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[Spot] 山形・新潟のジャズスポット

山形県と新潟県の県境という地方在住者のジャズライフを楽しいものにしてくれているカフェやジャズクラブを紹介しようと思います。のんびりジャズを聴きながらドライブして出かけるスポットです。いろいろな音楽情報に触れる場、ジャズ好きな人、アマチュアミュージシャンとの出会いの場にもなっています。お店の人も魅力的な方ばかりです。

Modern Jazz & Cafe BLUE NOTE  Webサイト

山形県米沢市にあるジャズカフェです。山形大学工学部キャンパスのすぐ近く、コルトレーンの肖像が迎えてくれます。入口に飾られたテナーサックスを横目に階段を上がった二階です。1979年開店ですから南青山の有名ジャズクラブよりこちらが先です。我々のライブでもお世話になっています。スパゲティー、ハンバーグがお勧め、パフェも人気です。
店内に心地よい音楽が流れている他、不定期にライブやセッションも開催されています。

 

このお店でのライブ風景 東京銘曲堂のテナー川嶋哲郎さん(2009.8.22)

ボストンのベテランテナー Jim Cameronさん(2008.11.8)


楽屋 GAKUYA  Webサイト

新潟県村上市、JR村上駅の真ん前にある、お酒とコーヒーと音楽のお店です。多彩なジャンルのライブが頻繁に開催されており、素敵なお客さんが集まります。我々グループも定期的に演奏させて頂いており、マスターの青山さんには大変お世話になっています。このお店は私のイメージではテナーの館、素晴らしいテナー奏者の演奏をたくさん聴かせてもらってきました。

藤井政美さん
広島を中心に活躍しているテナー奏者です。初めて聴いたのは2003.5.3、ピアノの二野明さんとのデュオでした。ハイテクニックな演奏技術に圧倒されました。その後、デュオ、トリオ、カルテット、サックスカルテットなどで繰り返し聴かせてもらっています。


伴田裕さん
地元村上市ご出身で東京を中心に活躍しているテナー奏者です。初めて聴いたのは2004.1.3、その後ほぼ毎年正月の帰省ライブに足を運んでいます。スタンダードナンバーの演奏から多くを学ばせてもらっています。度々貴重なアドバイスを頂いていますし、ここでライブ前にレッスンしていただいたこともありました。コロナ禍もあってここ数年お休みしていますが、再開を楽しみにしています。


伴田裕カルテット 2018 1 4 ライブレポート
伴田裕カルテット 2019 1 4 ライブレポート
伴田裕カルテット 2020 1 4 ライブレポート

峰厚介さん

学生時代に都内のライブハウスで何度も拝聴しました。日本を代表するテナーの一人で説明不要です。あれから20年ぶりぐらいに聴く機会(岡田勉カルテット2007.12.11 2008.12.4)を得ました。いろいろお話もさせていただきました。


Music & Gallery WARM STONE Webサイト

山形県が誇るプロアルトサックス奏者、横澤徹さんのお店です。長井市にあるお洒落なカフェで、オーナーの横澤さんが講師を務める音楽教室(サックス・バイオリン)でもあります。お店に隣接する蔵をライブハウスにした響蔵では、有名ミュージシャンを招いたライブが開催されています。

マスターの横澤さんはバークリー音楽大学を出て東京で活躍していた方です。縁あって長井市に移り住み、東京からミュージシャンを招いて、ホールで定期的にコンサートを開いたり、響蔵に出演するグループに参加したりと精力的に活動しています。いつ聴いても確かなテクニックと素晴らしい音色で感動させてくれます。最近ではこちらの動画が広く話題になりました。

県内外にたくさんのお弟子さんがいるせいか、山形県内の楽器店はアルトサックス向けの教本が多く置いてあるのが特徴です。

サキソフォビア 2017 11 21 ライブレポート
三木俊雄トリオ 2018 10 11 ライブレポート


ジャズ喫茶 Octet  Webサイト

山形駅東口近くにある東北を代表する老舗ジャズ喫茶です。
マスターの相澤さんはコンサートプロモーターとしても長年活躍しておられ、現在進行形のジャズテナーに詳しい方です。これまで相澤さんのお陰もあって、エリック・アレキサンダー、スコット・ハミルトン、テッド・ブラウン、ジェイムス・カーター、ルー・タバキン、スティーブ・スレイグルなどの演奏をライブで聴く機会を得ました。店内でのライブも頻繁に行われ、次はどんなテナーが聴けるか楽しみにしています。

私が高校生だった頃、相澤さんはローカルラジオのジャズ番組「Jazz in Octet」のパーソナリティーをしておられました。番組の中でソニーロリンズの新作で再演しているStrode Rodeを旧バージョンと聴き比べるというのがあって「同じ曲でもこんなに変わるのか、ジャズって面白い」と思ったことを覚えています。

数年前ニューヨーク旅行を計画した際は、いろいろとご助言いただいて参考になりました。

岡崎正典 さん 2023 3 4 ライブレポート
宮地スグルさん  2023 10 7 ライブレポート


Jazz Live in Noisy Duck  Webサイト

山形市にある本格的なジャズクラブです。マスターの前川さんはコルトレーン大好きでお話も楽しい方です。広い店内はとても音響が良く、このお店で吹かせてもらうと自分の音が気持ちよく響きます。
日野照正さんはじめ大御所ジャズマンが出演しており、凄腕ハウスバンドがサポートしてくれるジャムセッションも定期的に行われているなど、アマチュアミュージシャンにとって貴重な場です。

後藤輝夫さん 2019 11 29 ライブレポート

 

ジャズ喫茶 BIRD  Webサイト

新潟県新発田市にある老舗ジャズ喫茶です。雰囲気のある看板の由来や有名ミュージシャンのサイン等についてはWebサイトをご覧ください。Tシャツやステッカーなどのオリジナルグッズも素敵です。

月数回のライブの他、写真の様に毎月ジャムセッションが開催され賑わっています。


日常茶飯美  Facebook

私の地元である山形県小国町にあるウッディでお洒落なお店です。随所にマスターの新野さんのセンスが光ります。田舎の小さな町にありながら、多彩なジャンルのミュージシャンがライブツアーのコースに入れてくるお店です。

このお店では加藤雄一郎さんのアルト&ソプラノサックスを初めて聴きました。(2022 10 8)
マックを操作し自作のトラックを流しながら演奏するスタイルで、トラックのグルーブ、美しい音色とラインを奏でるサックスが素晴らしいものでした。Superflyや矢沢永吉のサポートもしているそうです。

 

カフェハウス・パウゼ  Webサイト

黄色の外壁ととんがり屋根が目印、山形県米沢市にあるお店です。クラシックからジャズまで幅広い音楽のライブが聴けます。ここはテナー奏者、浜崎航さんのライブツアーコースに選ばれているらしく、これまで数回聴かせていただいています。写真はピアノ片倉真由子さんとのデュオライブ(2013 11 22)。我々バンドもお世話になっています。

 


MERCY  Webサイト

山形駅前通り、螺旋階段を上った2階、山形県内で最も頻繁にライブが行われているお店です。地元の意欲的なミュージシャン達のライブが中心で、お店のスケジュール表を見るたびに、できれば自分もこうありたいものだと思います。

サックスは五島隆夫さん


加茂水族館 クラゲドリーム館  Webサイト

クラゲの展示世界一で有名な山形県を代表する観光スポットです。館長の奥泉さんはジャズベーシストとしても活動しています。加茂水族館の誇る直径5メートルの大水槽、クラゲドリームシアター前で、定期的に「音楽の夕べ ~あなたとクラゲと音楽と~」が開催されており、ジャズミュージシャンも多く出演しています。なんと入館料のみで聴くことができます。

礒見博トリオ feat. 峰厚介 2018 5 26 ライブレポート


新発田市、新潟市方面のお店も、近日紹介したいと思います。

2024年03月24日

[Listen] ラジオのジャズ番組

高校時代にFMラジオ番組から受けた音楽的な影響は今思えば実に大きなものでした。現在では電波を気にしなくてよいネットラジオがあり、地方在住者にとって実に有難いツールです。タイムフリー機能がありますので、たまに検索して面白そうなのをiPhoneで聴いています。

(1)NHKラジオのジャズ番組

まずはNHKです。NHKらじるらじるのサイト を見てみましょう。スマートフォン用のアプリもあります。

 

「ジャズ」をキーワードに検索するといくつかの番組がヒットしました。

 

挟間美帆のジャズ・ヴォヤージュはトリビュート:マイケル・ブレッカー、これは面白そうです。早速聴いてみました。なかなかマニアックな選曲で好感が持てましたし、マイケルと音楽的な関わりの深かったギル・ゴールドスタインの話など興味深いものでした。ラジオならではの良さに触れることができました。

ネットのサイトには放送した曲のリストが載っていました。

#30 トリビュート:マイケル・ブレッカー楽曲一覧
Nothing Personal
Sponge
Half Past Late
Don’t Let Me Be Lonely Tonight
Broadband
Anagram

 

続いて、ジャズ・トゥナイト、こちらは ホレス・シルヴァーの特集で2時間の長尺番組なのですね。今やってるバンドでホレス・シルヴァーの曲を多く取り上げているのでしっかり聴いてみたいと思います。スマホをポケットに入れて家事をしながら細切れに聴きました。テナーサックスのハンク・モブレイのブルースでのソロが素晴らしくて気になったので選曲データを確認してみました。

Soft Winds
The Jazz Messengers(12分28秒)
<Blue Note TOCJ-1507>

 

こうして曲を確認できるのはありがたい限りです。

 

(2)民放ラジオのジャズ番組

いろいろあるようですが民放ラジオをネットで聴くアプリといえばradikoでしょうか。radikoのサイト

スマホ版radikoでジャズをキーワードに検索してみるとけっこうな数の番組がヒットします。


極田舎にいてもJ-waveの番組が聴けるのがうれしいです。紹介されている番組をスクロールしてエフエム山形の番組を見つけました。山形駅前ジャズ喫茶オクテットのマスター相澤さんのお名前が記されています。こんな番組を放送しているとは知りませんでした。必聴です。

2024年03月20日

[Listen] Apple MusicでJazzを聴く

何をするにもネットが便利です。ジャズを聴くのにも往年の名盤からほやほやの新作までハイレゾ高音質で聴くことができるサブスクを利用しています。ここではApple Musicをうまく使って幅広くジャスを聴く方法を探ってみたいと思います。

 

早速始めましょう。PC版のiTunesを起ち上げて「見つける」を下までスクロールし「カテゴリでチェック」を選びます。

 

「ジャズ」ありました。コルトレーンの写真が目印です。iPhoneのMusicアプリを使う場合は、虫眼鏡アイコンの「検索」を選ぶとこの画面になります。

 

おー、チャールス・ロイドの新作が紹介されています。ハイレゾロスレスで聴けます。

 

下にスクロールすると「ニューリリース」として新作が紹介されています。クリス・ポッターの注目作品を見つけました。これは聴かねば♪

 

下の写真のようにCDプレーヤーのiPod/USBポート(ハイレゾで再生する場合はビットレートに対応していることが必要)にiPhoneをつないでアンプを通してスピーカーから再生すると迫力を味わえます。

 

さらに下にスクロールしていくと「必聴アルバム」というコーナーがあります。これからいろいろなジャズを聴いてみようという方はこのコーナーから選んでみてはいかがでしょう。確かに名盤ぞろいです。せっかくなので、ほとんど聞いたことのなかったロバート・グラスパーを聴いてみようと思います。

 

他にも「ジャズ探求」「世界のジャズ」などいろいろなコーナーがあって幅広く案内してもらえるようです。便利な時代ですね。

2024年03月19日

[Transcription] Del Sasser by Bob Berg

学生時代にレッスンを受けていた師匠が当時ライブで演奏していた曲で、いつか演ってみたいと思っていました。

 

バンドで演奏することになり、長年聴き続けてきたBob Bergのソロを参考にしようと音を拾っていて、こんなサイト[Bob Berg Transcriptions]に出会いました。イタリアのもと小児科医が40年かけて取り組んできた成果とのこと。素晴らしいの一言です。Del Sasserも載っているので参考にさせてもらいました。

 

下リンクのPDFは、上記のサイトの譜面を参考にしながら自分の耳を信じてあちこち修正したものです。Bob Bergらしい倍音を使ったフレーズで符頭が*になっているのは、多分この指使いだろうと考えたものを示しています

[Transcription] Del Sasser by Bob Berg PDF

メジャーの2-5進行が多い中でオルタード系のフレーズやペンタトニックを使って変化を出しているように聴こえます。ソロの組み立て方の参考にしたいものです。倍音フレーズなど真似してなりきりBob Bergも楽しいのでは。

2024年03月18日

[Practice] 練習へのモチベーション

楽器の上達には練習を続けること以外に近道はないわけですが、なかなかできていません。アマチュアでもジャズを演るのであれば趣味のお楽しみを超えたある意味修業的なトレーニングが必要でしょう。やる気に満ち溢れていても、周囲の迷惑を気にしたり近くに練習場所がなかったりすることもあるでしょう。少し上達したかなと思っても、間を空ければぎこちないものになってしまいます。三歩進んで二歩下がることの積み重ねはそうたやすいものではなく、学業・仕事の傍らであればなおさらです。良い刺激を得てやる気を盛り上げたり練習環境を工夫したりすることが必要でしょう。ここら辺のことを思い浮かぶままに並べてみます。

 

(1)音が出せる環境をつくる

管楽器ですので小さな音での練習は難しく、周囲を気にせず吹ける環境が必要です。練習スタジオを借りればけっこうな使用料金がかかりますので、空いている時間帯に安価で使えるカラオケボックスを利用している人も多い様子です。漫画ブルージャイアントの大のように、公園の片隅や河川敷など屋外を練習場所としている方も多いと思います。適当な場所に車を停めて車内練習という方法もあります。ミニバンで河川敷に行って練習した時期がありました。車内だとエアコン・カーステレオが使えるのが便利です。車内では大音量で吹き続けると耳を傷めてしまうことがあるそうで、プロ奏者の方から気を付けたほうが良いとのアドバイスを頂いたことを思い出します。

誰しも持てるものではありませんが自宅練習スタジオに憧れます。私の場合そこまではいきませんが、我が子達が受験を終えてからは昼夜問わず自宅で吹けるようになりました。ドラムレスの編成であればバンドの練習もできてしまいます。臨家が離れている極田舎暮らしの利点です。

仕事から帰って練習せねばと思っても楽器の組み立てが億劫だったりするので、すぐ手の届くところにマウスピースやリード・楽器を出して置くのも簡単な工夫です。練習の過程をインスタに動画で上げてみたりもしておりまして、人様に観てもらおうというものですからある程度納得のいく動画にしようと繰り返し練習することにつながっています。プラスのコメントを頂けると励みになります。

バンドで練習する際のスタジオは、公民館や公営ホールにある練習室だと安い料金で使用できます。バンドメンバー在住の場所だと市民料金で使用できて有難い限りです。

 

(2)演奏の予定をつくる

人前で演奏する予定があれば自ずと練習意欲が高まるでしょう。バンドのフロント楽器としては、曲のテーマ、アンサンブル、アドリブ演奏するためのコード進行の解釈やリック・スケールの使い方など練習ネタに不自由しません。

あらたまったライブの場がなくても、グループでの定期的なリハーサル、ジャムセッションへの参加があると練習の目標になります。ネットの進化のお陰でオンラインでもバンド演奏ができるようになりました。同時に複数のバンドに参加したり、あまり難しい曲をたくさん並べたりすると追われるストレスばかりで練習が間に合わなくなることがあるので気をつけたいものです。アマチュア向けの音楽イベント、定期的にジャムセッションを開催しているお店、地元の大学のジャズサークルの存在がとても有難いと思っています。

SNS等で音楽ネタの情報交換をする中で演奏の機会を得ることもよくありました。都会でも地方でも同じでしょう。仲間やお店とのつながりを大切にしたいと思います。なかなかできていませんが、時間を作って楽器を持って出かけることが大事です。

[Spot] 山形・新潟のジャズスポット
[Session] Syncroom

 

(3)こうなりたいというイメージを持つ

何事も目標があってこそ頑張れるわけで、あんな風に早吹きしたい、こんなブルージーな音遣いができるようになりたい、ハイノートを使いたい、曲のエンディングをかっこよく決めたい・・・など、目指す姿、目指せそうな姿のイメージを持つと、どういう練習を重ねればそこに近づけるかを整理して練習に取り組めると思います。

学生時代はFМラジオ放送をエアチェックしたり、小遣いはたいてCDやLPを買って繰り返し聴いたりしたものでしたが、サブスクの時代になりCD一枚の料金で名盤から新譜まで聴き放題です。いろいろなプレーヤーの演奏を聴いて、このプレーヤーが好き、こういう演奏がしたい、これを真似たいなどのお手本を並べた音源集をつくることをお勧めします。携帯音楽プレーヤーのプレイリストにして運転中に聴き、帰ったらこのワンフレーズコピーしよう、週末この練習をしようといったモチベーションアップにつながっています。

定期的にプロや上級者のライブ演奏に触れることでもやる気がアップします。ネット動画やライブ配信など選択に困らない時代です。また、自伝本や映画等に触れて刺激を得ながら好きなミュージシャンを追及するのも楽しいものです。

[CD List] 10 CD to know John Coltrane
[CD List] お薦めテナーアルバム10選+1
[Live Stream] Smalls & MEZZROW
[Book] マイケル・ブレッカー伝

 

(4)アドバイスを受ける

一番大事なのは効果的な練習の方法・メニューを知ることでしょう。近年、とてつもない技量を持った若いプレーヤーが続々と現れるのは、効率の良いカリキュラムで学習したり練習したりしているからではないかと推測しています。

練習方法について音楽雑誌の記事を多く参考にしてきました。以前はジャズライフ誌ぐらいしかありませんでしたが、最近ではサックス専門の雑誌もいくつか出ていて、有名ミュージシャンによる記事が充実しています。参考音源CDが付いた優れた教則本も多く出版されています。しかしながら、文字情報から音のニュアンスを読み取るのはなかなか難しい場合もあるので、やはり、プロのレッスンを受けるのが上達への近道であると思います。地方の音楽教室でも個人・集団レッスンが開設されている様子ですし、プロではなくても上級者に教えてもらうこともできると思います。学生時代にプロ奏者から受けたレッスンが現在の自分の演奏の基礎になっていることを実感しています。最近ではオンラインでレッスンを受ける方法があり、私も受講を始め参考になっています。情報が多い時代だけに何を選んで練習したらよいか助言も必要でしょう。

プロや上級者の演奏を聴きに行った際に話しかけてみることで収穫を得ることがよくあります。なんとなくでも感じている疑問や課題を話題にしてみるとよいと思います。

 

(5) 便利な道具は使う

演奏や音採りをサポートしてくれるパソコンやスマートフォンの便利なアプリがたくさんありますので活用しない手はありません。メトロノームを使った練習だけでも、電子音のもの、昔ながらの機械式のもの、伴奏アプリなど使える選択肢がいろいろあります。これらをローテーションして使うことで気分を変えて練習できたりします。

サックスの運指が使えるウインドシンセサイザーがあると、場所・時間を問わずヘッドホンで聴きながら練習できます。

[Practice] マイナスワンの活用
[Goods] iPadを譜面台に
[Instrument] Keyboard

 

以上、思いつくままでした。

2024年03月17日

[Transcription] Links

サックスソロのコピー譜を紹介しているサイトへのリンク集をつくってみました。

  • saxopedia アルファベット順にプレーヤーの名前が並んでいて,演奏曲のコピー譜にリンクが張られています。残念ながらほとんどはリンク切れです。
  • Micheal Brecker Dojo マイケルの全てについて研究成果が公開されていて素晴らしいです。Transcriptions and mp3 Karaoke のページに奏法の解説と共に譜面が公開されています。MP3の音源を聴きながら譜面を見ることができます。
  • Micheal Brecker Live Recordings サックス奏者Louis Gerritsさんのサイト。Solosのページにマイケルのコピー譜面があります。歌伴でのテナーソロも多く取り上げられていて楽しいです。
  • Free Scores - Free Sheet Music ピアニストものがほとんどの中にブランフォードのYes Or Noなんてあったりして面白いです。
  • Morweds Jazz Saxophone Transcriptions 広島のサックス奏者morwedsさんのサイト。丁寧なコピー譜満載。デイブ・リーブマンのビデオ「The Improviser's Guide To Transcription」の解説は必見です。
  • Kevin Sun / Writing / Solo Transcriptions ニューヨークのサックス奏者のサイト コピー譜についてのA Cautionary Noteに注目。
  • Bob Berg Transcriptions イタリアのもと小児科医が40年かけた作業を公開しています。感動的!

Bob Berg Transcriptions を付け加えました。他にも見つけたら付け加えていこうと思います。

2024年03月16日

[Magazine] JazzLife

表紙に誘われ古いジャズ雑誌に改めて目を通してみたら、懐かしいだけでなく今なお新鮮に感じるものがありました。雑誌JazzLife、サックスに憧れを持った高校時代に存在を知り、写真はそのころ購入した1981年4月号です。プレーヤー向けの記事と都会的な匂いに田舎の高校生は心をつかまれたのでした。

 

1981年4月号 主な記事
(1)表紙 マイケル・ブレッカー
(2)ニュースアンテナ 渡辺香津美が新作のため一路NYへ ウエザー・リポートの各自がリーダー作を、そして5月来日! ジャコ・パストリスのリーダー作完成!! クインシー久々のリーダー・アルバム
(3)インタビュー 菊池雅章・日野皓正 ジョー・パス フレディ・ハバード 土岐英史 他
(4)気になる春のニュー・アルバム研究 STEPS/SMOKIN’ IN THE PIT 他 
(5)ディスク・チェック SUSTO/菊池雅章 他
(6)STEPSのニュー・アルバムを音楽的に徹底解剖する 渡辺香津美のアドリブ談義
(7)マイケル・ブレッカーのテナー・フレイズからサックスの発展性についても考えてみた
(8)STEPS特別研究 YOUNG AND FINE(スコア)
(9)ジョン・スコフィールド Softly As In A Morning Sunrise アドリブ研究(Transcription)
(10)エレクトリック・ベース・セミナー ジャコのハーモニクス奏法 by 濱瀬元彦
(11)ジョン・コルトレーン物語

 

(4)(6)~(8)等いくつかの記事からステップスが登場した当時の衝撃が伝わってきます。主にリズム面で新しいスタイルのジャズが生まれた時代だったことが読み取れます。マイケル・ブレッカーのテナーの音色にしてもそれまでのものとは違う新しさを感じさせるものでした。友達からカセットテープに録音してもらった音源を繰り返し聴いていたことを思い出します。テナー吹きなら表紙写真のマウスピースに注目することでしょう。このアルバムに収録されているウエザー・リポートの曲ヤング・アンド・ファインのスコアが載っています。

この翌年1982年に大学生になってテナーを吹き始めた私は、JazzLifeの記事にワクワクしながら新譜を聴いたり楽器の練習をしたりしたものでした。

 

その後、縦横のサイズを変えてのリニューアルや一時期の休刊を経て現在も出版されています。最新号と並べてみました。

 

連載されていたジョン・コルトレーン物語は後に別冊(写真左)として出版されています。コピー譜が多く載っていて、一般的なミュージシャンの伝記本とは一味違います。

以前は管楽器奏者向けの特集号(写真右)が出たりしていました。最近はサックス専門誌がいくつも出ているせいか姿を見なくなりました。

 

マイケル・ブレッカー没後はサックス奏者についての記事が少なくなった感がありますが、現在も輸入盤の新譜情報が欲しくて毎月手に入れています。気になる新譜はサブスクでチェックしiPhoneに保存、車の運転をしながらゆっくりと楽しんでいます。
近年は広告が減ったのか若干薄くなっていますが保管するには好都合、今後も充実した内容で続いてくれることを期待します。

2024年03月15日

[Play List] The Rolling Stones & Sonny Rollins

別ブログでも紹介しているように、ジャンルを問わずボーカルにサックスが絡んだり、お宝なワンポイントサックスソロがフューチャーされている曲のプレイリストを作って楽しんでいます。

[Play List] Vocal & Sax

ボーカリストとサックス奏者のコンビネーション、スティングとブランフォード・マルサリス、ジェイムス・テイラーとマイケル・ブレッカー、ジョニ・ミッチェルとウエイン・ショーターのような絶妙コンビが生み出した音楽は輝くお宝です。Jポップだとパリス・マッチと小池修さん、ここ数年注目している星野源さんと竹嶋聡さんなどがあげられると思います。

有名ですがプラスして記しておきたいのが、ローリング・ストーンズの作品に参加しているテナーの御大ソニー・ロリンズです。1981年リリースのアルバム「刺青の男」の3曲に参加しています。音楽雑誌の記事によると、ミック・ジャガーがサックスを入れたくて「世界一上手いサックスは誰だ」と聞いたら、ジャズ好きのチャーリー・ワッツが「ソニー・ロリンズ」と答えたことから共演が実現したとか、レコーディングではミック・ジャガーがサックスの演奏のイメージをダンスで表現し、それに合わせてロリンズが吹いたとのことです。

これらの曲をサックスがロリンズであることを知って改めて聴いたときは、リバーブが深くてお風呂で吹いてるみたいに感じたものでした。あれからウン十年、思い出しては聴き返して感じるのは、自在にテナーで歌うソニー・ロリンズの真のインプロビゼーションそのものだなあということです。ドント・ストップ・ザ・カーニバルに代表されるような、循環コードを繰り返すオリジナル曲で奔放に吹きまくるときのロリンズそのままに聞こえます。ジャズだろうがロックだろうが関係なしです。突然ハイノートを繰り出すのはこの時期のロリンズらしいですし、一音吹いただけで存在感のあるソニー・ロリンズ、実に素晴らしいです。

 

ストーンズと共演しているサックスといえばティム・リース、ジョシュア・レッドマンもあげられます。YouTubeにこんなライブ映像が上がっていました。ジョシュア・レッドマンの曲のエンディングソロでソニー・ロリンズへのレスペクトが感じられる引用フレーズが出てきます。

ティム・リースはザ・ローリング・ストーンズ・プロジェクトの活動が有名で、このプロジェクトでの作品もリリースしています。私がニューヨークを訪れた際ティム・リースを生で聴く機会がありました。

[LIVE] NY Jazz Club 巡り Vol.1 Tim Ries 2019 8 6

高校時代に同じ下宿にいた先輩がストーンズが大好きで、先輩の部屋でレコードを聞かせてもらったものでした。ちょうど「刺青の男」が出た頃です。ストーンズを聞いたのはそれぐらいで、ロリンズが参加していたことも隨分後になってから意識しました。ストーンズの良さや聴きどころ等、ストーンズファンの方、機会がありましたらご教示ください。

ストーンズのドラマーであるチャーリー・ワッツはジャズプレイヤーとしても有名ですね。彼のリーダージャズアルバムも改めて聴いてみようと思います。

 

その後、ストーンズマスターな友人から「意外やキースもチャールズ・ミンガスのトリビュート盤に参加してて、渋いギターと喉を披露してます。」とのメッセージをいただきました。このブルースですね。

さらに、ストーンズのHaw Can I Stopにはウエイン・ショーターが参加しているとのこと。5分05秒辺りから~


2024年02月27日

[Essay] Weekendサックス吹きのJazz Life 社会人編

還暦を記念してサックス生活を振り返ろうということで、10年程前に旧ホームページに掲載していたコンテンツを再編集しました。長男の大学進学をきっかけに,学生時代の音楽活動の思い出をツイッターに並べてみたところ,面識の無いない方からも「面白かった,続きを」というメッセージを頂きました。その後の呟きをまとめた社会人編です。

社会人となって 東京での6年間

大学を卒業,東京都の教員採用試験には合格し、採用予定者名簿に載っているはずだが、4月になっても採用の話が来なかった。連絡待ちのため塾の講師のバイトをやめてしまい収入がない。もう新学期が始まっている頃,杉並区教育委員会から連絡が入る。面接,服務の宣誓をして指定された学校へ赴いた。急な学級増への対応ということで,小学校教諭で採用予定のはずが中学校へ。井之頭線 永福町駅近辺の中学校だった。4月15日付の採用だが教頭と相談して翌日から勤務開始,一週間はタダ働きだった。中央線武蔵境駅周辺のアパートに引っ越した。新米教員は神田川沿の中学生に悪戦苦闘の毎日で楽器からはしばらく遠ざかる。サッカー部の練習試合に電車で出かけボロ負けした帰り道,新宿で乗り換えるうちに生徒達が散ってしまい,真面目な副キャプテンと二人で学校に戻った。シンナーでラリった生徒が授業中の教室に乱入・・・,ドラマな日々だった。

