後もう少しお話ししたかったが翌日の仕事もあるので早々に帰宅。大いに練習意欲をかき立ててくれる2004年の初ライブであった。来年の正月セッションも楽しみにしたい。(2004.1.4)

 以下は後日ご本人から本サイトのBBSにご発言いただいた内容、素人サックス吹きに貴重な内容なのでここに転載保存させていただいた。

たくおさん、こんばんは。先日は村上市「楽屋」にライブを聞きに来て下さりありがとうございました。ライブレポートも拝見致しました。好意的に書いて頂きありがとうございます。(写真の件、了解です)ストラップはテナーは肩がけのハーネスです。首の負担を減らすのと音色の為です。また脇でSAXを構えるのは自分の身長とテナーの大きさから自分なりに考えたポジションです。(構える場所によって一長一短あるような気がします)バランスドアクションを使っているのは音色もそうですがネックの角度がM6より自分にとって吹きやすいという理由からです。私も管理人にお願いしてリンクしておきます。今後とも宜しくお願いしま〜す!! (2004.1.9)

たくおさん、こんにちは。Aトレインの件ですが自然なアドリブライン(鼻歌的ライン)から抜け出すにはあるコードに対して違うスケール設定をする必要があります。コピーフレーズにしてもそうですがバックに何のコードが鳴っていてフレーズの音がコードに対してどうなっているか確認する必要があります。また例外も多くありますがそのフレーズが何のスケールを基に作られているかを考えたりすると違った角度から音楽を見る事が出来ると思います。自分の中に無い響きを体に作るには様々なスケール・コード練習が欠かせません。時間があれば和音をピアノなどで弾くとよりダイレクトに体で感じる事が出来ると思います。(2004.1.13)


土岐英史(As Ss)深井克則(P)Duo 2003.12.4 米沢:三條かの記念館

 土岐さんが山形で吹く、生音が聴けるというので期待して出かける。土岐さんといえばチキンシャックとか山下達郎のバックとかのセクシーな音色を思い浮かべる。大好きな藤陵さんのお師匠さんというイメージも・・・。ピアノとのデュオならジャズだろう、生音が堪能できるはずと期待が膨らむ。始めて訪れる会場は普段は剣道場の多目的ホール、緑のカーペットが敷かれとても剣道場には見えなかった。会場内をうろうろしているとブルーノートのママさんが声をかけてくださり最前列に座らせてもらう。
 ファーストセット、ピアノソロの1曲目が終わると土岐さん登場、「季節にぴったりの曲」というMCでサマータイムから始まった。循環の曲など4曲のスタンダードナンバーが続く。音色、リズムのバリエーション、8分音符のノリ、ビブラート・・・期待通りの気持ちよさ。プロの方特有の鉤型に表れる口の周りの筋肉、音量に合わせたマイクのオンオフの仕方そんなところを見せてもらうのも楽しい。ポリリズミックなやり取りでデュオ演奏に絶妙な色合いをつけるところが「プロだなー」という感じ。アルペジオを一気に駆け上って下降する早いパッセージが印象的でデイブリーブマンのそれを思い浮かべたりした。機械的なコンディミフレーズ、4度跳びのようなフレーズ等も歌になっているところがさすがで、音色とタイム感覚の大切さを再確認する思い。質の高い演奏を生で聴くことができて満足だった。
 セカンドセット、ユービーソー等の良く知られたナンバーと深井さんの関西系絶妙MCでやや固めの客をほぐし会場を盛り上げる。「光っていないサックスが泣きます」のMCで始まったインナセンチメンタルムードで最高潮、私もよくやる曲なので特に集中して聴かせて貰った。この曲の途中、場内で何かのアラームがけたたましく鳴ったのが非常に残念、それでも集中力を切らさずに演奏しきっていた。最後のブルースナンバーでは地元アルト奏者の横澤徹さんが土岐さんのサックスを受け取って飛び入り演奏、サンボーンばりの泣きのサックスで盛り上げた。この日初めて音を聴かせて貰ったが山形にもこんな素晴らしい人がいることがうれしい。アンコールでやっと期待していたソプラノを披露、もう少しソプラノが聴かせてもらえたらな〜と思いながらも満足して会場を後にした。(2003.12.14)


