CD REVIEW 4 |
◆ Quartet Trevi feat. Max Ionata ・・・・ Night Walk
BBSでお薦めいただきまして、雑誌のインタビュー等でも気になっていたイタリアテナーMax Ionataを聴いてみました。いきなり3拍子コルトレーン風サウンドの1曲目でドッキリ。GreensleevesにBoliviaなんて曲も演ってますし、Impressionsかと思わせる出だしのPressmissionにもニヤリです。柔ら かめの美しい音色、端正な印象のテナー、非常に上手い。スマートなフレーズにハードバップ風ブルーノートをブレンドして、荒々しいことはしないモテ系テナーとでも言いましょうか・・・洗練された感じの音の綴りです。時々現れる常套句にニヤリとしながら聴き進めると、コルトレーンサウンドを感じさせるのは、テナーのIonataよりもマッコイタッチなRobertoのピアノであることに気づきます。曲によってはマイケルが客演したマッコイの作品を思い起こしたりして、アイドルなんでしょう、好感が持てます。最近聴いたところではアルバム「クラブ・ジャズ・ディグルス・ルパン三世」の2曲目「非常線突破」でのMax Ionataのテナーも気に入りました。(2010.3.31)
◆ Nicolas Folmer meets Bob Mintzer ・・・・ Off The Beaten Tracks Vol.1
ボブミンツァーネタに絡んで、某通な方からお薦めいただいたアルバムを入手しました。トランペットとテナー2フロントの2009年ライブ盤、最近のボブ・ミンツァーのジャズが聴けるのがうれしい。冒頭からアップテンポで複雑なラインのユニゾンテーマ、2管の息はばっちりで、涼しい顔で難しいことをやってのけるレベルの高さを感じさせます。その上ソロが熱い!嬉しい!ジャズはこうでなくちゃという感じ。私のテナーを選定してくれたミンツァーにはこの調子でガンガンやって欲しい。このCD、フランス盤らしくHenri Selmerのロゴも印刷されてます。Vol.2も出るんだろうか。ボブ・ミンツァー生で目の前で拝聴したいなあ。(2010.3.31)
◆ Takuo Kon Quartet ・・・・ 'Round About Midnoon
グルジアと言えばバンクーバーオリンピック、リュージュ競技での悲しい事故が忘れられません。再度、哀悼の意を表します。そのバンクーバーオリンピックの最中のことでした。なんとグルジアのレーベルから、2枚組のジャズCDが新潟経由で届きました。1月23日 新潟ジャズフラッシュでのライブ録音です。臨場感ある録音で、当日の演奏がリアルに(汗)収められています。FLYING TAXMAN MUSICの皆様、ありがとうございました。また機会がありましたらよろしくお願いします。1枚目の曲目を見ただけでも、バンドのリーダーであるテナー奏者は、コルトレーンやロリンズ、グロスマン、マイケルといった、ジャズテナーの巨匠に強い憧れを持っていることが伝わってきます。CDを聴くと、日々の生活に追われ、日頃のトレーニングが充分とは言えないテナーマンであることも伺えたりします。それでも、2枚目ラスト曲での怪しげなテナーソロは大熱演と言えるでしょう(笑)。共演している若いミュージシャンのフレッシュな演奏が大変印象強く、今後の発展が楽しみなバンドでもあります。2枚目ではMs.Sheenaの素敵なボーカルが花を添え、コアなジャズファンからジャジーな雰囲気を楽しみたいリスナーにもお薦めの作品になっています。どこかのレアな輸入盤専門店で手に入るかもしれませんので探してみましょう。ネットで検索してみたところ、なんとクリスポッターの新作と一緒に紹介しているブログを見つけました。(驚)(2010.3.14)
◆ Chico Pinheiro ・・・・ There's A Storm Inside
