[Essay] My CD を作ってみた

3連休のある日、ふと思いついて随分前のライブ演奏の録音を聴き返してみました。懐かしいメンバーの顔が浮かんできたり、温かいお客さんの歓声が嬉しかったり、演奏風景が蘇ります。どのマウスピースを使っていたか思い出せませんが、テナーの鳴りがなかなか良い感じに聞こえるのもあります。これらの音源からセレクトしCDにまとめてみようと思いつきました。サックス吹きを再開してちょうど20年になりますし、節目となる年齢にもなりましたので、記念品として制作しお世話になっている方々に配布しようと考えました。ジャスラックへの申請もありましたので、備忘録として一連の作業や手続きを記録しておこうと思います。

 

曲データの編集

調べてみるとCD1枚に75分程収録できるようなので、これに合わせて収録する音源選びを始めました。Apple MusicにPlay Listをつくり、メンバー、演奏会場、曲順、合計時間等を考え入れ替えては聴いてみるの繰り返しです。これまでのライブの記録が役立ちました。

 

収録音源がほぼ決まったところで、音量レベルの調整、録音形式のWAVへの変換等を行いました。オーディオデータの調整はフリーソフトAudacityを使用し、全て自分のパソコン上での作業です。Audacityは多機能なツールでもっと効果的な使い方があるものと思われますので次回に向け覚えていきたいものです。録音方法はライブ会場の客席にレコーダーを置いただけのものからラジオ局のプロが録音してくれたものまで様々ですが、今回は録音のクオリティーはあまり気にせず、バンド仲間との演奏記録集の色を出したいと考えました。数日間考え、アルバムタイトルを「Dear Friends」とすることにしました。

 

CDプレスサービスの利用

上記と並行してCD制作サービスを調べました。「CD」「制作」「プレス」をキーワードとしてネットを検索すると、「CDのプレスや流通販売」「プランにあったCD制作」「格安CD制作サービス」「オリジナルCDプレス」などの看板を挙げたサイトがたくさんヒットします。内容を比較してみると、CDの盤面の印刷方法(シルク印刷・オフセット印刷・インクジェット印刷など)、国内プレスか海外プレスか、JASRACの指定協力工場かなどの違いがあることが分かりました。中には全国流通までサポートしてくれるところもあります。どちらの業者を選んでもパッケージデザインのためのテンプレートやオンラインアプリのサービスがあり、イラストレーターが使えなくても大丈夫のようです。今回はお試し制作なので盤面デザインや仕上がりはまずまずのクオリティーでよしとして、比較的安価な業者を選んでみました。

 

こうしてオンラインで業者とのやり取りを始めました。業者によって若干の手順の違いがありますが、次のような流れが一般的のようです。

1 申し込み

サイトの申し込みフォームに必要事項を記入して送信すると、担当者より入稿先などの案内メールが届きました。

2 デザインの入稿

オンラインアプリやテンプレートを利用し作成したCD盤面、ケース表側、裏側、帯などのデザインデータを指定の方法で入稿します。。

ケース裏面に本サイトのQRコードを入れてみました。入稿後内容のチェックがあり必要に応じて修正してもらいました。

3 マスターCDの送付

CD-Rに音源を入れて送付します。ファイル形式はWAVで同じものを2枚送りました。こちらもチェックしてもらいます。

4 検証盤の確認

希望オプションで、本プレスに入る前に検証盤を送ってもらい再生の確認をしました。今回お世話になったところでは、検証盤と一緒に送られてきた印刷物については変更不可ということでした。印刷物についてはメンバーの氏名等、入稿後の内容チェックの段階で念入りに最終確認が必要です。

5 納品・支払い

完成品が宅配便で届きました。プレス代、ジャスラックへの支払い、送料等を合わせたCD1枚当たりの制作コストは300円弱となりました。

 

JASRACへの申請

CDに収録する曲の著作物使用許諾を得るためジャスラックへの手続きが必要です。使用料金計算シミュレーションで概算を確認した後、上記のCDの盤面デザイン作業と並行して、次の手順許諾を得ました。利用者への案内サイトが分かりやすくて助かりました。

 

1 ジャスラックの作品検索データベース「J-WID」で、利用楽曲の権利関係を確認する。

2 オンラインライセンス窓口「J-RAPP」でアカウント登録し申し込む。

申し込んだ翌営業日にはメールで許諾番号とJASRACロゴマーク(同メールにダウンロードURL記載)が届きました。

3 指示図に沿ってCDの盤面とケース裏面に許諾番号・ロゴマークを記載する。

4 使用料金を支払う。

許諾番号通知後、2~3カ月で請求書と明細書が郵送されてきます。

 

録音物の制作について詳しくはこちらです。何事も経験、やってみたところ思っていたよりも簡単な作業で対応も早い印象を受けました。

 

今回は名刺代わりのものをと考えて制作しました。いずれ、しっかりした音質・バランスで録音し、購入してもらえるクオリティーの作品づくりに挑戦したいと思います。

2024年11月21日