ERIC ALEXANDER ALL STARS 2003.10.24 山形テルサ

 CDは3枚聴いただけだが、人気のテナー奏者が山形に来るというので、忙しい職場を抜け出した。ライブで聴いた方が絶対良く聞こえるはずと思っていたが、期待以上に楽しませてもらった。メンバーはERIC ALEXANDER(ts) EDDIE HENDERSON(tp) JOE FARNSWORTH(ds) MIKE LEDONNE(org) PETER BERNSTERN(g) 。ERICKはCDのジャケット写真から太目の方かなと思ってたら、かなりの長身でなかなかかっこよい。長身テナーは乾いた音色になるよう感じているが、やはりそんな感じで気に入った。ビルピアースの音色を連想する印象を持った。
 ファーストセット、1曲目、アフロと4を行ったり来たりするジャズメッセンジャーズ風マイナーキーの曲、聴いた覚えがあると思ったらLARRY YOUNGのUNITYの1曲目、ZOLTANだった。2管にオルガンの編成・・・なるほどしゃれた選曲である。トランペットのソロから始まる。EDDIEはHERBIEのDVDでよく見ており本物が聴けてうれしい。さあ、テナーに交代、CDで聴いてたよりも現代的なフレージングに聞こえてうれしくなった。人気テナー奏者の彼も日々のお勉強で進化してるのだろう。その後、シャッフル、ファンクっぽい曲と続いたように記憶している。テナーは非常に良く鳴っている印象を受けたが、オンマイクとオフマイクの音を聞き比べながら、リードは結構薄めなんじゃないかな?などと推測した。それをフルに鳴らすと太い音色となる。グロスマンもそうだった。
 数曲目、出だしがマイナーブルースのような進行の曲、こういう曲はテナーのためにあるようなものでしょうと期待してテナーソロを待つ、オルタネート・フインガリング・ノートやオーバートーンを上手く使ったフレーズ、絶妙にアウトするフレーズなどを交えながら喜ばせてくれた。欲を言えばフラジオの音色にもう少し泣きというか叫びが欲しい。バラードが1曲、ここでは温かみのある懐かしさ感じさせるプレー。6曲ほどのファーストセットは1時間を大分越えていた。クインテット編成でそれぞれが長尺のソロをとるため1曲が長い。ジャズクラブで飲みながら聴けたらよかった。
 セカンドセット、ボサの曲で始まり、ブッ速いオレオとかやっていたが、地域作業で朝早かったのと夕飯食わずに駆けつけたのとで集中力が途切れボーっとして聞いていた。ファーストセットよりもハウワウフレーズを多用してたように記憶している。彼もやや疲れていたのかもしれない。アンコールはワークソング、こんなくさーい曲もなかなかクールなソロで感心させられた。生ERIC ALEXANDER、CDで聴いてたよりも好感を持った。ワンホーン普通のカルテット編成でもう一度聴いてみたい。(2003.10.25)


皆川トオル 2003.8.16 村上市 楽屋

 新発田市出身のテナー奏者、皆川トオルさんの帰省ライブを聴いて来た。新潟〜新発田〜村上と連チャンのライブスケジュールから、一番近い村上市楽屋を選んでみた。都合でセカンドセットから聴かせてもらったが、チャージは半額、良心的なお店である。今回もJAZZ IN 新潟のライブスケジュールにお世話になった。会場でこのサイトを運営しておられるテナー吹きの高橋さんとお会いできたのが嬉しかった。
 メンバーは皆川トオル(ts) 清水貴和子(vo) 佐藤文孝(key) 坂井寛(b) 遠藤幸雄(ds)。フロントの二人を地元のミュージシャンがサポートするセッションらしく、曲の構成を合図し合いながらの進行であったが、二人の楽しいトークでアットホームな感じのライブになっていた。
 演奏曲はレッドシューズ、Aトレイン、イエスタディ、イパネマ、与作、バイバイブラックバード、上を向いて歩こう、・・・、セカンドセットとアンコール含めて8曲、横浜の船上でのお仕事用にアレンジしたという1曲目意外は清水さんの実力派ボーカル大フューチャーであった。素人サックス吹きとしてはできればテナーをじっくり聴ける曲がもう少し欲しかったが、フラジオ音域でのフレーズのつくり方などに注目しながら聴かせていただいた。ファーストセットにインストモノが多かったらしく、間に合わなかったのが残念。皆川さんのHPをのぞいて見ると幅広い活動をしておられる様子、真正面からJAZZやってるところをもう一度聴いてみたい。(2003.8.16)