やっと1学期が終了という頃,ベースの須藤君から電話を受け、大学のサマーコンサートOBバンドで演奏することになった。メンバーはY岡さんドラム,須藤君ベース,堺君ピアノ,中鉢君ギター,私のテナー。須藤君はプロとしての活動が始まった頃だったと思う。Y岡さんはその後ゴルフ界の指導者として有名人となる方。久しぶりに楽器を出して,夜の理科準備室で練習した。マイケル・ブレッカーの初リーダーアルバムが出た頃だった。須藤君と電話で相談し,ナッシング・パーソナルを選曲。再び屋外のサマーコンサートでマイナーブルース。サマコン当日,職場から大学に直行,スーツの上着を脱いでステージへ。曲間のベースソロにうっとり,堺君のピアノソロが凄まじかった。お馴染みフレーズを駆使してなんとか格好つけた感じだったが,後輩達は持ち上げてくれた。ギターの中鉢君,モダンで端正なフレーズの応酬。中鉢君は現在,リーダーアルバムをリリースし、プロギタリスト,ギタースクール講師として活躍している。おお、堺くんは上田正樹さんと一緒に演奏してるのか。

中学校には1年間だけ務め,翌年から当初の予定通り小学校に異動した。荻窪北口の繁華街が学区域だった。

中学校での同僚にベーシストがいて,彼のバンドのライブにゲストで出演する機会があった。早稲田の音楽系サークルつながりで、今井美樹などJ-POPのカバーバンドだった。管楽器が入るのは珍しいらしく,妙に注目してもらった。そのバンドのキーボードとドラムの二人に誘われ,オリジナル曲を演奏するポップスバンドに加入した。リフレクションというバンドだった。キーボードの子がニューヨークで接したアシッド・ジャズに惹かれ,それっぽい打ち込みを軸にした曲を書いていた。サックスのかぶせ方は,その頃良く聴いていたスティングバンドを意識した。バンドのメンバーは固定していたが,ボーカルは何人か交代した。ボーカリストを目指してレッスンを受けているような女の子達だった。クロコダイル等,渋谷あたりのライブハウスで演奏した。東京12チャンネルのオーディション番組に出たこともあった。

[YouTube] 思い出しても Reflection Live At Crocodile 10 October 1992


週末に井の頭公園の端っこでサックスの練習をしたものだったが,今は禁止されているらしい。練習不足が否めず,自分のピッチに自信が持てなかった。平日夜も楽器に触れたいと考え,ローランドのデジタルピアノを購入した。inBbに移調できるのが便利だった。長続きしなかったが,吉祥寺のヤマハでポピュラーピアノのレッスンも受け始めた。

ある日、大学のサークルに遊びに行ったら,OBが中心になってビッグバンドを始めたという。リーダーのT田さんにお願いして入れてもらう。最初は市販の譜面に取り組み,大学内のコンサートで演奏した。次第にリーダーがアレンジした譜面でインスト曲のカバーもレパートリーに入るようになった。ギターの浜崎君がボーカルも担当した。レパートリーを増やし吉祥寺のお店でライブを開いた。ピアノ,キーボード,ギター(ボーカル),ベース,ドラムス,パーカッション,トランペット×2,トロンボーン×2,アルトサックス×2,テナーサックス×2の編成が基本だったと思うが,その時々の都合で編成もメンバーも替わるバンドだった。ホルンやマリンバが入ることもあった。発足当時,バンド名を「東京ボンバース&ニュー・ブリーフ」としていた。

□ 浜崎貴司 Official site ハマミチ21. “東京ボンバーズとニューブリーフ”のこと

 

現役生でギター&ボーカルの浜崎君が他大学で組んでいたバンドで、当時のトレンドともいえるテレビ朝日のイカ天キングになった。そして浜崎君はフライング・キッズでプロデビュー。トランペットのナーゴ君が活躍していた東京スカパラダイス・オーケストラもメジャーになり,一緒に活動できなくなった。ピアノのT田さんやアルトの武田君が曲を書きオリジナル曲が増えて行った。バンド名を「東京ダイナマイツ」と改めた。


自分も曲を書いてみた。サス4のコードを使ったのは,プー横町の店常連バンドで一緒だったギターのT部君の影響。サビの部分は,たまたま耳に残ったファンクバンドのベースラインをパクった。リズムセクションを打ち込みでループさせておき,鼻歌を歌いながらメロディーを載せていった。武田君の強力なアルトサックスを前面に出すことをイメージしていた。武田君はその後バークリー音楽大学へ進み,プロとなっている。近年、舘ひろしバンドで紅白に出ていた。

一カ月かけて書いたので,タイトルを Take Four Weeks とした。休日,勤務校の音楽講師にも手伝ってもらってパート譜を書いた。シークエンサーにMIDI音源をつなぎデモテープを作ったりして楽しんでいた。現在のように全てパソコン上でできるような環境はまだなかった。ホーンアレンジに難があるということで,その後この曲はピアノの堺君のリアレンジで演奏するようになった。


あちこちの学園祭やライブハウスを演奏して周った。杉並区のプラネタリウムや職場のの学年行事でも演奏した。

[YouTube] Voltage / Tokyo Dynamites

 

同期の仲間も住んでいる区の教職員アパートに引っ越した。サークルの後輩達に手伝ってもらった。独身部屋はかなり狭かったが,近所で手ごろな駐車場を借りることができたので中古車を購入した。環8と早稲田通りが交差するあたり。バブル絶頂の頃で家賃より駐車場代の方が数倍高かった。週末は楽器を車に積んで出かけ,小金井公園等で個人練習をした。

バンマスの声掛けで,吉祥寺の音楽スタジオを借りてオリジナル曲を中心に東京ダイナマイツのレコーディングを行った。3曲ほどでテナーソロを吹いた。バンマスが精力的にプロモーションし,ライブの範囲が広がった。ある夏には名古屋~京都方面のツアーもやった。東北出身者には貴重な経験となっている。横浜博覧会の野外ステージで演奏したときは,人の多さに興奮した。浅草サンバカーニバルに3年程続けて出場し,音楽賞を獲得した。沿道の人の数が凄かった。

 

二つのバンド活動が充実していたが,個人練習不足の悩みもあった。録音を聴き返すと自分の演奏内容にがっかりすることも少なくなかった。東京ダイナマイツのメンバーで横浜のクラブでも演奏を始めた。平日の夜に仕事を終えて横浜に車を走らせるのは格好良い感じもしたが,仕事との両立がきつくないわけではなかった。 小学校での仕事は充実していた。

リフレクションの方はレコード会社と関わるようになった。プロ志向ではなかったのでバンドを抜けることにした。リーダーのKさんは,その後ソングライター&プロデューサーとして活躍。ボーカルのMちゃんはコマーシャルソングを歌ったりしているらしい。

実家の父の手術がきっかけで田舎に戻ることを決意,音楽活動は休止して再び採用試験受検の準備を始める。東京では11年間を過ごした。

そして地元山形で~

1993年から山形県で勤務。30代の10年間ほとんど音楽活動はなかった。インターネットの時代になり、趣味の音楽ネタのホームページを開設したことがきっかけで、県内のアマチュアミュージシャンと繋がりはじめる。約10年のブランクを経て地元ミュージシャンとの活動を再開した。

 

ここまでお読みいただきありがとうございました。お陰様で、その後も還暦を迎えた現在までサックスを吹き続けることができています。東京を離れるときは田舎でジャズ演奏が続けられるとは思っていませんでした。音楽活動を続ける上で田舎だからこそのメリットも感じているので、そちらもまた別テーマで取り上げてみようと思います。

〇これまでのライブの記録

2024年01月28日

[Essay] サックス抱えてサークル活動 大学生編

還暦を記念してサックス生活を振り返ろうということで、10年程前に旧ホームページに掲載していたコンテンツを再編集しました。大学生編です。もともとは2014の春にツイッターへの書き込みをまとめたものです。登場人物は仮名ですが、現在プロミュージシャンとして活躍しておられる方は実名にさせていただきました。

学生時代の音楽生活の追憶

長男のY大学入学式後,会場の外に出るといろいろなサークルが賑やかに新入生を勧誘している。ジャズ研もいるかな。新歓ライブ,下手なの気にせず部室の前で演ったっけなあ。学生時代のサークル活動の思い出を並べてみる。

 

1982年4月,小金井のアパートに引っ越した夜,大学構内を歩いてみた。プール横の黒い小屋からドラム~サックスの音が聞こえて来る。恐る恐る部室の扉を開けるとテナー,ビブラフォン,ピアノ,ベース,ドラムという編成のバンドだった。後日,テナーのU先輩が石森管楽器に連れて行ってくれた。今のような立派な店舗になる前のこと。ロリンズとオヤジさんの写真が印象的だった。パチンコ屋のわずかなバイト代を頭金に中古テナーを購入,仏マークシックスだった。

 

まったく初心者の私に,サックスの基本的な扱い方,呼吸法などを教えてくれたのは,吹奏楽部上がり,1年上のN坂先輩だった。最初に組んだ練習バンドはテナー、クラリネット、ピアノ、ベース、ドラムの編成で夏合宿でブルースとブルーボッサを演ったのを覚えている。クラリネットのK山君は誰だったかのアドリブソロを完全コピーして吹いていて驚いた。 私はドレミファソラシドを複数のキーで覚えるので精一杯のレベル。憧れのサックスを手にしバンドで演奏していることにワクワクした。 夏合宿の発表会では先輩達が盛り上げてくれた。

 

当初,アドリブはそこのキーだけ意識してデタラメに指を動かしていた。ある日,ギターのT田先輩がツーファイブの基本フレーズを教えてくれた。翌日「昨日の演ってみろ」と言われたが,練習していなかった私の体は宙に浮いていた。T田先輩は柔道をやっていたらしい。

 

二年目の春だったと思う。サークル内でリーダーバンドを組んだ。 ピアノトリオのリズムセクションに4年生のギターの先輩も加わってくれた。ギターT田さん、ピアノUかりちゃん、ベース川畑君、ドラムスE口君、テナー今、だったと思う。ベースの川畑君は現在プロミュージシャンとして活躍している。スプリングコンサートでバイバイブラックバードと夜は千の目を持つに取り組んだ。 ジョン・コルトレーンやハンク・モブレイのフレーズをコピーして使う楽しみを覚えた。 T田先輩からバンドリハーサルの進め方も教わった気がする。T田先輩はスプリングコンサートのみの参加だった。

 

その後、このバンドでサマーコンサートにも出演させてもらった。 音楽サークル合同の学内野外コンサート。 曲はロリンズのカリプソとかミスターPCを選んだ。夏の野外コンサートでマイナーブルースかよとも言われたが, あの頃はコルトレーンの様に熱く吹きまくる真似がしてみたかった。学園祭時は法政大工学部ジャズ研のK脇さんがゲスト参加してくれた。

 

あの時期にコピーしたものの多くが、現在でも自然に出てくるお馴染みフレーズとなっている。コルトレーンのミスターPCのアドリブコピーを練習していたら、アルトサックスの先輩がアドバイスしてくれた。 現在、熱帯JAZZ楽団等でご活躍の藤陵さん。サックスの調整の状態もひと吹きで分かる凄い方だった。

 

二年目の学園祭の季節、下手なくせに意気込んで他大学のジャズ研ライブセッションに出かけた。 一橋大ジャズ研でソニー・ロリンズのビレッジバンガードライブのような演奏に圧倒された。同世代の学生でこんな演奏をする人達がいるのか、衝撃だった。ドラムが狩野さん、テナーが岡さんだった。テナーのケースを持っている私に、女性部員の方が声をかけてくれた。「セッションいかがですか。」 逃げ出したい気持ちながら楽器を組み立てツーテナーのセッション。ロストしまくりだったが妙な充実感があった。

 

息子の引越しをしながら、自分の学生時代を思い返していたら、調子に乗ってしまった。 忘れていたことを思い出したりして面白いので、このまま回想録風に続けてみよう。

 

コード,ケーデンス,スケール等,音楽理論はサークルの先輩から教わった。 教本はサークル部員必携の1冊 「MODERN JAZZ SCHOOL ジャズ理論講座2コードプログレッションとアドリブ技法」最初はなかなか理解できなかった。1982年初版発行、佐藤達哉さん著「ジャズ・テナーサックスの技法」はあの頃一番お世話になった教本だった。雑誌ジャズライフの記事にもモチベーションを高めてもらった。書店でアドリブコピー集「ソニー・ロリンズの奇跡」「ジョン・コルトレーンの軌跡」を見つけ,有り金はたいて購入した。合わせて4400円だったが当時の私にはけっこうな額だった。

 

コンファメーションのテーマを練習していたら,通りがかった先輩が一緒にトロンボーンを吹いて「コンタク,いい練習になったぞ」と言ってくれた。とてもうれしかったのを覚えている。 現在、東京・スカパラダイス・オーケストラのリーダーとして有名な北原さん。北原さんは部室に来ると,鏡とマウスピースだけ持って延々と基礎練習している方だった。いろいろ影響を受けお世話になったのはテナーのU田さん,現在も名古屋,四日市方面を中心にテナー奏者として活躍している。音楽的な刺激が楽しくて,ちょっと上の先輩達にくっついているのが好きだった。

 

サークル名は軽音楽部であるが,インスト中心でジャズ研と言ってよい活動内容であった。学芸大生以外の部員も多かった。大学には教育学部音楽科があり,幼少の頃からピアノ等に触れている部員も多かった。絶対音感というものの存在を初めて知った。「うちのピアノはね,ラー,これぐらい。」「そうなんだ。うちのはね,ラー,これぐらい。」自宅のピアノの調律について,先輩達の会話は驚異の世界だった。自分のサックスのチューニングをしようとしても,ピッチが高いのか,低いのか,良く分からなかった。うん十年経ってもあまり自信がない。

 

学園祭での軽音楽部のライブハウスKey-Cocko(キーコッコ)は毎年ワクワクするものだった。当時の大食堂横の通路をライブハウス風に仕立て,飲み物各種,軽食等のメニューも提供していた。お店の内装に凝り,午前10時頃から深夜まで交代でバンドの演奏が続く。先輩やプロを含むOB達の演奏に触発されるものが大きかった。夜のセッションも学外からの参加が多かった。3年目だったか,4年目だったか忘れたが,Key-Cockoでの演奏後,見知らぬ女性からバラの花一輪を手渡され,天にも昇る気分になったという思い出もある。お客さんの勧誘やお店のウエイターの仕事はあまり得意ではなかった。女性客をどんどん呼んでくる内T先輩がかっこ良かった。学園祭の楽屋で、私のテナーに先輩の彼女が引っ掛かって落下,グシャグシャにつぶれてしまったことがあった。修理に数万円かかったが,先輩はバイト代から支払ってくれた。

 

3年目に入った頃,同学年メンバーでリーダーバンドを組んだ。ピアノO口さん,ベースT中君,ドラムスE口君,テナー私。O口さんが千葉から通学していること,タモリの深夜番組「今夜は最高」のネタから取って,バンド名を「総武トレイン」とした。このバンドでは,サム・アザー・ブルース,ソウル・トレイン,バイオレット・フォア・ユア・ファーズ等,ジョン・コルトレーンゆかりの曲に多く取り組んだ。私が抜けてピアノトリオでビル・エバンスの完全コピー演奏を披露したこともあった。50年代のトレーンを追いかけたかったが,メンバーはもっと新しい時代の曲を演奏したがっているのが伝わってきた。メンバーの行方不明等いろいろあったが,バンドはO口さんの卒業まで続いた。デュコフのマウスピースを使ってみたら,「コンタクの音が良くなった」という人が多くて苦笑した。テナーサックスと言えばそういう音色が求められる時代だった。ビーチラーのマウスピースが気に入っていたが,電車の中で落としてしまった。ソフトケースのポケットが開いていたらしい。

 

高校時代に聴いていたマイルス・デイビスからジャズに入ったこともあって,2フロントバンドに憧れていた。トランペットのH野さんが,楽器始めて1年ほどの私を合宿でのリハーサルバンドに誘ってくれた。 クリフォード・ブラウン等でお馴染の曲を練習したが,リフが滑らかに吹けずかなり足を引っ張った。合宿が終わると,私抜きほぼ同メンバーの別バンドが活動を始めていた。それから数年後,後輩のF松君を引き入れて再びトランペットとの2フロントが実現した。イフ・アイ・ワー・ベル等でマイルスクインテットの気分を楽しんだ。トランペットと言えば,現在スカパラで活躍しているナーゴ君も軽音に在籍していた。彼とは他バンドのホーンセクションで一緒に演奏したことがあった。

 

本家マイルス・デイビス・バンドのライブ演奏は読売ランドのオープンシアターEASTで何度か観ることができた。ビル・エバンス,ボブ・バーグ,ケニー・ギャレット等のサックス奏者を生で聴いた。会場で見つけたビル・エバンスと握手を交わした。オープンシアターEASTは2013年で営業を終了している。

[YouTube] Miles Davis - 1983-05-29, Yomuri Land Open Theatre East, Tokyo, Japan

 

時々,ライブハウスでプロの演奏を聴き刺激をもらった。下北沢T5,西荻窪アケタの店,旧新宿ピットイン,六本木ピットイン,高円寺ジロキチ,府中バベルセカンド・・・。日本人テナー奏者でよく聴きに行ったのは,髙橋知己さん,植松孝夫さん,井上淑彦さん,峰厚介さん,山口真文さん。

 

マスターの人柄に惹かれ国分寺のジャス喫茶「プー横町の店」には良く通った。常連客の皆さんとも仲良くなり,常連バンドを組み,国立あたりで何度かライブをやった。(日付から下の写真は社会人1年目のもの)マスターがドラムをたたいた。吉祥寺に行った際は,中古レコード店を物色し,ジャズ喫茶A&Fのリスニングルームで新譜を聴かせてもらうのがお決まりコース。アルバイトの女の子が可愛かった。

 

著名なテナー奏者が来日する際は財布をはたいて出かけた。ソニー・ロリンズ,チコ・フリーマン,ウエイン・ショーター(ウエザー・リポート),ジョー・ヘンダーソン,アーチー・シェップ,ジョージ・アダムス(ギル・エバンス・オーケストラ),マイケル・ブレッカー,スティーブ・グロスマン,デイブ・リーブマン(クエスト),ブランフォード・マルサリス・・・。VHS&ベータのビデオやレーザーディスクが出始めの頃だった。海外から入手したビデオを観せてくれるお店が中野にあり,仲間と何度か足を運んだ。動くマイルス&トレーンのソー・ホワットは背筋に走るものがあった。

[YouTube] Miles Davis - So What (Official Video)

 

ジャズ批評の48号「テナーサックス特集」には,いろいろ影響を受けた。ここで紹介されているテナー奏者のレコードを意識的に聴いて幅が広がった。さらに,「日本のテナー紳士録」に出ている日本人奏者を片っ端から生で聴いてやろうと思い立ち,ピアをガイドにライブハウスを巡った。その頃聴いた日本人サックス奏者の方々、佐藤達哉さん,酒井春雄さん,今泉裕さん,ボブ斎藤さん,鈴木雅之さん,榎本秀一さん,国安良夫さん,林栄一さん,松風鉱一さん,渡辺貞夫さん・・・。府中のバベルセカンドで山中良之師匠を聴いた時,グッとくるものがあった。終演後お話しさせてもらうと気さくな人柄,弟子入りをお願いした。この後約2年間,月1回のペースでレッスンを受けた。

 

神保町の下倉楽器の練習スタジオでレッスンを受けた。10円コピーの店で大量の手書きの楽譜をコピーすることからスタートした。現在は石森管楽器のスタジオでレッスンを行っている様子。レッスンの内容は,アンブシャ,ロングトーン,オーバートーン,インターバル,リズム,スケール,フレーズ,コピー譜の演奏,アドリブラインの作成等。次回までの課題をもらい,練習の成果を見てもらってアドバイスという繰り返し。教わったツーファイブ等のフレーズを12キーで吹けるようにしていくのがなかなか大変だった。繰り返し練習してフレーズそのものを覚えるのと実際の演奏で使えるようになるのはイコールではなかった。コピー譜にタンギングのポイントを書き込んで吹く,メトロノームを3連符の3つ目に感じながら演奏する等は,良い練習になった。その後あるドラマーから「一緒に演っていて気持ち良い」と言ってもらえたことがあり,嬉しかった。早吹きに憧れ,アパートで運指の練習だけ繰り返した。その成果が少しずつ形になっていくのが分かって夢中になった。先輩に「粘り強い東北人」と笑われたが,悪い気はしなかった。

 

当時,山中良之師匠はサックス教本を書いている途中で,原稿を見せてもらったりした。出版後,かなり売れたらしい。レッスン後,居酒屋でいろいろ話を聞かせてもらったこともあったし,アパートに遊びに行ったこともあった。京都薬科大を出て薬剤師の国家試験に合格しているジャズマン。コルトレーンの演奏に魅せられテナー奏者を志したという。私がお世話になっていたころコルトレーン系と言われる演奏スタイルであったが,あれからうん十年経って変化している。当時,ファットリップスと呼ばれる上下とも唇を巻かない奏法であったはずだが,現在は上下とも巻くダブルリップであるらしい。私がアーチー・シェップのライブで観たヌルヌルと超リラックスしたアンブシャの話をした時,興味深そうに聞いてくれていた。

ジャズサックス奏者 山中良之 のページ: yoshiyuki yamanaka

山中師匠のライブは何度も聴きに行った。レッスンで教わっていることを実際にどのように使っているのか分かる部分もあった。ジョン・コルトレーンの曲リベリアでオーバートーンを駆使する様は圧巻であった。新宿ピットインでのライブを聴き入った際,長身の学生が飛び入りでフォアを演奏し,強烈な印象を受けた。師匠に聞くと早稲田の学生で私と同い年らしい。Y木さんとはこの20数年後に新潟で再会し一緒に演奏させてもらうことになる。

 

1986年1月,ステーブ・グロスマンが来日,新宿ピットインで日本人ミュージシャンと演奏した。日によって調子の良し悪しがあったようだが、凄まじい印象が残った。プロアマ問わず見覚えのある信者達が集まり異様な雰囲気にまで盛り上がった。1987年4月,六本木ピットインでのマイケル・ブレッカーバンドも同様だった。当時の録音は宝物である。

[YouTube] Steve Grossman Live At Pit In Jan 18 1986

[LIVE] Michael Brecker Band 1987 4 14

 

軽音楽部の春合宿は岩原スキー場のスタジオ付ロッジが宿だった。スキーは中高時代部活動でやっていた私にとって過酷な競技でしかなかったが,都会の人たちには華やかなリゾート感覚があることを知り新鮮だった。軽音楽部のメンバー何人かを蔵王スキーに案内したこともあり思い出深い。

 

立川市の小学校での教育実習で,好きな内容でいいから音楽の授業もやってみなさいと言われ,リコーダーで即興演奏をしようという授業を考えた。Cのブルース上で好きに吹かせようと考え,後輩達に伴奏用マイナスワンの録音協力をお願いし部室に集めた。ピアノ堺君,ベース須藤君,ドラム滑川君,3人とも現在はプロミュージシャンという贅沢メンバーだった。

 

3年目ぐらいからだったか,学内外の他音楽サークルでも演奏する機会に恵まれた。モダンフォークの「貫井北町ベイブルースバンド」では,ドゥー・ビー・ブラザーズのロングトレイン・ランニング等を演った。悲しい色やねのサックスソロも楽しかった。ギターK川君,ベースM出君,キーボードSっこちゃん・・・。

 

法政大学工学部の音楽系サークルのメンバーが中心の「マッハ森とゴー・ゴー・ゴー」では,サム・スカンク・ファンク,コクモ・アイランドといったフュージョンを中心に演奏した。学園祭の時期は50CCのスクーターにテナーケースを載せて行ったり来たりした。今思えば心もとないサックスをよく仲間に入れてくれたと感謝する。ピアノの宮前君は現在プロとして活躍している。

 

ロック系サークル,音楽友の会ではKばやん&Tかちゃんのバンド「ミス・トーン」に参加,レベッカ等の曲を演奏した。小金井祭のライブでのテナーソロに深いリバーブがかかり,ミラーボールが回転する光景が懐かしい。

 

塾の講師と家庭教師の掛け持ちで,バイトの方も稼げるようになり,後半は比較的裕福な学生生活になった。夏休みは塾の夏期講習で1日10駒授業を持ち,当時まだ高価だったVHSのビデオを購入。アパートに仲間を集めてライブビデオ鑑賞を楽しんだ。

 

軽音楽部では後輩達との「今グループ」を組んだ。メンバーは,ピアノN島さん,ベース川畑君,ドラムスS藤君,テナー&ソプラノ私のカルテット。時折ボーカルやギターのゲストを入れた。コルトレーン,ロリンズ,ショーター等,テナー奏者所縁の曲を中心に演奏した。私の代の卒演では,このバンドでイエス・オア・ノウ,イン・ナ・センチメンタルムード等を演奏し,良い思い出となっている。卒演では,私の我がままでやってみたかったエレクトリックマイルスバンドも実現させてもらった。マイルス役はF松君,マイク・スターン役がF島君,アル・フォスター役をS藤君,ビル・エバンス役が私,マーカス・ミラー役はその後Tスクエアに抜擢された須藤君だった。

 

その後,法政大工学部のマッハ森ではボーカルを入れてスティング・バンドのコピーもやった。コーラスに東京家政大の女の子達に入ってもらい,家政大の学園祭にも出演させてもらって盛り上がった。吉祥寺のライブハウスを借り切ってのイベント等も企画した。

 

大学にはプラス一年残ることになった。大学5年目は教員採用試験等もあって,リーダーとしての活動はしなかった。後輩バンドにゲストで入ったりしたように思う。学園祭でギターの中鉢君のバンドに参加して彼のオリジナル曲を演奏した。彼もまたプロギタリストとして活躍している。

 

学生時代の音楽生活を一気に振り返ってみました。素敵な方々のお陰で,たくさん楽しませてもらったこと,改めて感謝したいと思います。大学卒業後、東京都の教員となってからも趣味の音楽活動は続きました。

[Essay]Weekendサックス吹きのJazz Life 社会人編

2024年01月28日

[Essay] サックスとの出会いとあこがれ 高校生編

還暦を記念して、これまでのサックス生活を振り返ろうということで、あちこちに書き散らしていた思い出を集めまとめてみました。高校生編からスタートです。

 

テナーサックスへの憧れ

中学校を卒業し高校へ進学するとともに、米沢市内での下宿生活が始まった。部屋にあるのは、親にそろえてもらった机、昭和レトロなファンシーケース、小さな食器棚、布団、そして進学祝いで買ったビクターのラジカセ。ラジカセは小さいながらも、外付けの小型ステレオスピーカーが付いていて、隣の部屋の迷惑にならない程度の音量で聞くには十分、はじめて自分のものとなったラジカセで気に入っていた。

やがてテレビのない生活に慣れ、ラジオのFM放送を聞くのが楽しみになっていた。当時米沢市内で受信できるFM放送はNHKだけだったが、数種類のFM番組ガイド雑誌が隔週で販売されていて、放送予定表を見ながらポピュラー系の音楽番組を聞くようになっていった。(写真はネットオークションで手に入れた懐かしのFMレコパル)同じ下宿の先輩達も同じような生活をしていて、その辺の情報交換も楽しいものだった。

 

FM番組の影響で、サザンオールスターズなどのJ-POPから洋楽やインストロメンタルな音楽へとシフトしていった。平日夕方の「軽音楽をあなたに」深夜の「クロスオーバーイレブン」土曜日の「セッション〇〇‘」(〇〇は年号の下二桁)などの番組からいろいろと影響を受けた。カセットテープに録音し、気に入ったのを保存しておきたくとも、カセットテープを買い増すお金がなく、仕方なく上書きして録音することが多かった。


高校時代はスキー部に所属していて、夏場は軽めの体力トレーニングが中心。進学校だったこともあり、スキーシーズンと受験シーズンが重なるので、1,2年生のみで活動していた。早めに練習を終えて市内の喫茶店で過ごしたりすることもよくあって、小遣いを気にしながら、背伸びしてジャズ喫茶に出入りするようになった。マイルスという名のお店だった。

(二階にジャズ喫茶マイルスが入っていた建物 :Googleストリートビューより)


マイルスへの出入りからジャズに興味を持ち始め、FMラジオでもインスト系の音楽に注目するようになった。ジャズ喫茶マイルスにおいてあった雑誌、スイングジャーナルやジャズライフの記事で覚えたミュージシャンに注目して聴いた。渡辺貞夫やボブ・ジェームス、クルセーダーズなどの当時フュージョンと呼ばれていた音楽をよく聞くようになった。雑誌の記事を参考に何枚かLPレコードを買ってみた。プレーヤーがないので友達にお願いしてカセットテープに落としてもらって聴いた。

[CD List] 自分の音楽の好みに大きく影響する10枚

 

マイルスで過ごしていたある時、大音量で流れるサックスから背筋にゾクゾクっとしたものを感じる瞬間があった。LPジャケットからマイルス・デイビスのアルバムKind of Blueに収録されている曲So Whatのテナーサックスソロであることを確認した。ここで初めてJohn Coltraneを意識したように思う。また、FM番組「軽音楽をあなたに」のJohn Coltrane特集を録音した中に、陶酔させられるような独特の浮遊感を感じる曲があって、その曲ばかり繰り返し聴いたものだった。My Favorite Thingsだった。


マイルスのマスターにチケットを取ってもらい、吹奏楽部の友人と初めて観たジャズコンサートでも、生のサックスの響きが強烈な印象として高校生の心に刺さった。高校3年の時、カムバックしたマイルス・デイビスの新宿ライブがテレビ放送された。テレビとラジカセをケーブルでつなぎ、音だけ録音して何度も聴いた。

