[LIVE] Ron Carter Quartet 2026 1 18
1月18日、山形テルサホールで行われた RON CARTER QUARTET の公演に行ってきました。今回の来日ツアーはブルーノート東京から始まり、全国を巡ってこの山形が最終日。会場は満席で、開演前から独特の熱気が漂っていました。長年ジャズを聴き続けてきたファンから若い人まで、客層の幅広さも印象的でした。 この日はCDでしか聴いたことのなかったジミー・グリーンのテナーを“生”で体験できる日。そして、マイルス・デイヴィスの音楽に魅せられてジャズにのめり込んだ自分にとって、マイルス・バンドの中核を担ったロン・カーターを目の前で聴けるという記念すべき日でもありました。休憩なしの約90分間、聴き入りました。
セットリスト(山形テルサのサイトより)
595
Mr. Bow-Tie(Short ver.)
Little Waltz
Mr. Bow-Tie –Reprise–
Seven Steps to Heaven
My Funny Valentine
Saguaro
All Blues
You Are the Sunshine of My Life
You and the Night and the Music
今回のメンバーは、ロンと長年共演してきたリニー・ロスネス(p)、ペイトン・クロスリー(ds)、そしてニューヨークを代表するテナーの一人ジミー・グリーン(ts)。ライブアルバムFoursightと同メンバーで、このアルバムに収録されていた曲が中心の演奏でした。ステージが始まった瞬間から、4人の間に流れる“言葉を超えたコミュニケーション”が会場を包み込みました。
オープニングの「595」から、ジミー・グリーンの音色に完全に持っていかれました。音域全体を縦横無尽に使ったアドリブは、まさに現在のニューヨークのジャズシーンそのもの。 それでいて、音の芯には古き良き時代のテナーサックスの温もりが宿っていて、モダンと伝統が自然に同居するその表現力に圧倒されました。「Mr. Bow-Tie(Short ver.)」から「Little Waltz」、そして「Reprise」へと続く流れでは、ロンのベースが自然に次の曲へ橋渡しをし、ジミーのテナーがその上をしなやかに舞う。カルテットの呼吸がぴたりと揃います。
「Seven Steps to Heaven」マイルスに魅せられてジャズにのめり込んだ自分にとって、この曲をロンのベースで聴けるのは喜びです。ジミーのソロは現代ニューヨークの語法を駆使しながらも、どこか50年代のテナーマスターたちの影を感じさせる温かさが漂っていました。途中、ピアノとドラムが止まり、ロンとテナーだけが残る緊張感あふれる場面では、ホール全体が二人の音に支配され、再びバンドが合流する瞬間は鳥肌もの。「My Funny Valentine」では、リニーとロンのデュオが静かにホールを包み込み、深い余韻を残しました。
後半は「Saguaro」からロンが6拍子のリフを弾き始め「All Blues」へと流れ込む構成。マイルスゆかりの曲が続く幸福感の中で、ジミーのテナーが自由に舞い、リニーとペイトンが緻密に支える。カルテットの一体感が最高潮に達した時間でした。 「You Are the Sunshine of My Life」では、ロンの多彩なテクニックが次々と飛び出していたようです。うちの親父とほぼ同い年、88歳とは思えない集中力と表現力に、会場は息を呑んで聴き入っていました。
終演後、山形会場ファンの長いアンコールの拍手に応えてメンバーが再度ステージに現れました。残念ながらアンコール演奏はありませんでしたが、日本ツアーの最終日、山形テルサのお客さん達の思いが伝わったことと思います。
ブルーノート東京のサイトにも詳しいライブレポートが掲載されています。