[BOOK] アルバムガイド本・ミュージシャンの伝記
幅広く多様なスタイルのサックス奏者を聴く道案内になった書籍を紹介します。アルバム作成やレコーディングの経緯、ミュージシャンの思い・境遇等を知り、演奏者の心情を想像しながら聴くのも楽しいものです。書籍に触れ、そうだったのかこれは聴いてみなくてはと思わされることもしばしばです。
ジャズアルバムガイド本
多様なテーマのガイド本が出ています。ページをめくっていると聴いてみたい作品に出会います。
ジャズ批評社の単行本、ジャズテナーの歴史解説に続いて188名のテナー奏者を個別に紹介しています。経歴も推薦アルバムもコンパクトにまとめられています。
2006年出版時に存在するジョン・コルトレーンの全録音がサイドマン時代も含めて年代順に紹介されています。次々と新たなスタイルを取り入れて変貌するコルトレーンの音楽を年代に沿って追いかける助けとなります。
日本を代表するテナー奏者の一人である佐藤達哉さん著、プロプレーヤーが厳選した70枚が紹介されています。各ミュージシャンの人物像、演奏スタイル、アドリブラインの構成、使用楽器など、楽器を演奏するものにとって興味深い内容で読みごたえがあります。
ミュージシャンの伝記・研究
鬱々とした試練、華々しい活躍、憧れのミュージシャンが歩んだ人生のストーリー、音楽作品が生み出された背景を知ることでより注意深く聴くことができるように思います。
これを読んで至上の愛のライブバージョンの存在を知りました。そして強烈な印象を受けました。スタジオ版の最後の部分をヘッドホンで聴いてみようと思ったのも、こに記されていることを確かめたかったからでした。多くの関係者の証言からコルトレーンのミュージシャンとしての成長過程が描かれています。
現存するほぼ全てのジョン・コルトレーンへのインタビューが集められ、年代順にまとめられている一冊です。マウスピースの悩み、影響を受けたミュージシャン、作曲についてなど、コルトレーンの遺した言葉にふれることができます。
悪癖の影響、家族の悲惨ともいえるエピソードの数々で、前半は読むのが嫌になりましたが、やがて光が差し込みます。各場面での作品を聴いて確かめながら読み進めました。自分でも演奏してみたい曲が増えました。
あらゆる音楽シーンで活躍し以降のサックス奏者に大きな影響を与えたマイケルの大ファンであっても、これはまだ聴いていなかったという作品に出会えるのではないかと思います。ネットで検索すると素晴らしい書評がたくさんヒットします。
唯一無二のスタイルがどのようにして生まれたのかが伝わってきます。重い人生の苦悩の上に華々しい活躍があったことが記されています。
マイルス・デイビス、ウエイン・ショーター、ジョニ・ミッチェルをはじめとするミュージシャンとの関わり、シンセサイザーとの出会い、そうして生まれた数々の名曲、ワクワクしながら読み進めました。
書棚にあるものの実はまだちゃんと読んでいません。どんな内容なんだろう。
ジャズライフ jazz life
月刊誌 jazz life です。国内盤、輸入盤、新譜のチェックにかかせません。国内外ジャズシーンの現在を伝えてくれます。
マイケル・ブレッカー没後に出版されたjazz life 特集号です。参加アルバムの全てがジャケット写真入りで紹介されています。このリストのお陰で、ポップスの歌伴としてワンポイントで演奏している珠玉のサックスソロにたくさん出会いました。
ジャズ批評
写真例のようなサックス特集・テナー特集が組まれています。馴染みないサックス奏者のお薦め作品を見つけるのに役立ちます。この他にもいろいろ出ていますので、バックナンバーや中古本を探してみると楽しいと思います。
こうして得た情報から聴きたいアルバムがあっても、中古レコード屋を周って見つけ出すのに結構なエネルギーを使ったものでした。最近はサブスクで検索して聴くことができて便利です。情報を集め聴く楽しみを広げましょう。