[LIVE] 日野照正 1980 12 9

[YouTube] MILES DAVIS COME BACK JAPAN TOUR'81

 

こうしてサックスの魅力に惹かれ、ジャズ&フュージョンの世界へはまっていったのでした。サックス奏者に憧れ、「俺は東京の大学に入ってサックス吹ぐぞ!」をモチベーションに受験勉強に励んだことを思い出します。

[Essay] サックス抱えてサークル活動 大学生編

2024年01月28日

[Practice] マイナスワンの活用

曲のテーマやアドリブの練習に欠かせなくなっているのが、カラオケとしてサックスの伴奏をしてくれるアプリや音源です。次のような有難味があります。教則本や音楽雑誌にカラオケ音源がついてくることもありますね。

・ピアノやギターの演奏ができなくても、曲のコード進行を耳で確認できる。
・コード和音上でサックスのメロディーやアドリブラインがどのように響くかを確認できる。
・和音付きメトロノームとして一定のテンポに合わせて演奏できる。アプリではゆっくりから始めて次第に早くするなど自由にテンポ設定ができる。
・サックスだけで吹いている時よりも飽きずに長時間の練習ができる。

お世話になっているマイナスワンアプリや音源について書いてみました。


1 iReal Pro

現在の定番マイナスワン(カラオケ)アプリです。インターネット上の膨大なライブラリから曲のコードデータをダウンロードして使用できますので、コード進行の打ち込みが不要です。テンポ、スタイル、キーなどを自由に変えて練習できます。無いだろうなあと思いながら検索したコンテンポラリー系の曲データを見つけて驚いたこともあります。曲データが見つからない場合は自分で新規に作ることも可能です。ジャムセッションの場で楽譜集として使用する姿もよく見かけます。

価格はiOS版が2,200円、Android版が2,650円、アドオンを購入することでボサノバやロックなどのリズムパターンも追加できます。

シンセ音源を使って伴奏してくれるわけですが、リズムセクションのスイング感が気持ちよかったりして、上手くできたアプリだなと思います。次のライブで演奏する曲のリストを作ったりすると練習のモチベーション上がります。自分のアドリブの流れがどう聞こえるのか、録音してチェックしてみると助けになります。
下の画像はiPhoneのものです。



下記はアップル・ストアのアプリ紹介からの引用です。まだ使ったことのない機能もあるので、試してみようと思います。
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~タイム誌2010年トップ10に選ばれた発明~
世界中の音楽学生、教授の方々、有名なバークリーカレッジやMI (Musicians Institute Hollywood) で幅広く利用されています。

バーチャルバンドと共に演奏出来ます
• 付属された51種類以上の伴奏スタイル (スウィング、バラード、ジプシージャズ、ブルーグラス、カントリー、ロック、ファンク、レゲエ、ボサノバ、ラテン) から選択可能。更に、さらに多くのスタイルがアプリ内購入して利用できます
• 全てのスタイルをピアノ、ローズ・ピアノ、アコースティックやエレキのギター、エレキベース、ドラム、ビブラフォン、オルガンなど を通じて、お好みに合わせてアレンジする事が可能
• 伴奏に合わせて、自身の演奏や歌を録音することが出来ます

お好みの曲を再生、編集、ダウンロード出来ます
• 1000曲以上に及ぶ楽譜を、簡単な手順でフォーラムからダウンロード出来ます
• 既存の曲を編集、そしてエディターを使用してあなたのオリジナル曲を作成出来ます
• あなたが編集、又は作成した曲を再生出来ます
• 常に編集可能なプレイリストをいくつも作成出来ます

付属のコード表を活用し、スキルを向上しましょう
• あなたがお持ちのコード譜の、ギター/ウクレレのタブ譜や、ピアノの運指表を表示
• ピアノやギター/ウクレレの指使いを全コード検索可能
• アドリブのための推奨スケールを、各コードごとに表示

自分に合った方法で練習出来ます
• 50項目に及ぶ定番コード進行練習ドリル付属
• テンポ調節、キー移調可能
• 楽譜の中から小節を選び、ループ設定することにより集中的な練習が可能
• 高度な練習機能(自動テンポの増加、自動キー移調)
• 管楽器奏者のための、グローバル Eb, Bb, F 移調設定機能搭載

ファイルをシェア、プリント、外部に保存する事も出来ます。あなたの音楽は、いつもあなたのそばに!
• ご自身がお持ちの楽譜や作成したプレイリストを、他のiReal Proユーザーとメールやフォーラムでシェア
• 譜面をPDF、又はMusicXML形式で保存可能
• オーディオをWAV、AAC、又はMIDI形式で保存可能
• AirTurn™およびBluetoothページターナー対応
• iCloudにあなたの曲やプレイリストをアップロードして保存、そしてiCloud対応デバイス(iPhone、iPad、Mac)と同期出来ます。


2 Jamey Aebersold Play-a-Longs

生楽器の音と合わせたい場合はこちら、長年ジャズのマイナスワン(カラオケ)音源としてお馴染みのJamey AebersoldのPlay-a-Longsです。ケニー・バロン、アンディー・ラバーン、ハル・ギャルパーなど多くの有名なミュージシャンの演奏を録音した音源なので、一流ミュージシャンとセッションしている気分で演奏できます。

John ColtraneやSonny Rollinsなど特定ジャズメンの曲集やブルース曲集、ブルーノートの有名曲集など100種類以上あり、全曲inC・Bb・Ebの楽譜が付属しています。音源はCDやダウンロード販売で入手できます。

学生時代LP盤でJohn Coltrane特集を御茶ノ水で入手したのが最初でした。LPからカセットテープに録音し携帯型カセットプレーヤーのイヤホンで聞きながら使っていました。同じ曲でも違ったリズムセクションでのバージョンが出ていたりして、楽器編成やテンポ等で選ぶことができます。

こちらのサイトに一覧表があります

生身のミュージシャンの演奏を録音したものですので、次のような難点もあります。

・テンポが変えられない。テンポが一定でなく揺れ幅が大きい(はしってる)ものもある。
・キーが変えられない。一般的に演奏されているキーと違うものもある。

コンピュータの波形処理ソフトでキーやテンポを無理やり変えてしまう方法もあります。


3 Band In A Box

現在マイナスワン(カラオケ)アプリとしてはiReal Proが一般的ですが、この手のソフトの元祖はBand-in-a-Boxでしょう。プロ、アマチュアを問わず、世界中のミュージシャンに親しまれている自動作曲・伴奏生成ソフトと言われています。

操作手順は「コード記号の入力→ 音楽スタイルの選択→演奏ボタンを押す」です。
最新版はBand-in-a-Box 30でdropダウンロード版のBacic PAKが税込み15,800円とのことです。私のはBand-in-a-Box 11でストップしていますがスタンダード曲のカラオケ用としては十分です。最新版では24トラックあって、オーディオデータを重ねて編集できると記されています。

2024年01月23日

[Live Stream] Smalls & MEZZROW

ジャズに限らず音楽はライブで聴くのが一番だと思います。地方で生活しているとそんなに気軽に出かけるわけにはいきませんが、簡単に自宅でライブ配信が楽しめてしまう便利な時代になりました。国内外の有名なジャズクラブが良質なライブ配信を提供しています。それぞれどんな様子なのか覗いてみたいと思います。

 

第一回は数年前から会員登録をして楽しんでいるニューヨークのジャズクラブ Smalle & MEZZROW です。

 

まずはSmalle & MEZZROWのサイト にアクセスしましょう。ライブスケジュールが表示されます。「LIVE NOW」の表示があればそこをクリックすることでライブストリームを観ることができます。

 

サイト上部のメニューから「Archive」を選ぶと登録画面が開きます。メールアドレスを登録してサインアップすると過去のライブの一覧が表示され、年月日や楽器、アーティスト名で検索して楽しむことができます。

 

 

「DONATE」のメニューからサポーターとしてのセッティングをすれば制限なしでアーカイブにアクセスすることができます。月額10ドルからの寄付が選べます。

 

こうして自宅に居ながら、現在のニューヨーク・ジャズシーンでバリバリ活動中の音楽に接することができます。複数のカメラからの映像が順に切り替えられ、いろいろな方向から演奏風景を観ることができます。画質・音質はそれなりではありますが、映像は大画面テレビ、音楽はアンプとスピーカーを通すとさらに臨場感を味わうことができます。

 

2024年01月14日

[LIVE] Seamus Blake 2009 11 20 & 2012 7 8

Seamus Blake のライブを聴く機会がこれまで2回ありました。強く印象に残るライブでしたので、旧HPに掲載していた当時のレポをまとめておこうと思います。

 

Seamus Blake 2009 11 20 水戸市 B2

 

Seamus Blake (Ts EWI)  Boris Kozlov (B)  Jonathan Blake (Drs)

筑波での長期研修中の休日に知人からライブ情報を得て水戸に初めて足を踏み入れました。カーナビのおかげで苦労せず到着、都会的な雰囲気のお店でした。予約席に案内してもらってステージに目をやると、ピアノの上にマックが3台、EWIが1台、エフェクター類に配線群、テナーはSBA、かなりなエレクトリックなライブになることが伺えます。Seamusはなにやら一生懸命EWIの調整をしてました。

 

メンバーがステージに上がると何というかSF的な雰囲気でスタート、1セット目はEWIで通したSeamusでした。機材の仕組みは良く分からなかったのですが、現在のテクノロジーを駆使した感じの演奏で凄かった。Boris Kozlovは6弦ベース1本でベースとギターとキーボードとパーカッションを同時に演奏してる感じ、Seamusも時にEWIやマックの調整を気にしながら、その場のフレーズをループさせてソロを重ねたり、ヘッドセットのマイクから吹き込んだ言葉がEWIでメロディーとなって出てくる。初めて観るそんなパフォーマンスに度肝を抜かれました。クロマチックなラインも完ぺきに歌ってるように聞こえてたので、音程はEWIでコントロールしていることが推測できました。あれがEWIボコーダーというものだったことは後に知りました。マイケルフリークらしく何度かマイケルの曲のフレーズを引用してました。ステップスアヘッドやウエザーリポートをたった3人でやってるように感じるところもありました。

 

お客さんは30人ぐらいだったでしょうか。初めてお会いするジャズ好きそうな方々といつの間にか席を近づけて仲良くさせていただきました。水戸の人っていいなあ。

 

セカンドセットではテナーとEWI半々ぐらいだったでしょうか。マウスピースはラバーで柔らかい音色でスピード感ある音の粒立ち、SBAらしいシャーッという音色、ほとんど生音でしたが横に立てたマイクからも少々拾ってたようでした。Seamusはバンクーバーの出身とBorisのMCで紹介されていましたが、いわゆるニューヨークテナーという感じの音の綴りで嬉しかったです。アンコールのGoodbye Pork Pie Hatが得意曲らしく素晴らしかったです。

 

この時の日本ツアーでのライブ映像がYouTubeに上がっていました。Seamusの恍惚の表情が良いですね。EWIボコーダーとはどういうものかよく分かります。

 

 

Seamus Blake Quartet 2012 7 8 水戸市 B2

Seamus Blake (ts) Orrin Evans (p) Matt Clohsey (b) Donald Edwards (d)

 

Seamusが再びB2で演奏すると知って予約し、近くに宿をとって山形から車で出かけました。水戸の知人と待ち合わせてB2へ。

今回はアコースティックなカルテットで、最近のライブアルバムでおなじみの曲を中心にした演奏でした。特にうれしかったのは、ウエインショーターの美女と野獣を演ってくれたこと。テナーの高音域でテーマを吹きだしたので、最後のあのフレーズをどう処理するのかと構えていたら超ハイトーンを駆使して吹き切ってしまい唖然とさせられました。今回も私のイメージにあるニューヨークを感じさせてくれる演奏に大満足の夜。写真はリハの風景をお店の外から撮影したものです。ますますファン度アップです。

ラバーのマウスピースでリガチャーは石森のものを使っていました。Seamusのお薦めで最新のライブ盤も後日入手しました。

2024年01月06日

[Listen] お薦めテナーアルバム10選+1

 テナーサックスの楽しみは良い演奏を聞くことから始まると思います。これからテナーサックス、ジャズミュージックを聞いてみようという方向けお薦めテナーサックスアルバムを選んでみることにしました。一言でジャズと言っても幅広く、多様なスタイルから自分でも繰り返し聞いているナイステナーなアルバムを選び、10枚+1にまとめました。

1 サキソフォン・コロッサス ソニー・ロリンズ 1956年

 ジャズ雑誌の必聴アルバム記事を参考に、初めてLPレコードで聞いたのは高校生の時でした。最初は2曲目のバラードが随分渋く聞こえて、1曲目のセントトーマスばかり繰り返し聞いていました。次第に他の演奏に良さを感じるようになり、今でも時々無性に聞きたくなるアルバムです。若きソニー・ロリンズはテナーサックスの音色の太さ、リズムの心地良さ、ジャズらしい音の綴りなどが魅力で、演奏者のお手本としてもナンバーワンでしょう。このアルバムはラテン、バラード、ミュディアム~アップテンポ、ブルースと違った雰囲気の曲で構成されていて楽しめます。

2 カインド・オブ・ブルー マイルス・デイビス 1959年

 ジャズの帝王と言われたトランペットのマイルス・デイビスの超有名作品です。テナーサックスのジョン・コルトレーン、アルトサックスのキャノンボール・アダレイが参加しています。同じ和音が続く上でより自由にアドリブ演奏するモード手法の始まりとされる作品で、空間的な広がりを感じさせる演奏が楽しめます。ソー・ファットのジョン・コルトレーンのテナーサックスソロに魅了されこの世界にハマりました。

3 ソウル・ステーション ハンク・モブレー 1960年

 ソニー・ロリンズよりも少しソフトな魅力を持つハンク・モブレーのワンホーンアルバムです。ソフトで流暢に聞こえるアドリブラインに巧みな技が組み込まれています。このアルバムに収録されているThis I Dig Of Youなど多くの名曲を生み出しており、時代を経て多くのミュージシャンがハンク・モブレーの曲集を録音しています。

4 テイキン・オフ ハービー・ハンコック 1962年

 ピアニストのハービー・ハンコックがジャズロックスタイルのオリジナル曲を収録している人気作品です。トランペットのフレディ・ハバードとテナーサックスのデクスター・ゴードンが参加しており、どっしりとしながらファンキーな味わいのテナーを聞かせます。

5 バラッズ ジョン・コルトレーン 1963年

 ジャズというと正面から真剣に聴き入る音楽という他に、お酒を飲みながらリラックスして聞くイメージがあると思います。そのどちらにもピッタリなアルバムです。バラードの名曲を高音域で叙情豊かに歌い上げるジョン・コルトレーン黄金カルテットの演奏に浸ってください。

6 ゲッツ/ジルベルト スタン・ゲッツ 1964年

 幅広い音楽性の持ち主であるテナー奏者スタン・ゲッツがブラジルのボサノバ歌手ジョアン・ジルベルトと制作したアルバムです。アストラッド・ジルベルトも2曲で歌っており、ボーカルとテナーサックスが心地よく絡むジャズボッサの人気作品です。

7 ヘビー・ウェザー ウェザー・リポート 1977年

 1960年代末からエレクトリック・ジャズと呼ばれる電子楽器を多用したスタイルが発展しました。中でもキーボードのジョー・ザヴィヌルとテナー&ソプラノサックスのウェイン・ショーターが中心となったグループであるウェザー・リポートは高い音楽性で注目されました。その代表作品がこれです。

8 ワインライト グローバー・ワシントン・Jr 1980年

 元祖スムース・ジャズとも言えるジャケット写真から連想できるようなメロウでお洒落な演奏が楽しめる超人気盤です。曲によってテナー、アルト、ソプラノサックスを持ち替えて演奏しています。ボーカル入りの5曲目は後に多くのミュージシャンにカバーされている人気曲です。

+1 ブルータートルの夢 スティング 1985年

 10枚選定のはずでしたが、時々無性に聞きたくなるアルバムを1枚付け加えます。超人気ロックバンドポリス解散後にソロ活動を始めたスティングがジャズ・フュージョン畑のミュージシャンで固めた強力バンドでリリースした最初のアルバムです。全編でブランフォード・マルサリスのテナー&ソプラノサックスが聴けます。

9 テイルズ・フロム・ザ・ハドソン マイケル・ブレッカー 1996年

 マイケル・ブレッカーは圧倒的なテクニックと表現力を兼ね備え、ジャンルを問わず幅広い活躍で人気ナンバーワン、その後のテナー奏者に大きな影響を与えています。リーダー作品の中で代表的なこのアルバムはグラミー賞を受賞しており、作曲者としての力量の高さも示しています。

10 ユニティ・バンド パット・メセニー 2012年

 1970年代後半からジャズシーンを牽引するギタリスト、パット・メセニーがサックス奏者を入れて録音した数少ないアルバムの一つです。サックス奏者世界ナンバーワンといわれるクリス・ポッターの超絶テナーが聴けます。

2024年01月03日

[LIVE] 日野照正 1980 12 9

1980年12月9日山形市での日野皓正コンサート、ジャズ・フュージョンに興味を持ち始めたばかりの高校生はえらく衝撃を受けました。特に印象に残ったテナー&ソプラノサックスがあのデイブ・リーブマンであったことは後に気が付くのですが、あれから40年超ジャズテナーにハマるきっかけになったことは間違いありません。

 

リーダーの日野さんはニューヨークの若手ミュージシャンと録音した『シティ・コネクション』『デイドリーム』などのアルバムをリリースし、出演しているウイスキーのCMもオンエアされていた頃でした。米沢のジャズ喫茶でチケットを入手し、吹奏楽部でトランペット吹いてる友人と一緒に行ったコンサートでした。

 

あれから40年を経て、YouTubeにNHK-FMでオンエアされた日野照正コンサート中野サンプラザ公演の音源を見つけ、放送日と内容からあの時のツアー音源であることを確認しました。生ジャズ初体験の感動を鮮明に思い出させてくれる熱い演奏で、メンバーはデイブ・リーブマン、ジョン・スコフィールド、アンソニー・ジャクソン・・・このツアーを生で聴いたのかと、あの日を追体験できることに感動しています。

 

山形公演では観客が総立ちのようになった場面もありました。デイブリーブマンが何かを日野さんに語りかけると、「デイブはここのお客さんはいいねと言っています。僕は東北の小さな街だからいいんだよと答えました。」といった日野さんのMCがあったことを覚えています。

 

メンバー:日野皓正(Cor)、David Liebman(Ts Ss)、Harry Whitaker(Key)、John Scofield(G)、Anthony Jackson(b)、Jerry Brown (drs)、Don Alias(Per)
part.1  1.Late Summer 2.Still Be Bop 3.Newsong
part.2 4.Freeland 5.Hino's Reggae 6.City Connection

 

 

 

山形公演は日野さんのMCでジョン・レノンの訃報を知ったことでも特別な日になりました。ジョン・レノンが殺害されたのはNY時間の12月8日夜で、日本時間では9日昼過ぎになる計算、その夜の日野照正山形公演だったわけです。

 

その数年後、大学生になってからクエストのライブで再びデイブ・リーブマンを拝聴しました。アンコールのSoftlyが強烈に印象に残っています。このアルバムは当時の音楽サークルで話題になっていました。

 

 

そして40年を経て、あの日のコンサートを思い出しながら、ストロベリー・フィールズ、ダコタ・ハウスを訪れる機会に恵まれたことも付け加えておきたいと思います。

 

2023年12月31日

[LIVE] 今井美樹 2023 11 3

今井美樹 CONCERT TOUR 2023

 11月3日やまぎん県民ホール(山形県総合文化芸術館)
 5年ぶりの全国ホールツアーに山形が入ってるのが嬉しいです。チケットはいつの間にか妻が取ってくれていました。

 今井美樹 「CONCERT TOUR 2018 "Sky"」 南陽市文化会館 の時はチケットが取れたものの,別の用事が入って娘に譲りましたので,2008年6月20日の新潟県民会館以来15年ぶり,あれからそんなに時が経ったのですね。

 会場は数年前に山形駅西口にオープンしたホールで今回初めて中に入りました。3階席まである立派なホールがほぼ満員,我々夫婦と似た年代のカップルが多くて,そうだよなーという感じでした。

 アップテンポな曲で盛り上がりたいと話してたのでので,幸せになりたいからスタートしてくれたのが嬉しかった。Fiesta辺りからのファンでドライブには必ず今井美樹という時期もありながらここ数年はあまり聞いてなかったので,久しぶりに大好きな音楽に浸り感動大でした。SAYONARAの行方などアルバムelfinの頃の曲のコピーバンドにサックスで参加したこともありました。アルバム毎にいろいろな思い出があります。

 MCではコロナ禍を経た再会の喜びが心に沁みました。私と同い年でこの美しさこの歌声,元気をもらったコンサートでした。

 

 今回のセットリストを音源付きで載せておきます。余韻に浸りながらiTunesでまとめてみました。今井美樹といえばこれという名曲は外せないわけですが,このツアー用のアレンジと音をホール用の音響設備で味わえるのは至高の時間です。アニバーサリー〜雨にキッスの花束をはアップテンポなメドレー、シャイな山形県民もスタンディングで楽しんでいました。

 ネット情報によると他の会場でも同様のセトリだったようです。


 当然ながら演奏クオリティーの高いバンドメンバーでした。鶴谷さんは20年,河野さんは15年のお付き合いだそう。若手の真壁さんのギターが印象に残りました。
 河野 圭 バンマス・キーボード
 鶴谷智生 ドラム
 真壁陽平 ギター
 越智俊介 ベース
 MCによると越智さんのお母さんは今井美樹さんと同い年だとか。

 

 昨年から公開されているドキュメンタリー映画「紅花の守人 いのちを染める」のナレーションを今井美樹さんが担当しているそうで,その関係の応援団がステージ近い真ん中の席を陣取って盛り上げていました。こちらもチェックしてみたいと思います。そんなこともあって山形来県は今年3回目だそうです。そう言えばドラマ冬の桜も山形県が舞台でした。是非また山形へお出でください。


今井美樹とサックス奏者

 本サイトのテーマであるサックス吹きに寄せて書いてみます。

 35年前このアルバムで彼女にハマりました。
洋楽のカバー集で曲のアレンジがかっこよく,こんな曲も歌えるのかと感動しました。選曲のセンスが素晴らしいのです。

 このアルバムのThe lady wants to know とCompany~Epilogueでは今は亡き名手Jake H Concepcionのサックスソロが聴けます。歌詞にコルトレーンやマイルスが出てくるのも楽しいです。

 マイケル・フランクスの原曲ではマイケル・ブレッカーのテナーソロが聴けます。

 イギリスで録音されたアルバム未来のこの曲にはテナーサックスのコートニー・パインが参加

 こちらでは渡辺貞夫さんのソロが聴けます。

 今井美樹初期のコンサートツアーではバンマスがサックス奏者の沢井原児さんで随所で吹きまくってました。コルトレーンやロリンズの研究本を出してる方です。

 

 ジャズボーカリスト今井美樹としてはこのアルバムがお勧め,ムーンリバー、ラブスコール等3曲で歌ってます。テナー&ソプラノサックスは鈴木央紹さん。

 美樹さんのオスカー・ピーターソン好きも有名ですね。

 最後に彼女が大好きというこの演奏をどうぞ。


思いついて作ったfiestaのオリジナルバージョン集です。

2023年11月04日

[LIVE] Michael Brecker Band 1987 4 14

マイケル・ブレッカー伝を読みながらあれこれ音源を探したりする中で見つけたCDが届きました。

Live At Roppongi Pit Inn,Tokyo April 14,1987

この日は初めてマイケルを生で観た日でした。学生時代の音楽サークル仲間と六本木まで出かけ、その場でカセットテープに録音した音源も残っています。下の写真の汚いメモ入りのがそれです。まだマイケル・ブレッカーのリーダーアルバムがリリースされる前で初めて聴く曲がほとんどでした。後から曲名が分かってカセットテープのインデックスに書き加えているのが分かると思います。

 

ブートであってもCDにするぐらいだから私のカセットテープ音源より音質が良いかも、どちらのセットを観たかは忘れましたが2セット入れ替えだった気がするので別セットが聴けるかもと思い注文してみました。
届いたCDとカセットテープを聴き比べてみたらズバリ同じセットでした。音質はCDの方が少しだけ良いようです。あの時の圧倒的な演奏に感動しカセットテープが擦り切れるぐらい聴いた音源なので、あちこち一緒に歌えるぐらいです。会場は観客の熱気と高揚感に溢れていたことを思い出し、この場にいたのだなーと感慨深いものがあります。

 

メンバーは下の写真のCD裏ジャケットにもあるようにこの5人です。

 

Micheal Brecker (ts EWI)
Mike Stern (g)
Jeff Andrews (b)
Kenny Kirkland (p)
Omer Hakim (drs)

 

マイケル伝によると、この後5月にはケニー・カークランドはスティングバンドに行ってしまい、後釜に20歳のジョーイ・カルデラッツォが抜擢されたとのこと。歴史的にも貴重な場だった気がします。
CDは2枚組でこの前日の音源の一部も収録されているようです。

 

この翌年だったか忘れましたが、昭和女子大学人見記念講堂を会場にしたマイケル・ブレッカーバンドコンサートにも行きました。会場内に音が反響しすぎてがっかりしたしたことを覚えています。

 

この時は六本木ピットインに2日間出演し数ステージ演奏しています。YouTubeにこのときの映像が上がっていたのでリンクしておきます。

2023年10月25日

[Transcription] In A Mellow Tone by Houston Parson

 5月に来日したブランフォード・マルサリスがアンコールで演奏したIn A Mellow Toneにノックアウトされてから、しばらくの間この曲の聴き比べにはまってました。

 

 その中印象に残ったのがHouston Personが参加しているオルガンのRhoda Scottのライブアルバム「Very Saxy」でのバージョンです。ソウルジャズの名手たちのリラックスしたライブ演奏が気持ちよくて音を拾ってみました。

 

Transcription In A Mellow Tone by Houston Parson (PDF)

 特に難しいことはしていません。初心者用教則本に出てきそうな2-5フレーズとストレートなブルーノートに強烈な説得力があります。ハーフタンギングの使い方も含め、この説得力を少しでも真似て身につけられればなあと思います。もう少し難しいことを入れるとStanley Turrentineになる感じでしょうか。



2023年10月21日

[BOOK] マイケル・ブレッカー伝

 ジャズライフ誌で日本版の発売を知り、すぐにネット予約したものが届きました。表紙裏見返しのこの文章、ジャストこの世代にグッと来ます。フュージョンブームの高校時代に存在を知ってから40年超のマイケルファン、関連する音源を聴き返しながら読み進めました。

 

1章「“マイケル・ブレッカー”への道」
 高校生マイケルは1966年テンプル大学でコルトレーンのコンサートを観ました。亡くなる前年のコルトレーンを浴び、人生を変えるような圧倒的な体験となったのだそうです。
 マイケルの演奏から各時代のコルトレーンの影響が聞き取れます。別ライブでは白人だからと入場を断られたエピソードも。

 

2章「大学生活とシカゴの悪夢」
 スタンゲッツの伝記ではドラッグまみれの荒んだ生活が続き、悲惨なエピソードばかりで気が滅入って読んでいられなくなったりするのですが、マイケルの周辺にもそういうことがあったという件です。かなりディープな薬物中毒だったことが記されていて、私が持っていたマイケルのイメージからすると驚きの内容です。

 

3章「ロフト・シーンとビッグ・アップルの夢」
 マンハッタンに移り住み、ドリームス、ホレス・シルバー、ビリー・コブハムのバンド等で注目を集めます。
 実はドリームスの2枚目とか存在も知りませんでした。聴いてみるとバラードナンバーでのソロが秀逸、この頃のマイケルが楽しめます。

 

4章「ブレッカー・ブラザーズ誕生」
 あらゆる音楽シーンで活躍するマイケルについて記されています。

 

5章「深まる薬物依存ー完璧なる8分音符のために」
 絶頂期と思いきやリハビリ施設へ、再出発とともに悲しい別れもありました。

 

6章「更生プログラム」
 麻薬から抜け出しステップス・アヘッドでの活躍。

 

7章「スーザンとの新たな人生」
 結婚、作曲、EWI、経営が難しかった伝説のセブンス・アベニュー・サウスが閉じられます。

読み進めながら、これもう一回聴かねば、これまだ聴いてない探さねば・・・時間がいくらあっても足りません。

 

8章「ソロ活動へー悪役マネージャーとEWI」
 満を持してのリーダーアルバム録音。1987年4月に初リーダーアルバム「マイケル・ブレッカー」が発売された後、ツアーバンドを組んで来日もしています。この時六本木ピットインで初めて生マイケル・ブレッカーを観ました。当時は凄すぎて正直何をやっているのか良く分かりませんでした。この時のプライベート録音がCDとして発売されていたり,動画が上がっていたりして,あの時のもの凄さを再確認しています。

 

9章「ポール・サイモン、そしてランディとのリユニオン」
 キーワードはアフリカ音楽、聴き馴染んだ作品が生み出された過程にワクワクします。
ジョー・ヘンダーソン論争、そんなことがあったとは辛くなります。マイケルのジョーヘンレスペクトは良く知られていたはずですが、ジョーヘン本人にそんな受け止め方をされていたとは・・・。