Dave Stryker & Steve Slagle Quintet 2003.8.2 山形国際ジャズフェスティバルin天童 JAZZ MEETING 2003

 8月2日(土)山形国際ジャズフェスティバルin天童JAZZ MEETING 2003でDave Stryker & Steve Slagle Quintetを聴いてきた。スレイグルのサックスは、マイクスターンといっしょにやってるアルバム「ハイスタンダーズ」で気に入っていたので、今回期待していた。カーラブレイのビッグバンドでの熱い演奏も強い印象に残っている。右の写真は当日のパンフレット。スレイグルのサックスに焦点をあてたレポートを書いてみることにする。

 今年の山形は農作物の生育が心配される涼しい夏であるが、この日は結構暑かった。小2の息子を連れて昼過ぎに自宅を出発、天童に着いた時は、池田さんが五十嵐一生のトラでアルト&ソプラニーノを吹いていた。ソプラニーノを生で聴いたのは初めて、ソプラノとの音色の違いを味わった。自宅から持参した発泡酒が効いてきたところでスティーブスレイグル登場、気分も盛り上がってくる。聞覚えのある、ややざらついた感じのストレートな音色、野外フェスっぽく「イェーイ!」と叫んでいた(笑)。

1曲目 ミディアムテンポのブルース
 いい感じのテーマの後アルトのソロ、4度跳びのようなフレーズから始まった。お手本的なかっこいいフレーズの連続、アルトなのだがテナーのそれっぽく感じる。フラジオはギャーという感じのぐっと来る音色。本場サックス奏者としてのキャリアを感じさせる堂々たる演奏であった。ソロの交代にブリッジが入るのが野外フェスっぽくて?よい。
2曲目 ニューニューヨーク
 ストライカーのMCによるとスレイグルのオリジナルらしい。ミディアムテンポでタンギング&音跳びの練習のようなリズミックなメロディーから始まった。テンポは1曲目と似ていたが、ソロの内容は1曲目よりメカニカルな感じに聞こえた。ギターソロからファンクっぽいリズムになって、ジェームスブラッドウルマー(なつかしい、そういえば最近聞かないなぁ)を思い出したりしながら聴いた。
3曲目 スローでブルージーな曲
 とてもいい感じの曲だった。アブラゼミの鳴き声が気になるような静かな始まり。スレイグルはブルージーで味わい深い演奏、例のフラジオから16分音符でたたみ掛けるフレーズで盛り上げる。トィタタタ、ウィタタタ・・・なんていう感じのフレーズでリズミックに盛り上げるのも使えそう。
4曲目 ローゴーン?(と聞こえた)
 これもスレイグルのオリジナルらしかった。パーカーみたいなアップテンポのバップっぽい曲。難しそうだなーと思ったが、そろそろ飽きてきた息子に話し掛けたりしてよく聞いてなかった(失礼)。
5曲目 バラッド
 「美しい日本の国と皆さんに捧げる新曲・・・」みたいな紹介に聞こえた。ピアノとのデュオで始まってドラムが絡んできたように記憶しているが、テナーに持ち替えたらコルトレーン風に聞こえるんじゃないか?ソプラノに持ち替えたらデイブリーブマンに聞こえるんじゃないか(ドラムがビリーハートだし)?なんて思える素晴らしい演奏だった。こういう感想はスレイグルさんに失礼かと思うがテナー好きの私なのでご勘弁。
6曲目 6/8かなと思ったら4/4の2拍3連でリズム取りが変化していく1発モノ(違ってるかな?)
 スレイグルはソプラノに持ち替え吹きまくり。デイブリーブマンのそれと似た感じで盛り上がる。ドラムはビリーハートだし・・・。聞きほれていて「トイレ」という息子を一人で行かせてしまった。

