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  • 参考資料-各国の教育事情・文化・習慣など

ここに書かれた各国事情はあくまで参考です。多くの国では、地域や学校ごとに違いがあります。また、ここに掲載されていない事柄もあると思います。機会を見つけてこどもや保護者に確認し、「個人調査票」(様式1)に記入するなどして情報収集してください。相手の国の事情を聞くだけでなく、日本や山形県の事情を説明した上でこどもや保護者に理解を求めるなど、十分に話し合うことが何より大切です。

中国

学校制度

6・3・3・4制

義務教育期間

6~15歳(小学校1年生~初級中学校3年生)
*ただし、地域によって7歳からのところ、5・4制のところがある。

学校年度

9月1日~7月中旬

使用言語

中国語

学  期

2学期制(1学期:9月1日~1月中旬 2学期:2月中旬~7月中旬)
*ただし、学校によって若干ずれることがある。

就学年齢基準日

その年の8月31日までに満6歳になる子供は、その年の9月1日に入学する。

1.教科・学習

・勉強に対しては、とにかく「学力が第一」と考える。

・宿題が多いため、日本の学校の宿題量が少なく感じられる。漢字ドリルや計算ドリルの後ろに答えがついていることに対して、保護者が不安を抱くことがある。

・保護者は学校からの評価(通知表など)を非常に気にする傾向がある。

・一クラスの人数が多い(多いところでは65人クラスもある)。

・家庭科の授業はなく、音楽も歌のみのことが多い。ただし、都市部の学校では中国伝統の笛などを習うこともある。

・学校にプールはない。都市部では、水泳教室に通うなど、習い事をしている人が多い。

・小学校でも、体育や芸術は専門の先生が教えることが多い

2.学校生活

・通学班はなく、都市部を中心に、保護者が学校まで送り迎えをするところもある。

・保護者と教師間の連絡帳はない。

・放課後に掃除をする。

・部活動がない。

・保健室には医師がいて、医療行為をしてくれる(ただし、有料が多い)。

3.持ち物・服装

・制服のある学校が増えてきたが、強制ではなく、私服で登校することも可。学校の方針による。

・体育のために学校で服を着替えることはなく、スカートで体育の授業を受けている女の子もいる(制服がジャージという学校もある)。

・特に寒冷地では、冬、厚着の習慣があるため、日本の子どもの薄着に違和感を抱くこともある。

・校舎内外の区別がないため、ズックの履き替えが不要。内ズックがない。

・小学校・中学校のかばんは指定されてはいないが、ほとんどリュックを使う。

・小学校でも小遣いを持って行くことが普通。

4.学校行事

・学校行事は多くない。特に、宿泊を伴う行事はない。そのため、日本の修学旅行の積立金については説明が必要になる。

・運動会は教師と子どもで行い、保護者が見に来ることは少ない。また、クラスごとに様々な競技で競争し、優勝すると学習用具がもらえる。

・入学式と卒業式はあるが、ごく簡単なもので、保護者は出席しないこともある。

5.給食・弁当

・給食はないところが多く、自宅または学校の近くで昼食をとる。そのため、昼休みが長い。

・冷たい食事をとる習慣がなく、日本の弁当は「冷たい」ために抵抗がある。

・食事の時、お茶碗を下に置いたまま食べることがある。

6.PTA

・PTAという組織はない。保護者は学校や教師を全面的に信頼しているため、教育に関することはすべて学校に任せるという傾向が強い。

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韓国

学校制度

6・3・3・4制

義務教育期間

6~15歳(小学校1年生~中学校3年生)

学校年度

3月1日~2月末日

使用言語

韓国語

学  期

2学期制
(1学期:3月2日~7月 2学期:8月中旬~2月末日)

就学年齢基準日

その年の1月1日までに満6歳になる子どもは、その年の3月1日に入学する。
*ただし、2月末までに6歳になる子どもも希望によって入学できる。

1.教科・学習

・教育熱が高く、塾・家庭教師や習い事にお金をかける家庭が多い。学校でも、塾に通っている生徒に学習の進度をある程度合わせているため、経済的に余裕がない家庭の子どもは勉強に遅れることが多い。

・大学進学率が非常に高く、小学校のときから大学進学を考えて準備する家庭が多い。

・中学校によっては、放課後、有料の授業を行うところもある。これは強制ではなく、中国語、英語、日本語、化学などの中から自由に選択することができる。学校が外部の講師に依頼し、場所として教室を提供する。