 1991から1992年にかけて、ポールサイモンのワールドツアーに参加しています。YouTubeにセントラルパークでの無料コンサートでの様子が上がっていました。マイケルはこのツアーでアフリカ音楽の影響を強く受けたとのことです。

 

10章「ジャズ・レジェンドたちとの邂逅」
 マッコイ・タイナー、ハービー・ハンコック、そしてエルビン・ジョーンズとの共演、ホレス・シルバーとの再会・・・。

 

11章「広がる地平」
 サキソフォン・サミット、ニアネス・オブ・ユー、ディレクションズ・イン・ミュージック、ソロ・パフォーマンス、アメリカン・ドリームス、クィンデクテット、ファーマーズ・マーケット・・・。常に新たな方向へ、限界への挑戦が続きます。

 この章の最後に出てくる2004年マウント・フジでのステップス・アヘッド。マイケルの腰の不調、時々背中に手をやる仕草が痛々しく見えてしまいます。

 

12章「病の軌跡ー聖地への旅」
 遺作となったアルバム「聖地への旅」の最終ミックスにゴーサインを出した4日後にマイケルは息を引き取ります。
 自宅の地下スタジオにはSBA3本とマークⅥ3本が残されていて、ティム・リースがメインのマークⅥを引き継いでいるとのこと。NYのジャズ・スタンダードで聴いたティム・リースはこのテナーを吹いていたのでしょうか。だとすれば、初めてのNY旅行の初日に間接的にマイケルに会えたことになります。
 この作品を聴こうとすると、どんな辛い思いをしながらの録音だったのだろうかと考えてしまい、なかなか楽しんでは聴けなかったのですが、この本からある程度様子が分かったことで、初めて良さを味わって聴けるようになった気がします。

2023年10月21日

[LIVE] やまがたジャズフェスティバル 2023 10 15

 やまがたジャズフェスティバル2023の2日目に行ってきました。初日は仕事が被って残念でした。
素晴らしいメンバーてんこ盛りです。サックスでは竹野昌邦さん、近藤和彦さん、岡崎昌典さん、大森明さん、伴田裕さん、つづらのあつしさん・・・・・・、雨も寒さも関係なし、雨ガッパを二重に着込んで会場入りしました。フードを被ると視界がステージに限定され、集音効果があるらしく音もよく聞こえ、かなり集中して聴くことができました。新たな発見です。

 

 2日目は3バンドが出演、ラテンの深井さんバンドでは竹野さんの期待通りのテナーが嬉しかったし、近藤さん6は強力リズムセクションに強力フロントで、変拍子を含むスピリチュアル感溢れるオリジナル曲が気に入りました。3管アレンジのNaimaも楽しませてくれました。そしてラスト、こんな本格的なビッグバンドを生で聴いたのはいつぶりでしょう。ボブ・ミンツァー・ビッグバンドバージョンのI Hear A Rhapsodyから始まり、つづらのさんのバリトンソロが熱かった。いろいろお世話になっている酒田市ご出身の紅一点Tp中西さんにも注目、ブルースのアドリブラインが極モダンで素晴らしかったです。
終演後、お久しぶりの方々に直接ご挨拶できたのも嬉しかった。毎年のようにライブを拝聴していたテナーの伴田裕さん、コロナ禍のライブ配信はありましたけど、直接お会いしたのは3年半ぶりになります。また村上楽屋で聴ける日を楽しみにしています。

 

 過去に山形国際ジャズフェスが開催された蔵王スキー場や天童運動公園とはまた違った山形駅のすぐ横という今回の会場、アクセスも良くなかなか良かったと思います。演奏中の撮影は禁止でしたので、バンド入れ替え時間に会場の外から写真を取ってみました。来年も開催されることを期待します。

2023年10月21日

[LIVE] 宮地スグル 2023 10 7

 CDはあれこれ聴いてますが、ライブでは初めての宮地スグルさんのテナー(+アルト&フルート)を楽しませてもらって来ました。宮地さんのバラード演奏をコピーしたりしているファンでして、演奏聴くのは勿論、休憩時間でのプチサックス談義も有意義な時間でした。現行NYテナー的なイメージでしたが、最近はオールドテイスト志向が強まっているらしく、演奏からもお話からもスタイルが変化する過程を感じるところがあって興味深かったです。

 今回ツアーのテーマとなっているニューCD「COOL BLLADS」も入手しました。皆さんにも聴いてもらいたい意欲作です。

 一曲目Naimaから始まるのが嬉しい。テナーソロに聴き入ります。
 二曲目 Summertime フルートやクラリネットを重ねたと思われるアレンジも楽しい。ギター田口さんのソロがまた素晴らしいです。
 三曲目 The Man I Love 昨夜はデュオでしたが同じアレンジで演奏してた様でした。宮地さんのオールドテイストシフトを感じます。
 テナー&ギター デュオがあったり、複雑なラインの長尺ユニゾンがあったり、聴きどころ満載。
新潟ジャズストリートでお馴染みの石渡さんのピアノも素晴らしい。という感じで期待以上に楽しませてくれる内容、皆さんにお勧めします。

 

 5月に小曽根さんカルテットでブランフォードを聴いた時、アンコールのIn A Mellow Toneがオールドテイスト好きなことも伝わってくる演奏で極感動しました。その奏者らしさの背景にいろんなタイプの奏者の影響が見え隠れするのも楽しいものです。

2023年10月21日

[LIVE] 羽根渕道広 2023 8 8 安保徹 8 9

 お盆前の3日間、仕事の予定が空いたので、夏季休暇取って夫婦で東京へ遊びに出かけました。昼は妻の夜は私の行きたいところへといういつものパターンです。

 ジャズクラブ巡り計画に役立ったこのサイト、ライブスケジュールの比較検索機能が素晴らしいです。期間とテナーサックスだけ選んで検索した結果がこちらです。

ジャズ資料館 ライブ検索結果 (jazzshiryokan.net)

 まだ生で聴いたことのないプレーヤー、ホテルからのアクセス等で選びました。
8月8日 羽根渕道広 (ts,fl), 三木成能 (p), 金子健 (b) 六本木 KEYSTONE CLUB 東京
8月9日 岡安芳明 (g), 安保徹 (ts), 吉田佳一 (p) 浅草 Jazz Bar SOULTRANE

 どちらのお店も初めてでして、キーストーンクラブはネット予約しておきました。六本木駅から徒歩10分ほど、インド料理のお店でした。
 ファーストセットでは、ドラムレストリオでトリステ、ボディ&ソウルなどのインストから始まりました。高い演奏技術に支えられた演奏内容で素晴らしい。そしてボーカルをフューチャー。セカンドセットではフルート&フェンダー・ローズでのスペイン、なかなか聴けない編成で楽しめました。
 休憩時間にHPでCD「habanero」を紹介しているのを見つけ、羽渕さんに声をかけ入手しました。後日アマゾンプライムで見つけたライブ番組も素晴らしい内容でお勧めです。DVDとしてリリースしたものが配信されているようです。これからの活躍にも注目したいと思います。


 浅草SoulTraneでは、岡安芳明(gt)さん、安保徹(Ts)さん、吉田佳一(pf)さん、聴きたくなるメンバーです。
 お店に着いたのはファーストセットの途中で、かなり音量を抑えた演奏に驚きました。バップのお手本のような演奏に浸ります。テナーは息使いがはっきり聞こえてるようなサブトーンでライブだから伝わるニュアンスを楽しみました。

 このお店はネーミングがずっと気になってまして、思ってた以上に良い感じのお店でした。テナーの安保さんは確か同い年のはず。HPのプロフィールによると、18歳でデクスターゴードンを聴いてテナープレーヤーを志し上京、大森明さんに師事したとのことです。テナーを始めたのは私と同時期ということになります。その後の鍛錬の程を想像すると頭が下がります。
 セカンドセットではコンファーメーション等の極スタンダードをやってくれました。帰り際に「あんな小さい音でよく吹けますね。」と声を掛けたら、「大きな音も出るよ」と笑わせてくれました。
 後日、安保さんのリーダーアルバム「MISTY NIGHT」を入手、味わいあるバップの演奏に聴き入りました。。

2023年10月21日

[LIVE] 小曽根真スーパーカルテット2023 5 17

 SNS情報から5月にサントリーホールで小曽根真とブランフォード・マルサリスが共演すると知ったものの,平日だし行くのは無理かなと思っていました。3月になって新年度の仕事のスケジュールが見えてくると休みが取れそうな感じです。予約サイトにアクセスしてみると前から2列目の席がまだ空いているではないですか。ファミリーマートでチケットをゲット,京橋付近にホテルも予約,新幹線も早割で予約・・・ということで行って参りました。

 ブランフォード・マルサリスをライブで聴くのはこれが3回目。1回目は1982年9月22日中野サンプラザホールでのウイントン・マルサリス・クインテット,マルサリスの肖像で衝撃的なデビューを飾ったマルサリス兄弟の初来日コンサートでした。下は私が所有しているこの時のパンフレットの1ページです。

 2回目は1988年10月東京ドームでのスティングバンド(Nothing Like The Sun World Tour In Japan)でしたので,35年ぶりになります。新型コロナウイルスの制限も解除され,何が何でも行かねばと準備しました。

 10年前の同メンバーでのライブアルバムがリリースされ,これを上回る演奏になるだろうとワクワクしながら予習する毎日でした。

 

 2023年5月17日(木),午後から年休を取りJR赤湯駅へ行くと山形新幹線が信号トラブルで大幅遅延とのこと。間に合いますようにと祈る気持ちで定刻から1時間ちょっと待って乗車,東京駅からタクシーを使い開演30分前に会場に到着できました。ああよかった。会場で10年ぶりの再会となる知人が声をかけて下さり,こちらも嬉しかったです。

 1階席途中の横からメンバーが入場し真ん中の通路を歩いてステージへ,いよいよです。

 世界一のタイム,音色,アイディア,表現力,反応,自由さ・・・,凄まじくカッコよい珠玉の演奏が続きます。予習していた曲も幾つか演奏され,メンバーが再演を楽しみながらアップデートしているような味わいを感じました。Pandoraではソプラノに持ち替え,とにかく素晴らしいとしか言いようのないブランフォード,楽しい~,幸せ~,来てよかった~。ジャズの歴史を全て消化したずっと先にこの音楽がある,そんな印象を受ける演奏でした。感動を上手く表せる語彙がありません。

 小曽根さんのMCによると,ブランフォードは前日に来日するはずが飛行機が飛ばず,今日の昼過ぎに羽田に到着したとのこと,時差ボケもあるだろうに凄すぎます。演奏中の足の踏み方,吹いていないときの所作等にも注目,ずっとブランフォードを見つめていました。

 2セット終えてアンコールに応え「何か知ってる曲をやりましょう。」とIn a Mellow Tone,ウン十年前のジャズライフ誌のインタビューでベン・ウエブスターについて語っていたことを思い出しました。今回の演奏もアルバムとしてリリースされることを望みます。

 下はセットリストです。

 ツイッターを検索してみると同じ感動を味わった方々の感想がたくさん発信されています。こんな写真も上がってました。拝借させていただきす。

 こちらはセット間休憩時間に撮影したブランフォードの楽器です。テナーはリリースされたばかりのセルマーSupremeらしいとの情報有。ソプラノもセルマー。

 ジャズの歴史の一幕に立ち会ったような気分でした。

 

2023年05月21日

[Transcription] Isfahan by Billy Pierce

 アート・ブレイキー&ジャズ・メッセンジャーズやトニー・ウイリアムス・バンドでの活躍,そしてバークリー音楽大学の先生としても知られるビリー・ピアースのソロをコピーしてみました。

 曲はIsfahan。新潟ジャズストリートでの演奏曲に入れるお約束であるデューク・エリントナンバーからこの曲を選びました。なかなか手ごわい曲でして,いくつか聴き比べ,下のアルバムの10曲目,ビリー・ピアースのソプラノサックスでの演奏をアドリブソロの参考としました。

 この音源からアドリブソロ2コーラスの採譜です。

Transcriptnion Isfahan by Billy Pierce

 音を採ってみてなるほどなあと思ったラインをいくつか並べてみます。

1 #5を強調しておいて半音下がって9thに解決する例

2 コード進行に合わせてモチーフを半音ずらす例

3 2と同じようにモチーフを半音ずらして裏コード的に用いる例

4 上下から半音あるいは全音でサンドイッチしてコードの3度の音を強調する例

5 随所の早いパッセージに組み込まれたクロマチックラインの一例。モダンな浮遊感を醸し出すスパイスとして効いているようです。

 

 他にも,3連符の4つ取りフレーズやブルーノート,ディミニッシュ,常套句的なリックなど参考にしたい音使いがいろいろあります。譜面から見つけ出してみてください。


 ビリー・ピアースはバークリーオールスターズで来日した際に生で拝聴しました。締めくくりにビリー・ピアースが参加している歴史的なバンドのライブ映像にリンクを貼りました。若きブランフォード・マルサリスのアルトサックスソロにも注目です。






2023年03月24日

[LIVE] 髙橋徹トリオ 2023 3 4

 酒田市ご出身の髙橋徹さんのライブ,今回は日本が誇るジャズトップテナーの一人である岡崎正典さんを土曜の夜に拝聴できるということで,会場のジャス喫茶オクテットに予約を取って楽しみにしていました。開演10分前ぐらいにお店に入りましたが運良く岡崎さんの真ん前の席に陣取ることができて,バンドのサウンド,岡崎さんの奏法,髙橋さんのMC等じっくりと楽しませていただきました。

 リーダーの髙橋さんはドラマーでありながら大のサックス好きだそうで,コルトレーン,モブレー,ロリンズ所縁の選曲やMCの随所にそれが出てきて嬉しくなりました。シーダズソングフルートとか私も演ってみたいと思います。オルガンの平手さんはうちの長男と同い年ぐらいの若手ながら,素晴らしい感性とテクニックを披露していました。名古屋から全国区へ活躍の場を広げている注目株のミュージシャンとのことです。髙橋さんのMCにあった,ハーレムノクターンへ持つイメージのジェネレーションギャップの話題とか楽しかった。

 岡崎さんのテナーは今回初めて生で聴きました。音色,アドリブライン~ズバリ好みのど真ん中,ハイノートのラインには最近のニューヨークテナーを感じさせるものがありました。ダブルリップのように見えたので演奏が終わってから聞いてみたら「上の歯あててます。唇が薄いのでそうみえるのでは~。」とのこと。岡崎さんと池田さんのYouTubeサックス談義シリーズ観てますよ~と言ったら,「編集が大変で~」とのことでした。

 せっかくなので,髙橋さん,岡崎さんのリーダーアルバムCD2枚ゲットして帰って来ました。是非また山形へおいで下さい。



2023年03月21日

[Movie] BLUE GIANT

 

 2023.2.18 午後から出かけ、山形市ソラリスにて映画BLUE GIANTを観てきました。

 一言で言って凄かった。漫画がアニメ化されると聞いた時、がっかりするような音楽になりませんようにと思っていました。上原ひろみさんが音楽担当と知って期待感がグッと高まり、それを上回るものでした。

 最初に流れる曲がImpressionsというのも嬉しかったです。原作の最初の方が端折られていますが、単行本で読んだストーリーが浮かんできて、おにぎりを手渡すシーンで涙が出てしまいました。最大の見どころは臨場感にあふれたライブシーンです。最後のライブシーンだけは原作と違い感動させられました。

 これから観ようという方々のためにこれぐらいでやめておきますが、一つだけ、エンドロールが始まっても退席せずに最後まで観ましょう。

 写真はレコードジャケット仕立てのパンフレット、後日手に入れたTシャツ

 

 

大のテナーサックスを演奏している馬場さんのインタビュー記事

 

BLUE GIANT (オリジナル・サウンドトラック)

 

First Noteは7/8拍子のスリリングな曲、ドラムを始めてまだ1年?の玉田の上達が凄すぎます(笑)。

 

 

BLUE BIANT 公式サイト

2023年02月26日

[Transcription] Everything Happens To Me by Scott Hamilton

スコットハミルトンについては以前ライブで拝聴した際こちらに書きました。

滑らかで聞き心地の良いアドリブラインは非常に参考になります。

Everything Happens To Meの参考音源を探していてこれを見つけました。美しいバップフレーズ,深いサブトーンと3連符の強調が印象的です。

 

採譜した譜面のPDFはこちらです。

Transcription Everything Happens To Me by Scott Mamilton (PDF)

採譜してみて感じたのは,結構省エネなラインの組み立てをしているのだな~ということです。

例えば,同じ音使いでオクターブ上に重ねるライン。覚えやすいですね。C7のb9からFM7の5度に半音で下がって解決するところも滑らかです。

クロマチック+ブルーノートスケール これも味があって覚えやすく,ほぼ同じラインが2回出てきます。

そして,クロマチックで下がるエンディング

常套句なリックはこんな風に挟めば良いのだよ~と あちこちで示してくれています。

2022年11月01日

[EWI] In A Sentimental Mood by Micheal Brecker

自分でもびっくり,存在も忘れていたウン十年前のスクラップファイルの中にありました。ジャズライフ誌の記事のスクラップです。ちょっとお宝かもしれないと思いまして,とりあえず,スキャナーで読み込んだ画像(JPG)を貼り付けておきます。


何度聴いても素晴らしいあの音源です。


実際にEWIで真似して演奏しみると,マイケルはEWIの音域の広さを上手く利用してことが分かります。特に分かりやすいのはこの部分でしょう。簡単なフレーズを1オクターブずつ上げて3回演奏した後,別フレーズを1オクターブずつ下げながら一気に6回高速で演奏しています。この急上昇~急降下感は強烈です。左手親指でオクターブローラーを操作しながら同じ運指を繰り返せばよいのですが,親指をずらす範囲が大きくなるので慣れが必要です。

 

上に貼り付けたスコア画像はinCで記譜してありますので,テナー奏者用にinBbに書き換えてみました。

In A Sentimental Mood by Micheal Brecker inBb (PDF)

 

2022年05月06日

[Transcription] Speak Low by Hank Mobley


Speak Low, モーダルな雰囲気でコルトレーン系と呼ばれるテナー奏者に名演が多い曲です。演奏してみると,同じコード進行が繰り返される部分でネタに尽き,冗長なソロになってしまいがちです。レジェンドに学ぼうということでHank Mobleyのソロを採譜してみました。

 

参考にした音源はこちらです。Grant Greenのギターがアップテンポでテーマメロディーを奏でた後,ソロの一番手に登場します。

 

採譜した譜面のPDFはこちらです。

Transcription Speak Low by Hank Mobley (PDF)

全体的にバップフレーズが美しく流れるアドリブラインです。時折一拍半のフレーズを挟むのも親しみやすく感じます。

 

私的課題のAm7-D7の繰り返しの部分に注目してみました。

次の2例では,D7一発と捉えて,オルタードスケール的な音使い,オルタードを挟んだクロマチックラインを使用しているようです。こうしたラインが緊張感を生み,リスナーを引き付けるのでしょう。

 

こちらでは,お馴染みHWディミニッシュスケールのパターンを演奏しています。

2022年05月04日

[Session] Syncroom

ヤマハのシンクルームを使ってオンラインのセッションやバンドリハをする機会が増えてきました。ちょっと間が空くと「設定どうするんだっけ?」となりがちなので,覚書のつもりでまとめておこうと思います。

 

まず,アプリケーションはこちらからダウンロードします。

YAMAHA SYNCROOM

 

使い方はヤマハがYouTubeに上げている動画シリーズが分かりやすいです。

【Let's ENJOY SYNCROOM】 Vol.1 - ダウンロードしてみた

【Let's ENJOY SYNCROOM】 Vol.2 - 初めて起動させてみた

【Let's ENJOY SYNCROOM】 Vol.3 - まずは音を出してみた

【Let's ENJOY SYNCROOM】 Vol.4 - セッションをしてみた

【Let's ENJOY SYNCROOM】 Vol.5 - オーディオインターフェースに繋いでみた

【Let's ENJOY SYNCROOM】 Vol.6 - セッションに便利な機能を使ってみた

【Let's ENJOY SYNCROOM】 Vol.7 - ネットワーク編|セッションをより快適に楽しむコツ

【Let's ENJOY SYNCROOM】 Vol.8 - 遅延・音質編|セッションをより快適に楽しむコツ

【Let's ENJOY SYNCROOM】 Vol.9 - モニタリング設定編|セッションをより快適に楽しむコツ

【Let's ENJOY SYNCROOM】 Vol.10 - DAW(Cubase)と繋げてみた|VSTプラグインの使い方

 

私の場合,特に参考になったのはVol.8のバッファサイズの調整についてでした。ぷつぷつ音切れしない程度で最小の値を選ぶことでスムーズなセッションができています。

 

機材環境はこんな感じ,オーディオインターフェイスはsteinbergUR22mk,サックスのマイクはaudio-technica ATM350U,PCは青い平型LANケーブル6A15mで光回線に接続

 

最近のオンラインセッション時のPC画面と,同時に別端末(iPad)で行っているFacebook MessngerでのGroup video chatの様子です。ドラムとキーボードはステレオ設定で,ヘッドホンから広がって聞こえてきて気持ち良く演奏できます。サックスに少しリバーブをかけるとライブ感が得られます。会話はサックスマイクに口を近づけてしています。

 


 

Syncroomの設定は現在こんな様子,ほとんど違和感なくセッションができています。ビデオチャットの方はSyncroomよりも遅延があるので音は出さずに映像だけ。これがあると一緒に演奏している感が増します。まだ試行錯誤中なので,設定は今後多少変わってくるでしょう。

 

 

自室に居ながら快適にセッションできてしまう楽しさ,有難い限りです。

 

2022年03月06日

[Instrument] Keyboard

10年程前に次男に買ってあげた廉価なキーボード(YAMAHA PSR-E244)です。あまり使わなかった様子で,引っ越しの邪魔になるというので引き取り,ネットでスタンドと譜面台を調達しました。

 

以前使用していたローランドのデジタルピアノは壊れて捨ててしまったので,これが手に入ってちょっと嬉しい気分です。鍵盤楽器はまともには弾けませんが,サックスの演奏につながるよう役立てたいものです。

管楽器吹きがやるべきは和音に親しむことでしょう。メロディーフェイクするにもアドリブするにも曲のコード進行を覚えることが必要ですが,サックスでベースラインやアルペジオを吹く練習だけではなかなかコードのつながりが捉えられません。指先でコードトーンを探しながらでも,キーボードでコード進行を追っていると,その流れが聞こえてきて曲の理解に役立ちます。

下のように譜面上で上下移動が少ないコードトーンの並びにすると,鍵盤上で指の横方向の移動が少なくなり,ピアノが弾けない者でも楽にコードが押さえられます。赤矢印のようにガイドトーンが半音移動している様子も,触って音を確認できて楽しいです。

 

コードの抑え方について解説しているサイトがたくさんあるので参考になります。

 

移調楽器であるテナーサックスはinBbなので,-2トランスポーズの設定にすれば,キーボードでも同じ譜面で演奏できて便利です。

 

付属のメトロノームやリズムマシンの機能はサックスの練習でも楽しめます。EWI用に使用しているキーボードアンプを繋げば結構迫力のあるリズムマシンになるでしょう。

 

 

2022年02月27日

[Transcription] One Man Woman by Micheal Brecker

ボーカルバンドのサポートでサックスを吹く機会,曲のイントロや短めのソロをカッコよく決めたい。そんな時の教科書的存在はマイケル・ブレッカーでしょう。カーリー・サイモンのアルバムはマイケルが参加しているものが多く,メチャクチャにかっこ良くて繰り返し聴いてきました。ドライブミュージックに欠かせません。ペンタトニックとブルーノート,そしてフラジオのあの使い方に,少しでも近づきたいものです。この曲はコードチェンジが少なく,一発コード上でアドリブしているように聞こえるので,どうしてあんなにカッコよいのか,その肝となるポイントを捉えやすいのではと考え採譜してみました。

採譜した譜面のPDFはこちらです。

Transcription One Man Woman by Micheal Brecker (PDF)

基音源を聴いてみましょう。

 

曲の頭からマイケル登場! ルート音のフラジオGがグッとくるマイケルらしいかっこよさです。

 

曲のエンディングでマイケルのソロが聴けます。ブルーノートの使い方に注目してみました。

フラジオのルート音Aからブルーノート(b3)に下がる定番フレーズが強力です。ブルーノート(b3 b7)をどのように挟むとファンキーな感じが出せるのか参考にしたいものです。3度からb3度の音に下がる音使いを多用していて,この2音をベンドダウンするように滑らかにつなぎ,ファンキーさを醸し出しています。タンギングの入れ方にもコツがあるようです。

 

こちらでは上記と逆にb3度から3度にベンドするように上がる音使いが出てきます。さらにブルーノート(b5)も出てきます。ところどころピッチを下げて演奏しているところも真似てみましょう。

同じようなフレーズが繰り返し出てきますが,リズムやアーティキュレーションを変えて演奏しているところがまたかっこよく,参考にしたいものです。

2022年01月23日

[Listen] 10 CD to know John Coltrane

John Coltraneを知るCD10枚

 ジャムセッションに参加した際,若いプレーヤーとの会話から思いつきまして,レジェンド、ジョン・コルトレーンを知ってもらうための10枚を選定してみました。トレーン縁の曲はジャムセッション等でも頻繁に演奏されていまして、一通りトレーンを聴くことはジャズプレーヤーとして必要なことの一つでしょう。自己のスタイルを探求しながら突き進むトレーンの世界を楽しみましょう。各年代の代表的録音と思えるものをリストアップしてみました。

 

1 'Round About Midnight (Miles Davis) 1955~1956年

 ソニー・ロリンズが雲隠れ中のため,代わりにマイルスバンドに抜擢されたトレーンが参加しています。2曲目のAh-Leu-Chaがマイルス・デイビスとの初録音のようです。マイルスに続く2コーラスのソロは実に端正に組み立てられています。Dear Old Stockholmのソロ中ではWhile My Lady Sleepsのメロディーを引用しています。この後、代表的な引用ネタとして著名なテナー奏者達がアドリブ内に組み込んで演奏しています。よくトレーンを無骨な硬い音色という人がいますが、どうなのでしょうか。冒頭タイトル曲を聴くと,マイルスが吹くテーマのメロディーに重ねたオブリガードから,実に豊かで心地良い音色です。しっかり味わって欲しいものです。収録曲は'Round About Midnight All of You Bye Bye Blackbirdなど、50年代中期のトレーンが楽しめます。
 マイルス・デイビスの同メンバーでのプレスティッジ マラソンセッション4枚はセッション曲の源泉です。Relaxin(If I Were A Bell Oleo It Could Happen to You 他)Workin'(It Never Entered My Mind Four In Your Own Sweet Way Trane's Blues Half Nelson 他) Cookin'(My Funny Valentine Airegin Tune Up 他)Steamin'(Sault Peanuts Well You Needn't 他)

 

2 Coltrane Prestige 7105 1957

 初々しい感じのジャケット写真、2枚目は30歳トレーンの初リーダー作品です。マットデニスの名曲 Violets for Your Furs は、この頃のトレーンのバラードでの表現技法を深く味わえる名演です。Balladsなどインパルス時代のバラード演奏と比較して聴くのも面白いでしょう。コンビネーション・オブ・ディミニッシュ(HWディミニッシュ)の使い方のお手本にもなる演奏です。引用メロディーとして流行らせた曲、 While My Lady Sleepsも収録しています。同日(1957年5月31日)に録音された I Hear a RhapsodyはなぜかLush Lifeに収録されていますが、このアルバムの一部と思って愛聴しています。人気盤 Blue Train(Blue Train Moment's Notice 他) Soultrane(Good Bait I Want Talk About You Theme for Ernie 他) も同路線のアルバムと言えると思います。

 

3 At Carnegie Hall (The Thelonious Monk Quartet) 1957年

 50年代後期、57~59年あたりは録音が多くて、多彩なジャズメンとの共演を聞き比べることができます。その中でも、モンクとトレーンの深い関係はジャズ雑誌等でよく語られるネタであり、そのライブの素晴しさは伝説となっていました。2005年、ラジオ放送のために録音されたテープが発見されCDとして世に出されました。演奏内容の凄まじさでは、妻のナイーマが録音していたという翌58年のライブ Live at the Five Spot Discovery(The Thelonious Monk Quartet) (In Walked Bud I Mean You Epistrophy 他)の方が上ですが、録音状態を考えてこちらを選びました。ギター好きな方はKenny Burrel & John Coltrane(Freight Trane Why Was I Born 他)、ビブラフォンならBags & Trane(Three Little Words 他)と共演楽器で聴いたり、マイルス、ビルエバンスとの1958Miles(On Green Dolphin Street Stella by Starlight Love for Sale 他)やKind of Blue(So What All Blues 他)、タッドダメロンとのMating Call(Soultrane 他)、キャノンボールアダレイとのCannonball Adderley Quintet in Chicago (Cannonball Adderley)(Stars Fell on Alabama Wabash You're a Weaver of Dreams 他)など、好きなジャズマンとの共演を選ぶのも良いでしょう。