 全6曲、結構長い時間演奏してくれた。できればアルトとソプラノ半々ぐらいで吹いてくれるとうれしかった。司会の相沢さんのフレーズ、「素晴らしい、やっぱりジャズですねー。」「びっくりしました。」 非常に味のある楽しい言葉で印象に残った。演奏後、スレイグルとストラーカーの二人がサイン入りCDを販売していることを聞いた息子「お父さん、買ってくればー」、迷ったが最近買いすぎなので止めておいた。
 このあと登場した小曽根真「ザ・トリオ」、大変美しい演奏であった。山形にこんなバンドが来てくれるなんて感激。息子と一緒だったこともあって最新アルバムに入ってる「ドラえもんの歌」をやってくれないかと期待していた。「日本のスタンダードです」とアンコールで演ってくれ、満足してこのバンドまでで退散。息子がもう少し大きくなったら最後まで聞くことにしたい。
 会場で販売してたトウモロコシや芋煮は大変美味しかった。帰り道二人で回転寿司寄ったりしてジャズファンとしても親父としても楽しい一日だった。来年はテナーがいるといいな。  (2003.8.7)


植松孝夫 5 2003.7.3 御茶ノ水NARU

 植松孝夫(ts) 石井彰(p) 佐瀬正(b) 吉岡大輔(ds) KAKKO(vo)

 音楽仲間のH氏につき合ってもらって、御茶ノ水駅すぐ前の地下NARUに足を踏み入れる。植松さんのウォームアップから目前で聴くことができた。まず、その音色にぐっと来る。唇の調子がやや良くないのか、「鳴らねえ・・・」とかつぶやきながら唇とリードを気にしていた。
 演奏はスタンダード中心で、ナーディス、スピークロウ、アイ・ソウト・アバウト・ユー、ウォーキン、メイデンボヤージなど、長尺のソロで楽しませてくれた。期待通りのダークな感じの植松さんの音、生で聞けて幸せな気分に浸る。ジョーヘンダーソンに似ている印象を持っていたのであるが、ロリンズの影響を随所に感じた。吹くほどに調子が上がってくる感じで、3セットのスピークロウが最高、時にスティーブグロスマンを思わせる盛り上がりであった。
 ボーカルは音の返りの関係か、やや歌いにくそうであったが、リズムセクションが非常に素晴らしく、楽しませてくれた。メンバーのプロフィールを検索してみたところ、かなりの売れっ子達である様子。
 学生の頃、高円寺のライブハウスに何回か聴きに行った時の植松さんは、メンバーから何度も呼ばれてやっと楽屋から出てきたり、結構やばそうな方(笑)という印象であった。10年ぶりかで聴いた植松さんは、私の拍手ににっこり微笑み返してくれたり、非常に健康そうで気さくな感じであった。サックスの素晴らしさと、目をパチクリするしぐさは変わらない。また生で聴かせていただきたいと思いながら店を後にした。
 初めて入ったお店であるが、雰囲気のよさと充実したライブスケジュールで気に入った。ホームページも良くできている。(2003.7.5)


六本木 PIT INN Special Session 2Days 2003.7.2

 山口真文(Sax) 小野研二(Tp) 河野啓三(Key) 高橋 勲(G) IKUO(B) 長谷川浩二(Ds) 上領 亘(Ds) というメンバー。
 入ってまず、若い女性客ばかりなのに驚いた。小野さんのMCでだんだんなぞが解けていったのであったが、Tスクエアのキーボードアルフィーのドラムス・・・といった若手ミュージシャンを集めたセッションなのであった
 オープニングのカズミバンド風のマイルストーンズ、アンコールのカンタロープといったナンバーもあったが全体にギンギンのファンクっぽいセッション、ギターを中心に若手大フューチャー、ツインドラム、まあ六本木ピットインらしいサウンドで楽しめた。
 目当ての真文さんのサックス、正直、もっと吹いて欲しかったが、バラッドっぽい曲ではリズムセクションの大音量に埋もれることなく、じっくりと味わえた。真文さんらしい、深い音色ときっちりジャストに乗るタイム感覚、はっきりした音の粒立ち、音使いどうこうより、そんなところが印象的であった。研究室の学生に囲まれてカリスマ音楽教授がサックスを吹くといった雰囲気のセッション。ソプラノも吹いてくれて○(喜)。
 ライブ風景、一枚撮ったが、「撮影禁止!」と注意されたので公開は控えておく。
 石森からPIT INまでお付き合い下さった山さん、ありがとうございました。(2003.7.4)


