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鉄道無線の種類と概要


 鉄道で使用される無線について、種類と概要を紹介します。
 なお、JR関係のものについての説明が基本である為、他社では一部しか
なかったり、共用だったり、機能自体がなかったりする場合があります。
 私の独断で分類しましたので、異論があるかも知れません。
last up date:2005/02/18

目次

1.列車無線,乗務員無線
 1−1.新幹線列車無線
 1−2.列車無線(A・Bタイプ)
 1−3.乗務員無線(Cタイプ)

 地下鉄で使用される誘導無線は別ページにまとめています。
 誘導無線

2.入換無線
 2−1.構内入換無線
 2−2.新幹線入換無線

3.保安用無線
 3−1.防護無線
 3−2.接近警報

4.サービス用無線
 4−1.駅構内ワイヤレス
 4−2.オーディオサービス


1.列車無線,乗務員無線

1−1.新幹線列車無線

 指令と列車の乗務員間での通話用
公衆電話用の回線も兼用である。

 アナログ多重方式(東海道・山陽新幹線,長野新幹線)
 または
 デジタル方式(東北・上越新幹線,九州新幹線)
 (東北・上越新幹線も以前はアナログ多重方式だった)

通話方式:「復信」
 電話のように同時通話が可能

 なお、アナログ多重方式は、青函トンネル用の列車無線でも
使用されている。

1−2.列車無線(A・Bタイプ)

 指令と列車の乗務員間での通話用
導入区間が限られており、このタイプでない場合は
Cタイプが使用される。

参考)東北地方で導入区間
 山形新幹線(奥羽線)
 秋田新幹線(奥羽線/田沢湖線)
 仙石線

割り当ては8ch
基地局側(350MHz付近)と列車側(336MHz付近)で別々の2つの周波数を使用

通話方式:
Aタイプは「復信」
 電話のように同時通話が可能
Bタイプは「半復信」
 通常の無線機のように、交互に通話

1−3.乗務員無線(Cタイプ)

 運転士と車掌,指令と乗務員間の通話で使用
割り当ては3ch(415MHz付近で、「上り」,「下り」,「入換」と呼ばれる)
会社により使用状況に差があるが、上り列車は「上り」,下り列車は「下り」
のチャンネルを原則使用。(JR西日本など、これに依らない会社がある。)

「入換」は、次項の入換えと同じ目的で使用される

通話方式:1つの周波数にて交互に通話

 A・Bタイプ無線が導入されていない路線を走行する、電車,気動車,機関車に
「標準装備」されています。
 指令と乗務員間の通話ほか、始発前の運転士と車掌間の通話試験、到着後の
あいさつが、必ずのように交わされるようです。
 ちなみに私の自宅からは、米坂の「今泉CTC」が聞かれます。


2.入換無線

2−1.構内入換無線

 駅構内等での入換作業用
運転士と誘導係員間,信号掛間などで使用。
A・Bタイプ導入線区では、駅と乗務員間での
通話に使用される例もあり。

割り当ては12ch(365MHz付近)
通話方式:1つの周波数にて交互に通話する。
トーンスケルチ用のトーンが乗っている。

また、入換作業用の「プーッ プーッ」という信号音を発する機能を持っている。

2−2.新幹線入換無線

 車両所内での入換,誘導に使用されるほか、
列車併合時の誘導にも使用される。
(在来区間内で列車の運転士どうしで使用される例もある。)

割り当ては1ch(151MHz付近)
通話方式:1つの周波数で交互に通話


3.保安用無線

3−1.防護無線

 事故等により緊急停車した車両から危険を知らせるために送信する。
受信すると「ピピピピ・・・・」という断続音にて警報が鳴る。
受信したら列車を停止させなければならない。

割り当ては1ch(373MHz付近)で全国共通。
通話方式:事故車からの一方的な送信
(デジタル方式とアナログ方式があり 会社によって異なる)
信号にトーンが乗っている。

3−2.接近警報

 信号設備と連動した送信機の電波のアナウンスにより列車の接近を知らせる。(TC型)
 または列車に搭載された送信機からの電波の受信により列車の接近を知らせる。(車上式)
 保線係員が所持する受信機にて受信し、列車の接近を知る。

在来線用では、400MHz付近の1chのみ使用されている。
新幹線では別周波数の車上式の接近警報があるらしいが、未確認。
いずれも一部区間のみの導入。

参考)東北地方での導入区間(TC型)
 東北線(一部区間)
 仙石線(一部区間)
 山形新幹線(奥羽線)
 秋田新幹線(奥羽線/田沢湖線)
  ※秋田新幹線区間を走行する車両及び在来線走行時のEasi-iからは、
   車上式の電波が出ています。

 仙山,磐西・東,陸西・東,米坂,左沢の各線は非導入。


通話方式:基地局からの一方的な送信


4.サービス用無線

4−1.駅構内ワイヤレス

 駅構内,ホーム等の放送案内用

322MHz付近の特定小電力無線が使用されている。
(「C規格」といわれるワイヤレスマイクで、13チャンネルの
割り当てがある。汎用なので、駅以外でも使用される。)
信号にトーンが乗っている。

・新幹線ホーム用では発車用のベルをリモコンする機能がある。

4−2.オーディオサービス

 列車内のオーディオサービス用
(放送)

FM放送帯の微弱電波が使用される。


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2005/02/18改訂(「誘導無線」ページ追加にともなうリンク追加)
2003/11/13改訂(東北地方の導入線区追加,説明追加,見直し等)
2003/11/08新規作成