 

4 Giant Steps 1959年

 マイルスから離れ、溢れるアイディアを試すかのような意欲作をリリースし続けたアトランティック時代です。コルトレーンを知るという意味では、コルトレーンチェンジで衝撃を与え、名バラッドNaimaでうっとりさせる、初の全曲オリジナル作品Giant Stepsと、タイトル曲で人気を得たMy Favorite Thingsの2枚を選びました。さて、タイトル曲Giant Stepsはコルトレーンチェンジが醸し出す浮遊感とアップテンポの疾走感が素晴しい演奏です。コルトレーンチェンジについてはある程度取り組んでみていますが、正直いうとアルペジオ練習用の上級者エチュードのように感じて辛くなります。いつか人前で演奏してみたいと思いながらウン十年が経過しています。Countdownもやたら速くて難しくて、演奏者としてはちょっと近寄りがたい世界です。この次にリリースした作品、歌心溢れるMy Shining HourやLike Sonny Some Other Bluesなどを収録しているColtrane Jazzの方がリラックスしていて楽しく聴けるかもしれません。

 

5 My Favorite Things 1960年

 My Favorite Thingsは高校2年生のときにFMラジオ(NHK軽音楽をあなたに)で聴いたのが初めてでした。YMOからインストに入ってボブジェームス等のフュージョンに目覚めた頃、たまたま耳にしたこの曲に妙に引き付けられたことを覚えています。ペダルトーン上でモーダルに響くソプラノサックスの浮遊感に引き付けられたのでしょう。聴く者の感性に訴えてくるところが広く人気を呼んだのだと思います。深い絆で結ばれるマッコイ・タイナ−、エルビン・ジョーンズが参加しての初レコーディングです。スタンダード集みたいに見えてまったく違う雰囲気なのが特徴的です。アトランティック時代の他の作品でもスタンダードチューンが多く録音されていますが、コルトレーンチェンジを組み込んだり、独自のリハーモナイズをしたりと、二ひねり三ひねりもされていて、その辺を聴くのも面白いところです。大成功もあれば、やり過ぎだなーと感じるものもありますがどうでしょう。ひねり過ぎて曲名を変えたりもしてますので、わかる範囲で並べてみようと思います。Countdown(Tune Up)〔Giant Stepsに収録〕 Fifth House(Hot House)〔Coltrane Jazzに収録〕 My Favorite Things Every Time We Say Goodbye Summertime But Not for Me〔My Favorite Thingsに収録〕 The Night Has a Thousand Eyes Liberia(A Night In Tunisia) Body and Soul Satellite(How High The Moon) 26-2(Confirmation)〔Coltrane's Soundに収録〕 トレーン流ブルース集Coltrane Plays The Bluseも味わい深いです。

 

6 Live at the Village Vanguard 1961年

 1961年11月1, 2, 3, 5日の4日間のライブ録音から選りすぐりの3曲が収録されたアルバムです。ソプラノで演奏されるSoftly As In A Morning Sunriseの吹きっぷりに感動して、Chasin' The Traneでこの頃のブルーススタイルに浸りましょう。このアルバムでトレーンの魅力の一つであるスピリチュアルな高揚感にはまると、4日間にわたるライブの全容が知りたくなります。この4日間の記録であるThe Complete 1961 Village Vanguard Recordingsはトレーンファンなら持っていたいセットです。曲目、メンバー、テンポなど、その全様から、ライブが表現の場であるとともに実験の場であったことも伺えますし、よく言われているEric Dolphyからの影響その他についても、聴き取れるように感じます。アップテンポなピアノトリオにソプラノで乱入しモーダルに吹きまくるここでのSoftlyの演奏スタイルは、翌1962年11月オーストリアでのライブ盤The Complete Graz Concert Vol1.2のAutumn Leavesでも聴くことができます。

 

7 Ballads 1961~1962年

 トレーンのバラッド演奏が胸にグッと来るそのツボはどこにあるのか、数々のテナー奏者達が研究を重ね、譜面や解説となって世に出ています。 そうした資料を手に入れ、眺めながら聴いたり真似てみたりするのも楽しみの一つです。オリジナルメロディーを大切にした実にシンプルで絶妙な歌い方に感動させられますし、そのニュアンスは後続する著名なテナー奏者のバラッド演奏の随所からも聴き取ることができます。ファラオ・サンダースはその代表選手といえるでしょう。曲目 Say It You Don't Know What Love Is Too Young to Go Steady All or Nothing at All  I Wish I Knew What's New? It's Easy to Remember Nancy 同年録音のColtraneに収録されているバラッドSoul Eyesも同様の魅力を持つ演奏です。

 

8 Crecent 1964年

 1961年以降はヨーロッパツアーを繰り返し、そのライブ音源が多く出ています。アメリカとヨーロッパを往復する中で上記のColtrane(1962年) Ballads(1962年) Duke Ellinton & John Coltrane(1962年) John Coltrane & Johnny Hartman(1963年)といったアルバムが録音されています。ヨーロッパやアメリカでのライブでは激しい演奏だったようですが、これら一連のスタジオ録音は対照的とも言え、インパルスの売れ筋静寂路線だったという説もあるようです。そうした流れの延長上にあるのがこのCrecent(1964年)かもしれません。しかし、なんと言うか、訴えて来るものが違います。美しく深く緻密で濃い、至高の芸術作品であると言ってしまいましょう。学生時代に初めて聴いたときから変わらず大好きで、コルトレーン作品を1枚選べと言われたらこれ、特にタイトル曲は何度聴いても引き込まれます。ちなみに、この頃の数あるライブ盤から1枚選ぶとすれば、ニューポート・ジャズ・フェスティバルでのライブ、Newport'63になるでしょうか。静寂なスタジオ録音盤との対比として聴いてみるのも面白いと思います。

 

9 A Love Supreme 1964年

 ジョン・コルトレーンの最高傑作と呼ばれる作品、日本版のタイトルは「至上の愛」、この崇高なネーミングに聴く前から身構えてしまうかもしれません。Supremeを英和辞書で引いてみるとやはりそういう意味の言葉らしく、トレーンの思い入れの程を想像できます。マイナーブルースのPursuanceなど、4パートからなるこの組曲を通して聴いた後「A Love Supreme」と繰り返し呟くようになれば、もう立派なトレーン信者の一人です。ヘッドフォンを付けて一番最後に現れるオーバーダビング左右二人コルトレーンに身悶えるのもいいでしょう。アシュリー・カーン著、「ジョン・コルトレーン『至上の愛』の真実」を読めば、さらにその世界に浸ることができます。これからこのCDを購入しようという方にはCD2枚組みデラックス・エディションをお勧めします。2枚目に収録されている1965年の仏アンティーブ・ジャズ・フェスにおけるライヴ音源を初めて聴いたときは腰が抜けそうになりました。

 

10 Transition 1965年

 アマチュアテナー吹きとしては1960年ぐらいまでのトレーンが比較的参考にし易いこともあり、A Love Supreme以降の作品にはまだ聴いていないものもあるのですが、強力なインパクトを与えてくれるこの作品を本企画の締めくくりに選びました。嵐のようなタイトル曲Transitionには、それまでの激しさとまた一味違う魅力を感じます。スタジオ録音でここまで高音域を駆使した演奏があったでしょうか。このこと一つ挙げてもトレーンの演奏技術がどんどん進化していることがわかります。音の綴りを追っていると、マイケル・ブレッカーはこの頃のトレーンからかなりの影響を受けていたのではないかと思えてきます。激しさの後は、トレーンのベスト・バラッドともいえるDear Lord(日本版にのみ収録)でうっとりさせる、この対比もたまりません。3曲目Suite - a) Prayer and Meditation - Day b) Peace and After c) Prayer and Meditation - Evening d) Affirmation e) Prayer and Meditation - 4 AMは20分を超え、A Love Supremeの様な組曲となっています。ここでのトレーンの音色を聴いているとハードラバーのマウスピースを使っているように聞こえますが,いかがでしょう。

 

 読み返してみて、1955年から65年まで、たった10年間の作品群であることに驚いています。その間、凄まじいスピードで進化していたことを再確認しました。こんな風に整理してみることでますますコルトレーンが好きになった気がします。この先繰り返し聴く事でまた新たな理解も生まれることと思います。まだコルトレーンをあまり聴いたことがないという方への道案内の一つになればうれしいです。

 

2007〜2008年に旧サイトに掲載したものを再構築しました。

2022年01月20日

[Transcription] Driftin' by Dexter Gordon

Herbie Hancockの名曲Driftin',いろいろなプレーヤーの演奏を聴き比べていました。かっこ良い演奏が多い中から原点であるDexter Gordonのアドリブソロを採譜してみました。Dexterの演奏を記譜しようとすると,独特のレイドバックしたタイムのニュアンスを表現するのが難しくなります。ここでは冒頭の二小節からそれにぶち当たり,大雑把な音符になっています。音源を聴きながらニュアンスを真似て吹くしかありません。

採譜した譜面のPDFはこちらです。

Transcription Driftin' by Dexter Gordon (PDF)

特に注目した音使いから二つを取り上げてみます。

Fへ解決する2-5でオーグメント#5を吹いています。50年代コルトレーンもよくやっていました。トニックの9thに半音で下がって解決します。キーF上のブルーノート(b3)とも捉えられます。

 

こちらも同じ2-5です。ここではGm7のところでDb7を想定しているようです。C7へ裏コード的に半音下がってくるライン,ジャズっぽいですね。

 

 

 

2022年01月08日

[Play List] Vocalese

カーラジオでたまたま耳にした,ホセ・ジェームズのイクイノックスに極めて感動しまして,ヴォーカリーズのプレーリストをつくってみました。

こちらのリンク先 に,ホセ・ジェームズがコルトレーンの音源に合わせて歌っている動画があります。この完成度に到達するまでのことを想像すると,コルトレーンへの深いオマージュを感じ,コルトレーンファンとしてうれしくなります。イクイノックスとセントラルパークウエストという選曲も素晴らしいです。

ボーカリーズといえばマンハッタン・トランスファーですね。数ある中から,サックス奏者のソロを歌っている曲を並べました。チャーリー・パーカー,コールマン・ホーキンス,ウエイン・ショーター達のソロを歌っています。

先にインストの名演があって,そのメロディーやアドリブラインに歌詞を載せて歌っているわけですが,コンファーメーションもボディー・アンド・ソウルも,高校時代にヒットしていたマンハッタントランスファーの演奏に触れたのが先でした。あれからウン十年,こんな長いこと向き合う曲になるとは,あの頃は想像できませんでした。

改めてヴォーカリーズについて調べてみると,思ってたよりも歴史が古くて,聴いてみたい作品いろいろです。音源を見つけたら,このリストに加えていこうと思います。

2021年12月30日

[Transcription] Englishman In New York by Branford Marsalis

偉大なロックバンド,ポリス解散後,スティングが新たに組んだバンドへ,ブランフォード・マルサリス,ケニー・カークランド,オマー・ハキム,ダリル・ジョーンズといった,当時大活躍のジャズ畑若手ミュージシャンが参加し注目を集めました。1985年のアルバム「ブルー・タートルの夢」が大ヒット,バンド結成~初ライブまでのドキュメンタリー映画「ブリング・オン・ザ・ナイト」も制作されました。吉祥寺の映画館にサークル仲間で観に行ったことを思い出します。

1987年のアルバム「ナッシング・ライク・ザ・サン」の3曲目に収録されている,超名曲「イングリッシュマン・イン・ニューヨーク」から,ブランフォード・マルサリスのソプラノソロ部分を書き出しました。イントロ,スティングのボーカルへの絡み,全てがかっこよく,歌伴サックスの超お手本と言われています。ストリングスが入ったクラシック風なアレンジで淡々と曲が流れ,ブリッジで盛り上げた後,突如フォービートを刻みソプラノサックスのソロが始まります。フォービートで数えて16小節の短いソロですが,強烈に印象に残るのは何故なのでしょう。曲の良さもありますが,サックスの演奏技法から見てみましょう。

 

 

音を拾って譜面にするとこんな感じです。

Transcription Englishman In New York by Branford Marsalis (PDF)

まず最初に,クラシックもマスターしているブランフォードの演奏技術の高さ,音色の美しさが上げられます。音を拾うために音源のテンポを思いっきり落としてみても,タンギングにぶれるところがなく,アドリブラインに感じるグルーブも変わりません。

次にアドリブライン組み立ての巧みさです。親しみやすいメロディーに,リズミックな遊びで心地良い変化を生んでいます。出だし2小節のモチーフを3回繰り返していますが(下の①~③)単調になることはありません。

オクターブの跳躍,レイドバックした吹き方から切れ味のある吹き方につないでしっかりした着地感をつくるなど,歌い方が絶妙です。このレイドバックした部分は,正確な音符に書き表せるものではありませんので参考程度にご覧ください。真似て吹いてみようとしても似たようなニュアンスは出せません。

所謂ノリの良さ,スイング八分の気持ちよさ,安定感等,タイム感の素晴らしさを強く感じます。これが一番大事なところでしょう。

後半ではC#mのルート音へのアプローチの仕方,最後の一拍半フレーズが印象的です。聴くほどに,ブランフォードの音楽的素養の深さ,センスの良さ,演奏技術の高さを感じます。この時はまだ20代半ばだったはず。ホント凄いサックス奏者です。

2021年10月26日

[Transcription] Hush-A-Bye by Tetsuro Kawashima

Hush-A-Bye といえばJohnny Griffinですね。

 

10年ほど前,ギター,ベースとトリオでこの曲を演奏したとき,東京銘曲堂の演奏を参考にしました。こちらのアルバム「You don’t know what love is」に収録されています。

その時参考にさせてもらった川嶋哲郎さんの演奏を2コーラスほどコピーした手書きの譜面が出てきたので,ソロの最後まで音を拾い直してみました。改めて聴き直してみても素晴らしい演奏! テーマ+アドリブ3コーラスの譜面PDFです。

Transcription Hush-A-Bye by Tetsuro Kawashima (PDF)

それでは,いつものようにいくつかのアドリブラインを切り取ってみます。

 

Gmの部分では,メロディック・マイナー・スケールを用いています。ブルーススケールでb5を強調したラインも目立ちます。

 

 

G7の部分でオルタード・スケールを使用したフレーズです。

 

次にCm7の部分です。マイナーコードなのにメジャー3度の音が出てきてもかっこ良く聞こえます。何故でしょう。次の小節のAmのドミナント7であるE7を演奏しているものと思いますが,次の小節の最初のEbの音を半音上と下から挟んでいるとも捉えられる気がします。

 

こちらは,長7度であるBの音がかっこよく聞こえます。Cメロディックマイナーを使用しているととらえるのか,その後のルート音を半音下と全音上で挟み込んでいるととらえるのか。どう説明するのが正解なのでしょう?

 

 

この2拍3連のラインも印象的です。コードトーンにb9 b13を挟みブルージーに響きます

 

最後に,4小節ずっと同じ音を吹いているラインです。一拍半のアクセントで演奏していて,途中で半拍ずらすところが絶妙です。熱い!

 

2009年8月22日に米沢Blue Noteで東京銘曲堂のライブを拝聴しました。「事前に曲目を決めたりはせず、その場で吹きたいと思った曲を演奏するのがこのバンドのコンセプトだ」とのMCが印象に残っています。

2021年02月11日

[Play List] Vocal & Sax

2021年 あけましておめでとうございます。

コロナ禍でこれまで記憶にないようなのんびりした年末年始を過ごしました。随分前に,ボーカル物でカッコよいサックスソロが入った曲のプレイリストを作ったものの,いつの間にか消してしまっていたことを思い出し,再度作成してみました。iTunesのプレイリストを更新すれば自動的にこちらに反映されるようなので,とりあえずのものを貼り付けてみました。

Michael Breckerの参加している曲が多くなっていて,1分芸術と言われる高いクオリティーのソロが聴けます。マイケル没後のJAZZ HORN特集号に「マイケルの参加アルバム791+」というリストがあります。以前はこれを参考にamazon等で中古CDを探してコレクションを増やしていました。最近はiTunesで検索しヒットすることが増えて,時々お宝を見つけ出しては涙しています。

 

J-Popでは「Sax World Vol.18 歌ものサックスの名手たち」の特集が嬉しく参考になりました。小池修さんのソロ大好きです。

Vol.1 J-Pop編 Vol.2 洋楽編 Vol.3 Jazz Vocal編 の3つに分けてあります。Vol.2とVol.3はなんとなくな基準で分けました。増やしたり,厳選したり,時々内容を更新していこうと思います。

Vol.1 J-Pop編に後藤輝夫さん参加曲を追加しました。(2022.5.9)

 

2021年01月03日

[Transcription] On Green Dolphin Street by John Coltrane

コルトレーンのグリーンドルフィンです。このDVDのコルトレーンも素晴らしいですね。

学生時代,この曲で分数コードなるものを初めて意識しました。最初に先輩のリフ帳から書き写させてもらったコードは FM7 - Fm7 でした。その後何かの書籍で FM7 - AbM7/F のコードを知り,なにやら難しそうだけどカッコよい記号だなあと思ったものでした。

YouTubeに動画が上がっていますのでもう一度観てみましょう。これを初めて観たときは鳥肌が立ちました。テーマの歌い方がマイルスっぽいのも楽しいです。

この演奏,あちこち採譜してあったのを見直して一つにまとめてみました。動画の2分30秒辺り,テナーからスペシウム光線と共にシーツ・オブ・サウンドが発射される部分は音が拾えないので省略しています。

[Transccription] On Green Dolphin Street by John Coltrane (PDF)

どこが好きかというと全部ですが,まずはソロの出だしピックアップがカッコよいですね。Fのメジャースケールを5度から上行するだけですが,この音色とイーブン気味の8分音符にグッときます。

この曲のアドリブのポイントは5~7小節目のG7-F#M7-FM7のところだと思います。コルトレーンはどのように演奏しているか見てみましょう。上の例ではGM7-F#M7-FM7を想定している様子で,5376のシークエンスを単純に平行移動しています。タイミングを半拍ずらしながら演奏しているところが絶妙です。下の例では3653のシークエンスが出てきます。参考にしやすい手法でうれしくなります。

 

下の例はシーツ・オブ・サウンドの後,フラジオ音域での叫びのようなラインです。G7-F#7-FM7を想定しているらしく,シークエンスにb7が含まれています。コルトレーンは様々なシークエンスを全音域で練習していたのでしょう。

 

アルバム1958Milesでの演奏とピックアップの部分を比較してみました。ゆったりしたテンポに合わせてか,そばにマイルスいるせいか分かりませんが,C7でb9を使ってブルージーさを醸し出しています。そして,C7のb7からFM7の3度に半音で解決する定石ラインに続くところもグッときます。


2020年12月12日

[Transcription] Little Wing by David Sanborn

 今回はアルトサックス編,デビッド・サンボーンのトランスクリプションです。5年ほど前,地元のロックバンドにアルトサックスで参加したときに,YouTubeの動画からソロのワンコーラスを採譜して参考にしました。リズム割はおおよそのものです。

Transcription Little Wing by David Sanborn (PDF)

 サンボーンはEbのマイナーペンタトニックにb5である♮A音を挟んだEbブルーススケールほぼ一発で演奏しています。下の譜面の2小節目ではマイナーペンタトニックを上行し♮A音を挟んで下がることでb5が強調されブルージーな雰囲気になっています。その後にも何回かサンボーンらしいこの音使いが出てきてグッときます。
 7小節目,Bbmの1,b3,4,5と駆け上がり,5度の♮F音をフロントキーで強調した後,次の小節Ab7のb7である#Fに半音上がってむせび泣きます。全体に非常にエモーショナルなサンボーンの演奏ですが,こうして音符にしてみるとかなり巧妙に組み立てられた音使いであることが分かります。

 

 1コーラス目の終わりからオーバートーンを駆使したフリーキーな演奏に突入しています。周りのミュージシャンの反応が面白いので下の動画をご覧ください。このあたりオーバートーンの使い方を上手く真似るコツもつかみたいものです。


2020年11月21日

[Transcription] I'll Close My Eyes by Yoshiyuki Yamanaka

影響を受けた日本人テナーの二人目は山中良之師匠です。学生時代にレッスンでお世話になりましたので,なにかと影響大です。HPを覗いてみるとマウスピースのリフェースだけでなく,ビンテージテナーの調整までやってる様子で驚かされます。

師匠のバラッドアルバムRhapsody からI'll Close My Eyesを取り上げてみました。

〇 Transcription I'll Close My Eyes by Yoshiyuki Yamanaka (PDF)

全体にふんわりとしたギターサウンドに包まれた太く温かいテナーが心地良い演奏です。その中にオッ!と思わせられるテクニカルなラインも組み込まれていて流石師匠!という感じです。

下の譜面はG7のオルタードが絶妙なラインです。F7-Bb7(ⅳ7-bⅶ7)という解釈もできるのかもしれません。

 

次はフラジオ音域でクロマチックに下がってくる強烈にかっこよいラインです。真似しようと練習してみましたが運指の連携がなかなか難しい!何らかの替え指を使っているのかもしれません。



このアルバムのI Hear A Rhapsodyのソロ前,背中をグイ~と撫で上げられるようなピックアップフレーズが非常に印象的です。Aオルタードスケールをそのまま上行した後,Aのメジャー7度であるAbを経てクロマティックで下行してDm7のルートに解決するライン,初めて聴いたときは身をよじってしまいました。

 

このアルバムの1曲目 I Thought About You をYouTubeでどうぞ。

2020年11月09日

[LIVE] 寺久保エレナ QUARTET 2020 9 18

もう一か月前のことですが,寺久保エレナカルテットのライブに行ってきました。寺久保エレナQUARTET Japan Tour 2020 ~North Circuit,山形県南陽市の交流プラザ蔵楽が会場でした。お蚕様の蔵だったとかで,写真のように広いスペース。コロナ禍にもかかわらず,多くのお客さんが入っていました。
休憩入れて90分ほど、一言で言ってとても良い演奏でした。音色,音の粒立ちが素晴らしく演奏力抜群!良い感じのオリジナル曲と他ミュージシャンの曲と半々の構成。数年前に東京ジャズのテレビ放送で観た時も強力でしたが,さらに安定感が増してる印象を受けました。ピアノと絡むラインの美しさにはっとさせられたのは,この二人の特別な何かがもたらすものかもしれません。
ちょっと雑談・・・寺久保エレナはジャズ界の高梨沙羅だな〜。北海道の小柄な中学生女子が驚きのパフォーマンスでスカッとさせてくれる〜やがて世界的な活躍へ。沙羅ちゃんのキレのある大ジャンプとイメージ被ります。ジャズオリンピックとかあったら女子アルトサックス部門で日本代表となり,きっとポディウム獲得でしょう。沙羅ちゃんとのツーショット写真がお宝の私,コロナ禍もあって,今回はCDにサインとかしてませんでしたが,一緒の写真が欲しかったなあ。メンバー等の記録として,フライヤーの画像を貼り付けておきます。


2020年10月18日

[Transcription] You Don't Know What Love Is by Tomoki Takahashi

NY Tenor 中心のトランスクリプションを紹介して来ましたが,影響を受けてきた日本人プレーヤーも取り上げたいと思います。最初は高橋知己さん。学生時代に新宿の旧ピットインや下北沢のT5などで何度も拝聴しました。エルビン・ジョーンズとの共演でも有名ですね。コルトレーンで有名な曲を多く取り上げているCD作品群も愛聴しています。

PDFは高橋知己4Featuring 渡辺文男 Plays "Lady In Satin"の3曲目,ソプラノサックスで演奏している You Don't Know What Love Is のトランスクリプションです。ミディアムテンポの4ビート,テーマ~ワンコーラスのアドリブソロとサビからの後テーマ~エンディングを採譜しています。

Transcription You Don't Know What Love Is by Tomoki Takahashi (PDF)

この曲らしいしっとりとした味わいと熱い盛り上がりがある演奏です。では参考になったところからいくつか取り上げてみます。

 

〇アドリブの冒頭でかっこよいライン。Gmの4度を強調し下降するシークエンスを3連や16分音符で変化させながらリピートしD7のコードトーンへつなげています。

〇Gm7でGのメロディックマイナースケールを使っています。Gの6度の音を強調しおしゃれに響きます。

 

〇Gブルーススケールを用いてb5を強調したブルージーなライン2例です。

〇一瞬間を開けてオクターブジャンプする音使いが熱いです。

〇コルトレーン風のエンディングもかっこ良いですね。(PDF参照

2020年09月20日

[Transcription] All The Things You Are by Steve Grossman

Steve Grossmanが2020年8月13日、米ニューヨーク州グレン・コーヴのグレン・コーヴ病院で亡くなってしまったそうです。享年69歳とのこと。[Transcription] 'Round Midnightでも書いたように,新宿で直に拝聴し強烈な印象と影響を受けました。Somedayでは恐る恐る近寄って握手もしてもらいました。右手親指の付け根が凄かった。2014年に27年ぶりに来日した時もチケット予約を済ませ聴きに行く準備をしていたのですが,親戚に不幸があり断念。今思えば非常に残念なことでした。

Steve Grossmanのご冥福をお祈りしながら,80年代来日時の音源をトランスクライブしてみました。

Transcription All The Things You Are by Steve Grossman (PDF)

この音源はYouTubeで聴くことができます。

 

〇 グロスマンらしい同じフレーズを違ったコードのところで二回吹いています。一回目はGm7のところで裏コード的にDbm7を吹いている。二回目はCm7のところで裏コード的にF#7を吹いていると解釈できるのではないでしょうか。いずれもDm7→Dbm7→C7,F#7→F7と半音で降りてくるラインになっているようです。一回目Gm7のところで強めのアクセントでM3度を吹かれるとギョッ!とします。

 

〇 アドリブ2コーラス目の頭でアウト感がかっこ良いライン。コードを付けるとこんな感じでしょうか。

 

〇 ペンタトニックから最低音に突然下がるライン,赤ラインでは倍音が鳴っています。出た~グロスマンという感じです。

 

〇 最後のところでジョニー・グリフインのア・ブローイング・セッションでのハンク・モブレイのフレーズを引用していてニンマリ。好きなんだろうなあ。

2020年08月31日

[Transcription] Love For Sale by John Coltrane

1958Milesに収録されているLove For Sale のコルトレーンのソロを採譜してみました。(2コーラス約130小節)このアルバムはOn Green Dolphin St や Stella By Starlight など多くのプレーヤーが参考にしている演奏で有名ですね。若きコルトレーン,比較的解りやすいアプローチの演奏で参考になります。

Transcription Love For Sale by John Coltrane (PDF)


この時代のコルトレーンがよくやる手法をいくつかピックアップしてみました。

 

〇オーグメント・ドミナントを使ったライン

G7のコードトーンに#5を挟んでいます。これによってテンション感が増し,トニックコードCM7の9thに半音下がって解決します。98小節目等何度も出てきます。

 

〇半音上のシークエンスを入れたライン

2-5-1のトニックであるEbM7の前に,半音上のEM7を入れてアウト感をつくり,同じシークエンス(9753)で半音下がって解決しています。一瞬「ギョッ!」とさせられます。

 

〇代理コード(ⅳ7-bⅶ7)を使ったライン

コルトレーンが最もよく使った代理コードと言われています。

 

〇3連のフィールで流れを変えるライン

8分音符中心のラインから3連を強調したラインへ変化を感じます。コルトレーンにとっては鼻歌を入れてみたようなものなのでしょう。

 

〇ターゲッティングを使用したライン

半音上と下から挟んでコードトーン(CM7のルート音)に解決しています。

 

 

 

2020年08月16日

[Transcription] 'Round Midnight by Steve Grossman

1986年1月18日,新宿旧Pit InでのLive音源のTranscriptionです。日本人ミュージシャンとのスタンダードセッションの中で,'Round Midnight~Naimaと続いた演奏に強烈な印象を受けました。1コーラスの演奏にグロスマンらしさが詰め込まれています。

Transcription 'Round Midnight by Steve Grossman (PDF)

 

〇 譜面の7段目のライン

32部音符でたたみかけるラインです。ここに3連符(6連で記譜)を挟むことでスピードに絶妙な緩急が生じています。Eb7 の裏コードであるA7のフレーズが挿入され,この中で矢印で示した部分,Bbm7のb7thA7のb7thA7の6thと半音で下がる音にアクセントが置かれ,身をよじりたくなるぐらいかっこよいです。

 

〇 エンディングのライン

グロスマンらしいエンディングのラインです。HWディミニッシュスケール(コンディミ),オルタードスケールの使い方のお手本です。

ここで思い出すのがコルトレーンがアイ・ヒア・ラプソディーで吹いているこの2-5のラインです。コルトレーンから影響を受けていることを推測するのも楽しいです。

 