佐藤達哉トリオ 2003.5.30 新潟市 JAZZMaMa

 6時過ぎに職場を出て新潟に向かう。いつもならサックスの音が流れている車内だが、何も聞かずに運転、集中してライブを聴く準備である。達哉さんの生音は約10年ぶりだし、行ってみたかったJAZZMaMaも今夜初めて訪れる。

 大学に入ってサックスをはじめたころ「ジャズ・テナーサックスの技法」佐藤達哉著(写真→)にかなりお世話になった。あの頃、何もわからないまま新宿のPIT INに何度か聴きに行ったこと、Somedayのグロスマンを聴きに言った際、達哉さん山中さんが入ったセッションが面白かったこと・・・(ドラムは吉田さんだった確か)。そんなことを思い出しながら高速に乗り、8時ちょい前に古町に到着した。

 店に入りサックスの隣に座る。「今夜は予約が無いとは入れません。」「えー、そうなんですか。」「特別ライブです。」「それは知ってて来たんですけど・・・。」大ママらしき方とこんな会話をかわしながら6,000円のチケットを買って席を詰める。車なのでジュース、ウーロン茶で過ごす。

 8時をちょっと過ぎるとバンドのメンバーが入ってきた。佐藤達哉さん(ts ss)長谷川泰弘さん(b)吉田正広さん(ds)のトリオ、達哉さんも吉田さんも10年前とそう変わってない見た目。難しいフレージングをするジャズマンは薄くなると聞いているが、そんな様子は無かった。簡単なフレーズもおぼつかない私が薄くなるのはなぜ?(笑)

 ピアノの上に置かれた達也さんの楽器、テナー(アメセルのマーク6ですか? F#キーはないビンテージのようでしたが。)は「COLTRANE/PRESTIGE 7105」の方向に寝かせてある。プロはこの方向に置くようだ。マッピはフィルバローン。(終演後、他の客とのQ&Aで話題になっていた。)ピアノの上に置いちゃいけないらしく、このあと楽器を移動していた。(ご苦労様でした。)

 8:20〜、けっして広いとは言えない店の中、20名弱の客の前でファーストセットが始まった。

演奏曲

●ファーストセット
1 デディケイテッド トゥー ユー
 3拍子でオリジナルらしい。テナーの真下のような席で聞かせていただいたので運指の様子がよく見えた。達也さんのような超難早フレーズを吹く人はキーから指が離れないものと思い込んでいたが、そんなことでもないようだった。つばも飛んでくるほどの近くで拝聴する。やはりライブはいい。
2 ウィーバー オブ ドリームス
3 ネイマ
 ボサでの演奏。スピード感あふれるフレーズの応酬。気持ちよい。
4 ユー ドント ノウ ホアット ラブ イズ
ネイマに続き素晴らしい演奏、クギ付けになって聴く。
5 CTA
 アップテンポの循環の曲、吹きまくり大盛り上がり大会の演奏に、ボブバーグのステッピンの雰囲気を思い起した。

