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  • 2008/9/06 おかげ様で燦燦會10周年
    10年の歩みを振り返り「歴史」を更新
  • 2005/4/20 BGM削除
    おらえんどごISDNあんず、の声に応えて・・・
  • 2005/3/01 暫定仮オープン
    これから画像を暫時更新していきますのでお楽しみに
  • 2005/2/20 大幅リニューアル
    special thanks k.sato


  • 2000/1/28 徳内ばやし創設に尽力されたおひとり、故佐藤健吉氏(前商工会長・鶴ヶ町)の一周忌にあわせ開設

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山形県村山市 管理者 TERU☆
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 北方領土の先覚者、最上徳内翁のご縁で、北海道厚岸町と友好都市の盟約を締結した村山市。厚岸の活気ある港祭りの囃子と、花笠祭りに代表される山形の踊りの文化が融合して「徳内ばやし」は誕生しました。
 ここではその誕生秘話も含め、平成15年「徳内ばやしシンポジウム」で紹介された佐藤會長のコラムを公開します



プロジェクトT


エピソード 1
 朝4時すぎ、どしゃぶりの音で飛び起きた。
「山車が・・・」昨夜というか、さっきまでペンキを塗っていた山車である。一目散に駆けつけると、全身ずぶぬれになりながら必死になってシートをかける夫婦がいた。
 みんな同じ思いだった。 笑顔が雨と涙でかすんだ。
エピソード 2
 祭りの賑わいの中、車椅子を押す女性がいた。
「いつもはすぐに帰るんだけど、今年はもっと見ていたいって・・・」彼女はそう言って、車椅子のお婆さんに目をやった。そこには、涙を浮かべた”しわくちゃの笑顔”があった。
 すべての苦労が報われた、と思った。


 表舞台であれ裏方であれ、徳内ばやしに精魂傾けて取り組んできた者の胸には、何かしらの感動が刻まれている。それらを寄せ集めれば、『プロジェクトX』を彷彿とさせる壮大なロマンが見えてきそうだ。
人と人との交わりや温かさに、徳内ばやしは「踊って楽しかった」だけで言い尽くせるものではないことを参加者なら誰もが感じているはず。


 徳内ばやしは、平成7年8月に誕生した。真夏の青空に鳴り響く軽快な囃子がうぶ声だ。ハラダさんのパフォーマンス以外は、伝統とマンネリの狭間で喘いでいたのが当時の村山まつりだった。
 さしての期待もなく足を運んでいた市民の前で、徳内ばやしのお披露目を行った。それは、厚岸町港祭りと山形の踊り文化の融合であり、鳴子を手にしていることを除けば斬新といっていい試みだった。
 ちょうどよさこいソーランの隆盛と時期が重なるため、混同する方もあるが、少なくとも平成7年当時、徳内ばやし創設1年目の私たちの団体(杉島+JC@現西郷)には、よさこいの影響は皆無だった。
 先頭きって踊る機会を与えられた私は、驚きに満ちた歓声の中を、まさに”かき分け”ていった。その誇らしさをわかってもらえるだろうか。


 もちろんどの団体も産みの苦しみは多かった。
 踊りはどうする?太鼓は?山車は?衣装は?飲み物、食事は?そして金は? 何もかも前例がなく、問題が起こる度にみんなで解決策を講じた。頼みとする綱が「自分の祭りは自分で創るんだ」というみんなの熱い思いだけだったことを、今になって回想する。


 当時、県内では他にないアップテンポな囃子とダイナミックな踊り。市内外から注目を集め、大きな輪になっていったが、忘れてならないのは、自分たちの祭りは自分たちで創るんだというこの初心であろう。
 これが「市民主導・行政支援」による成功例となり、その後に多くの評価をいただく結果となった。
 また、駐車場や観客誘導等の労をとって下さっているボランティアの方々に心から感謝したい。私たちが弾けていられるのは、祭りを楽しむこともなく陰で支えている方々があってこそなのだ。


 郷土の偉人とされながら、市民の口の端にも滅多にのぼることのなかった最上徳内翁が、この時を境に一躍、顕彰してやまない存在となられた。
 出生地村山の市民と、逗留地厚岸の町民との間に友好の絆を作り、これほどの祭りに成長しようとは、翁ご自身が一番驚かれているに違いない。しかし、道東の地で示された人徳がなせる技なのであり、没後二百年を経て、ようやく花開いたのだと私たちは考えたい。


 私たち市民が創った「徳内ばやし」 まだまだ10年。千年以上の歴史を誇る祇園祭でさえも、最初は今の私たちのようなものだったはず。
「今、私たちは歴史を創っている」という誇りと気概をもって、これからも楽しんでいこう。


     楯山燦燦會 會長 佐藤輝夫



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