2020年06月07日

[Play List] Favorite 20 Tenors

iTunesの音源から半日かけて20テナー選んでプレイリストを作成してみました。

存在を知った時期にリリースされたアルバムとか,ライブで強烈な印象を受けたテナーとか,コピーして頭に染み付いてる曲とか,そんなセレクションになった感じです。

ソニー・ロリンズは初めてライブで観たときこの曲やってましたので印象強いです。

デクスター・ゴードンはこの時代の演奏が好きで,この時期にもっと録音していたら良かったのにと思います。

デイブ・リーブマン,初めて生で観たのはクエスト来日の時なのでSoftly~を選びそうになりましたがソプラノでした。

コルトレーンはフリーも含めて全部好き。このブルースのソロは全部一緒に歌えます。以前にコルトレーンCD10選を書いてみました。

コルトレーンを知る10枚

モブレーの曲で今後演奏したいのたくさんあります。マイルスバンドでの演奏も好き。

ブルーノート時代のショーターずっと聴き続けて来ました。

ジョーヘンも生で観てます。若い時の尖った演奏も晩年のスタンダードも好き。

リーブマン、ブレッカー、グロスマンは生で観たけど、ミンツァーは未だだなあ。聴きに行かなくては。彼選定のビンテージテナーを愛用してます。

バーガンジーはデイブ・ブルーベックのバンドでの演奏が印象強いですが、iTunesに音源無いので初期の作品からこの曲を選びました。

ボブ・バーグはマイルスバンドでの演奏を生で観て強烈にカッコ良かった! Steppin'かこちらか迷った結果です。

ブランフォード・マルサリスはスティングバンドでの来日も含めて何回かライブに行きました。ここではデビュー当時の若々しい演奏を選びました。

ドン・ブレイデンは昨夏NYでの演奏が素晴らしくてファンになり,また生で聴きたいテナーです。

クリス・ポッターはメセニーバンドのBNTライブで観たし、シェーマス・ブレイクは水戸のB2で2回観ました。ジョシュア・レッドマンまだ観てないなあ。

ボブ・レイノルズは最近の作品全部好きですし、YouTubeでの演奏も素晴らしいですね。

Bob Malach はこちらにしたかったのですが,残念ながらiTunesにはありませんでした。YouTubeへリンク張っておきます。


もう5テナー付け加えるとすると
Bill Evans
Harry Allen
Eric Crystal
Lester Young
Stanly Turretine
Ernie Watts
を入れたいと思います。

2020年06月06日

[Practice] オーバートーン

サックスの音色や音程を作る上で喉の形が大切であると言われています。しかし,喉の形や動きについて言葉で理解するのはなかなか難しいことです。この感触を捉える方法としてオーバートーンの練習があります。あまり得意ではないものの,自分なりに取り組んできて効果を感じています。オーバートーンの練習方法について参考にしてきた情報源を紹介してみようと思います。

 

サックスを始めて最初に入手した教本がこれでした。

「ジャズ・テナーサックスの技法 佐藤達哉・著」

この教本でオーバートーンというものを初めて知りました。練習法を読んで自分なりにやってみるうちに,少しずつその感覚が分かるようになりました。

 

オーバートーン(倍音)について最も参考になった教本はこちらです。

「サクソフォーン上達法 デビッド・リーブマン 著」

倍音(オーバートーン)練習について8ページが割かれており,自分なりに感じていたことを確認したり,疑問を解く参考にしたりすることができました。

また,吉田祥一郎さんの

差がつくサックス・テクニック

では,さまざまなテクニックの基礎となるノドのコントロールをマスターする上で極めて有効として,第12倍音までのノドの発音形を示しながら4ページを割いて解説されています。

 

しっかり身につけるには,プロの方のレッスンを受けるのが一番確実だろうと思います。地方ではなかなかそうはいきませんが,動画での説明が参考になります。YouTubeを検索するといろいろ出てくる中で,寺井さんのこちらの動画が良くできていてお勧めです。


私の場合は第7倍音ぐらいまでの範囲で練習しています。ネットの記事ではこちらが分かりやすいですね。

東京サックスポータル オーバートーン(リンク)

以前,サックス吹き仲間にオーバートーンについて上手く説明できず気になっていたこともあり,こちらに紹介してみました。最初はなかなか難しい練習ですが,少しずつでもやっていると効果を実感できます。サックスの鳴らし方・アンブシャ・音色・フラジオ等に大切な練習だと思います。たまに思い出してやってみるだけでも違ってきます。以上,自分のための備忘録ですが,誰かの参考になればうれしいです。

2020年04月12日

[Transcription] Grand Central by Jon Beshay

昨年夏(2019年8月)初めてNYを訪れジャズクラブ廻りを楽しんできました。SmokeでEric Reed Quartetが演奏していたColtraneのオリジナル曲Grand Centralが素晴らしかったのが印象に残っています。少しだけ雰囲気を記録させてもらおうとiPhoneを向けたときに,ちょうどこの曲の演奏が始まりました。

NY旅行記念にこの曲を演奏してみようと考えテーマのメロディーは覚えたものの,細かく転調する部分と同じコードパターンを繰り返すところがあったりしてなかなか手ごわい曲です。現在進行形のNYテナーはどういうアプローチをしているのか参考にさせてもらおうと思いまして,上の動画でのJon BeshayのソロをTranscribeしてみました。

Transcription Grand Central by Jon Beshay(PDF譜面)

フラジオをビェ~~と吹きのばすのではなく,フラジオ音域も含めて普通にメロディーを演奏するのが最近のテナー奏者の特徴かなと思います。フラジオの運指まで入れてスケール練習をしているのでしょう。次の2つのラインを真似て練習してみようと思います。


この曲で何度も出てくるCm7-Db7を繰り返す部分をどのように演奏しているの見てみます。Cナチュラルマイナースケール一発でラインを作っているところ,クロマチックを挟むところ,ホールトーンスケールを加えているところ,よく分からないチェンジを組み込んでいるところなどがあるようです。こうした変化の持たせ方が効いているのか,譜面にするとビバップ的な音符の連ね方に見えますが,ややモーダルな感じに聞こえる気がします。

NYのJazzクラブの空気感をしっかり味わおう,生音をしっかり聴こうと思いまして,動画はメモ程度2コーラスのソロしか録画しませんでした。この後どんなソロの展開だったか,もっとしっかり撮影してくれば良かったです。w

2020年03月22日

[Transcription] 'S Wonderful by Michael Brecker

1985年録音,笠井紀美子のアルバム「My One And Only Love」で超絶クールな歌伴とソロを聴かせてくれるMicheal Breckerです。もう10年以上も前になりますが,ボーカルを入れたライブに向けて参考にしようと音を採ったものです。ドラムソロからボーカルが戻った後半に省略している部分もありまして,そのうちまた確認したいと思っています。

Transcription 'S Wonderful by Michael Brecker (PDF 譜面)

誰が主役か分からなくなるMichealの強力な演奏に圧倒されます。音を拾っても決して同じように演奏できるものではありませんが,背中を撫で上げられるような浮遊感をもたらす絶妙なアドリブラインはどの様に組み立てられているのか考えてみました。この解釈が的を得ているかは分かりません。

Micheal Breckerの1分間芸術と呼ばれる歌伴テナーソロの入りの部分です。青のマーカーはインライン,黄・赤とアウト感が強くなっているように聞こえます。71小節目でトニックのルートを低音でかました後,一般的なバップフレーズから入って,73小節目で軽快にコードトーンの繰り返しパターンを吹いた後,74小節目の後半で半音上にOutし,75小節目のオルタード系のラインに続きます。ここではb9,#11を表拍に持ってくることでアウト感が強調されているように聞こえます。77小節目ではマイナーコードの頭に4分音符でM3度をぶつけておいて,78小節目のコードトーンのラインを経て,CM7のルートに着地するという流れになっているようです。「ウッ!アレッ!」と感じさせておいてさら~と戻ってくる,ドから始まってドで終わるライン,絶妙な歌伴 Micheal Brecker です。

テナーソロの最後のフラジオから入るラインなど,全編Michealらしいカッコ良さです。

YouTubeに音源がありますので聴いてみてください。

2020年03月21日

[Transcription] Oleo by John Coltrane

最近また50年代後半のColtraneをよく聴いています。若々しい感じのColtraneの歌い方が大好きです。学生時代テナーを始めた頃,Miles QuintetでColtraneが演奏したOleoのコピー譜を手に入れて練習したものでした。久しぶりに譜面を見たら耳に染み付いたフレーズと微妙に違っているように思えるところが何か所かあったので,スッキリさせようと音を採り直してみました。リズムチェンジのアドリブ例としてしてよく取り上げられているものです。学生時代に受けたレッスンでも教材になりました。

Oleo Transcription (PDF譜面)

Miles Davisのマラソンセッションで有名ですね。音源にリンクを張っておきます。

Bob BergやSteve Grossmanのリズムチェンジを聴いていると,このColtraneのソロのフレーズが顔を出してニヤリとさせられます。テナー奏者が通る道なのでしょう。

 

学生時代このColtraneのソロで裏コードというものを初めて知りました。2つの例です。

76小節目 Dm7-G7-C ( Ⅱ‐Ⅴ-Ⅰ)上で D7-Db7-C ( Ⅱ7-bⅡ7-Ⅰ) を吹いています。

100小節目 Dm7-G7-C ( Ⅱ‐Ⅴ-Ⅰ)上で Eb7-D7-Db7-C (bⅢ7- Ⅱ7-bⅡ7-Ⅰ) を吹いています。

Ⅴ7とbⅡ7が表裏の関係ということ。裏という言葉の響きに惹かれ,Jazzやってるぞ~という気分に浸って練習したものでした。w

 

続いてもう一つ,この時代のColtraneがⅤ7でよくやるフレーズです。Ⅴ7の #9 b9 1 b7 からトニックの3に半音で解決する定番フレーズ,他のキーでもこの音使いを演奏しています。

50年代の演奏をTranscribeすることはJazzのボキャブラリーを学ぶのに有用ですね。

 

2020年03月20日

[Transcription] I Thought About You by Bob Berg

Bob Bergの熱く長尺なソロが味わえるライブ音源です。1998年  Niels Lan Doky · Bob Berg · Bo Stief · Terry Lyne Carrington Live At Montmartre

 

テーマからテナーソロ1コーラスをTranscribeしてみました。


I Thought About You Transcription(PDF譜面)


Miles Davis Quintetの音源のようにKeyG(inBb)で演奏されるのが一般的のようですが,ここではKey F(inBb)で演奏しています。高音域でメロディーを演奏するとハイG(inBb)が気持ちよく響いて良い感じ,テナー奏者はこのキーで演奏する例が多いようです。

音を採ってみていくつか注目したポイントです。


マイナー・ブルーノート・ペンタトニックフレーズの連続

下の譜面の22小節目から青枠の部分,早いパッセージでほぼ同じフレーズ(Dmブルーノート・ペンタトニック)を繰り返し,ブルージーな雰囲気を出しています。


裏コードの使い方

24小節目と34・35小節目で裏コードを吹いています。赤枠の部分。F7上でB7のコードトーンを512351531,D7上でAb7のコードトーンを512312153と似たパターンで演奏しています。単純な5123のパターンですが,上手く使えばこんなにカッコ良くなるのですね。

 

 

3オクターブジャンプ

52,53小節目の赤枠部分,ボ!と低音を鳴らして一気に泣きのフラジオに駆け上がるあれ,Bob Bergらしさを感じます。最低音Bbからフラジオ音域に駆け上げるライン,リズムの取り方,間に挟む音の選び方が参考になります。なりきりBob Bergネタ!

 

3連フレーズのアクセント

緑枠の部分のように,時折3連符や2拍3連の裏を感じさせるフレーズでリズミックな変化をつくっています。

 


ブルージーなライン

15・16小節目のラインGm7でEbの音が強調されていてブルージーに聞こえます。これはKeyF上でのブルーノート(b7)ととらえて良いのでしょうか。


ここまで2コーラス進めたところで,YouTubeでこちらに出会いました。なんとこのテナーソロ全コーラスが譜面になっていて驚き!!私のものとあちこち違うようですが 参考にさせてもらおうと思います。

2020年03月17日

[Essay] 自分の音楽の好みに大きく影響する10枚

知人からの誘いで、自分の音楽の好みに大きく影響する10枚のアルバムを選択するというFacebookでの企画に乗ってみました。10日間連続で1日に1枚のアルバムをカバーするもの。4年前に流行った「私を構成する9枚」というのもありましたが、この機会に10枚選び直してみました。企画では説明・レビューはほぼ付けていないので,多少の説明を付け加えてこちらにまとめてみました。結論から言うと,高校時代までに聴いた音楽でその後の好みが決定しているようです。20代半ばまでで10枚完了してしまいました。その後ウン十年音楽を聴き続けているのは,どうやらこの10枚の延長のようです。

 

1 恋の大予言/フィンガー5 サード・アルバム 1974年10月

小学校5年生だったと思います。フィンガー5は当時興味を持ち始めたテレビの歌番組に出まくっていました。「個人授業」「恋のダイヤル6700」「学園天国」などミリオンセラーだったとのこと。自分の小遣いで初めて買ったLPレコードがこれでした。親戚からお古をもらったレコードプレーヤーで聴きながら一緒に歌ってました。「恋の大予言」のアブダカブラ~の呪文を完璧に歌えるのが自慢だったことを思い出します。米国占領下の沖縄で父親が経営する米兵相手バーでバンド活動を始め,和製ジャクソン5と言われていたなんてことは随分後になって知ったことですが,ソウルミュージックの要素をたっぷり含んだ音楽に親しんだことは,その後の音楽の好みに何かしら影響を受けていることと思います。45年を経て聴き返してみると,ベースラインやホーンアレンジ,転調等のかっこよさに改めて感心させられます。

 

2 10ナンバーズ・からっと/サザンオールスターズ2ndアルバム 1979年4月

デビューが1978年で中学3年生の時,テレビ番組ザ・ベストテンで観た「勝手にシンドバッド」の大騒ぎをはっきり覚えています。テレビ初出演で新宿ロフトからの中継だったとのこと。あれからライブのかっこ良さを感じ取った気がします。中学校の技術科で組み立てたラジオで聞いた「女呼んでブギ」もど田舎の中坊には別の意味で衝撃でした。3rdシングルいとしのエリーを深夜ラジオで聞いて感動したのは中学卒業の頃,このアルバムのリリースと同時に高校生になっていたようです。1980年リリースの3rdアルバム『タイニイ・バブルス』もLPを購入していたので,中3~高1の時代にけっこうな影響を受けたと思います。

 

3 Christopher Cross / Christopher Cross 1979年

デビューアルバムで邦題は『南から来た男』,1981年のグラミー賞5部門を独占しています。FM放送で初めて聴いたRide Like The Windに強く惹かれました。アルバムの何曲かが放送されたのをエアチェックして聴いていて,後にLPを購入しました。ジャケットデザインが気に入って付いてきたポスターを部屋に貼ったりしていました。AOR,TOTOやBoz Scaggsもよく聴きました。

 

4 ソリッド・ステイト・サヴァイヴァー/イエロー・マジック・オーケストラ  1979年9月

テクノカットと共に極流行りました。テクノミュージックという未知の世界にキャッチーなメロディー。ボコーダーっていったい何の世界でした。 エアチェックだったか友達に録音してもらったのだったか忘れましたが,カセットテープが擦り切れるぐらい聴いた気がします。高校生の小遣いではLPなどなかなか買えず,アルバムを入手したのは暫く後のこと。その後インストゥルメンタルな音楽にはまる入り口になったと思います。

 

5 My Favorite Things / John Coltrane 1960年

高校から帰ると夕方のNHK-FM放送番組「軽音楽をあなたに」を聴くのが日課でした。週5日,曜日によってロック,ソウル,ジャズ・・・多様なジャンルの音楽を流していて,FM番組雑誌を道案内に耳を傾けていました。この番組だったか忘れましたがJohn Coltrane特集があって興味本位にエアチェック,独特の浮遊感にハマったのがタイトル曲でした。ジャズ喫茶で流れていたテナーサックスにゾクゾクっと来たのがMills DavisのSo Whatだったなんていうエピソードもあって,Coltraneを意識して聴くようになりました。

 

6 The Man with the Horn / Miles Davis 1981年

1975年から沈黙していたMiles Davisの6年ぶりの作品ということで,FMラジオや音楽雑誌で注目されていました。志望大学の見学に出かけた際,従弟に連れて行ってもらった秋葉原で輸入盤というものを初めて買ったのがこれ。衝撃的なかっこ良さを感じました。Al Foster, Bill Evans, Mike Stern , Barry Finnerty, Marcus Miller・・・今聴いても鳥肌が立ちます。新宿野外での来日公演はNHK-TVで放送され,音だけテープに録ったのも愛聴してました。この後,時代を遡ってMilesの作品群を聴きましたし,大学時代は来日ステージも観ることができました。Milesの音楽にはかなり影響を受けていると思います。

 

7 Smokin' in the Pit / Steps 1981年

級友から録音してもらったカセットテープでマイケル・ブレッカーにはまりました。これも後日にCD購入,その後完全版CDとかも出てますね。Mike Mainieri, Michael Brecker, Don Grolnick, Eddie Gomez, Steve Gaddの他,特別ゲストとして参加している渡辺香津美のソロがまた素晴らしい! 大学合格したらテナーサックス吹くぞ!六本木行くぞ!をモチベーションに受験勉強に励んだものでした。1979年12月15日・16日、六本木ピットインでの録音。

 

8 LIGHT'N UP/吉田美奈子 1982年

大学に合格して東京へ。入学式前夜に恐る恐る軽音楽部(ジャズ研)の部室を訪ねたらStepsと同じ編成のバンドがセッションしていて感動しました。サークルで流行っていた影響でこの作品に触れ,都会的なサウンドとBrecker先生, Sanborn先生の30秒芸術(間奏ソロ)に魅了されました。美奈子様がラジオ番組で一発録音のBreckerとオーバーダブを繰り返すSanbornのレコーデイングの違いを語っていたのを思い出します。

 

9 Hold the Line / Steve Grossman 1984年

ド素人から始めたサックス吹きは,プロのレッスンを受けてみたりしながらなんとか続けていました。師匠から聴かせてもらったGrossmanのNYライブ音源からも感じてはいたのですが,いわゆるコルトレーン派と呼ばれるモーダルなテナーが好みで,Grossmanもその一派だと思っていたところに,Rollins好き丸出しな感じでかっこ良いこの録音に出会い「ビバップに向き合え!」と喝を入れられたかのような衝撃を受けました。その後に聴く音楽の選び方やサックスの練習方法に影響大なアルバムになっています。なので,現在発売されているCDが別のジャケになっているのはちょっと残念。Grossmanは1986年,1987年に続けて来日していて,ライブでの印象も強烈なものでした。2014年10月にも来日していますが,この時は都合で行けず残念でした。

 

10 Bring On the Night / Sting 1986年

Policeは高校時代にさらっと聴いていました。解散後のソロライブツアーにBranford Marsalis, Darryl Jones, Kenny Kirkland, Omar Hakim といったスタージャズプレーヤーが参加していることを知り気になっていて,このライブアルバムの発売と同時に購入。国分寺のジャズ喫茶でみんなで聴いたのを思い出します。ライブやリハーサル風景を集め1985年に製作された同名のドキュメント映画も感動ものでした。Branfordのソロをコピーしてみたり,真似っこバンドでライブをやったりと影響を受けています。1988年10月のNothing Like The Sun Tour 東京ドーム公演も観に行きました。

2020年03月13日

[GOODS] iPadを譜面台に

年齢とともに譜面読みが厳しくなってきます。薄暗いライブスペースではなおさらのこと,音符の大きさや照明器具などを工夫してみても#b♮の識別が難しかったりするので,一年ほど前からiPadを使い始めました。これまでの事をメモしておこうと思います。

 

1 iPadの入手

できるだけ画面の大きいものということでiPad Pro 12.9インチ 256GBを入手しました。ネットワーク接続はWi-Fiモデル。アプリ「ソングブック」の使用等,まれに出先でインターネット接続が必要になった場合は,iPhoneのインターネット共有機能を使っています。設定切り替えが少々面倒ですがなんとかなっています。色はブラックの方がステージで目立たないようです。後日アップルペンシルやスマートキーボードも導入しました。仕事等でもっともっと活用しないともったいない感じです。薄暗い部屋で写真を撮ってみました。

 

2 楽譜表示アプリの導入

既に活用している方の勧めやネット情報から,「Piascore」を使っています。JPEGやPDFの譜面を読み込んで表示する仕組み。複数のセットリストが編集できるので,ライブ毎のセットリスト,練習パターンのセット,フレーズやトランスクライブした譜面等,自分の音楽的資産wを整理して持ち歩けるので便利です。セッション等でとっさに曲を選ぶ時にも役立っています。できれば,セットリストの表示をピンチアウトして拡大できるようにしてもらえるとステージ上での操作に助かります。(改良希望)

○Piascoreオンラインマニュアル

 

3 ページめくり

Piascoreにはブルートゥースでフットスイッチと連動したページめくり機能があるので,iRig Blue Turnを導入しました。iPadとの同期はスイッチを入れた後二つの△ボタンを同時に長押しすると完了します。あとは足元に置いて踏めばOKです。演奏中に片足で操作してバランスを崩しそうになったりしますが,かっこ悪いことにならないように気をつけて使いたいもの。写真のようにブルーの明かりがつくので暗いステージでも大丈夫。

 

4 iPadホルダー

最初は譜面台に載せて使っていましたが,iPadにはそれなりの重量があるので倒して画面を割ったりするのではないかと怯えていました。しっかりした専用のホルダーが安心だろうと,iKlip 3 Deluxe をマイクスタンドに取り付けて使用しています。店頭展示品を少し安く入手しました。譜面台を広げるよりコンパクトにまとまります。

 

紙の譜面に比べてバリアフリーな感じで,機器の操作が面倒でなければお勧めです。楽譜作成ソフトでできるだけ五線の幅を広くして楽譜を作成したいところですが,1ページ当たりの情報量が減るのでこの辺のバランスを工夫すること,ステージの明るさに合わせて画面の明るさを調整すること等が使い方のポイントでしょうか。

実際にライブで使用している動画を貼り付けておきます。足元にご注目ください。w

 

 

2020年02月24日

[LIVE] 伴田裕カルテット 2020 1 4

今年も村上駅前の楽屋にて伴田裕カルテットのライブでジャズ初めでした。今年もおなじみこのメンバー。

伴田裕(ts)
尾崎利彦(kb)
文河潤(b)
本間克範(drs)

期待通りの一体感が増して聴こえる熱い演奏!モーメントノーティスの端正なソロからスタートした伴田さんのテナーを拝聴して、背筋を正して楽器に向かわねばと思う夜でした。

今回はヤマハの特注テナーを吹くということで,特注の手順なども話してくださいました。持たせてもらったところ,私の手にもしっくりするようなコンパクトな作りを感じました。
バラードThe Good Lifeが素晴らしく特に印象に残りました。譜面を頂いたので演ってみようと思います。

2020年01月12日

[LIVE] Bob James & Kirk Whalum Blue Note Tokyo 2019 12 29

息子のアパートから妻と足を延ばしてBlue Note Tokyoへ。

BOB JAMES & KIRK WHALUM
"Joined At The Hip"
ボブ・ジェームス & カーク・ウェイラム
“ジョインド・アット・ザ・ヒップ”

Bob James(p,key)
ボブ・ジェームス(ピアノ、キーボード)
Kirk Whalum(sax)
カーク・ウェイラム(サックス)
Will Patrick(g)
ウィル・パトリック(ギター)
Chris Walker(b)
クリス・ウォーカー(ベース)
Billy Kilson(ds)
ビリー・キルソン(ドラムス)

オープニング曲は高校時代に繰り返し聴いたtouchdown(1977年)懐かしさがこみ上げ涙が出そうになりました。ここは音響抜群ですね。

ボブ・ジェームス 80歳
カーク・ウェイラム61歳
長年耳に親しんできたサウンドを初めてLiveで拝聴,素晴らしかった!二人の帽子ファッションも参考にしたいものです。w

カークのテナー CDで聴く以上にスタンリー・タレンタインを感じました。
iPadの譜面とにらめっこで演奏する曲もありまして,マイクスタンドに付けたフォルダーが良さそうでした。マネしたいです。
テナーのキーをパーカッシブに叩いて管を鳴らし、ドラマーと絡む演出もあって面白かった。

ギタリストが若いのでググってみたら17歳とのことです。凄いなあ。

ウイル・パトリック

2020年01月12日

[LIVE] 後藤輝夫 Fool's Paradise Noisy Duck 2019 11 29

2019年11月29日(金)Noisy Duck 山形
山形県出身のテナー後藤さんをLIVEで聴くのは今回2回目。前回(2017年3月18日)は酒田グリーンベイで映画の撮影のためのものでギター佐津間さんとのデュオでした。映画「雪国」のワンシーンになっていて,客席最前列に私の後ろ姿も写ってました。

後藤さんの作品で最も影響を受けているのは佐津間さんとのデュオ作品ですが,カルテット等での演奏も聴いてみたいと思っていたので,今回の山形ツアーは半年前から楽しみにしていました。

アンコールのラブレターとデュオのバットビュティフル以外は知らない曲ばかり。新鮮な気分で後藤さんのソウルフルなテナーをじっくり味わうことができました。一曲,佐津間さんとのデュオがあったのも嬉しかった。お二人のオリジナルをバンドで演奏した二曲が特に印象に残ってます。

奏法的には,右手のサイドレバーを普通のキーの様に操作するのが興味深かった他,ラストの逆循環の盛り上げ方に感心させられました。真似してみたいw

楽屋にお邪魔して挨拶できたし,久しぶりの方々とも会えて楽しい夜でした。

後藤さんのネパール録音の最新作「KATHMANDU MOON」はシタールとの共演等,また違った世界が聴けます。

2019年12月28日

[Essay] Coltrane リード裏返しの謎

jazzlife誌の表紙、よく見る写真ですがコルトレーンのリードの向きが表裏逆になっていると聞いていました。本来裏側であるはずの平らな面に3本の溝が見えるのは音に雑味を出すためではないかと。


拡大してみます。1966年ニューポートジャズフェスの写真と思われます。この時期コルトレーンは悪癖から抜け出していたはず。YouTubeでこの時のビデオを観ると,ソプラノではメロディを演奏してますが、テナーではファラオ・サンダースも入ってひたすらフリーキーだったように聞こえます。フリーキーを追及する過程での意図的なセッティングだったのか?

 

再現するとこんな感じでしょうか。この向きで吹いてみると息が漏れてリードは振動してくれず鳴らせません。いくらコルトレーンでもこのセッティングで演奏するのはハードすぎる・・・謎・・・???

 

と思っていたら新情報! 実はこちらのリードを使っていたのだろうということです。 ヒールが丸くカットされていて、予め溝も入っています。初めて見ました。この丸みのせいで裏返しに見えるのですね。謎の伝説は間違いだった!納得です。(^^♪

2019年11月16日

[LIVE] NY Jazz Club 巡り Vol.6 雑記

NY6日目(2019年8月11日) 朝ホテルを出発,午後に日航005便でJFK空港を発ち帰国しました。NYジャズクラブ巡りを終えた雑感・覚書をメモっておこうと思います。写真は72丁目駅にあるオノ・ヨーコさんが手がけたモザイクアート「SKY」

 

演奏の安定感(スイング感?)、これは技能の高さなのか、タイム感覚の何かか? 超一流どころで当たり前でしょうが、どの演奏も気持ち良かった。

テナーの奏法として共通しているように感じたのは、超ハイノートを普通の音使いのようにしてラインを吹いてしまうこと。Jon Beshaにその辺の事を聞いたらTop Toneというテキストを紹介してくれたので入手してみたいと思います。

ジャズやソウルミュージックの先人達へのレスペクト、リンカーンジャズセンターのような施設の存在もそうですが、日本に比べると長めなMCにもそれを感じました。曲の紹介が丁寧な感じ。

ミュージシャンのファッションは会場に合わせてラフだったりフォーマルだったり。お客さんも同様で、Dizzy’s Clubではドレスアップした女性がちらほら。

お客さんの様子、自分達の文化としてジャズを楽しんでいる? 近所のミュージシャンの演奏を近所の人が聴きに来てるような感じというか。Up Town Down Town といった立地による客層の違いもあるようです。Harlemに行くとまた一味違うのでしょうか。

ネットで予約して置くとスムーズで名前を言えば予約者リストを確認して席に案内してくれました。ネット購入したeチケットをスマホで提示する仕組みがあったり、店によって微妙に違っていてちょっと戸惑いました。予約無しだと予約客を入れてから空いてる席への案内になりますが、丁寧に接客してくれて感じ良かった。

会計の仕組みは、事前に聞いてた通りでした。何でもかんでもクレジットカード払いのNYで、チップだけテーブルに現金を置いて帰るというのは最初?でしたが、iPadとクレジットカードの読み取り機がセットになっていて、ウエイトレスが客席を回ってくる店があったり。Smokeではチップのパーセント選択とサインまでiPad上で完了する仕組みでした!

Apple Musicで聴いてたサックス吹きがそこにいてテンション上がり、片言英語で話しかけたり、握手を求めたりの毎日でした。日本のことをよく知ってる人が多い様子で、日本のどこから?等 フレンドリーに接してくれました。楽器屋〜練習方法など教えてもらえたのも収穫。NYで活躍している日本人奏者との出会いも嬉しかった。言葉を交わして感じた人柄を思い起こしながら、今後の作品を聴くのも楽しいでしょう。

凄い楽器街が48St 6-7Avにあると聞いていたので行ってみましたが更地になっていて、Manny's も Sam Ash も見当たらずがっかり。ネット情報を頼りにSam Ashの移転先を探して行ってみましたが そんなに大きくはなかったです。東京の方がずっと充実してます。音楽の盛んなNYだと思うのですが、楽器店はどうなっているのか謎でした?