●セカンドセット
6 ベッシーズ ブルース
 コルトレーンの演奏で有名なブルース、ファーストセットからうれしい選曲が続く。高音域の買え指の運びに注目しながら聴いた。達哉さんの手ってけっこうがっちりした感じ。
7 サマータイム
 ここでソプラノに持ち替える。けだるい雰囲気のベールラインでブルージーに始まる。メロディーの最後の音の後半をフラットさせるのはデイブリーブマン風を意識して? テーマの最後のフレーズをブレークする粋なアレンジ。4ビートに乗っかったソプラノソロ、太鼓の2拍3連裏フレーズに絡んだやり取りが無性に気持ちよい。
8 グリーン スリーブス
 これもソプラノ、ボサのリズムで始まる。ベースのペダルに乗って吹きまくる。かっこよすぎ!
9 アイ ウォント トゥー トーク アバウト ユー
 選曲は大コルトレーン大会、吉田さんの趣味なんだろうなと想像する。エンディングで吹きまくりのテナー。6連フレーズがかっこよい。プロとすれば当然なのかもしれないが一瞬に息を吸って延々と吹きまくるのはさすが。タフだ。息を吸い込む時の音がまたかっこよかったりする。
10 ラブ フォー セール
 アフロっぽいリズムでの演奏。ニカスドリーム(だったかな?)のさびメロディーを入れたアレンジ。

●アンコール
11 インプレッションズ
 リクエストしたいと思っていた曲をやってくれた。ミュディアムテンポでブルージーな雰囲気が良かった。

 ライブ終了後、少しだけお話しを伺う。うちでリラックスしているときは、ゲッツやタレンタインを好んで聞くそうである。「日本人で好きなテナーは?」と聞くと、「西条孝之介、峰厚介」、「若手では?」と聞くと「川嶋哲郎」と答えて下さった。「お疲れ様でした。気持ちよかったです。」握手していただき店を後にした。平日の夜出かけるには少し遠かったが来てよかった。(2003.5.31著)


藤井政美(sax) 二野明(p) 2003.5.3 村上市 楽屋

 かなり久しぶりにLiveでサックスを聴く機会に恵まれた。5月3日、二野明(p)氏 藤井政美(sax)氏のデュオ、場所は村上駅前の楽屋というお店。新潟方面のジャズ情報は「ジャズ・イン・新潟」でゲットさせていただいている。このサイトを運営しておられる高橋さんに感謝。

 さて藤井氏のサックスを聞いた感想など・・・。

 夕食を済ませてから一人で家を出て車で約50分、ファーストセットの真中頃に到着、当日2,800円と聞いていたが、遅れた分まけてくれたのか2,500円支払って席に着く、25名ぐらいの客で席は全て埋まっていた。サックスは完全な生音でPA無し。ソプラノ、アルト、テナーと3本持ち替えながらの演奏であったが、スピード感があり、16分音符で吹きまくった後の着地の仕方など考えられた組み立てで好感が持てた。フラジオ音域を使ったフレージングも巧みで、修行の積み重ねに敬意を送りたい。体になじんでる感じから推測して多分アルトが本業なんだろう。

 曲はお二人(二野氏?)の好みらしく、エバンスものが多かった、デュオという編成もあってかバラッドで内から熱く盛り上がる感じがよかった。マイフーリッシュハートはギルゴールドステインの編曲とか。1曲目にジョーヘンの曲をやったらしいが、テナーは彼を思わせる雰囲気があって聞いてみたかった。

 

 藤井氏の楽器、遠目で拝見した感じではテナーはバランスドアクション。音色もそれっぽくて私好み。マウスピースは全てラバーを使っていたが詳しくは不明、近寄って見せてもらいたかったが、他の客に不審に思われるのもなんなのでがまんした。

 3本持ってのツアーは大変だろうな、なんて思いながら撮影させていただいた。こんな風に並べるとかっこいい。

 

 セカンドセットは藤井氏のMCで進行した。東京生まれであるが、現在は広島在住でそちら中心に活動しておられるそうである。二野氏と知り合って年に数回、新潟でも活動しているとか・・・。

 セカンドセットで特に印象に残るのは、マスターの「(客の)知ってる曲をやってくれ。」に答えたというフライミートゥーザムーン(アルト)とゴスペルっぽい曲のソウルフルな感じのテナー、引出しの豊富なサックスに心地よい刺激を得た。演奏が終わって通路で握手をしてすぐ帰宅(妻の顔色も気になって)。練習したいと思わせてくれる演奏であった。

 ネット検索してみると http://www.barth.jp/mingus/players.htm に彼の経歴が少しだけ紹介してあった。