あとがき

旅は計画段階と実行段階、それに回想で三回楽しめるとはよく言ったものですが、
この日本一周記を書くということは、もう一回日本一周に出るのと同じことでした。
文章は素人な上、さらに無精でたびたび書くのをサボるものだから、
一日のできごとを書くのに数日かかるという有様で、
自分の遅筆ぶりにやきもきしつつ、「早ぐ先さ行ぎだい!」と書き続けた結果、
書き始めてから三年も経ってしまいましたが、
日本一周記の荒井もようやく戻ってくることができました。
もしかすると実際の日本一周以上に過酷な道のりでありました。
まずは庵主荒井の長話につきあってくださった皆さんにお礼申し上げます。

旅が終わって三年、旅立ちから実に四年が経ちますと、
当時と変わってしまった部分も多くありました。その代表は地名でしょう。
荒井が日本一周をしたのは、ちょうど平成の大合併が始まった頃で、
その後合併によって、多くの町や村が地図から姿を消し、または名前を変えました。
また、食堂やキャンプ場がなくなってしまったり、
英君酒造の先代社長のように、亡くなられた方もいらっしゃいまして、時の流れを感じたものです。
現在はネット上で旅の顛末を即時に報告しながら旅をする方も多く、
その中で自分の日本一周記にどのような価値があるのか、と考えることもありました。
そのたびに、これを完成させないことには日本一周に行った甲斐がないと奮起し、
なんとかここにあとがきを書けるようになったというわけです。

最後にお世話になった方々にお礼の言葉を。
まずは株式会社おーばん様。
装備を揃える上でお世話になった青山様とマウンテンゴリラ様。
旅先で出会った全ての旅人の方々と旅先でお世話になった全ての方々。
そして文句を言いつつも最後は日本一周を応援してくれた荒井の父と母。
皆さんのおかげで日本一周を成し遂げ、さらに日本一周記をものにすることができました。
お礼が非常に遅れましたが、皆さま、ありがとうございました!

2006年秋 本名荒井

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