ジャズクラブ巡りには事前情報通り地下鉄が便利、深夜でも危険な感じはありませんでした。冷房の無い駅構内の暑さには参りましたが、NYに着いてすぐ購入した一週間乗り放題のMTA MetroCardはかなり役立ちました!

今回 下調べに斜め読みした資料です。中古本を集めました。店によって演奏される音楽の傾向が微妙に違うのでかなり役立ちました。内容が若干古くなっている部分もありますが、お店のサイトや口コミ情報は現在進行形なので合わせて利用しました。実際に周ってみて結構満足できるJazz Club巡りのプランになったなあと思います。一番役立ったのは随分前のJazz特集プレイボーイ誌の付録(真ん中)でした。定期的にNYに行ってる方から直接頂いたアドバイスが有り難かったです。

 

今回のプランを組む上で意識したのは、「テナーサックス三昧にしたい。歴史的老舗と新しい店、ハーレム~ダウンタウンの立地、コンボ~ビッグバンドをバランスよく周りたい。」と言った事でした。有名な大御所テナーも聴けると良かったですが、この5日間ではそうしたギグは見当たりませんでした。

ネットでの予約の取り方を詳細に解説したサイトを旅行を終えてから見つけました。ネット上はお役立ち情報が散らばってますね。

海外旅行は素人ですし、3月頃思いついてから情報集め~手続きの時間は限られているし、この夏の機会を逃すとなかなか行けそうにないし・・・で、時間を優先して旅行会社パックのプレミアムエコノミーで行く旅を利用しました。航空券とホテルがセットで、空港とホテル間の送迎、半日観光ガイド、携帯Wi-Hiルーター等が付いていて安心でした。格安航空券を使うなどもっと安く旅行する方法があるのでしょう。

手ごろなものが見つかれば買って帰りたいなあと思いながらも,楽器の購入と日本への持ち込みについては事前にはあまり調べておらず、楽器に関税はかからない程度の知識でした。帰って来て日本の税関を通る際、想定外のまとまった額を徴収されました。後でよく確認してみたら,関税はかからなくても20万円を超えるとアメリカでの購入額の60パーセント(個人使用の場合)の額に対して日本の消費税8パーセントがかかるという仕組みだったようです。因みにアメリカでも9パーセント弱のTaxを支払っています。二重に税金を取られているわけですが、結構な円高の時期でしたし、消費税が上がる前で損はなかったかなと思います。

最後はWilliamsburg Bridgeからの眺めの動画で締めくくります。また行けるとよいなあ。

 

2019年08月28日

[LIVE] NY Jazz Club 巡り Vol.5 Jon Irabagon Jon Beshay 2019 8 10

NY5日目(2019年8月10日)日中はAmerican Museum of Natural History、Grand Central Station,最終日もNY定番スポットを周って過ごしました。Grand CentralはColtraneのオリジナル曲のタイトルになっています。自然史博物館では,レプリカらしいですがこれまで発見された中で最大の恐竜Titano Saurの展示が圧巻でした。一枚の写真には収まらないのでパノラマで撮ってみました。デカさが伝わるでしょうか。

 

続いて,雲隠れ中のSonny Rollinsの練習場所で有名なWilliamsburg Bridgeへ。橋の上を歩いてみたいところですが、地下鉄で上を通って次のMarcy Avenue駅で折り返すことにしました。ホテルからMarcy Avenue駅までは地下鉄M線一本で30分弱でした。

家で下調べしていて THE SONNY ROLLINS BRIDGEPROJECTというサイト を発見! 橋の上でサックスを吹いている動画を観ると真似したくなりますが、時間がないので地下鉄車内でのイメージトレーニングに止めておきましたw

 

NY最後の夜はJon Irabagon(ts)目当てでこちらから。Galleryなので飲食はなし,オーダーやチップの心配が不要です。20ドルのチケットだけで聴けました。

MANUEL VALERA’S NEW CUBAN EXPRESS BIG BAND At Jazz Gallery

Manuel Valera -piano & composer
Camila Meza -voice
Michael Thomas -alto sax
Remy LeBouef -alto sax
Jon Irabagon -tenor sax
Jeremy Powell -tenor sax
Alden Banta -baritone sax
Brian Pareschi -trumpet
Mike Rodriguez -trumpet
Dave Smith -trumpet
Alex Norris -trumpet
Sam Blakeslee -trombone
Mike Fahie -trombone
Nick Vayenas -trombone
Jeff Nelson -bass trombone
Tom Guarna -guitar
Hamish Smith -bass
Jimmy McBride -drums
Samuel Torres -percussion

Jon Irabagon(ts)はFOXYのという彼のCDでRollinsのWay Out Westのジャケットをパロっているのが面白くてジャケ買いしたのが出会いでした。CDジャケの雰囲気とは違った熱い演奏が印象強く、スケジュールに彼の名前を見つけ,即今回の予定に入れました。Jon Irabagon(ts)は期待通りのテナーで楽しませてくれましたし、今回初めて聴いたRemy LeBouef(as)アルト&ソプラノサックスのソロも強烈でした。

演奏が終わってCDジャケをネタに二人に話しかけるとかなり受けてまして、来日経験もあるらしく、いろいろ話しかけてくれました。もっと英会話やっておくんだったという気持ちで会場を後にしました。

 

NY Jazz Club巡りの締めくくり、再度Up TownにあるSmokeへ。二回目なのでスムーズに移動できると思っていたら、地下鉄の快速に乗ったことに気付き、地下鉄マップを開いて乗り換えが必要かどうか話していたら、向こう側の席のおばさんが私たちの目的駅を聞いてくれて、「Stay Here ~~~」と身振りを入れながら親切に教えてくれました。高層ビルを見上げながら歩き段差に躓いて転んだ時も「Are You OK ?」と駆け寄ってくれた若い女性がいたし、NYは優しい人が多いなあ。

Smokeへ到着し2ndSet待ちの列に並びました。リザベーションはないので後回しの入場になりましたが、比較的前の方が空いていて良い席に案内してもらいました。最後の夜なので少し贅沢しようと、ワインとNYステーキを注文。少し噛み応えがあるものの塩の味付けが絶妙でなかなか美味かった。

“1959: A YEAR OF ICONIC JAZZ RECORDINGS”
THE ERIC REED QUARTET At Smoke

Eric Reed [piano]
Jon Beshay [tenor saxophone]
Clovis Nicholas [bass]
Aaron Seeber [drums]

Jon Beshayは全く初めて聴くサックスです。リーダーであるEric Reedの最近の作品にはSeamus Blake(ts)等が参加していて、Eric Reed Quartetのサックスなら良くないはずがないと思っていたところ期待通り! 驚いたのはColtraneのオリジナル曲Grand Centralを演ってくれたこと! 日中観光してきたばかりなのでこれも嬉しい偶然でした。スタンダードを交え、MonkやColtraneといったレジェンド達へのレスペクトを感じる演奏・MCで、ここも聴きごたえ十分でした。

店を出るとJonが休んでいたので,「ハイノートのラインが素晴らしい! どういう練習するの?」的な英単語を並べてみたら,「オーバートーンとこれだよ・・・」とスマホに表示して薦めてくれたのがこのテキスト練習頑張るよ的な英単語を並べJon とハグして帰りました。 イエローキャブを拾ってNYの夜とお別れです。

2019年08月28日

[LIVE] NY Jazz Club 巡り Vol.4 Victor Goines 2019 8 9

NY4日目(2019年8月9日)、日中はワンワールド展望台、バッテリーパーク、自由の女神、5番街等を歩き回って観光。トランプタワーの前を通ったら重装備の兵士とトランプ大統領を模したマスクを被った人が立っていて対比が面白かった。

 

夕方からThe Birdland Big Bandを聴こうと思っていましたが、時間の余裕がなくなったし、目当てのSam Dilon (ts)がメンバーに入っていないことが分かったしでパスすることに・・・。できれば、毎月曜日Jazz Standardで演奏しているMingus Big Bandを聴けるとよかったのですが、火曜からのNY入りとなり残念でした。

夜はVictor Goines Quartet meets String Quartetを聴きにDizzy's Clubへ。Dizzy's Clubと大きなホールを併せ持つJazz at Lincoln Centerについては、以前のジャズ情報誌に新しい施設ができたことが取り上げられていました。今回 こちらのサイトをざっと眺めてみて、改めてJazz文化へのレスペクトが込められた素晴らしい施設だなあと感心させられました。

9時前にホテルを出て10分ちょっと歩きColumbus Circle横の真新しい雰囲気のビルに入ると、エレベーター前でセキュリティーチェックを受けました。5階の広いロビーで開場を待っていると、ドレスアップしたお客さんもちらほら、ここではTシャツ&ジーンズは止めておいて正解だったようです。廊下にはJazz史のレジェント達の写真パネル展示や大画面モニターでの啓蒙的な映像等がありました。

中に入ると、美しい夜景を背景にしたステージが広がっていてなかなか洒落た感じ! 妻も喜んでいたようです。サラダとチキンを注文してみたところなかなか美味しかった。

Victor Goines Quartet meets String Quartet At Dizzy's Club

tenor saxophonist/clarinetist Victor Goines
pianist Jo Ann Daugherty
bassist Emma Dayhuff
drummer Marion Felder
violinists Emily Popham and Mialtin Zehza
violist Christian Federickson
cellist Yves Dharamraj.

Strings入りのジャズはCharlie ParkerのWith Stringsを始め結構な数の作品を聴いて来ましたが、生は初体験。それも本場NYでという期待を裏切らない美しい演奏でした。Victor Goinesはソプラノサックスとクラリネットがメインでテナーは1曲だけ。ソプラノの音色はクラリネットに近いニュアンスで、Marsalis兄弟のようにクラシックもマスターしているプレイヤーなのでしょう。

 

贅沢な時間を過ごした気分で歩いてホテルに戻りました。残すはあと一日です。

2019年08月28日

[LIVE] NY Jazz Club 巡り Vol.3 Don Braden Akiko Tsuruga 2019 8 8

NY3日目(2019年8月8日)、朝はちょっとゆっくりして、歩いてタイムズスクエアへ。一昨日ここでバイクの不具合の破裂音を銃声と勘違いしてパニック騒ぎがあったことを日本からのメールで知りました。
妻が楽しみにしているミュージカルThe Phantom of The Operaの前に、劇場の近くのRoberto‘s Windsへ。昨夜のテナー奏者Darrylお薦めの楽器店、以前ネットで調べてる際にちらっとサイトを見ていたような気がします。「日本から来た〜、マークⅥ探してる〜」適当な英単語を並べたら通じたらしく、鍵のかかった展示室を開けて何本か説明してくれました。英語がよく聞き取れませんでしたが、アメセル独特のラッカー色が美しい5万番台テナーに惹かれ指差し試奏させてもらったところ実に良い感触です。「素晴らしい楽器だ〜」的な英単語を思いつくまま並べて盛り上がっていたら、妻から「 あなた何やってるの!」の冷静な言葉。値札を見直してびっくり!桁違いとは正にこの事でした!(※詳しくはこちらをご覧下さい。Bob Bergが所有していたというこの楽器です。)という訳で、このテナーを吹かせてもらったのは貴重な体験となりました。突然センターラインを超えてきたトラックとの交通事故、亡きBob Bergを偲びながら(※以前Bob Bergの訃報を受けて書いたページ)・・・。このお店はリペアの他オリジナルのリードやストラップが人気らしく、ライブもやっている等、日本の石森管楽器に似た雰囲気でした。店主のロバートさんは「日本大好きだ、日本のサックス奏者を何人も知っている・・・」という感じの話をしてくれました。せっかくなのでソプラノ一本持ち帰ることに・・・。

 

そしてケースを抱えたままMajestic Theatreへ、本場ブロードウェイのミュージカル、素晴らしかった! 一度ホテルに戻ってからEmpire State Buildingへ,予約チケットでスイスイ入ってNY定番スポットを観光しました。

 

Empire State Buildingからの夜景を眺めた後,Down TownとUp TownのJazz Clubを日付が変わる後まではしごする計画。妻がついて来れるか,少々の不安を持ちながら出発!

Zinc Barのサイトを見ると、ボス・テナーシリーズというのがあり、定期的に有名なテナー奏者をフューチャーしています。NY滞在中にこのシリーズとしてDon Bradenが出演するというので,ネット予約をして楽しみにしていました。2ndSetの予約でしたが1stの終わりの方から入れてもらえてラッキー! つい最近リリースされたトリビュートアルバムEarth Wind And Wonderを愛聴してまして、期待通りこの辺の曲が中心のライブでした。

DON BRADEN QUARTET At Zinc Bar

Don Braden(ts fl)
Oscar Perez (p)
Kenny Davis(b)
Jeremy Warren(drs)

何と言うかとにかく凄く良かった。音色、スイング感、スピード感、安定感 素晴らしい! この人をお手本にして練習して行きたいと思えるもの。某プロ奏者も「Yes! Don!! Don Bradenいいですよね〜!正しいテナーの音がしますよね!」と言ってくれてます。正にボス・テナー! 最近私がEWI Vocoderで歌ってたスティービーのCreepin’ を演ってくれたのも嬉しい偶然で、つい一緒に歌ってしまいました。

Zincでは妻との日本語の会話を聞きつけて声をかけて下さったNY在住のサックス奏者Tsuyoshi Niwa(丹羽剛)さんと面識を持つことができました ^ ^。後で知ったのですが、NiwaさんはRandy Breckerとの共演作品もお持ちの実力者です! NYでの活躍はこちらのリンク先で!Tsuyoshi Niwa Website

Zinc の帰り道にBlue Note の前を通ったので記念撮影!窓から中で演奏しているNicholas Paytonの姿が見えました。音も漏れ聞こえるし、日本の姉妹店とは違う感じ。マックに寄ってUp TownのSmokeへ。

 

地下鉄103St駅を降り,人気の少ない通りを歩いてSmokeに到着。計画を立てながら,深夜だしHarlemに近いし気をつけた方がいいんだろうなあと構えてましたが、そんな心配は要らない感じでした。

NYへ出発前にSmokeのサイトをチェックしていた時点では、この時間 Isaiah J. Thompson Quartetにオーストラリア出身の若手テナーEvan Harrisが入ると記してあったのですが、予定変更になったらしく,オルガントリオが演奏していました。NY Jazzガイド本にも直前にスケジュールが変わることがあるので電話で確認を〜という記述もあったなあと思い出しながら席に着きました。平日の深夜でややガランとしてます。

AKIKO TSURUGA TRIO At Smoke

Akiko Tsuruga (hammond b3)
Charlie Sigler (g)
Carmen Intorre (drs)

日本人オルガン奏者の敦賀明子さん パワフルでした。盛り上がって踊り出すお客さんがいたり。敦賀さんのアルバムHarlem DreamsにFrank Wess(ts)が参加していて印象に残っています。握手してもらって店を出ました。お会いできて嬉しかったです。

このお店、深夜のセットはミュージックチャージ無しですが,オーダーのミニマムチャージが一人20ドルという仕組み。大分遅い時間になりイエローキャブでホテルへ帰りました。

2019年08月25日

[LIVE] NY Jazz Club 巡り Vol.2 Bill Frisell Darryl Yokley 2019 8 7

NY2日目(2019 8月7日)はメトロポリタン美術館の観光からスタート。JALパック付属の半日観光専用ガイドにお世話になりながら、地下鉄とセントラルパークを東西に横断する市営バスを使って、美術館の他、ストロベリー・フィールズダコタ・ハウスを訪れました。Coltraneオリジナル曲のメロディーを思い浮かべながら「Central Park West」の表示を背景に記念写真! John Lennonがここで撃たれたあの日、高校生だった私は山形市でDave Liebmanを擁する日野皓正コンサートを観ていて、休憩からステージに戻った日野さんのMCでJohn Lennonが亡くなったことを知りました。Dave Liebmanの強烈なソプラノの演奏と共に記憶に残っています。

 

イタリアンの店で遅めの昼食を採ってホテルに戻り休憩。その後、West48Stにあるという楽器街に行ってみましたが再開発なのかそこは更地で、Sam Ashの移転先へ行ってみても管楽器売り場は物足りない感じ。せっかく寄ったのでとJameyのTraneテキストを購入したら,お店の人が「Great Music!」とか言いながらGiant Stepsを流してくれました。ミュージシャンが多いであろうNYの楽器屋はどうなっているのか謎です。突然の夕立に足止めをくらっているうち時間が過ぎ、今夜の目的地、聖地Village Vanguardへと向かいました。

地下鉄の駅を出て薄暗くなった街を歩いていくとVillage Vanguardの見慣れた赤いファサードが見えてきて感動、赤い扉を開けて感動、地下に続く階段を下りて感動、壁に飾られたTraneの写真パネルを見て感動・・・。ここも予約を取っていたものの開演直前の時間になっており、細長い三角形な店内の後ろの方に案内されました。昨夜と違って日本人観光客らしい姿がちらほら。

 

BILL FRISELL TRIO At Village Vanguard

Bill Frisell (guitar)
Thomas Morgan (bass)
Rudy Royston (drums)

Bill Frisellの演奏はあまり馴染みなかったのですが、Village Vanguardは外せないということで予約、仲間のギター弾きから教えてもらって聴いた代表作と同様に空間的な独特の世界を感じさせる演奏でした。酒バラなどのスタンダード、スローなブルース、オリジナル曲をほとんど切れ目なく繋いで行くもので、時差ボケに吸い込まれそうになりながら包み込まれる時間を過ごしました。ルーパーを多用したり,突如意表をついたフレーズを弾いたりするのも印象に残ります。次の週は、ここにGreg Tardyのサックスが加わるとのことで、そちらも聴いてみたかった! Traneの写真パネル前で記念撮影しようとしたところ,若い店員から「Don’t Touch!」との声。「指さしただけなんだけどなあ・・・」とぼやきながら外へ出ると2ndセット待ちの客が並んでいました。

 

Village Vanguardに続いてSmallsへ歩いて移動。この界隈は55BarやFat Catなどのジャズクラブが集まっていて、Google Mapストリートビューで見て周っていた場所なので初めてという気がしません。前のセットが終わるのを10分ほど待って店内へ入ると、ライブストリーミングで見慣れたはずのSmalls店内は思ってたより広く感じました。最前列に陣取って飲み物を注文していると若いミュージシャン達が出てきました。

DARRYL YOKLEY QUARTET At Smalls

Darryl Yokley (ts)
Zaccai Curtis (p)
Luques Curtis (b)
Byron Landham (drs)

NY滞在中のSmallsのスケジュールをチェックすることでDarryl Yokleyというテナー奏者を知り、Apple Musicの作品にアフリカを意識したものを感じていました。郷愁を感じさせるメロディー,ライブでも聞き覚えのあるオリジナル曲が演奏され、牧歌的で優しい語り口のテナーが次第に白熱し野性味を併せ持ってパワフルなリズムセクションに絡んでいく,そんな高揚感を味わいました。時差ボケと闘いながらw ピアノソロもキレキレ!

 

例によって演奏が終わって話しかけてみるととっても気さくな人柄。日本語をよく知っていて「ヨメガニホンジ~ン」とのこと。お勧めの楽器屋も教えてもらいました。かなり歩き回った一日で疲れがピーク! 初イエローキャブでホテルに戻りました。

2019年08月23日

[LIVE] NY Jazz Club 巡り Vol.1 Tim Ries 2019 8 6

30年来の憧れであったNew Yorkへの旅が実現しました。JAL006便で羽田を発ち,2019年8月6日午前にNew York JFK空港に到着。昼前にミッドタウンにあるホテルに入り,運よく規定の時刻まで待つことなくチェックイン。飛行機ではなかなか眠れず,東京で朝起きてから25時間が経過していましたので,レンタルのモバイルWi-Fiルーターを設定した後,楽しみな夜に向けて仮眠を取りました。

夕方,妻とホテルを出発,Google Mapを頼りに最初の目的地 Jazz Stsandardを目指しました。まずは一週間地下鉄とバスが乗り放題のMetro Cardを購入,NY地下鉄初体験もスムーズに進み早くに目的地に到着。周辺を散策しサラダのお店で軽い食事をとった後Jazz Stsandardへ。事前にWebで予約を取っており,すぐに案内してもらいステージにほど近い席に座りました。The Rolling Stonesのコンサートツアーでのサックス奏者としても有名なTim Riesの Liveが始まります!

丁度ニューアルバム Life Changesがリリースされるタイミングで,プロモーションビデオ撮影のためか大きめのカメラが複数設置されスタッフが慌ただしく動く中,お店の名物らしいスペアリブとビールを注文しNYの夜に乾杯!

TIM RIES SEXTET At Jazz Standerd

Tim Ries – tenor & soprano saxophones
Ben Monder – guitar
Grégoire Maret– harmonica
Ron Oswanski – piano & organ
Tony Scherr – bass
Terreon Gully– drums
Bernard Fowler - vocals

上記のメンバーの他にハープ(Tim Riesの奥さんらしい)やバイオリン,女性ボーカルが入る曲もあり,豪華な感じのステージでした。ニューアルバムからの曲が中心だったようです。テナーの他ソプラノも多用していて,私のイメージにあるニューヨークテナー的なライン・音色が魅力的でした。特筆すべきはGrégoire Maret(harmonica)のソロが素晴らしかったこと!

握手してもらって,帰りも地下鉄で。翌日のThe Rolling Stones Projectも気になるのですが他のテナーも聴きたいし,贅沢な悩みです!

Grégoire MaretのFacebookにこの夜の演奏動画が上がっていました。

 

2019年08月22日

[LIVE] Mike Stern Blue Note Tokyo 2019 8 5

2019 8月5日(月)MIKE STERN BAND featuring AKIRA JIMBO, DANNY WALSH & EDMOND GILMORE 2nd Setを観てきました。

Mike Sternは80年代の復活Milesバンドに抜擢されたころからの大ファンでして,デビューアルバムから全て聴いて来ました。この翌日からの予定のNY旅行にて55BARで聴くつもりでいたのですが、55BARのスケジュールにMIKE STERN BANDが出てきません。調べてみたらまさかの日本ツアーだったということで、東京に前泊して夫婦でこれを観てからNYへ発つことにしたという訳です。

MIKE STERN BANDと言えば、Michael Brecker~Bob Berg~といったワクワクのテナー奏者が入るわけで、今回もDanny Walshのテナーに期待が高まります。東京へ向かう新幹線の中でYouTubeにDanny Walshが石森管楽器でウッドストーングッズを吹く様子が上がっていて、ますます期待感アップ!

実際の演奏はこの期待感を十二分に満足させてくれるのもでした。Michaelを相当研究して自分のものにしてる感じ! 当日は石森で購入したマウスピースを使用していて、終演後に話しかけたらそのマウスピースを見せてくれて気に入っている様子でした。

リーダーのMIKE STERNはBlue Note 最終日で疲れていたろうと思いますが、大怪我をしたという右手の様子は心配してたより自然な感じに見えました。回復してきているのだといいです。

詳しくはBlue Note Tokyo の LIVE REPORTSに今回の様子やセットリスト等が載ってます。

 

2019年08月21日

[LIVE] Niigata Yossy BigBand + Eric Marienthal 2019 4 28

 Niigata Yossy BigBand + Eric Marienthalコンサート,平成から令和へ世の中10連休の2日目,2019年4月28日(日),新潟市万代市民会館6階多目的ホールで観て聴いて来ました。新潟ジャズストリートの核となるミュージシャン達で編成するビッグバンドが,あのエリック・マリエンサルを招いて今回が2回目というコンサート。合わせてエリックのクリニックもあるというので気になっていました。直前になって被りそうだった予定が空いたものの,既にチケット売り切れ。キャンセル待ちからチケットをゲットして新潟へ向かいました。

 当日,上越新幹線の停電トラブルの影響でエリックの到着が遅れ大混乱だった様子で,残念ながらクリニックは中止,主催側の計らいでリハーサルを見学させていただけることになりました。時間が迫る慌ただしいい中,会場を走り回りジョークを散りばめながらテキパキと進めるバンマス,通訳を介したリクエストに極短時間で見事に対応する,エリックのプロフエッショナルな姿に圧倒されました。譜面は初見らしく,曲やソロの構成も簡単なものではない様子で,リハーサルを観せてもらっただけで,既に胸いっぱいな感じ。

 忙しいリハの最中,私のところまで走って来てくれたバンマスのヨッシーさんから「もう並んだ方が良い」との配慮に満ちたお言葉を受け,ロビーに出て75番のカードをもらって並び再度入場。なんとエリックの真ん前かぶりつき席が空いていました。ラッキー!

 一部はNiigata Yossy BigBandの演奏からスタート。結構な濃い内容で,アンサンブル,各メンバーのソロともに聴きごたえ十分,特に,阿川泰子さんが懐かしいSkindo Re Re,一部最後Ray BrownのMi Burriotoが印象に残りました。二部はいよいよエリック参加。短時間のリハ打ち合わせ事項を見事にこなし,複雑そうに聞こえるリフも完璧に吹きこなし,スリリングなソロで自分の世界に引き込み,バンドメンバーには絶妙なやり取りを仕掛け,観客を喜ばせるツボもバッチリ。これぞ超一流プロミュージシャン! エリックを迎え撃つメンバーの力量も高く,エリックとの掛け合いでは高度な技と歌心で見事な対応ぶり,素晴らしい! 予期せぬトラブルにもめげず,こんな凄いコンサートをやってのけるNYBBに敬服するとともにパワーをもらい,感動のライブで平成ジャズを締めくくることができました。終演後やり切った感に満ち溢れていたメンバーの皆さん(写真下),この後の連休を楽しむエネルギーは残っていたのでしょうか?