知らないギタリストの作品でしたが、ゲストにボブ・ミンツァーとダイアン・リーブスが参加しているのを知って聴いてみたくなりました。1月の2回のライブで女性ボーカルをゲストに招いて楽しかったもので、ミンツァーがボーカルものにどんな感じに絡むのか、彼の選定楽器を愛用している者としても気になりました。通勤の車内で数曲ずつ聴いた感想は「とってもかっこ良い」、数曲のゲスト参加ですが、ミンツァーの吹きっぷりはやっぱり素晴らしい。もっと彼の選定楽器を使わなくてはという気持ちにさせられました。「理想のブラジリアン・ジャズ、ブラジル若手NO.1ギタリストのフレッシュなプレイを満喫できる。」という宣伝通り、ギターもいい感じですね。メセニーの影響とか強そうに聞こえました。(2010.3.4)
◆ Kazuo Isatsu Quintet Featuring Hiroyuki Yagi Again ・・・・ Speak Low
伊佐津和朗 (Vib) 八木敬之 (Ts) 藤沢由二 (P) 佐藤"ハチ"恭彦 (B As) 高橋徹 (Drs)
会心ハードバップな前作、Reunion Bluesに続く、ビブラフォン奏者、伊佐津和朗 さんの新作を届けて頂きました。CDを裏返すとラズウェル細木さんのイラストが良い感じ、ご本人にお会いしているのは八木さんだけですがこのイラストなかなか感じ出てます。メンバーは某ダンモ出身のプロリズムセクションとその先輩である伊佐津さん、八木さんの組み合わせとのこと。どんな内容か楽しみにしていました。
タイトル曲ともなっているSpeak Lowからスタート、最初の8小節とその後でテンポを変えた凝った編曲 、八木さんは例の強力フレーズを交えて吹きまくり、いつもながら大したサラリーマンです。2曲目はバラードThings We Did Last Summer 、ビブラフォンのフワッとしたサウンドが心地よい。堅実なリズムセクションに乗っかったテナーソロ、細かいフレーズのスピード感が気持ち良い。The Waveは古いギャング映画のサントラのような曲、巧みなバイブソロでフェードアウト。ミディアムブルースのThe Revは短めのソロ回しにメンバーそれぞれの歌が凝縮、コピーしてみたくなるフレーズがいっぱい。5曲目のDown In The Villageはフォーとアフロが行き交うそれ系テナー好みの曲、ここでも八木さんの例のフレーズの応酬に仰け反ります。できればテナーソロをもう数コーラス長く聴いてみたかった。ボサのMoonlight Serenadeではベーシスト佐藤さんのアルトサックスがフューチャーされていて、これがとっても上手い、この方セッション等でよくアルトも演奏しているらしい。某有名ベーシストがバスクラリネットも素晴らしいことを連想しました。どうしてもテナーに耳が行ってしまいますが、伊佐津さんの端正でクールなソロは聴き返す毎に引き込まれるものがあります。 (2010.2.10)
◆ 大野えり ・・・・ ERI MY DEAR
えりさんのボーカルってストレートなジャズって感じがして大好きでした。学生時代、高円寺のライブハウスには何度か聞きに行ったものです。あの頃よく聴いたアルバムがCDで再発売っていうので迷わず購入しました。セシルマクビー、ビリーハート・・・・メンバーも素晴らしい。
ライブではテナーの植松さんとよく一緒にやってた記憶がありますが、このアルバムではラルフ・マクドナルドの曲Where Is The Loveで清水靖晃さんのバリバリテナーが聴けるのがまた嬉しいです。 (2009 10 25)
◆ Steve Grossman ・・・・ Perspective
祝CDで再発売、即購入、Grossman初体験のアルバムでした。Grossmanにしては珍しいフュージョン仕立ての作品で評論家筋からは色物評価されているようですが、太くて鋭くてワルな感じの音色と所謂グロスマンフレーズの応酬がたまらない作品です。地下鉄ホームの浮浪者みたいな風貌の裏ジャケがまたそれらしい。スティービー・ワンダーのCreepin'等演ってまして、こんな風には吹けませんが、できるならこんなバンドやってみたい。 (2009 10 25)
◆ Alex Riel ・・・・ Rielatin'
思い出してアマゾンで検索したら見つかったので購入、いまさらですが、実は初めて聴きました。
マイケルとバーガンジーのテナーが左右から聞こえてくる1曲目からとっても良い感じです。目当ては2曲目、トレーンのBessie's Bluesで吹きまくるマイケル。この2曲だけでもお宝のCD、手に入って喜んでます。 (2009 10 25)