[Practice] 練習へのモチベーション

楽器の上達には練習を続けること以外に近道はないわけですが、なかなかできていません。アマチュアでもジャズを演るのであれば趣味のお楽しみを超えたある意味修業的なトレーニングが必要でしょう。やる気に満ち溢れていても、周囲の迷惑を気にしたり近くに練習場所がなかったりすることもあるでしょう。少し上達したかなと思っても、間を空ければぎこちないものになってしまいます。三歩進んで二歩下がることの積み重ねはそうたやすいものではなく、学業・仕事の傍らであればなおさらです。良い刺激を得てやる気を盛り上げたり練習環境を工夫したりすることが必要でしょう。ここら辺のことを思い浮かぶままに並べてみます。

 

(1)音が出せる環境をつくる

管楽器ですので小さな音での練習は難しく、周囲を気にせず吹ける環境が必要です。練習スタジオを借りればけっこうな使用料金がかかりますので、空いている時間帯に安価で使えるカラオケボックスを利用している人も多い様子です。漫画ブルージャイアントの大のように、公園の片隅や河川敷など屋外を練習場所としている方も多いと思います。適当な場所に車を停めて車内練習という方法もあります。ミニバンで河川敷に行って練習した時期がありました。車内だとエアコン・カーステレオが使えるのが便利です。車内では大音量で吹き続けると耳を傷めてしまうことがあるそうで、プロ奏者の方から気を付けたほうが良いとのアドバイスを頂いたことを思い出します。

誰しも持てるものではありませんが自宅練習スタジオに憧れます。私の場合そこまではいきませんが、我が子達が受験を終えてからは昼夜問わず自宅で吹けるようになりました。ドラムレスの編成であればバンドの練習もできてしまいます。臨家が離れている極田舎暮らしの利点です。

仕事から帰って練習せねばと思っても楽器の組み立てが億劫だったりするので、すぐ手の届くところにマウスピースやリード・楽器を出して置くのも簡単な工夫です。練習の過程をインスタに動画で上げてみたりもしておりまして、人様に観てもらおうというものですからある程度納得のいく動画にしようと繰り返し練習することにつながっています。プラスのコメントを頂けると励みになります。

バンドで練習する際のスタジオは、公民館や公営ホールにある練習室だと安い料金で使用できます。バンドメンバー在住の場所だと市民料金で使用できて有難い限りです。

 

(2)演奏の予定をつくる

人前で演奏する予定があれば自ずと練習意欲が高まるでしょう。バンドのフロント楽器としては、曲のテーマ、アンサンブル、アドリブ演奏するためのコード進行の解釈やリック・スケールの使い方など練習ネタに不自由しません。

あらたまったライブの場がなくても、グループでの定期的なリハーサル、ジャムセッションへの参加があると練習の目標になります。ネットの進化のお陰でオンラインでもバンド演奏ができるようになりました。同時に複数のバンドに参加したり、あまり難しい曲をたくさん並べたりすると追われるストレスばかりで練習が間に合わなくなることがあるので気をつけたいものです。アマチュア向けの音楽イベント、定期的にジャムセッションを開催しているお店、地元の大学のジャズサークルの存在がとても有難いと思っています。

SNS等で音楽ネタの情報交換をする中で演奏の機会を得ることもよくありました。都会でも地方でも同じでしょう。仲間やお店とのつながりを大切にしたいと思います。なかなかできていませんが、時間を作って楽器を持って出かけることが大事です。

[Spot] 山形・新潟のジャズスポット
[Session] Syncroom

 

(3)こうなりたいというイメージを持つ

何事も目標があってこそ頑張れるわけで、あんな風に早吹きしたい、こんなブルージーな音遣いができるようになりたい、ハイノートを使いたい、曲のエンディングをかっこよく決めたい・・・など、目指す姿、目指せそうな姿のイメージを持つと、どういう練習を重ねればそこに近づけるかを整理して練習に取り組めると思います。

学生時代はFМラジオ放送をエアチェックしたり、小遣いはたいてCDやLPを買って繰り返し聴いたりしたものでしたが、サブスクの時代になりCD一枚の料金で名盤から新譜まで聴き放題です。いろいろなプレーヤーの演奏を聴いて、このプレーヤーが好き、こういう演奏がしたい、これを真似たいなどのお手本を並べた音源集をつくることをお勧めします。携帯音楽プレーヤーのプレイリストにして運転中に聴き、帰ったらこのワンフレーズコピーしよう、週末この練習をしようといったモチベーションアップにつながっています。

定期的にプロや上級者のライブ演奏に触れることでもやる気がアップします。ネット動画やライブ配信など選択に困らない時代です。また、自伝本や映画等に触れて刺激を得ながら好きなミュージシャンを追及するのも楽しいものです。

[CD List] 10 CD to know John Coltrane
[CD List] お薦めテナーアルバム10選+1
[Live Stream] Smalls & MEZZROW
[Book] マイケル・ブレッカー伝

 

(4)アドバイスを受ける

一番大事なのは効果的な練習の方法・メニューを知ることでしょう。近年、とてつもない技量を持った若いプレーヤーが続々と現れるのは、効率の良いカリキュラムで学習したり練習したりしているからではないかと推測しています。

練習方法について音楽雑誌の記事を多く参考にしてきました。以前はジャズライフ誌ぐらいしかありませんでしたが、最近ではサックス専門の雑誌もいくつか出ていて、有名ミュージシャンによる記事が充実しています。参考音源CDが付いた優れた教則本も多く出版されています。しかしながら、文字情報から音のニュアンスを読み取るのはなかなか難しい場合もあるので、やはり、プロのレッスンを受けるのが上達への近道であると思います。地方の音楽教室でも個人・集団レッスンが開設されている様子ですし、プロではなくても上級者に教えてもらうこともできると思います。学生時代にプロ奏者から受けたレッスンが現在の自分の演奏の基礎になっていることを実感しています。最近ではオンラインでレッスンを受ける方法があり、私も受講を始め参考になっています。情報が多い時代だけに何を選んで練習したらよいか助言も必要でしょう。

プロや上級者の演奏を聴きに行った際に話しかけてみることで収穫を得ることがよくあります。なんとなくでも感じている疑問や課題を話題にしてみるとよいと思います。

 

(5) 便利な道具は使う

演奏や音採りをサポートしてくれるパソコンやスマートフォンの便利なアプリがたくさんありますので活用しない手はありません。メトロノームを使った練習だけでも、電子音のもの、昔ながらの機械式のもの、伴奏アプリなど使える選択肢がいろいろあります。これらをローテーションして使うことで気分を変えて練習できたりします。

サックスの運指が使えるウインドシンセサイザーがあると、場所・時間を問わずヘッドホンで聴きながら練習できます。

[Practice] マイナスワンの活用
[Goods] iPadを譜面台に
[Instrument] Keyboard

 

以上、思いつくままでした。

2024年03月17日