2019年05月12日

[EWI] ベンドプレートの位置調整

 マイケルブレッカーのEWIベンドテクニックを真似てみよう~の続きです。
 EWIを持ち支えている右手親指でベンドプレートに触れることで,ギターのチョーキングのように音を持ち上げたり下げたりすることができます。下方向がベンドダウンプレート,上方向がベンドアッププレート(写真)。手の構造上,ベンドダウンの方がスムーズに動かせてプレートに指が密着し反応が良い感じがします。右手親指をクイクイッと転がすようにしてベンドプレートに触れるのがコツのようです。親指のベンドアッププレート側ががさついているせいか,タッチセンスの反応が今ひとつ鈍いように感じますが,ハンドクリームの出番かもしれません。
 マイケルブレッカーのEWI奏法はベンドアップを多用するのが特徴とのこと。In A Sentimental Moodでベンドを使おうとすると,ベンドダウンはまあそれらしくなるものの,ベンドアップがいま一つ上手く使えません。右手親指を上方向に転がそうとすると他の指もそれに引きずられ,次の音に繋げられなくなってしまう。うーんなんだかなあ~というとき,「ベンドプレートの位置調整を・・・ 。」との知人のアドバイスを思い出しました。ドライバーでネジを緩め,ベンドアッププレートの位置をずらしてみたら意外と簡単。プレートの位置をずらしては試奏を繰り返し,結局,最大幅下げた場所に落ち着きました(写真)。しばらくこれで操作してみようと思います。
 小指のタッチセンスもドライバー一本で角度調整ができるなど、EWIはユーザーの手の大きさに合わせられる設計になっています。サックスのテーブルキー等も,こんな風に自分で簡単に位置調整できたらいいですね。

2019年03月05日

[LIVE] Chris Botti Blue Note Tokyo 2019 2 21

 ブルーノート東京でChris Botti(tp)のライブを聴いて来ました。
 せっかく東京に来たので誰かテナー聴いて帰りたいと、各店のライブスケジュールを物色してAndy Snitzer(sax)を発見! ファーストセットなら都合良いぞと行ってみたら、期待通りの熱いテナー! ソロ取ったのは4曲だけでしたが生で聴けて満足。ファンク風So Whatでの長尺ソロにグッと来ました。
Joey DeFrancesco(org)を生で聴けたのも収穫。^ ^
 これまでChris Botti(tp)はStingのツアーメンバーとしての演奏をDVDで観たぐらいでした。生で聴くと思いっきりリバーブをかけた甘くセクシーな演奏で、正直、最初は寝てしまいそうでしたが、美女バイオリン奏者を招き入れたり、ハードな曲で前述の二人をフューチャーしたり、女性ボーカルと客席に降りたりと、豪華なゲストで客を楽しませるステージでした。こうしたパフォーマンスはStingの影響もあるのかな? ソロの途中でAidaのテーマを引用したり、マイルス好きのようですね。
 終演後、楽屋に戻るAndy Snitzerが近くを通ったので、手を伸ばしたら握手してくれました。(^^)v

メンバー
Chris Botti(tp)
Sy Smith(vo)
Andy Snitzer(sax)
Joey DeFrancesco(org)
Eldar Djangirov(p)
Erin Schreiber(vln)
Leonardo Amuedo(g)
Reggie Hamilton(b)
Lee Pearson(ds)

Andy Snitzer(sax)がソロ取った曲
Blue In Green
So What
Moanin'
What A Wonderfhl World

2019年03月02日

[Instrument] セルマーSBA と SA80S2 吹き比べ

 長年使われていなかったスーパー・アクション80・シリーズⅡ(SA80S2)を入手,とりあえず使える程度にリペアしてもらい,愛器スーパー・バランス・アクション(SBA)と吹き比べてみました。
 見た目はこんな感じ。左がリペアマンが分解して磨いてくれたSA80S2,右がラッカー色が特徴的なアメセルSBA。こんな風にマス目の上に置くと,ネックの形の違いがよく分かります。ネックの長さの違いから,シリーズⅡの方が体に近く収まる感じがします。手に持ってなじむのはバランス・アクションの方かな。所謂テナーの音がするSA80S2と枯れた味わいのSBA,バンドや曲のカラーによって使い分けてみたいもの。タンポ・キーアクション・バネの強さ等,もう少し調整が必要な感じのするSA80S2です。

 

2019年02月12日

[EWI] マイケル・ブレッカーのベンドテクニック

 EWIを入手して一年半,ライブでも使うようになったものの,いま一つよく分からないのがベンドの操作です。これを覚えないとEWI使いとは言えないんだろうなあとぼやいていたら,EWIマスターな知人が参考になる動画を紹介してくださいました。マイケル・ブレッカーのベンド操作,同じ運指で±1音のアップ・ダウンをやっているのがよく見えるとのこと。動画を観ると,かなりな回数,右手親指でクイクイやってるのが分かります。

 

 冒頭の部分を音符に書き出してみました。譜割りはいい加減なもの。音符は実音ではなくて運指を表しており,ベンドダウンプレートを触っていると思われる個所にDの記号を付けました。Bの運指で右手親指でベンドダウンプレートを触るので,実際はAの音が出るという意味。波線はゆっくりとベンドプレートから親指を離すところです。

 

 

 マイケルの演奏を聴きながら繰り返して吹いてると,少しそれらしくなった気がして来ます。次のライブに活かせるといいなあ。次はアップベンドの使い方をコピーしてみたいですし,ベンドプレートの位置を上下に微調整できるそうなので,それもやってみようと思います。

 マイケルのベンド奏法については,EWIの情報源としてお世話になっているサイトWX5 workbookIn A Sentimental Moodにみるマイケル奏法の研究 が素晴らしくて参考になります。久しぶりに読み返してみると,以前より内容が理解できるようになっている感じ。私も進歩してるかも。(^^♪

 備忘録 EWI4000sのベンド・センサーの設定については,下のマニュアル通りに操作しました。

 

2019年02月11日

[BOOK] POSSIBILITIES HERBIE HANCOCK

 ミュージシャンに限らず,素晴らしい人生の出来事を追体験させてくれる自伝や伝記。書棚には,コルトレーン,ショーター,スティング,ジョブス・・・・・・。気になっていたハービー・ハンコックの自伝を入手しました。2015年8月の発行から3年も経ってる。全24章のタイトルはジャズと音楽テクノロジーの重要な局面を切り開いて来た歴史そのものです。
 生い立ちから,有名なマイルス時代,よく知らなかった独立時代,15章辺りからは私もリアルタイムで経験して来た時代。自分の音楽的な思い出とリンクさせながら,興味深いエピソードを一つづつ味わい読み進めました。あのマイルスのプラグドニッケルライブはこうして生まれたのか。大好きなニュースタンダードを録音した頃,そんなな窮地に陥っていたとは驚きでした。
 ニュースタンダード以降の作品はほとんど聴いていなかったのですが,自伝を読み終え,遡りながらアップルミュージックで聴いています。リヴァーには鳥肌が立ちました。マイルスバンドからの独立直後時代の作品も聴き直してみようと思います。

2019年02月11日

[LIVE] 伴田裕カルテット 2019 1 4

 今年も1月4日がジャズ初め、村上駅前 楽屋にて新春恒例 伴田裕カルテットを聴いて来ました。 ^ ^
メンバーは昨年と同じ 伴田裕(ts) 尾崎利彦(kb) 文河潤(b) 本間克範(drs) のカルテット。
 おなじみのオープニングメロディー一月一日に続いて、コルトレーン風のマイ・シャイニング・アワーからスタート、特に印象に残ってる曲は、チェルシー・ブリッジ、フランク・フォスターのマイナーブルース、60年代ウェイン・ショーターン風のオリジナル、暗さが心地よいオリジナルのバラッド・・・。
 伴田さんのテナーは毎年この日拝聴するだけですが、ブラインドで聴いても伴田さんだと聴き分ける事ができるだろうオリジナリティを感じます。音色が素晴らしい! 昨夜は久しぶりに4万番台米セルSBAを吹いていて嬉しかった。年末にフルオーバーホールしたばかりとの事で楽器のコンディションの良さもあってか、超ハイトーンを多用していた様に聴こえました。オーバーホールの間に色々な現行楽器を吹いたそうですが,SBAに戻ってイメージした音がそのまま音になる事が嬉しいとのこと。持った時のフィット感の良さというのも分かります。同じSBA使いとして嬉しくなるお話です。
 盛り上げ方が絶妙な本間さんのドラムも楽しかった。伴田さんや藤井さん、楽屋テナーには本間さんがぴったりで心地よいのです。来年もまたこのメンバーでお願いします。
 こんな感じで毎年聴く方からスタートする私のジャズ初めでした。息子娘達も帰ってしまったし、この土日から吹く方も初めようと思います。
数年ぶりに楽屋で演奏させてもらいたいもの、今年も楽しいジャズライフを過ごせますように。^ ^ー

2019年01月05日

[Session] 秋田 5spot 2018 12 15

 SNSで秋田の娘のところに行くと書いたら、秋田市ジャスシーンで大活躍ベーシストの山田さんがセッションを設定して下さいました。山田さんまたまたお世話になりました。
 夕方コンビニで待ち合わせ、連れて行ってもらったのがピアノラウンジ5spot(※HPへリンク)というジャズピアニスト早川泰子さんご夫妻のお店。グランドピアノを囲むお洒落なカウンターが印象的です。4人でお話しさせてもらって、そろそろセッションというところへ忘年会二次会風のお客さんがご来店,しばらくしてセッションを始めると盛り上げてくださって、なかなか雰囲気の良いライブセッションとなりました。
 メンバーは早川泰子さん(p)早川正久さん(drs)山田雅彦さん(b)と今タクオ(ts)のカルテット。私が選曲させてもらって,I'll Close My Eyes, I Hear A Rhapsodyといったスタンダードを並べTunisiaで締めくくる2セットでした。ピアノトリオは50年代バップ本物なサウンドです。ヤバいこういうセッションはかなり久しぶりの私・・・ほろ酔いながらもフレーズを選び丁寧な演奏を心がけたつもり。しかし,BluesやTunisiaを演るうちいつもの私に・・・もう少し慣らしてから行くんだった。お客様のリクエストにはピアノトリオで応えて頂きました。
 それでもセッション後に元気が出るような有難いコメントをいくつも頂き,頭を撫でてもらった子供のように気分良くして帰ってきました。泰子さんの「周りの音をよく聴くことが大切」とのお話が印象に残っています。是非またご一緒させて頂きたいと思いますし、少しづつでもバップの練習を続けようというモチベーションを頂きました。
 失礼ながら,今回初めてお会いした泰子さんのことはほとんど知らなかったのですが、バリーハリス,レイブライアント,ミルトジャクソン,ケニーバロン・・・・といったレジェントとの交流等、お話しを伺ううち,とてつもない方であることを実感! この辺りは泰子さんのブログ(※リンク)で読むことができます。
 自宅に戻ってHP等拝見し、数あるCD作品の中から写真の2枚を手に入れました。山田譲さんとのデュオ作品Old Charterが素晴らしく繰り返し聴いています。学ぶことぎっしり!

2018年12月28日

[BOOK] パリス・マイ フーリッシュ ハート

 南博さんのジャズピアニストエレジー銀座編「白鍵と黒鍵の間に」、アメリカ編「鍵盤上のUSA」に続くパリ編「パリス」が出たとSNSで知ったのは半年ほど前でした。即入手したもののそのまま積んであったのを最近やっと読みました。南さんの実経験を綴ったものであろう前二作とはとは一味違ったハードボイルドな結末で,「えっ,そんな展開になっちゃうの」というドキドキ感。こちらは多分創作部分が大きい小説作品なのでしょう。
 「パリス」を読み終えると,まだ読んでいなかった,南さんのもう一冊の作品「マイ・フーリッシュ・ハート」が気になります。ネットで注文,アメリカから帰国してからの生活を綴った実録エッセイ集になっていて,プロミュージシャンの生活ってどんなものかという興味もあり,これまた引き込まれます。
 南さんは,私が学生時代組んでいたバンドのピアニストの師匠さんでして,都内で何度か拝聴していました。田舎に戻ってからも,2009年11月3日,山形市内でのライブに出かけ,著書にサインもしてもらいました。「マイ・フーリッシュ・ハート」に頻繁に出てくる Hiroshi Minami Go There! 南 博(p)竹野昌邦(ss、ts)水谷浩章(b)芳垣安洋(ds)というメンバー。当時の私のHPに載せたライブレポを読み返してみると,「オリジナル曲は広大な風景が浮かんでくる雰囲気があって素晴らしい。お目当て竹野さんのソプラノ&テナーが期待通りで嬉しかった。」などと書いてあって,「マイ・フーリッシュ・ハート」に記されている時期の直後ぐらいだったことが分かります。オリジナル曲に込められたエッセイに出てくるアイスランドやデンマークで得た印象を聴き取ったのかもしれません。
 この本に出てくる一連のCD作品も聴いてみたくなりました。ライブでも聴いてみたいものです。

2018年12月02日

[EWI] チューニング

サックスのマウスピースをネックに押し込み、A音440Hzよりもやや高めにチューニングした方がサックスの高低の音程が安定する印象があります。
チューナーアプリ、カラオケアプリとも441Hzに設定しているので、EWIもこれに合わせようとマニュアルを確認してみました。
EWI5000の場合、FINEつまみを回して合わせると書いてあります。周波数の数値は表示されないようです。よく分からないのでネット記事を検索してみると親切な解説がいくか見つかりました。

若林愛さんのブログ(リンク)が分かりやすく参考になりました。

ブログによると管楽器やピアノに合わせる時は442Hzにしているとのことです。
職場のピアノはどうしているか担当に聞いてみたところ,やはり442Hzで調律しているとのこと。なるほど、サックスとEWIを併用する私は今後442Hzにチューニングしようと思います。バンドメンバーに伝えました。

EWI4000はセットアップボタンとサイドボタンの操作でチューニングする手順になっていて、42と表示されれば442Hzになります。こんなところにもEWI5000とEWI4000の違いがあったのですね。

2018年11月21日

[LIVE] 三木俊雄トリオ 2018 10 11

楽しみにしていた三木俊雄トリオ,聴いて来ました。長井市 響蔵にて。
三木俊雄(ts) 西川直人(org) 海野俊輔(drs)
コードレストリオかと思っていたらオルガントリオ,オルガン奏者ってミラクルです。もう長いこと演ってるトリオだったのですね。
三木さんはジャズライフ誌のサックス講座やSNSでお馴染みの方ですが,生音は初めて拝聴しました。1963年生まれの同い年。(^^♪
芯の通った音というか、細かな繊維がぎっしりと束になった音というか、グッとくる音色・音の綴りで素晴らしかった。中音域の温かみ、フラジオ音域のキレの鋭さが印象的で三木さんのお話ではヤマハの特注楽器の良さであるとのことでした。
やはり定期的にプロの本物の音を聴いてイメージを高めること大事です。
休憩時間にあれこれお話できたし、アンコールが枯葉というのもレア。楽しい夜でした。是非また来てください。

●三木俊雄HP

 

2018年10月19日

[EWI] ハンドクリーム

からっとした秋晴れ,芸術の秋,各種ライブの予定が入りモチベーションの上がる季節です。しかし年のせいか,指が乾燥してEWIのタッチセンスの反応に鈍い箇所が出てきたりします。指の微細な電流を感知する仕組みとのことですが,特にぎゅっと押さないと反応しなくなるのが左手の小指と右手人差し指付け根のBb。皮膚の潤いが失われやすい部分らしいです。こういう時はマニュアルの注意書きにもあるようにハンドクリームを塗ることでスッキリ解決できます。以前ドラッグストアのおばさんに事情を話して,あまりべた付かないものを選んでもらったのがこれ。ピンポイントで塗っています。

2018年09月29日

[EWI] 和音を出す技に挑戦中

iPhoneアプリを物色してMidi Rotatorというアプリを見つけました。開発者はサックス吹きのようです。マイケル・ブレッカーのオリジナルレイズを意識したものではないでしょうか?

YouTubeにデモがありました。

2018年07月23日

[GOODS] キャリーストレージ

荷物が増えたとつぶやいたら、知人がキャリーカート・キャリーワゴンがあるよと教えてくれました。ミュージシャンの間でも流行っているらしい。ドラマーの方から「ドラムセット、スタンド類、シンバルとなるとこういうキャリアーが必要なんですよね。車のトランクにも入ります。」とのコメントをいただきました。(^^♪ キャンプ用からお買い物用まで色々なタイプがあるのですね。
真っ赤な四輪ワゴンに機材を積んで野外音楽フェス会場を移動してみたい気もしますが、練習スタジオには大げさでしょうか。私の場合立てて入れれば50×70cmのスペースで間に合いそうなので写真のキャリーストレージを選びました。駐車場から練習室までの移動が楽しくなりました。

2018年07月08日

[EWI] 外部ソフトシンセ音源との接続

いろいろ試行錯誤していたEWI5000の外部ソフトシンセ音源との接続でしたが、KORG plugKEYの使用で解決できました。写真のようにKORG plugKEYを間に置いてEWIとiPadをつなぎ,iPad内のソフトウエア音源をEWIで演奏します。KORG plugKEYから音声出力しアンプなどにつなぎます。この方法で複数の音源を重ねて鳴らしSusponeのテーマを演奏することができました。

 

ソフトウエア音源はこちらを参考にしてKorg Gadgetを使用してみました。

 

2018年05月27日

[LIVE] 礒見博トリオ feat. 峰厚介 2018 5 26

行って来ました。加茂水族館 音楽の夕べ
『礒見博トリオ feat. 峰厚介』
礒見博(drs) 鈴木克人(b) 羽仁知治(p) 峰厚介(ts ss)
ミズクラゲが漂う大水槽前でのコンサート、1000円の入館料で水族館と音楽が楽しめてしまう有難いイベント、日本ジャズテナーのレジェンド峰さんの生音を拝聴する貴重な機会でした。
曲は ラウンドミッドナイト、ボリビア、アナマリア、サマーナイト、フットプリンツ など、一曲目ベアトリスのテナーソロが特に良くて印象に残ります。
優先される年間パスポートの方々でほぼ座席が埋まったので、大水槽を囲む円形の階段に座ったら、ちょうど峰さんからまっすぐ前、サックスの音色がよく聞こえる位置でラッキー。
旧加茂水族館で大繁殖したサカサクラゲを分けてもらい当時の職場で飼育したことがありまして、館長さんとそんな20年前のお話をさせてもらったのも楽しかったです。

2018年05月26日

[LIVE] マーカス・ミラー 山形テルサ 2018 5 17

マーカス・ミラー 行ってきました山形テルサ。
サンボーンのライブから30年近くを経て!
オープニングのイントロを聞いてもう涙(T-T)
あっという間の2時間
アンコール総立ち!
CDにサインもらった末っ子

2018年05月18日

[LIVE] 伴田裕カルテット 2018 1 4

ジャズ初めは村上駅前 楽屋,新春恒例・伴田裕カルテット を聴いて来ました。^ ^
伴田裕(テナーサックス)・尾崎利彦(キーボード)・文河潤(ベース)・本間克範(ドラムス)
ニアネス・オブ・ユー しみた〜。セカンドはキャラバンが熱かった! 相変わらずの素晴らしさでした。本間さんはテナーサックスと相性最高ドラマー!
また聴かせて下さい。

2018年01月04日

[Session] ノイジー年末ジャムセッション

毎年恒例、山形市ノイジーダッグのセッションで吹き納め、久しぶりの皆さんと顔を合わせ、ツーテナー大会で楽しませてもらって来ました。
今年も1月の新潟ジャズストでライブ活動を開始したものの,事故~入院で春から夏に予定していたライブステージに立てませんでした。それでも,ペンタ&ニック,クロストークのライブにゲストで入れてもらったり,福島のイベントに呼んでもらったり,今夜のセッションに参加したりと楽しく過ごさせてもらいました。ホント皆さんのお陰です。感謝 感謝 (T_T)
ウインドシンセサイザーEWIを始めたのは怪我のなんとか。白い森音楽祭夜の部のセッションではボコーダーEWIデビュー ^ ^。
来年も楽しく過ごせますように。

2017年12月29日

[Session] クロストーク 日常茶飯美

昨夜の日常茶飯美での様子です。仲間がツイッターにあげてくれた写真を拝借 ^ ^
田中マコトライブのプレアクトとして出演したクロストークに二曲参加させて頂きました。
勝手ながら、いろいろ心配して下さった地元の皆さんに普通にテナーが吹けるように回復したところを見てもらうという場でもあり、白い森音楽祭関係仲間の忘年会的な場でもあり、実に楽しい夜でした。
水橋さんのニューアルト良い感じで,田中マコトさんとのセッションも良かったなあ。
復活抜きでも感動してもらえるように進歩したいものだと思います。w

2017年12月03日

[LIVE] サキソフォビア 蔵響 2017 11 21

長井市 蔵響にてサキソフォビアのライブを鑑賞,岡さんのマッチョな口の周りの筋肉に惹きつけられました。
教本にサインしてもらおうと思っていたのですが忘れて来たのでCD買いました。
あれ? 一人サインもらいそびれたかな(笑)

2017年11月21日

[LIVE] スコット・ハミルトン 山形 2017 10 16

一週間前になりますがテナーサックスの巨匠の一人、スコット・ハミルトンをこの目で観て聴く機会に恵まれました。コンサート会場は仕事後気楽に車で行ける山形市郊外、貴重な機会だったので感想等を少し。
スコット・ハミルトンと言えばフュージョン全盛の時代に若くしてレスター・ヤングやベン・ウエブスターを思わせるスタイルでデビューし人気を集め現在に至るテナー奏者、高校時代の友達が彼のレコードを持っていて聞かせてもらったことを覚えています。あの頃は高校生が聞くような音楽じゃないなあと感じましたけど・・・。当時スイングジャーナルに大々的に取り上げられているのを、背伸びして入り浸っていた米沢の某ジャズ喫茶で眺めた記憶もあります。
その後多くのテナー奏者を聴くようになって良さに気づき、トランスクライブも少しやってみました。スイング派の古いスタイルと言われてますが、50年代以降の滑らかなお手本的バップラインを吹いてると思います。ささやくセクシーな音色からレスター等と比較されるのでしょう。
そんなことを思い出してワクワクしながら会場入り、ビンテージテナーを抱えて登場した御大は、優しい普通の白人紳士という印象。演奏が始まると聴きなれたスコット・ハミルトンサウンドが会場に広がり何とも不思議な感動を覚えました。時折こちら向きになると数m先から生音が聞こえて来て嬉しかった。現在63歳ぐらいのはず。
カルテットでの演奏ではチェロキーの軽快さが印象に残ってます。ベーシストがボズ・スキャッグスのジャズアルバム的なボーカルを披露し、ハミルトンのテナーが絡むところも良かった。
マウスピースの咥え方に注目してみたところ、アーチー・シェップの様なユルユルでは無かった。ダブルリップかどうかは唇の薄さでよくわかりませんでしたが、普通な感じに見えました。
終演後、会場でCDを購入してサインしてもらいました。サックスプレーヤーだと話しかけてみたら「そう見えるよ~」らしいことを言ってくれてたようです(笑)。熱心なファンらしく持参してきたLPにサインをしてもらってる人もいて感心。
ここ数日、テナーシューズ等初期の作品をアップル・ミュージックからDLしたり、ジャズ批評テナー特集号の記事を読み返してみたりして余韻に浸っております。
メンバー
スコット・ハミルトン ts
森田 潔 p
ブルース・ハマダ b vo
アキラ・タナ drs

2017年10月22日

[EWI] ボコーダー

2009年11月に来日したSeamas Blakeのライブを観たのが始まりでした。この時はEWIをマックブックとつないでいました。

なにやってるのかよく分からないがカッケー,EWIを手に入れたら真似してみたい!

 

歌ったりもできるのか!


ということで,なんとかそれらしくEWIをボコーダーと繋いでみました。


YouTube動画で紹介されてるエフェクターはもう発売されていなかったり英語の説明が意味不明だったりしましたが、現在BOSSから発売されてるVO-1を使ってみました。EWIのブレスの感度設定が微妙で、周囲の音の大きさに応じて設定する必要があるようです。ヘッドセットの使用はシェーマス・ブレイクを意識してみました。


サックスをエフェクターに通すのはBブラザーズ世代はやってみたい技,学生時代フランジャーに通したりしてハイな気分になった記憶があります。
アンプから出る音をもっと大きめに録らないと分かりにくいかもしれませんが,音程は正確に歌えなくてもOK,発声でリズムをEWIの運指で音程をコントロールする仕組みです。

2017年09月18日

[EWI] EWI5000入手

5月に交通事故で入院し,6月半ば転院に合わせてウインドシンセ EWI5000を手に入れました。病院で何やってんだと言われそうですが、回復してくるとこんなことでもしてないと持ちません。
電子楽器なので病院でもヘッドホンをすればOK。サックスとは似ているようで色々勝手が違いますが、暇つぶしに弄ってるうちに慣れてくるのではないかと。
最初は息が抜けないのに違和感を感じました。口の横から息を逃がしながら演奏するとよいとのことで少し慣れてきましたが,EWIの壁と言われるオクターブローラーの操作にはかなり苦戦してます。ピロッという音が何度も出てしまうのは運指とオクターブローラーの操作タイミングが合っていないのが原因。タッチセンスの感度設定で多少ごまかしてますが、練習あるのみです。暇だし。

8月になったし、そろそろここでの吹き納めにしたいもの。
このところハーモニカの音色でIsn't She Lovely にハマってます。Apple musicでカバー曲の聴き比べもやってみましたが、やはりスティービー本家のソロは素晴らしいですね。

 

今回,私初心者が自力で始めるにあたって参考にさせていただいた本・サイトを並べておきます。

●EWI MASTER BOOK AKAI公式ガイドブック これに目を通してからEWI5000を注文しました。

●ココペリのEWI 初心者向けの情報がありがたいです。

●WX5 workbook マニアックなネタまでウインドシンセ情報満載です。

2017年08月01日

[LIVE] Pat Metheny Unity Band 2013 5 26

 もう1週間が過ぎようとしていますが,ブルーノート東京でのパットメセニー・ユニティーバンド公演に行ってきました。感想など記しておこうと思います。

 

まずは,セットリスト
【Set List for "Pat Metheny Unity Band" at Blue Note Tokyo 2013】
●Date: 2013/05/26 (Sun.) 2nd Show (8:00pm-)
●Venue: Blue Note Tokyo, Tokyo, Japan
●Musicians: Pat Metheny (electric and acoustic guitars, guitar synth, orchestrionics) , Chris Potter (ts, b-cl), Ben ...Williams (ac-b), Antonio Sanchez (ds) and The Orchestrion

◆Set List:
1. Free Improvisation on 42-string Pikasso Guitar -- Solo
2. Come and See
3. Leaving Town
4. Interval Waltz
5. James [from "Offramp" (1981) by Pat Metheny Group]
-MC-
6. The Bat [from "80/81" (1981) by Pat Metheny]
7. Signals (Orchestrion Sketch) / The Orchestrion Sequencer Improvisation with Quartet

*Encore:
The Good Life [from "Song X" (2005/ Twentieth Anniversary Edition) by Pat Metheny & Ornette Coleman]
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 マイケル亡き現在,メセニーが80/81以来30年ぶりにテナー入りのバンドで大傑作アルバム「PatMetheny Unity Band」を発表,それをライブで聴けるということで,贅沢な気分でブルーノート東京を訪れました。席は真中のステージ近くで,クリス・ポッターの生音も聞こえる位置。(^O^)/

 私としては,現在世界最高峰と言われるテナー,クリス・ポッターを生で聴くのが一番の目的でしたので,そこ中心に書きます。

 1曲目のソロギターの演奏が終わると,バンドメンバー登場,期待のクリス・ポッターがバスクラでCome and Seeのイントロリフを吹き始めました。アルバム中一番好きな曲,興奮します。

 テナーに持ち替えてソロに突入,一音も聞き漏らしたくないと,ビールも控えめにしながら傾聴。席の良さもあってか,クリス・ポッターの音が細部まで聴き取れて満足でした。

 好印象はテナーの音色。楽器はアメセル,シルバーのバランスアクションにビンテージなリンクメタルを使用しているように見えました。リフェースとか施されているのかなとも思いますが,近年優れた道具が溢れる中で,リガチャーも普通のリンク付属のものらしく,伝統的なセッティングのようです。テナーらしい深い音色はここから発せられるものなのでしょう。超絶技巧な印象から,道具も扱いやすさを追求しているのだろうと思っていましたが,ちょっと違うのかな。相当な練習量を積み重ねてきたのだろうと拝聴しました。

 ソロの内容はCDやネット音源等で聴いてきた通りの素晴らしい内容,手癖フレーズを使わない印象があるので,何かそういうところはないのかなと聴いてました。一つのモチーフを平行移動していったり,あるインターバルで並べた音を平行移動で上下するような吹き方を時折織り交ぜるのが耳に残りました。

 内容が濃いのであっという間に感じたのかもしれませんが,ソロがそんなに長くはなく,もっと吹き続けて欲しい感もありました。自分のリーダーバンドだったらもっと長いのでしょうきっと。メセニーサウンドの中で,聴きやすい万人受けする感じのクリス・ポッターを楽しむことができました。

 愛聴してきたJames,The Batもうれしい選曲,The Batの演奏前には「偉大なマイケル・ブレッカー,ジョシュア・レッドマンのお父さん達との作品80/81からの曲・・・・」といったMCが聞き取れ感慨深かった。自分でも演ってみたい曲です。

 ステージにはバスクラ,テナー,ソプラノ,フルートが並んでいたのでかなり期待したのですが,ソプラノ,フルートは演奏しませんでした。ソプラノ聴きたかった。

 最後に,オーケストリオンのお話。お洒落なお店のステージにガラクタを並べてカーテンで隠してある様な感じで,メセニーさん好きだね~と言いたくなるようなシステム。スタッフが一つ一つカーテンを開けて歩くのが面白い。ステージ前方の小さなシンバルが発するリズムが中核のようでした。ギターと連動して演奏されるだけでなく,LEDが点滅したり観せる工夫もされてます。CDで聴くよりもライブで観る方が楽しいシステム。MIDIでシンセを操るだけでなく,具体物を操ってしまおうという発想なのでしょうか。一つ一つ近寄ってよく観てみたいと思いました。

 そこで思い浮かんだのはTDLのアトラクションにパット・メセニー・オーケストリオンを創ること。壮大なオリジナル楽器の山が精巧に作られたパットメセニー人形に合わせて音楽を奏で,動き,光を発する。そしてあちこちに配置されたスタッフがそれぞれの生楽器を演奏する。それを乗り物に乗って観て周る。あったら楽しいと思いますがいかがでしょう。

2013年05月19日

[LIVE] 今井美樹 2008 6 20

 楽しみにしてた今井美樹コンサートAt新潟県民会館、夫婦で行って来ました。期待通りに楽しませてもらって、良い夜でしたね。2セットの始まり、ノリノリナンバーで会場総立ちがやっぱり楽しかったです。こういう感じもかなり久しぶりでした。デビュー当時からのファンでして、80~90年代の曲はある意味青春の音楽なんですが、2000年代前半あたりはややご無沙汰してまして、知らない曲もあるかなと思ってたら、全部知ってる曲でした。80年代の懐かしい曲もあってうれしかったです。どの曲も今回のバンドメンバーのカラーで、その辺も楽しめました。

 最近また今井美樹ファンのスイッチが入ったのは、ルパンとかジャズ色とか、姫路城コンサートのテレビ放送とかいろいろなのですが、最近の楽曲を提供している川江美奈子色がピタッと来るのが一番だったんだなーと再確認したコンサートでもありました。このコラボはこの先も続くようなので注目していきたいと思います。彼女のコーラスは凄く良かったし、SATELLITE HOURのスティビー・ワンダー風リフを彼女が歌ったあたりもゾクゾクものでした。照明とかも凝ってる感じだったし、美樹さんの音楽的に真面目なしゃべりもよかったなー。客層は当然なんですが同年代風が多くて、娘達に観せたくて連れてきたような母娘が私らの前に座ってました。

 新潟出身のドラムの鶴谷さんのドラミングに注目してました。ルックスも含めてカッコいいですね。前日夜は古町辺りのジャズクラブでジャムってたらしいです。

 うちの奥様、会場で先行販売してた昨年暮のブルーノートライブDVDをいつの間にか買ってくれてて、これも楽しみ。

 写真はオフィシャルサイトから

2008年06月20日