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液晶TVキットの製作

last up date:2005/12/03

0.補足事項

◆チューナ出力のディエンフィシス回路追加について

 (2004/12/17第一報,2005/12/03説明ページ追加)

 キット付属のチューナの音声出力は「ディエンファシス」処理前の出力と
なっているようで、高域が極端に強調されてしまうようです。
 CRによるディエンファシス回路を付加する事で、本来の正しい音になるようです。
(実際に追加し確認済み。)
 詳細説明は下記リンク先を参照下さい。
ディエンファシス回路の追加ページへ

◆背面カバーのないLCD用のカバー製作について

 (2005/12/03追加)

 LCDパネルを2台入手している。1台目はこのページで説明している
ように背面カバーが付いたものを購入したが、2台目の時はカバー付きの
ものが無かった。
 そこでカバーを製作したので、下記ページで紹介しています。
簡易型LCD裏カバーの製作ページへ


1.はじめに

 車載用のTVを作ろうと、秋月電子で5.4インチLCD,RGBコンバータキット,
ロータリエンコーダキット,チューナを買い求めて製作した結果、
ほぼ満足行く結果が得られた。
 本ページは、私が製作した結果をまとめたものである。


2.構成(コンセプト)

 使い勝手を考慮し、以下のような構成としてまとめる。

 ・LCD部とチューナ部の2つの「箱」の構成とする。

 ・LCD部にRGBコンバータ基板,スピーカを内蔵し、単体でビデオモニタ
  として使用可能にする。

 ・LCDのケース(裏側のカバー内)にRGBコンバータ基板,スピーカ,電源等を
  全て収める。

 ・車載での使用を前提に各部は12V単一電源動作に統一し、必要な電圧は
  各部内で変換。


  上記をまとめた回路構成を図1に示す。


3.製作上のポイント

 3−1.チューナ部
 ・ロータリエンコーダ基板のLED部の分離
  キットの基板は、エンコーダ部とLED部を一緒に実装するようになっているが、
  基板縦置きでの実装レイアウトであり、薄いケースへの取付に適さない事から
  LED部を分離することとした。
  詳細は別ページで紹介して
 いるのでここでは割愛する。

 ・電源
  地元のチャンネルがUHFの高チャンネルに集中している為、チューナパックに
  +30Vを供給する為の30Vコンバータキットを使用し、ロータリエンコーダ部で
  使用する+5Vへの変換も合わせて行う。
  ただし、VHF受信時、発振部の高調波ノイズに悩まされるようなので、
  VHF受信時は本回路を停止させ、+12V供給にしたほうが良さそうである。
  (まだ試していない。なお、エンコーダ基板のクロックの影響もあるかも?
  プラスチック製のケースを使用したが、ノイズ面で金属性のほうが良いかも
  知れない。)

 ・ビデオアンプ
  電源基板内に実装することとする。


  チューナ部のケースへ実装した様子を写真1に示す。

写真1(左):ケースへの実装状態,   写真2(右):チューナを取付た状態

写真3:ケース後側の様子
 3−2.LCD部
 ・RGBコンバータ基板
  組上後の試験の結果、出力段に入っているバッファICは不要と判断(レベルが
  高くなり過ぎ、抵抗を追加する必要がある為)し、ICを外し直結とした。

  AFアンプが発振気味であった(何もしなくしても異常発熱する)ため、
  データシートに基づき、出力にC−Rを直列にしたものを追加した。

 ・電源
  LCD動作用の+5Vとバックライト用の+9Vを3端子レギュレータで
  作成する。(基板は特に設けず、放熱板がわりのアルミ板とともに、ケース
  裏面へねじ止めしている。<発熱によるゆるみが心配だが・・・)


 ・LCDケースの加工
  背面のカバーを加工し、RGBコンバータ基板,スピーカ,電源用の3端子
  レギュレータを取付る。

  なおケース内側に補強用の「梁」が出ているが、基板やスピーカの取り付けに
  邪魔になるので一部切除している。

  また右側面に電源スイッチ,音量調整用VR,電源ジャック,VIDEO/
  AUDIOの入力端子を取付る。(汎用性を考えて、RCAジャックを使用
  したが、多ピンのコネクタを使用したほうが、スマートにできると思われる。)
  なお場所の都合で音量調整VRのみ、正面ケース側に取り付けた。


  LCD部の裏蓋へ各部品を実装した様子を写真4及び写真5に示す。

写真4(上),写真5(下):LCDケース裏蓋への実装状態

写真6:LCDケース側面の取付け状態


4.製作結果

 製作過程ではいろいろあったものの、最終的にはまずまずの画質が得られた。

 まぁLCDがTFTでない為に動画が苦手である事と、暗いので車載で
日中の使用すると見えないのは仕方ない。
 また使用したLCDの駆動回路の問題なのか液晶パネル自体の問題なのか
わからないが、縦に緑色の線が入っているが、ジャンクLCDなので割り切って
いる。

 なおチューナにPICかLCDか30VのDC-DCからかわからないが、ノイズが飛びこむのか、
VHFの受信が少々キツい感じがする。(アンテナが良好だとあまり問題にならないの
かも知れないが。)


 車載用に製作したが・・・部屋の小型TVが最近になって壊れたので、
現在このTVを見ながらこのページを作成している。
(その後、カーナビ搭載の関係もあり、車載して使用している。)


5.キットへの要望

   各基板キットについて下記のような改良をしていただければ、
  より作り易く、良いキットに出来ると思います。

 5−1.ロータリエンコーダ基板と+5Vレギュレータ&+30V変換回路,
    ビデオアンプが一緒になった基板があれば・・・
    ただ、ロータリエンコーダ部は、別キット(BCD出力タイプ)との
    共用基板のようなので、最悪電源とビデオアンプ部のみ一緒にしたもの
    でも可。

 5−2.ロータリエンコーダ基板について、LED部分離にも対応できる
    パターンにして欲しい。
    詳細は別ページ参照

 5−3.RGB変換基板
    現在完成品基板になってしまったが・・・
    AF−AMPの発振対策部品の取付パターンがあれば・・・。


6.最後に

 パチンコ台に使用されていたLCDパネルが大量に安価にジャンクルートに
流通しており、それが今回のようなTVのキットを生む背景になっている。
 しかしTVだけに使用するのではなく、簡易的なCPUのモニタとして
使用するのも面白いのではと考えている。

 AKI−80等のCPUボードのオプションに、このようなLCDパネルを
モニタに使用できるビデオボードがあれば、いろいろ活用できるのでは と
考えている。

 例えば・・・こんな物を想定している。

・簡易オシロ
 8bit程度の比較的高速なA/D変換ICを使用し、オシロスコープにする。

・簡易スペアナ
 上記オシロの発展形であるが、上記オシロにRF段及び検波段を接続、
周波数をスイープする電圧をCPU制御でD/A変換で発生させ、検波出力を
縦軸に入力すれば、簡易スペアナになる。
(CPU回りからのノイズ対策が必要ですが・・・)


 いかがでしょうか?


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2005/12/03更新(「ディエンファシス回路追加」,「裏カバー製作」の各ページ作成しリンク追加)
2004/12/17更新(音声出力のディエンファシスの件、まずは補足事項として追加)
2002/01/26新規作成