・韓国の社会の授業では、朝鮮統治時代について詳しく学んでいるので、日本人がこの時代の両国の歴史を知らないことに戸惑うこともある。

・教科は日本とほとんど同じ。音楽の時間には、歌やリコーダーなどの楽器を習う。

・教室ごとにテレビが設置してあり、日本の学校よりも頻繁に授業で使う。全校朝会も教室でテレビを通して行う。

・体育の授業にはあまり力を入れていないので、苦手な子供が多い。水泳は授業がないので、ほとんどの生徒が泳げない。また、中学校の女子は、水着を着ることに抵抗がある。

2.学校生活

・集団登校や集団下校がないので、戸惑うことが多い。

・小学校の掃除は、保護者がグループを作って行うところが多い。

・中学校は部活動がないので家に帰る時間が早い。

3.持ち物・服装

・制服やかばんなどについては、校則が厳しくないので、日本の校則の厳しさに抵抗を感じる生徒もいる。また、制服がなく私服で登校する学校もある。

・山形の中学校では、体育着を着て登下校することもあるが、韓国では、体育着は体育の時間にのみ着用する。登下校時に着たり、制服の下に重ねて着用したりすることはない。

・持ち物は日本に比べると自由で、おやつを持っていって休み時間に食べることができるし、小学校でも携帯電話を持っていくこともできる。

4.学校行事

・入学式は3月に、卒業式は2月に行う。生徒だけが参加して行われる学校が多い。

・授業参観や家庭訪問はほとんどない。

・学校独自の運動会はなく、地区の運動会に学校も参加する。最近はグラウンドのない学校が増えている。

5.給食・弁当

・学校に食堂があり、給食はそこに移動して食べる。

・学校にお弁当を持って行くことはほとんどない。遠足など、弁当が必要な時は、役員が先生と連絡を取って手配する。先生のお弁当も役員が準備する。

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フィリピン

学校制度

6・4・4制
初等教育6年
(日本の小学校に相当する。ただし、私立では7年の小学校もある)
中等教育4年
(中等教育機関は、日本の中学と高校をあわせたような教育機関)
高等教育4年
(ただし工学部5年、法学部8年、医学部9年、等)

義務教育期間

6歳から初等教育を終えるまで(飛び級がある)

学校年度

6月~3月

使用言語

国語、社会、保健、音楽などはフィリピノ語(タガログ語から派生した言語)で、それ以外の授業は英語で行われる。

学  期

2学期制(前期6月~10月、後期11月~3月)
4~5月は夏休み、12月下旬~1月上旬はクリスマス、ニューイヤーで、長期休暇

就学年齢基準日

入学式(6月上旬)までに満6歳になっていれば就学できる。
家庭の経済的事情などで、8歳、9歳になってから入学する子どももいる。

1.教科・学習

・体育の授業はあるが、運動の種目は多くなく、特に持久走を大変に感じる。

・学校にはプールがなく、体育で水泳は行われない。

・音楽はあるが、歌が中心で楽器はほとんど扱われない。

・高校入試に合格することはそれほど難しくないが、家庭の経済状況が進学に影響する場合が少なくない。

2.学校生活

・学校は小学1~3年生までは午前のみで、4~6年生までは終日授業のある日がある。

4.学校行事

・入学式はあるが、保護者は参加しない。卒業式は3月にあり、保護者も参加する。

・授業参観はないが、学校の教師との会合や家庭訪問はある。

5.給食・弁当

・給食はない。昼休みに帰って昼食を取る。お菓子を持って行くこともあるが、授業中は食べない。

6.PTA

・PTAの組織はあるが、日本ほど頻繁に学校とやりとりがあるわけではない。

7.その他

・フィリピンの学校はパブリック(公立)とプライベート(私立)がある。

・小学校はほとんどが公立で、学費は無料だが、衣服、交通費、昼食代などは自己負担である。

・中等教育は12歳から4年間で、学校数は私立が公立を上回る。私立の方が、学費が高く教育内容も充実しており、公立との差が大きい。その後の進学へも影響する。

・初等教育では飛び級も認められている。

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ブラジル

学校制度

9・3・4制
初等教育(6~14歳、1~9学年)
中等教育(15~17歳)
高等教育(18歳~)

義務教育期間

6~14歳

学校年度

2月1日~12月31日

使用言語

ポルトガル語

学  期

2月から12月までに最低200日間授業があり、7月に15日間の休暇がある。
学校は、午前・午後の2部制や、夜間も含めた3部制がある。

就学年齢基準日

その年の7月31日までに満6歳になる子どもは、その年の2月20日に入学する。

1.教科・学習

・プールのない学校がほとんどで、水泳指導は行われていない。

・音楽や家庭科の授業がない。特にリコーダーを習うことはない。

2.学校生活

・欠席の連絡を保護者が学校にする習慣もない。

・登下校の送り迎えは保護者の責任で行う(特に私立校の場合)。

・「家庭は家庭、学校は学校」という考え方(私立学校の場合は、保護者が電話したり学校に行ったりすることもある)。

・「クラブ活動」というものはなく、先輩・後輩の「上下関係」の習慣もない。

・公立学校の場合、教科書は貸与・返却する州や購入する州がある。教材費や給食費のように、毎月学校にお金を支払うことはないため、ブラジル人保護者は、公立なのにどうして?という疑問を持つことがある。

3.持ち物・服装

・女子のピアスは乳幼児期からの習慣である。

・学校にはガムや菓子、ジュースを持って行ったり、校内にある売店で買ったりすることができるが、授業中に食べることはない。

・思春期になると、女子が化粧をするのは当然で、香水も良く付ける。髪型も自由である。

4.学校行事

・学級担任が家庭訪問を行ったり、家庭へ電話連絡をしたりすることはほとんどない。授業参観もない。

・入学式はない。卒業式はあり、私立校の場合、家族みんなで参加する。卒業式の後に盛大なパーティーが開かれることもある。

・遠足、運動会、修学旅行等の集団的学校行事はなく、教育活動としてとらえる習慣がない。

・子どもが外泊する習慣はなく、修学旅行などでは保護者は心配する傾向がある。これは、家族の絆が非常に強いためである。

5.給食・弁当

・食事をするときに音を立てない。特に麺はすすらない。また、皿を持って食べない。

6.PTA

・PTAはあるが、日本の学校のような活動はしない。

・中学校から公立高校へ進学する場合、簡単なテストを受けるが、ほとんど自動的に進学できる。本格的な受験は、大学進学時になる。

7.その他

・ハグ(抱き合うこと)やキスも普通に行われる。

・自己開示を積極的に行い「~したい」などはっきり意見を言う。

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