[Transcription] 'S Wonderful by Michael Brecker

1985年録音,笠井紀美子のアルバム「My One And Only Love」で超絶クールな歌伴とソロを聴かせてくれるMicheal Breckerです。もう10年以上も前になりますが,ボーカルを入れたライブに向けて参考にしようと音を採ったものです。ドラムソロからボーカルが戻った後半に省略している部分もありまして,そのうちまた確認したいと思っています。

Transcription 'S Wonderful by Michael Brecker (PDF 譜面)

誰が主役か分からなくなるMichealの強力な演奏に圧倒されます。音を拾っても決して同じように演奏できるものではありませんが,背中を撫で上げられるような浮遊感をもたらす絶妙なアドリブラインはどの様に組み立てられているのか考えてみました。この解釈が的を得ているかは分かりません。

Micheal Breckerの1分間芸術と呼ばれる歌伴テナーソロの入りの部分です。青のマーカーはインライン,黄・赤とアウト感が強くなっているように聞こえます。71小節目でトニックのルートを低音でかました後,一般的なバップフレーズから入って,73小節目で軽快にコードトーンの繰り返しパターンを吹いた後,74小節目の後半で半音上にOutし,75小節目のオルタード系のラインに続きます。ここではb9,#11を表拍に持ってくることでアウト感が強調されているように聞こえます。77小節目ではマイナーコードの頭に4分音符でM3度をぶつけておいて,78小節目のコードトーンのラインを経て,CM7のルートに着地するという流れになっているようです。「ウッ!アレッ!」と感じさせておいてさら~と戻ってくる,ドから始まってドで終わるライン,絶妙な歌伴 Micheal Brecker です。

テナーソロの最後のフラジオから入るラインなど,全編Michealらしいカッコ良さです。

YouTubeに音源がありますので聴いてみてください。

2020年03月21日